海外保険に関するよくある質問 – 第13弾 –

お客様から実際に相談をお受けした海外保険に関して回答します。

質問

Q.香港在住者です。
会社で医療保険に加入していますが、いざ入院や手術となった際、どの程度治療費用を自己負担することになるのでしょうか?
香港は医療費が高額と聞いてますので心配です。

A.お勤めの会社が加入している保険内容によってさまざまですので、個人での手出しがどれだけ必要かという具体的な金額は、一概に幾らとはご回答できません。

こちらは、香港に来たばかりの方からよくお受けする質問ですね。

今回のご質問の回答は、はっきりとした金額はお答えできません。
それはご加入されている保険の保障内容を確認しないと判断できないからです。

もし、何も海外での医療に対する保険に加入していなかった場合は「全額自己負担」ということも有り得ます。

香港は日本とは異なる医療と医療保険事情があります。
詳しく解説しますので、参考にしてくださいね。

香港の医療事情について

まずご安心頂きたいのは、香港の医療水準は先進国と同様で、質の高い医療を受けられます。

香港の方の平均寿命は男女ともに世界一(日本とTop 争いをしています)です。
長寿の理由はいくつかありますが、医療の質の高さも長生きに関係していると思います。

医療機関は大きく分けると、

  • 政府による多くの専門科がある公立病院
  • 民間による多くの専門科がある私立病院や、小規模のクリニック

の2種類です。

さらに、香港では具合いが悪いとまずは、

  • かかりつけ医

にかかることが多いです。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

公立病院の特徴

香港には日本の健康保険のような公的の医療保険制度はありません。
そのかわりに、政府が運営している公立病院での診療は治療費が安いです。

<メリット>

  • 治療費が安い
    ※香港IDがある場合

旅行者が公立病院で治療を受けると、高額の医療費を請求される場合があります。

治療内容にもよりますが、一回当たり100HKD前後で診察可能です。

<デメリット>

  • 待ち時間が長い
  • 日本語が通じない

特によく聞くデメリットとしては基本的にサービスがそこまで良くない事でしょうか。

緊急でないと判断された場合、何時間も廊下で待たされます。
また、緊急でない手術も半年待ちが珍しくありません。

入院しても定期的な回診などがある訳ではなく、基本的に用事がなければ放置されます 笑

私立病院の特徴

<メリット>

  • 公立病院に比べて待ち時間は少ない
  • 日本語サービスを設けているところがある
  • 病院内がきれい

私立病院のメリットとしては、公立病院と比べると総合的にサービスがよいです。

予約が取れるので、公立病院に比べて待ち時間が少なくて済みます。

<デメリット>

  • 治療費用が高額〜超高額

デメリットは治療費が高額なことです。

香港の私立病院は自由診療のため、医者が治療費用を自由に決められます。

たとえば風邪で病院に行き、治療を受けた場合は1,000HKD前後(15,000円ほど)かかることも珍しくありません。
日帰り手術・入院でも100,000HKD以上(150万円ほど)かかるケースもよくあります。

手術費用は事前に確認できるため、ご自身の医療保険ではカバーできないと判断した場合、公立病院で治療を受けるために紹介状を書いてもらうことも可能です。

かかりつけ医

香港はもともとイギリス領でした。
欧米はかかりつけ医にかかる文化があり、香港もかかりつけ医に相談する流れが主流です。

香港ではまずは一般内科を受診します。
専門的な治療が必要と判断された場合のみ、専門医の紹介をしてもらうのが通常のシステムです。

日本だと症状に合わせてご自身で病院を選択し、診察を受けます。
たとえば肌荒れしたので皮膚科に行ったり、耳に異常があるので耳鼻科に行ったりしますよね。

香港生活が長くなる方はいつでも相談できるかかりつけ医を選んでおくとよいでしょう。

万が一の医療機関を診療する際は、香港の医療事情を理解した上でご利用いただくと安心です。

香港の医療保険について

先ほども解説したように、香港には日本の健康保険のような公的医療保険制度はありません。
医療費は基本的に全額自己負担です。

私立の病院にかかると100,000HKD以上かかるケースも珍しくないため、香港在住の方はだいたい民間の保険会社が販売している医療保険に加入しています。

また、会社員であれば民間の医療保険が福利厚生に含まれている場合が多いです。

海外旅行傷害保険の特徴

香港においては日系の損害保険会社が香港に住んでる駐在員向けに、医療保険をカバーする目的で販売してるケースがあります。

<メリット>

  • 限度額内であれば100%保証してくれる

限度額は加入する際に決めます。

<デメリット>

  • 180日ルールと呼ばれる規定がある
  • 引受年齢が65歳までであることが多い

180日ルールとは同一の怪我や病気にかかってから数えて、180日までしかこの保険でカバーしてくれません。

たとえばヘルニアにかかったとします。
ヘルニアにかかるとすぐに手術せず、経過観察するケースが多いです。

しかし、1年後に治療が必要になった場合は、海外旅行傷害保険では治療費をカバーしてくれません。つまり初回の診療から180日経過した同一の怪我や病気に対しては保険がおりないという事です。これはご存じない方も多いので大事なポイントですね。

また、引受年齢は65歳を上限にしているケースも見られます。つまり65歳を超えて新しく医療保険を探そうとしても、ほとんどの保険会社から断られる可能性が高いという事です。

65歳になる前から加入をして、保険を毎年更新していくことで見落としを防ぐことは出来ますが、現在は65歳以上の方でも再雇用で駐在されることもあるため、医療保険を下手に解約することがないように、キャリアプラン変更の際は、医療保険にも十分注意してください。

医療保険の特徴

医療保険の保障内容はピンキリです。

1回の治療費用限度額の上限が決められているものから、フルカバー(病院からの請求に全額支払う)してくれるものまでさまざまなものがあります。

今回のご質問にあったように、どれくらいの治療費用がかかるのかわからないのは,
医療保険の補償内容がピンキリだからです。

もし、ご自身に適した医療保険か分からないという方は、ご要望があればご希望の条件に合った保険を見つけられるようにアドバイスいたします。

また、現在加入している保険の内容を実はよく把握していないという方は、その医療補償内容についてはこういったものですよ、といった内容確認アドバイスも可能です。

ご質問やご不明点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
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日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。