「正貨」お金の中のお金 第一部
今回は、お金の中のお金といわれている『金Gold』について触れていきます。
『金Gold』の動きが導く世界の動きはどのようになっているのか。
また、実際に香港で『金貨』を購入する際に注意することや、メリット・デメリットをお伝えしていきます!
三部構成になっていますので、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
第一部は
- 『金Gold』について
- ペーパーゴールドと現物ゴールドのメリットとデメリット
などをご紹介します。
Contents
『金Gold』はどういった存在なのか?
『金Gold』の存在はお金の中のお金といわれています。
歴史を振り返ると、数千年も前から人々の共通価値として認識されており、世界共通の資産でもあります。
現在、私たちが認識しているお金といえば『紙幣』を想像される方が多いのではないでしょうか。
しかし、あくまでも紙幣は国の信用をもとに印刷された借用書のようなものなので、正貨とは呼ぶのは難しいでしょう。
※もちろん何を『正貨』とするかは時の権力者の影響力があるかと思いますので断定は出来ませんが。。。
正貨は借用書と異なり、金利は付きません。
一方の借用書というのは言わば「貸し借り」の世界ですので金利の授受が発生しますし、債券、株なども金利の受取や業績に応じた配当が付いてきますね。
資産運用を行っている人は、金を鉄壁の守り資産としてポートフォリオに組み入れる方も多いです。
紙幣や株式や債券などの発行体の信用ベースに取引されるペーパー資産の価値暴落時にリスク回避できる『実物資産』といえるでしょう。
国が発行する紙幣は信用によって成り立っています。
治安や政局が不安定になると、「この紙幣は大丈夫かな」と心配されることもあるでしょう。
もちろんそんな不安定な世の中にはなって欲しくはありません。
ですが、残念ながらそんな有事の際に唯一交渉材料として使えるのが『金』の最大のメリットといえます。
ペーパーGoldによって市場が急拡大している
金は希少な鉱物として価値が高いことで知られています。
ですが、金融世界の発達により現在は株や債券などと同じ現物を動かさずに取引を完結させる『ペーパーGold』が市場で購入できるようになってきました。
例えば海外のHSBCの口座を開設していれば、口座内の数字の移動でGoldがすぐに購入できます。
また、FX市場では金の価格変動でレバレッジ取引をすることも可能です。
ペーパーGoldは他にも
- 純金投資:田中貴金属や三菱マテリアルほか‥1,000円から投資可能
- 現物コイン、延べ棒:恒生銀行や田中貴金属、三菱マテリアルなどで購入可能
- ETF:金価格に連動した上場投資信託も複数あり
- 外国株:金に関連する企業の産金株式。BANNGと呼ばれています。
- 投資信託:積み立て可能な投資信託もあります。iShares Physical Goldなど
- 金先物投資:金を投資対象とした場合、下がる方にかけられる
などがあります。
このように、金に関連する投資方法はたくさんあることがおわかりいただけたかと思います。
ですが、もし初心者である場合は純金積み立てをドルコスト平均法によって、コツコツ買っていくのがおすすめです。
現物金 vs ペーパーGold それぞれの特徴とは
同じ金でも現物金とペーパーGold それぞれ特徴が異なりますが、どちらで投資や取引をするのが良いのでしょうか?
メリットとデメリットを見ていきましょう。
現物金Gold投資のメリット
- 金そのものを自分の手で保有できるため、有事の際には世界通貨として力を発揮する
- 鉱物なので、量自体に限りがあり無価値にはならない:オリンピックプール3杯〜4杯分と言われています。
- 世界共通の価値を持つため、発行体リスクがなく安心して保有できる
現物金Gold投資のデメリット
- 金地金などは見た目の大きさよりも重いので持ち運びに不向き:iPhone 10 の大きさで約1Kgほどの重量となります。結構重さがありますね。
- 金地金などは本体自身に価値があるため盗難リスクはとても高くなります。保管やセキュリティーに十分注意しなければなりません。(貸金庫に保管するなど)
- タングステンに金メッキを施した偽物もあるので、真偽の見極めは素人には難しい。信頼できるところから購入するとよい
- 金は鉱物のため、預貯金や株式などと異なり利息や配当は発生しません。
ペーパーGold投資のメリット
- 金関連のETFは上場している投資信託。株と同じく日々価格変動があるので、保有している実感を感じられる
- 純金積み立てなどは少額の1,000円程度から投資可能のため、ドルコスト平均法で積み立てが可能
- 金の先物取引は金の値下がりに投資して利益を得られる。その分、損失も大きいので注意
- 現物とは違い、盗難リスクはほとんどない
ペーパーGold投資のデメリット
- 金融商品としての色が濃いため、現物の裏付けがない金ETFの場合、発行体の信用リスクが発生する
- 金に投資しているとはいえ、本物の金に変えられるような商品はほとんどない
- 金ETFは現物投資と同じく分配金がない
- 純金積み立ては現物の裏付けがあるが、『消費寄託』や『混蔵寄託』などの保管方法によるリスクも考慮しなければならない
この『消費寄託』か『混蔵寄託』によってリスクが変わるため、確認しておくと安心です。
『消費寄託』は購入した金の所有権は購入先の運用会社にあります。運用会社が金の保管を行いますが、万が一倒産した場合は金が戻ってこないかもしれません。
一方の『混蔵寄託』は金の所有権は購入者側にあります。運用会社が倒産しても預けている金が戻ってこないことはありません。しかし、運用会社に預けている保管コストはかかります。
バーゼル3でペーパーGold終焉か
ペーパーGoldはさまざまな形をとり派生してきたのですが、ここにきて急ブレーキがかかるかもしれません。
それはバーゼル3によるものです。
バーゼル3とは世界各国の銀行の健全性確保のための国際ルール第3弾のことを指します。
今後、4~5年に渡ってバーゼル3を運用する動きがはじまっているようです。
バーゼル3が適応されるとペーパー上で取引していた金に裏付け資産の増強が必要になります。
つまり、各国の主要銀行がペーパーゴールドの取引をする場合のコストが激増するかもしれません。
今まで身近に感じられていたペーパーGoldに危機が迫っているようです。
この危機で現物金の価格はどうなるのか?ペーパーゴールドは本当に無くなっていくのか?
この続きは第二部でお話するので、楽しみにお待ちください。
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