【2025】海外移住前にやるべきお金の手続き完全リスト|知らないと損する証券口座・保険・年金の落とし穴

海外移住や長期赴任を前に、期待に胸を膨らませる一方、「お金の手続き、何から手をつければ…?」と不安になっていませんか?実は、住民票を抜く前にやっておくべき手続きを怠ると、日本の証券口座が凍結されたり、NISAの非課税メリットを失ったり、将来もらえるはずの年金が減ってしまうなど、後からでは取り返しのつかない「損」をする可能性があります。
本記事を読めば、海外移住前に必須のお金の手続きがチェックリスト形式で全てわかります。証券口座、NISA、iDeCo、生命保険、そして年金まで、あなたが「出国前に何をすべきか」が明確になり、不安なく海外生活をスタートできます。海外在住者専門のFPである筆者が、最新情報を基に、どこよりも詳しく解説します。未来の自分のために、万全の準備を始めましょう。
Contents
- 1 なぜ海外移住前に「お金の手続き」が必須なのか?放置する3つの大損リスク
- 2 【出国前チェックリスト】海外移住で損しないためのお金の手続き完全版
- 3 【専門家の視点】海外移住前に多くの人が見落とす「お金の落とし穴」
- 4 海外移住前のお金の手続きに関するよくある質問(FAQ)
- 5 「行ってきます」の前に、お金の準備は万全に
- 6 グローバルな保障設計と資産運用は、110(ワンテン)グループへ
なぜ海外移住前に「お金の手続き」が必須なのか?放置する3つの大損リスク

リスク①:資産の塩漬け化(証券口座・銀行口座の機能停止)
日本の金融機関が提供するサービスの多くは、法律や税制上の理由から「国内居住者」を対象としています。そのため、住民票を抜いて海外へ転出すると「非居住者」とみなされ、これまで利用できていたサービスが大幅に制限されます。特に影響が大きいのが証券口座です。
多くの証券会社では、非居住者になると新規の買い付けができなくなるだけでなく、保有資産の売却すらできなくなる場合があります。これは、せっかく築いた資産が「塩漬け」になり、必要な時にお金を引き出せなくなることを意味します。
リスク②:税制優遇の喪失(NISA・iDeCoが使えなくなる)
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)は、日本に住んでいるからこそ受けられる強力な税制優遇制度です。しかし、非居住者になると、これらの制度は原則として利用できなくなります。NISA口座では新規の投資ができなくなり、iDeCoも掛金の拠出が停止されます。
出国前に適切な手続きを行わないと、非課税の恩恵をみすみす手放すことになり、長期的に見れば数百万円単位の機会損失につながる可能性も。海外での高収入を期待していても、足元の有利な制度を失っては元も子もありません。
リスク③:想定外の税金(出国税・相続税・贈与税の問題)
「海外に行くのだから日本の税金は関係ない」というのは大きな誤解です。一定以上の金融資産を持つ人が海外へ転出する際には「出国税(国外転出時課税)」という税金がかかる場合があります。これを知らずに出国すると、後から多額の納税義務が発生し、ペナルティを課されるリスクがあります。
また、海外に住んでいても、日本の親族からの相続や贈与には日本の税法が関わってきます。出国前に税務上の手続きを怠ると、将来、あなたやあなたの家族が想定外の税金に悩まされることになるのです。
【出国前チェックリスト】海外移住で損しないためのお金の手続き完全版

カテゴリー①:証券口座(NISA・iDeCo含む)の手続き
原則は口座閉鎖?継続できる証券会社と条件
【やるべきこと】 お使いの証券会社に連絡し、「海外転出(非居住者)になる」旨を届け出ましょう。その上で、口座を継続できるか、閉鎖が必要かを確認しましょう。
多くのネット証券(SBI証券、楽天証券など)では、非居住者になると口座の維持はできても、新規買付などの取引が大幅に制限されます。一部の対面証券や、特定の条件下では取引を継続できる場合もありますが、原則として「取引はできなくなる」と考えておくべきです。出国前に保有資産をどうするか(売却する、継続保有する、他社に移管する)の判断が必須です。
NISA口座はどうなる?出国前に売却すべきか、継続保有か
【やるべきこと】 証券会社への海外転出届と同時に、「継続適用届出書」を提出することで、NISA口座内の資産を最長5年間、非課税で保有し続けることが可能です。
ただし、非居住者期間中はNISA口座での新規買付は一切できません。また、5年の期限が到来した資産は課税口座に移されます。もし海外滞在が5年を超える予定であれば、出国前に一度売却して利益を確定させるのも有力な選択肢です。ご自身の海外滞在期間と、保有銘柄の状況を鑑みて判断しましょう。
iDeCoの掛金停止と運用指図者への変更手続き
【やるべきこと】 iDeCoに加入している金融機関に連絡し、「加入者資格喪失届」を提出します。これにより、掛金の拠出が停止され、これまでの資産を運用だけする「運用指図者」に切り替わります。
海外転出により国民年金の被保険者資格を喪失するため、iDeCoの掛金拠出はできなくなります。しかし、これまで積み立てた資産がなくなるわけではありません。運用指図者として、海外にいる間もスイッチング(商品の預け替え)などで資産の運用を継続することが可能です。
カテゴリー②:銀行口座・クレジットカードの手続き
メインバンクは非居住者向けサービスがある銀行へ
【やるべきこと】 給与振込や公共料金の支払いに使っているメインバンクが、非居住者に対応しているか確認してください。対応していない場合は、ソニー銀行やSMBC信託銀行プレスティアなど、海外居住者向けサービスが充実している銀行に口座を開設し、資金を移しておくことを強く推奨します。
メガバンクを含む多くの銀行は、非居住者に対して口座解約を求めたり、機能を大幅に制限したりします。いざという時に日本の口座が使えないと非常に不便です。出国前に、海外からの送金受け取りや国内での支払いがスムーズにできる口座を確保しておくことが重要です。
クレジットカードは住所変更だけでOK?
【やるべきこと】 カード会社に連絡し、海外の住所へ変更手続きを行います。
多くのクレジットカードは海外でも問題なく利用でき、住所変更だけで手続きは完了します。ただし、カードの更新時に海外へ発送してくれない会社もあるため、事前に確認が必要です。また、海外利用でポイントが貯まりやすいカードや、海外旅行保険が充実しているカードに出国前に切り替えておくのも賢い選択です。
カテゴリー③:生命保険・医療保険の見直し
海外でも保障は続く?保険会社への確認と手続き
【やるべきこと】 加入している全ての保険会社に連絡し、海外に居住した場合でも保障が継続されるか、また保険金請求の手続きはどうなるかを確認してください。
死亡保険などは継続できることが多いですが、医療保険やがん保険は「日本国内での治療」を前提としている商品が多く、海外での治療は保障対象外となるケースがほとんどです。保障内容を正確に把握し、不要であれば解約や減額を検討しましょう。
海外では日本の医療保険は不要?見直しの判断基準
海外では現地の医療保険や、海外旅行保険の長期プランに加入するのが一般的です。そのため、日本の医療保険は「一時帰国時に治療を受ける場合」や「帰国後の備え」としての意味合いが強くなります。海外での保障が期待できないのであれば、保険料の負担を減らすために解約するのも合理的な判断です。ただし、一度解約すると、帰国後に健康状態によっては再加入できないリスクもあるため、ご自身の年齢や健康状態、将来の帰国予定などを総合的に考慮して判断してください。
カテゴリー④:年金の手続き
国民年金の任意加入はすべきか?メリット・デメリット
【やるべきこと】 市区町村の役所で、国民年金の「任意加入」手続きを検討します。
海外に転出すると国民年金の加入義務はなくなりますが、任意で加入を継続できます。メリットは、将来もらえる老齢基礎年金の額を減らさずに済むこと。デメリットは、当然ながら保険料の負担が続くことです。将来の年金額と現在のキャッシュフローを天秤にかけ、特に永住予定でなければ、加入を継続するメリットは大きいと言えるでしょう。
将来の年金を海外で受け取るための準備
【やるべきこと】 年金事務所で、将来年金を海外の銀行口座で受け取るための手続きについて確認しておきましょう。
日本の年金は、海外に住んでいても受け取ることが可能です。多くの国では、現地の銀行口座で現地通貨建てで受け取ることができます。いざ受給開始年齢になった時に慌てないよう、どのような手続きが必要になるのか、出国前に一度確認しておくと安心です。
カテゴリー⑤:税金の手続き
出国税(国外転出時課税)の対象者と申告方法
【やるべきこと】 出国時の有価証券などの「時価」が1億円以上ある方は、税務署または税理士に相談してください。
出国税は、株式や投資信託などの金融資産の含み益に対して、出国時に所得税が課される制度です。対象となる可能性がある方は、出国前に納税額を把握し、納税資金を準備しておく必要があります。申告漏れは重いペナルティにつながるため、必ず専門家に相談してください。
出国年の確定申告と納税管理人の選任
【やるべきこと】 日本国内の親族などに「納税管理人」を依頼し、税務署に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出します。
年の途中で出国する場合、1月1日から出国日までの所得について、翌年に確定申告(準確定申告)を行う必要があります。この手続きを本人に代わって行ってもらうのが納税管理人です。出国前に依頼先を決め、手続きを済ませておきましょう。
【専門家の視点】海外移住前に多くの人が見落とす「お金の落とし穴」

落とし穴①:日本の信用情報(クレジットヒストリー)の断絶
海外生活が長くなると、日本の金融機関との取引履歴が途絶えがちです。特に、クレジットカードを解約したり、ローン返済の実績がなくなったりすると、将来日本に帰国した際に、あなたの「信用情報(クレジットヒストリー)」が真っ白な状態(スーパーホワイト)になっていることがあります。
これにより、帰国後いざ住宅ローンを組もうとしたり、新しいクレジットカードを作ろうとしたりする際に、審査に通りにくくなるという問題が発生します。年会費無料のクレジットカードを1枚維持するなど、日本との金融取引の接点を細く長く保っておく意識が重要です。
落とし穴②:国際相続・贈与の準備不足
ご自身が海外に住んでいると、日本にいる親の相続について、どうしても情報が不足しがちです。しかし、あなたが海外に住んでいても、親が日本に住んでいれば、その相続財産には日本の相続税が適用されます。いざ相続が発生した際に、海外から遺産分割協議に参加したり、納税手続きを進めたりするのは非常に煩雑です。
また、海外に住むあなたへ親が資金援助として送金した場合、日本の贈与税の対象となる可能性があります。出国前に、親族間で相続や贈与について一度話し合い、専門家に相談しておくことが、将来のトラブルを防ぎます。
落とし穴③:為替リスクに対する無防備さ
海外で外貨収入を得るようになると、日本円との為替レートの変動が資産価値に直接影響します。例えば、「1ドル=150円」の時に得た給与と、「1ドル=100円」の時に得た給与では、円換算した価値が全く異なります。
将来日本に帰国する予定があるなら、資産をすべて外貨で持つのではなく、収入の一部を定期的に日本円に換えて送金するなど、資産の通貨を分散させる「為替リスク管理」の視点が不可欠です。円安だからと外貨のまま持ち続けるのではなく、計画的に円資産も確保しておく戦略が求められます。
海外移住前のお金の手続きに関するよくある質問(FAQ)

Q. 住民票を抜くベストなタイミングはいつですか?
A. 出国の14日前から届け出が可能です。ただし、金融機関の手続きなどが出国直前になる場合、住民票やマイナンバーカードが必要になることがあります。すべての手続きが完了する見込みが立ってから、出国直前に届け出るのが安全です。
Q. マイナンバーカードはどうすれば良いですか?返納するのですか?
A. 住民票を抜くとマイナンバーカードは一度失効しますが、カード自体は返納する必要はありません。カードには「国外転出により返納」と記載され、本人確認書類としては使えなくなりますが、将来帰国して再度住民票を入れる際に、同じ番号で再有効化できます。
Q. 非居住者でも利用できる日本のネット銀行はありますか?
A. はい、一部のネット銀行や信託銀行では、非居住者向けのサービスを提供しています。例えば、ソニー銀行やSMBC信託銀行プレスティアなどは、海外送金の受け取りや国内での支払いに利用できるため、口座を維持または新規開設しておくと非常に便利です。
Q. 出国前に日本の不動産を売却すべきですか?
A. 非居住者が日本国内の不動産を売却すると、所得税として10.21%が源泉徴収されるなど、税務手続きが複雑になります。また、帰国後の居住場所がなくなるリスクもあります。賃貸に出して家賃収入を得る選択肢も含め、FPや税理士、不動産会社に相談の上、慎重に判断すべきです。
「行ってきます」の前に、お金の準備は万全に

本記事では、海外移住という大きな一歩を踏み出す前に、必ず済ませておくべきお金の手続きを網羅的に解説しました。証券口座の整理、NISAの扱い、保険の見直し、年金の手続きなど、やるべきことは多岐にわたります。これらを面倒だと後回しにすると、将来的に大きな金銭的損失を被る可能性があります。
海外での新しい生活を心から楽しむためにも、日本にいる間にしかできない手続きは、確実に見通しを立てておきましょう。もしかしたら、居住者・非居住者の“いいとこ取り”のダブルスタンダードで、ルール通りの手続きをすることなく海外生活を始めている方も少なくないと思います。
できていることとルールの間でお悩みの場合は、ご相談ください。では本記事のチェックリストが、あなたの不安を解消し、スムーズな門出を迎えるための一助となれば幸いです。準備を万全に整え、素晴らしい海外生活をスタートさせてください。
免責事項
本記事に記載されている情報は、2025年10月時点の法令や情報に基づいています。金融機関や保険会社の方針、税制は変更される可能性があります。実際の手続きにあたっては、必ず各金融機関や専門家(税理士など)にご確認ください。
グローバルな保障設計と資産運用は、110(ワンテン)グループへ

「110 Financial Support」では、海外在住者や海外移住を検討されている方の資産運用をサポートをしています。海外での資産運用では、資金シミュレーションはもちろん、税務知識の専門性や海外現地の情勢、物価上昇や想定外の出費など、多岐にわたる要因を考慮することが必要です。
- ・駐在国で、どのように資産運用すべきか、方法がわからない
- ・駐在から現地転職や現地起業に変わった場合の保障や資産運用を相談したい
- ・海外での資産運用事情や、老後資金の準備について詳しく知りたい
といったお困りごとがあれば、日本人サポート実績20年以上の「110 Financial Support」までご相談ください。海外在住者や海外移住N-2年前のご準備段階の方も、あなたの資産運用状況を踏まえ、最適な資産運用プランづくり・適正化のサポートをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
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