【対談企画】台湾に移住する人必見!台湾の基本情報から生活、お金の面での情報まで徹底質問【後編】


いつも香港のお話を教えていただいている110グループの才田氏との対談の場に、今回は台湾で国際金融アドバイザーとして活躍されている宮本氏をお招きし、台湾移住に関する様々な情報を教えていただいています。

後編となる本記事では、香港移住の中でも、お金事情をメインに、台湾でのおすすめ資産運用や銀行口座開設、日常生活での決済手段などに関する情報をお届けします。台湾移住の準備に向けてぜひ参考にしてください。



台湾移住するなら資産運用は必須


資産の自己防衛が大事

高林:「台湾でも公的年金だけでは老後生活を送るのは難しいというお話をいただきましたが、資産の自己防衛としてやはり自分たちで運用をしたり、蓄えたりしていくことが大切だなとあらためて思いました。台湾に移住される方や移住を検討される方に向けて、台湾での資産運用としておすすめの方法や注意点などがあればぜひ教えていただきたいです。」

宮本:「資産運用と年金はつながる部分があります。先ほど年金のお話をした際、お話ししませんでしたが日本の厚生年金は実はものすごく素晴らしい制度なんです。世間では年収の壁とかいろいろ言って、まるで悪者のように言われることもありますが、厚生年金は本当に良い制度だと思います。何が良いかというと、ひとつは保険料が天引きされる点ですね。天引きを嫌がる人も多いですが、人間は弱い生き物ですので、実は(自分でしようと思っても)ほとんどの人は貯められません。天引きしてもらえるからこそできるものであって、それを国の制度としてやってくれるのは素晴らしいことだと思っています。それと運用の規模が個人とは違いますよね。素人ではできない巨額のお金を運用してくれています。そして、何よりすごいことですが、会社が保険料を半分払ってくれているんですよね。ですので、多くの人が思っている以上に厚生年金としてお金が貯まっているんですよね。この素晴らしさを国が国民にアピールしていないのは、私としてはすごく残念に思っていて、もっと伝えるべきだと思っています。

そのうえで、厚生年金に加入していた人が台湾とか、海外に移住することでどうなるかというと、この貴重な厚生年金がなくなってしまうんですよね。それって大きな資産を失うのと同じことなんです。だからこそ、海外に出る人は自分で何かをやらないといけないんです。国が強制的にやってくれなくなりますから。このことをまず意識として持ち、自分でやると決めていただきたいです。では海外で何ができるかというと、法律によるルールやしがらみによって日本ではできなかった海外の金融商品や運用制度などを利用できるようになります。日本にいながら海外の投資ができる商品もありますが、海外で直接やることによってコスト削減ができます。日本は手数料や中間コストが高いものがたくさんありますので、同じことをやっても結果が違ってきます。それが海外で資産運用をするメリットのひとつですね。

台湾でやるとすれば、まず簡単にできるものとして外貨預金があります。日本にも米ドル建て預金など外貨預金がありますが、台湾は日本より手数料が安いですし、優遇制度も多々あります。金利も台湾のほうが高めですね。ただ、金利は4~5%で良いとしても物価上昇率がそれ以上に高いので、実際にはそれだけで良いかといえばそうではない部分もあります。」

才田:「日本の厚生年金制度が良くできているというのは、私も思います。ただ、海外に出るとそれを続けられる人と続けられない人がいて、さらに台湾では最低でも入らないといけないものがあるようですが、香港では何もありません。会社と個人で毎月支払う年金的なものはありますが、インフレ率の高い香港で将来65歳から30年間そのお金だけで生きていけるかといったら絶対無理ですね。家賃すら支払えない状況になるのではないかと思います。そういった点では台湾でも香港でも、現役で元気なうちに何かお金に動いてもらうものを自分が利用するというのが大切だと思います。社会全体で守るというのが厚生年金の仕掛けですが、海外ではその仕掛けを利用するのは難しいので、海外に一歩を踏み出す場合にはそのことを大きなテーマとして持っておくことが大切ではないかと思っています。

日本人移住者におすすめ資産運用法


高林:「宮本さんに再びお聞きしたいのですが、110グループが取り扱っている貯蓄型保険を含め、台湾でできる資産運用の種類や方法をお伺いしたいです。」

宮本:「台湾では株式投資をしている人が多いです。若い人からお年寄りまで株が大好きで、電車のなかでも皆さんスマートフォンで株式のチャートを見ながらニコニコしたり、渋い顔をしたりしている人たちをよく見ます。ただ、台湾で言葉がわからない日本人がそれをやるかというと難しいと思います。株式投資をやるなら日本で、日本語でやるといいと思います。敢えて台湾で、日本人がやりやすいものということで言うと、例えば銀行が紹介してくれる物として、優遇金利の付いた短期の定期預金があります。簡単ですし、日本人移住者にもやりやすいと思います。あとは貯蓄型保険ですね。貯蓄型保険にも大きく3つありまして、「現地通貨(台湾元)建ての保険商品」と「外貨建ての保険商品」、外貨建てでは米ドル建てが一番多いです。米ドル建ては台湾元建てよりも金利も高いですし、2年ぐらいで元本越えして、それ以降は増えていきますので日本の方にもやりやすいと思います。あとひとつは「投資信託」のようなものですね。日本のNISAやiDeCoに似たようなものが台湾にもありますので、利用しやすいと思います。」

高林:「以前、才田さんとの対談のなかで、最後にお金をどこで使うかという出口のお話をしていただいたのですが、台湾では出口によって資産運用のやり方が変わってくるのでしょうか。」

宮本:「その方が貯めたり増やしたりしたお金をどこで使うかを考えておくことは必要ですが、まず台湾に移住すると台湾の銀行で口座を作りますよね。その口座で貯めたお金を日本でセブンイレブンやローソンなんかにあるATMでお金を引き出せるんです。ですので、お金を取り出すという意味ではとくに問題はないと思います。日本に戻ってしまうということになれば台湾にあるお金を日本に戻す必要があります。日本から海外へ海外送金するのは面倒だったりできなかったりすることもあるのですが、台湾から日本への海外送金は簡単にできますので、それも問題ないと思います。」

才田:「私もこれまで何度か『できれば海外に出てみるのが良い』というようなお話をさせていただいたことがありますが、それでも最終的には日本に戻るという方も一定数いらっしゃるんですね。そういう点では、先ほど不動産のお話も出ましたが、日本に持って帰れない資産ではなく、日本に持って帰りやすい、移動させやすい資産をいくつか持っておくのが良いと思います。自分が貯めたお金を自分で使いたいというのはもちろんですが、やっぱり一緒に生活をしている家族、自分が大切にしている人に資金が確実に渡るようにしておくのがいいかなという気がしています。」

台湾の銀行口座開設

高林:「台湾に移住されてまず銀行口座の開設をするというお話でしたが、銀行の選び方や開設時の注意点などはありますか。」

宮本:「香港だと非居住者であっても口座開設できるようですが、台湾で口座開設するためには、まず居住者でなければできません。それが前提になりますが、口座開設は比較的簡単にできます。ただ、居住証明は必要です。通常は皆、居住証というものを持っていますが、居住証を提出する必要があります。外国人はパスポートも求められますね。手続きも簡単で、当日中に口座開設もでき、キャッシュカードも受け取れます。日本の感覚とあまり変わりません。

どの銀行が良いかですが、台湾は銀行の数も多いのですが、日本でいう都市銀行というか、一般的に看板をよく見かける銀行だと利便性もいいし安心だと思います。会社にお勤めの場合は、振込手数料などの都合もあって一般的には会社が銀行名を指定してきますので、指定された銀行で作ることになると思います。」

才田:「宮本さんが仰ったように、香港では非居住者でも口座を作れる可能性があります。利便性の面でも最近はアプリでいろんなことができるようになっています。日本の口座があればいいという考え方もありますが、日本の銀行だと海外送金がすごく面倒ですし、逆に海外のお金を日本に持ち込むといったことも考えると、台湾から2時間ぐらいで来られる香港にも口座を開設しておくというような発想に広げていただくのもいいですね。そうすればどこの銀行口座であってもおおむね維持したまま移動もできますし、将来の選択肢も広げられるのかなと思います。せっかく海外に出られるのであればいろいろな可能性を見ていくのがいいのではないかという気がします。」

台湾の決済手段

高林:「この対談を通して、これから2国間の活用などといった上級編の話も展開していけるかもしれませんね。あと、決済手段についてもお伺いしたいのですが、キャッシュレスとか現金決済とか、台湾はどのような感じでしょうか。」

宮本:「生活のなかでの決済手段はキャッシュレス、とくにタッチ決済が進んできています。タッチ決済は日本のSuicaのようなカード決済とLineペイのようなスマホ決済、あともうひとつありますが、大きくはこの3種で、日本のようにたくさんの○○ペイがあるわけではありません。中国大陸ではもうほとんど現金を使わないと聞いていますが、台湾ではそんなことはありません。現金も使えますし、ピッ、ピッとキャッシュレス決済も皆さんやっていますね。もちろん、クレジットカードも使えます。」

子連れで移住の場合に必須の台湾の教育事情


台湾でどのタイプの学校に入れるか

高林:「駐在の方など、お子様連れで移住される方もいると思いますが、お子様の幼稚園や学校は皆さん、どのような選択をされているのか気になる方も多いと思います。お子様連れで台湾に来られる場合の教育事情などを教えていただきたいです。」

宮本:「大きく分けると3つあります。駐在の方はほとんどの場合、日本人学校に入れられています。台湾では現在、小学校と中学校があり、台北には1校あります。台中と高雄にもあります。

もうひとつはインターナショナルスクールですね。台湾には結構数も多くありまして、アメリカ系、ヨーロッパ系が多く、そういうところにお子様を入れている日本人の方もいらっしゃいます。インターナショナルスクールに入れる方は、どちらかというと駐在員よりこちらで事業をやられている方が多いですが。あと、どう表現すればいいのかわからないのですが、学校でありながら勉強だけではなく、人生教育のようなことも教える学校もあって、そういうところに入れている日本の方もいらっしゃいました。

あとは、現地、台湾の公立学校にお子様を入れる方も私の周りには結構いらっしゃいます。それが、現地採用や事業をされている方ではなく、駐在で来られているのに台湾の公立学校に入れているという方にも何人かお会いしています。」

高林:「駐在で来られて現地の学校に入れられるというのは、何か狙いや意図のようなものがあるのでしょうか。」

宮本:「私も理由をお聞きしたいのですが、せっかく台湾に来たし、国際色を養えていいのではないか、ということでした。お子さんは小学1年で入学して4ヵ月ぐらいでペラペラになっているそうで、家庭でも中国語を使い出したなんて言われていました。ただ、駐在で行く親にとっては大変ですよね。中国語がペラペラというわけではないですけど、PTAとか学校とのやりとりとかたくさんありますよね。それは全部中国語なので、一番親が大変ですよね。」

才田:「私もよく耳にしますが、(駐在員の)旦那さんは仕事で必要なので中国語や英語を話せる人が多いですが、幼稚園を選んだり、学校やPTAとのやりとりをしたりというのはお母さんが動くわけですよね。奥さんは学校の対応が大変と言いますが、旦那さんは奥さんの対応が大変とかって聞きますね。まあ、どこかでそれぞれパワーは要りますね。子どもにチャレンジングなことをしてもらおうと思えば思うほど、親もしっかりチャレンジできる器量は要るなとお話をお聞きして感じました。それでも、文化の違いの体験は今しかできないことかもしれませんし、せっかくですので親の頑張り様次第かなとも思いながらお聞きしていました。」

宮本:「あと、結果的に奥さんのほうが言語レベルは上がっていくという話も聞きますね。会社の通訳が付きませんからね。」

才田:「ママ友との交流のなかで使う単語をキャッチしていきますからね。」

子どもの言語教育は

高林:「言語のところでお聞きしたいのですが、英語や中国語を学ばせたいとか将来のポテンシャルを加味して選ばれる方もいるのではないかと思うのですが、台湾にお住まいの日本人の皆さんはどのように考えられているかご存じでしょうか。あと、日常生活の言語についてもお伺いしたいです。」

宮本:「せっかく中国語圏に来たから中国語を学ばせたいという方もいらっしゃいますし、国際色豊かになってもらいたくて英語系のアメリカンスクールやヨーロッパ系のインターナショナルスクールとかに入れる方もいらっしゃいます。比率としてどちらが多いかはかわかりませんが、せっかく海外に来たので海外の学校に入れたいという親御さんは多いですね。

日常生活の言語は、台湾では当然中国語です。ただ、中国語でも台湾語というのもあるんです。こちらでは台湾語を使っている年配の方がたくさんいらっしゃいます。私と同年代の方でも、とくに南の方に行くと台湾語を使う方がいます。私もよくハイキングや山登りに行くのですが、挨拶をすると台湾語で喋られたりします。台湾語はわからないので中国語でお願いしますって言いますが。ですので、世代によりますが、日常では中国語と台湾語を両方使う感じですね。日常生活のなかで英語を使うことはないです。では、旅行者や移住者などはどうするかというと、日本よりは英語を使える方は圧倒的に多いので安心かと思います。」

高林:「日本語ができる方も多いのでしょうか。」

宮本:「日本統治時代が1945年までの50年間ありましたので、80代以上の方は結構流暢に日本語を話す方が多いです。台湾の老人ホームのようなところに行くと、普通に日本語を話されている老人の方々もいらっしゃいます。ただ、時代の経過とともに流暢な日本語を話される方は減ってきていますが、第二外国語で日本語を選択したり、日本が好きで片言の日本語を話す方はたくさんいます。こちらが日本人だとわかれば日本語で話しかけてくる人が多いです。あとは、日本人がよく行く様なお店には日本語を話せるスタッフがたくさんいますので、言葉の心配をする必要はほぼないと思います。」

才田:「アニメの影響も大きいですよね。日本に留学したこともないのにアニメで覚えたと言って、アニメキャラ的な日本語を話す人もいますね。」

宮本:「かなり大きいですね。」

高林:「私の知り合いにもアニメで日本語を覚えたという方はいますね。」

海外移住希望者にひと言


高林:「最後にお二人に締めの言葉をお願いします。」

才田:「まずは私から。私が宮本さんと一緒に台湾での立ち上げの仕事をしていたときに、香港と大きく違うなと思ったのが人を雇う時のことですね。例えば、香港では人を雇おうとすると必ず交通費を要求されますが、台湾は昼食代なんですよね。台湾にはそれぐらい食の深さがあり、食べることを大切にしていますよね。韓国同様、台湾は日本から一番近い海外の国ですが、こんなに日本に近いところに、こんなに日本のことを好きに思っている国があるということに気づいていただけると思います。資産運用云々の話もありますが、まずは一歩海外に出てみて、そのなかで感じること、できることをひとつずつ順番に学んでいければいいということを今回の対談のなかで知っていただけたと思います。まずは今回の情報を旅行などで楽しむためにも活用していただければいいかなと思っています。またどこかでお会いできればいいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。」

宮本:「冒頭の気候のお話のなかでひとつお伝えし忘れたのですが、台湾には杉がないので花粉症の方にはすごく喜ばれます。飛行機で降り立った瞬間に全然違うそうです。私は花粉症がないので感じないのですが、花粉症の方は皆さん、台湾は天国だって仰います。

先ほど、才田さんが海外に出て日本の良さがわかると言われましたが、まさしくそのとおりだと思います。とくに今、日本のニュースを見ると年金の話題がよく出ますが、それを見ると『日本人はわがままな国民』なんて感じます。税金などは政治家にもっと頑張ってもらって無駄のないように効率的に使ってもらわないといけませんが、年金に関しては別です。年金はパイが決まっていますし、ある程度の運用も決まっています。たくさんもらいたいけど払うのは嫌という人もいますが、それはないですよね。もともとパイが決まっているのでたくさんもらいたければたくさん払う必要もある、払いたくなければたくさんもらえません。海外にいるとそういったこともわがまま的に感じます。台湾に移住すると、ある意味、良い面、悪い面の両方がありますが、そのわがままから解き放たれますよね。上手に自分でやれば海外でお金を増やすことはできると思います。そういったところに目をつけていっていただきたいです。」

高林:「海外移住に関する対談をさせていただくと、あらためて日本の良さを意識できるなと私も感じます。宮本さん、才田さん、本日はどうもありがとうございました。」

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
日本・海外で累計2,000名以上のお客様の資産運用をサポート。
香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。
日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。