マレーシア移住とMM2Hビザを徹底解説【2026年最新版】

監修者情報

INSURANCE 110 Director 才田 弘一郎

日本・海外で累計2,000名以上のお客様の資産運用をサポート。香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険や
オフショア商品の事情に精通。日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。

マレーシア移住で人気のMM2Hビザを、2026年時点の最新情報に基づいて徹底解説。シルバー・ゴールド・プラチナ・SEZ/SFZの違い、税制上のポイント、資産運用戦略まで専門家がわかりやすく整理しました。

「老後はマレーシアで暮らしたい」「海外移住で資産を守りたい」——そう考える日本人が増えています。本記事では、マレーシアの長期滞在ビザ「MM2H」の2026年最新条件から、移住後の資産運用戦略、出口戦略まで、海外資産運用の専門家が網羅的に解説します。累計2,000名以上の海外在住日本人をサポートしてきた110 Financial Supportの知見をもとにお届けします。

この記事でわかること

  • ・MM2Hビザの2026年最新条件(シルバー・ゴールド・プラチナ・SEZ/SFZの4カテゴリー比較)
  • ・マレーシア移住で活用できる税制メリットと資産運用の具体的な選択肢
  • ・MM2H取得後の出口戦略と日本帰国時に知っておくべき税務リスク

Contents

なぜ今マレーシア移住が注目されるのか

日本人移住先として15年連続人気No.1の理由

マレーシアは、一般財団法人ロングステイ財団の調査で「日本人が住みたい国」として15年連続No.1に選ばれた実績を持つ国です。その理由は、単に物価が安いだけではありません。

英語が広く通じる多民族国家であること、年間を通じて温暖な気候、日本との時差がわずか1時間、そして首都クアラルンプール(KL)には日本人コミュニティが充実していることなど、生活インフラの面でも日本人にとって暮らしやすい環境が整っています。

さらに、資産運用の観点で見ると、マレーシアには相続税・贈与税が存在しないという大きな特徴があります。日本では最大55%にもなる相続税が、マレーシアではゼロ。この税制上の優位性が、資産保全を考える富裕層や退職後の生活設計を見据えたシニア層にとって、マレーシア移住を検討する強い動機になっています。

2024年の制度改定で変わったMM2Hの全体像

MM2H(Malaysia My Second Home)は、マレーシア政府が外国人の長期滞在を促進するために設けたビザプログラムです。現行制度では、Platinum・Gold・Silver・SEZ/SFZの4カテゴリーが設けられています。2002年の開始以降、その取得しやすさから多くの日本人に利用されてきました。

しかし、2021年に条件が大幅に引き上げられ、申請者数は激減。その後、マレーシア政府は制度の見直しを進め、2024年6月に大幅な改定を実施しました。従来の一律条件から「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の3段階制に変更され、SEZ/SFZカテゴリーも加わりました。さらに2024年9月にはForest City Special Financial Zone(SFZ)が発表され、2025年にはジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)の一部としてSEZ MM2Hも新設。いずれもジョホール州のForest Cityを対象とした制度で、金融・資産管理向けの優遇税制が特徴です。

項目旧MM2H(2021年〜2024年5月)新MM2H(2024年6月〜)
カテゴリー実質1制度(年齢区分あり)シルバー・ゴールド・プラチナの3段階+SEZ/SFZ
定期預金100万RM(約3,400万円)USD3.2万〜100万(カテゴリーによる)
月収要件4万RM/月廃止(定期預金と不動産購入が中心)
不動産購入任意必須(カテゴリーにより金額が異なる)
年齢制限35歳以上25歳以上(SEZ/SFZは21歳以上)
有効期間5年(更新制)5〜20年(カテゴリーによる)

この改定により、以前よりも多様な資産規模の申請者に門戸が開かれた一方で、不動産購入が必須になるなど、新たな資金計画が求められるようになりました。

【2026年最新】MM2Hビザ4カテゴリーの条件を徹底比較

2026年3月現在、MM2Hビザには4つのカテゴリーがあります。それぞれの条件と特徴を詳しく見ていきましょう。

シルバー(5年)— 最もハードルが低い入り口

シルバーは、MM2Hの中で最も取得しやすいカテゴリーです。定期預金USD150,000と、RM600,000以上の不動産購入が条件となります。

ただし注意すべき点があります。シルバーで購入した不動産は10年間売却不可という制約が付きます。また、有効期間は5年で更新制のため、長期的な移住計画がある場合はゴールド以上を検討する価値があります。

50歳未満の場合は年間90日以上のマレーシア滞在義務があるため、日本と行き来しながら生活する「デュアルライフ」を想定している方は、滞在日数の管理が必要です。なお、50歳以上の方は滞在義務が免除されるため、リタイアメント移住では比較的柔軟に利用できます。

ゴールド(15年)— 長期滞在の本命

ゴールドは定期預金USD500,000、不動産購入RM1,000,000以上が条件です。有効期間は15年と長く、頻繁な更新手続きが不要な点が大きなメリットです。

資産運用の観点では、USD500,000の定期預金のうち最大50%(USD250,000)が引き出し可能です。引き出しは不動産購入、子どもの教育費、医療費などの用途に限られますが、資金の一部を他の用途に回せる余地があります。

長期的にマレーシアに生活基盤を置く方、あるいは東南アジアを拠点にビジネスを展開する方にとって、ゴールドはコストと利便性のバランスが取りやすいカテゴリーといえます。

プラチナ(20年)— 就労も可能な最上位

プラチナは定期預金USD1,000,000、不動産購入RM2,000,000以上と、最も高いハードルが設定されています。

しかし、他のカテゴリーにはない大きな特典が就労許可です。シルバーやゴールドではマレーシア国内での就労が認められていませんが、プラチナ保有者はビジネス活動や雇用に従事することが可能です。有効期間も20年と最長で、長期的な生活拠点として設計しやすいカテゴリーです。

マレーシアで事業を立ち上げたい方、現地企業で働きたい方、あるいは十分な資産を持ちマレーシアを本格的な生活拠点にしたい方に適しています。

SEZ / SFZ MM2H — Forest Cityの経済特区・金融特区カテゴリー

2024年9月にForest City Special Financial Zone(SFZ)が、2025年にはJohor-Singapore Special Economic Zone(JS-SEZ)が打ち出され、いずれもジョホール州Forest Cityを舞台とした制度として注目を集めています。MM2Hでは、このForest City向けの枠組みが「SEZ/SFZ」カテゴリーとして整理されています。MM2Hビザ条件そのものはSEZとSFZで共通ですが、SFZには金融・資産管理向けの追加税制優遇がある点が大きな違いです。

共通のMM2H条件は以下の通りです。

  • 定期預金:21〜49歳 USD65,000 / 50歳以上 USD32,000
  • 不動産:Forest City内で物件購入が必須
  • 年齢:21歳以上
  • 有効期間:10年
  • 定期預金の50%は、不動産購入・教育・医療・観光関連費用に充てる場合に引き出し可能

SEZ(Special Economic Zone)は、ジョホール・シンガポール経済圏の中で、事業・投資・居住を広く推進するための枠組みです。これに対してSFZ(Special Financial Zone)は、その中でも金融・資産管理・ファミリーオフィスに特化した区域と理解するとわかりやすいでしょう。

SFZでは、金融特区ならではの追加税制優遇として、以下のような内容が打ち出されています。

  • ファミリーオフィス法人税:0%
  • 金融サービス法人税:0〜5%
  • ナレッジワーカー所得税:15%

また、ファミリーオフィス制度では、AUM RM3,000万以上、Forest City内での拠点設置、投資専門人材の配置、一定以上の年間OPEX、フルタイム雇用などの要件が設けられています。

最大の特徴は、通常のシルバーカテゴリー(USD150,000)と比べて定期預金がUSD65,000(50歳以上はUSD32,000)と大幅に低く設定されている点です。さらに定期預金の50%は不動産購入時に引き出し可能です。年齢要件も21歳以上と低く、有効期間は10年。シンガポールへの通勤圏内という立地もあり、若い世代にも注目されています。

なお、対象となる不動産はForest City内に限定されます。MM2H公式サイトでは、Forest City, Johorでの物件取得が必須で、価格下限はジョホール州の不動産取得方針に従うと案内されています。

特にSFZのファミリーオフィス税制(法人税0%)は、次世代への資産承継を検討される方にとって注目すべき選択肢です。110 Financial Supportでは、MM2Hを活用したファミリーオフィス設立のご相談も承っています。

項目シルバーゴールドプラチナSEZ / SFZ
定期預金USD 150,000USD 500,000USD 1,000,000USD 65,000(21〜49歳)/USD 32,000(50歳以上)
不動産購入RM 600,000以上RM 1,000,000以上RM 2,000,000以上Forest City内の対象物件(ジョホール州基準に準拠)
有効期間5年(更新可)15年(更新可)20年(更新可)10年(更新可)
最低年齢25歳25歳25歳21歳
就労不可不可可能不可
滞在義務(50歳未満)年間90日年間90日年間90日年間90日
滞在義務(50歳以上)なしなしなしなし
定期預金引き出し最大50%(USD 75,000)最大50%(USD 250,000)最大50%(USD 500,000)最大50%

※SFZ(Special Financial Zone)はSEZの中でも金融特区に位置づけられ、MM2H条件は共通ですが、以下の追加税制優遇があります:ファミリーオフィス法人税0%、金融サービス法人税0〜5%、ナレッジワーカー所得税15%

MM2Hのメリット・デメリットを資産運用の視点で分析

MM2Hの条件面だけでなく、資産運用の専門家として「移住が資産形成にどう影響するか」を掘り下げます。

メリット1 — 相続税・贈与税ゼロの税制優遇

マレーシアには相続税・贈与税が存在しません。日本では相続財産に対して10〜55%の相続税が課されますが、マレーシアに移住し非居住者となることで、この負担を大幅に軽減できる可能性があります。

ただし、日本の国税庁のルールでは、相続人が海外居住であっても、被相続人や相続人の属性・国内住所の有無などによっては、日本国外財産まで相続税の課税対象になる場合があります。「マレーシアに移住したら直ちに日本の相続税がゼロになる」とは言い切れません。長期的な視点での移住計画が欠かせません。

110 Financial Supportでは、多くのご相談者様から「マレーシアに移住すれば相続税がゼロになる」というご質問をいただきますが、実際には日本側の税務要件を正確に把握した上で計画を立てることが不可欠です。この点は、国際税務に詳しい税理士と連携して進めることをおすすめしています。

メリット2 — 海外所得非課税と高金利定期預金

マレーシアは「属地主義」の税制を採用しており、国外源泉所得の税務上の扱いが日本と異なります。居住者個人の国外源泉所得については、一定条件のもとで2036年12月31日まで免税扱いとされています。年金、配当、家賃収入などを含め、実際の取り扱いは所得の性質や受取方法によって確認が必要です。

また、MM2Hの条件として預け入れる定期預金には、マレーシアの銀行の定期預金金利(年3%前後)が適用されます。日本の普通預金金利が0.1%前後であることを考えると、資金を「預けておくだけ」でも日本より有利な運用が可能です。

ゴールドの場合、USD500,000の定期預金で年間約USD15,000(約230万円)の利息収入が見込めます。これは資金拘束のデメリットを一部相殺する重要なポイントです。

メリット3 — 不動産投資と住宅ローンへのアクセス

MM2H保有者は、マレーシアで不動産を購入できるだけでなく、住宅ローンを最大60〜70%まで借り入れることが可能です。外国人が住宅ローンを組める国はアジアでも限られており、マレーシアの大きな優位性です。

KLやペナンの高級コンドミニアムは日本の同等物件に比べて割安で、固定資産税も年間RM1,000程度(約3万4,000円)と低廉です。賃貸に出してインカムゲインを得ることもでき、資産運用の一環としてマレーシア不動産を組み込む方が増えています。

ただし、不動産の売却益にはRPGT(不動産利得税)が10〜30%課されます(保有期間が長いほど税率は下がります)。短期売買での利益を狙うよりも、長期保有でキャピタルゲインと家賃収入の両方を狙う戦略が適しています。

デメリット1 — 定期預金の資金拘束リスク

MM2Hの最大のデメリットは、多額の定期預金がマレーシアの銀行に拘束されることです。シルバーでもUSD150,000(約2,300万円)、ゴールドではUSD500,000(約7,700万円)が必要で、この資金は他の投資に回すことができません。

定期預金の50%は引き出し可能ですが、用途は不動産購入・教育費・医療費に限定されています。また、2025年5月のMOTAC発表により、MM2H承認前の2年以内に住宅購入していれば引き出し対象となる緩和措置も導入されましたが、自由度は限られます。

資産運用のプロとしてお伝えしたいのは、この「拘束資金」を資産全体のポートフォリオの中でどう位置づけるかが重要だということです。拘束されるのは定期預金部分であり、それ以外の資産はオフショア投資や香港の貯蓄型保険など、より高いリターンが期待できる商品に振り向けることで、トータルの運用効率を維持できます。

デメリット2 — 就労制限と年間滞在義務

シルバー・ゴールド・SEZ/SFZカテゴリーでは、マレーシア国内での就労が認められていません。現地で収入を得たい場合は、プラチナの取得か、別途就労ビザの取得が必要です。

また、50歳未満のMM2H保有者には年間90日以上の滞在義務があります。日本との行き来を想定している場合、滞在日数の管理を怠るとビザの更新が認められない可能性があります。

項目日本居住マレーシア移住(MM2H)
所得税(最高税率)45%+住民税10%30%(累進課税)
相続税10〜55%なし
贈与税10〜55%なし
キャピタルゲイン税(株式)約20%なし(非上場株を除く)
固定資産税物件評価額の1.4%年間約RM1,000(約3.4万円)
海外所得課税全世界所得課税2036年まで非課税(送金ベース)

マレーシア移住の生活費・治安・医療【リアルデータ】

MM2Hの制度面だけでなく、実際にマレーシアで生活する上で気になるポイントを確認しましょう。

生活費 — 月15〜25万円で実現する快適生活

マレーシアの生活費は、日本と比較して大幅に抑えられます。KLの中心部で1LDK〜2LDKの家具付きコンドミニアム(プール・ジム付き)に住む場合、家賃は月5〜10万円程度。食費も外食中心でも月3〜5万円で済みます。

夫婦2人でKLに暮らす場合のモデル生活費は以下の通りです。

費目月額目安(円換算)
家賃(2LDK コンドミニアム)7〜12万円
食費(外食含む)3〜5万円
光熱費・通信費1〜2万円
交通費(Grab利用)1〜2万円
医療保険1〜3万円
娯楽・交際費2〜3万円
合計15〜27万円

日本の都市部で同等の生活水準を維持する場合の半分以下のコストで生活でき、その差額を資産運用に回すことが可能です。

治安 — 日本人が多いKL・ペナン・ジョホールの実態

マレーシアの治安は、東南アジアの中では比較的良好です。ただし、日本と同等ではなく、スリや置き引きなどの軽犯罪には注意が必要です。

日本人が多く居住するKLのモントキアラ地区やバンサー地区は、セキュリティ付きのコンドミニアムが主流で、比較的安心して生活できます。ペナンのタンジュンブンガ地区やジョージタウン周辺も、欧米人やリタイアメント移住者が多く、治安は安定しています。

コンドミニアム選びでは、24時間ガードマン常駐、入退館管理システム、CCTVの有無を確認することが重要です。

医療 — 日本語対応の私立病院と医療保険

マレーシアには日本語対応が可能な私立病院が複数あります。KLのサンウェイ・メディカルセンターやグレンイーグルス病院は、日本人通訳が常駐しており、日本と同等以上の医療水準を提供しています。

医療費は日本と比較して安価ですが、私立病院を利用する場合はそれなりの費用がかかります。MM2H保有者は医療保険への加入が条件(60歳以上は免除)となっているため、保険でカバーする前提で計画しましょう。

110 Financial Supportでは、MM2H保有者向けの医療保険の選定もサポートしています。マレーシア現地の保険だけでなく、国際医療保険を活用することで、マレーシア・日本・その他の国での医療費をカバーできる柔軟な設計が可能です。

MM2H取得者のための資産運用戦略

MM2Hを取得してマレーシアに移住する場合、資産運用の選択肢は日本居住時とは大きく異なります。ここでは、110 Financial Supportの実務経験に基づいた戦略をお伝えします。

帰国前に検討すべきオフショア資産運用

マレーシアを含む海外に居住している間は、日本の非居住者としてオフショア投資商品にアクセスできます。香港やシンガポールを拠点とする貯蓄型保険やファンドラッピング商品は、日本居住者では購入できないものが多く、海外在住期間を活用して資産の一部をオフショアに移すことは、中長期の資産防衛策として有効です。

特に香港の貯蓄型保険は、USD建てで年利4〜6%のリターンが期待でき、契約者変更や世代間での資産承継が柔軟にできる商品が多くあります。MM2Hの定期預金とは別枠で、こうした商品に資産を分散配置することで、為替リスクの分散と長期的なリターンの最大化を同時に実現できます。

関連記事: 海外赴任、駐在中でも投資できる?オフショア投資の魅力と投資戦略を徹底解説

出口戦略 — 日本帰国時の税務リスクと対策

マレーシアに移住しても、いずれ日本に帰国する可能性は常に考えておくべきです。日本に帰国して再び税務上の居住者になった場合、全世界所得課税に戻ります。

特に注意すべきは以下の点です。

  • – 帰国後にオフショア投資の利益を受け取ると、日本の所得税が課される。受取タイミングを帰国前に調整することが重要
  • – 相続税の10年ルール。マレーシアで相続税ゼロのメリットを享受するには、相続人・被相続人ともに10年以上海外に生活基盤を置く必要がある
  • – MM2Hの定期預金を解約して持ち帰る際の為替差益。円安局面では為替差益が雑所得として課税対象になる

110 Financial Supportでは、移住前の段階から帰国時の出口戦略を設計することを強くおすすめしています。「行くときの計画」だけでなく「帰るときの計画」があってこそ、海外移住による資産運用のメリットを最大限に活かすことができます。

関連記事: 40〜50代 海外移住者の資産運用戦略とは?

MM2H申請から取得までの3ステップ

MM2Hの申請は個人で行うことはできず、MOTAC(マレーシア観光芸術文化省)認定のエージェントを通じて申請する必要があります。

ステップ1: 必要書類の準備と資金計画

まず、自身の資産状況と移住の目的を整理し、4カテゴリーのうちどれを申請するか決定します。主な必要書類は以下の通りです。

  • パスポート(有効期限1年以上)
  • 英文の銀行残高証明書(定期預金額以上の資産を証明)
  • 無犯罪証明書(日本の警察庁で取得)
  • 英文の健康診断書(マレーシアのクリニックで取得)
  • 証明写真

ステップ2: 認定エージェント経由で申請

必要書類をMOTAC認定エージェントに提出し、申請を行います。審査期間は通常3〜6ヶ月程度です。2026年現在、申請数の増加に伴い審査に時間がかかるケースも報告されているため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

ステップ3: 承認後の定期預金開設と不動産購入

承認通知を受けたら、マレーシアの銀行で定期預金を開設し、不動産の売買契約を締結します。シルバーの場合、不動産の売買契約書のコピーを提出する必要があります。また、医療保険への加入(60歳以上は免除)と、マレーシアのクリニックでの健康診断も必要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. MM2Hを取得すればマレーシアの市民権を得られますか?

いいえ。MM2Hはあくまで長期滞在ビザであり、永住権や市民権とは異なります。MM2H保有者はマレーシアに長期滞在できますが、選挙権や公的福祉の一部は対象外です。マレーシアの永住権(PR)を取得するには、別途申請が必要です。

Q2. MM2H取得後、日本の年金はマレーシアで受け取れますか?

はい。日本の年金はマレーシアの銀行口座で受け取ることが可能です。マレーシアでは海外からの送金所得は2036年まで非課税とされているため、年金収入に対してマレーシアの所得税は課されません。ただし、日本側では非居住者向けの源泉徴収(通常20.42%)が行われるため、日マレーシア租税条約に基づく免除申請を行うことをお勧めします。

Q3. MM2Hの定期預金はどの通貨で預ける必要がありますか?

2024年6月の改定以降、定期預金はUSD(米ドル)建てとなっています。旧制度ではRM(リンギット)建てでしたが、新制度ではUSD建てに統一されました。マレーシアの銀行でUSD建ての定期預金口座を開設することになります。

Q4. 家族もMM2Hで帯同できますか?

はい。MM2H申請者の配偶者、34歳以下の未婚の子ども(マレーシアで就労していないこと)、障がいを持つ子ども(年齢制限なし)、申請者または配偶者の両親が帯同可能です。帯同者の人数によって追加費用が発生しますが、別途ビザを取得する必要はありません。

Q5. マレーシアで自動車を購入・運転できますか?

MM2H保有者はマレーシアで自動車を購入できます。また、日本の運転免許証をマレーシアの免許証に切り替えることが可能で、2026年現在、大使館発行の翻訳証明があれば無試験で切り替えができます。マレーシアは日本と同じ左側通行・右ハンドルのため、日本人にとって運転しやすい環境です。

Q6. サラワク州のS-MM2Hとは何が違いますか?

マレーシアは連邦制のため、サラワク州(ボルネオ島)は独自のMM2Hプログラム「S-MM2H」を運用しています。2026年1月1日からS-MM2Hの条件が大幅に厳格化され、一律RM500,000(約1,700万円)の定期預金が必須となりました。西マレーシア(半島)のMM2Hとは別制度のため、サラワク州への移住を検討する場合は個別に条件を確認する必要があります。

MM2Hを活かした資産形成 — 出口戦略まで見据えて動こう

マレーシア移住のためのMM2Hビザは、2024年の制度改定によりシルバー・ゴールド・プラチナ・SEZ/SFZの4カテゴリーに再編されました。2024年にはForest City Special Financial Zone(SFZ)、2025年にはSEZ MM2Hが新設され、金融・資産管理に特化したカテゴリーも加わりました。特にSFZはファミリーオフィス法人税0%という優遇税制があり、次世代への資産承継を見据えた移住先として新たな選択肢となっています。

資産運用の観点では、相続税・贈与税ゼロ、海外所得非課税(2036年まで)、株式キャピタルゲイン税ゼロという税制上のメリットは依然として魅力的です。しかし、定期預金の資金拘束や日本帰国時の税務リスクを考慮すると、移住前の段階から出口戦略を含めた総合的な資産計画を立てることが不可欠です。

MM2Hの定期預金だけでなく、オフショア投資や香港の貯蓄型保険を組み合わせることで、マレーシア移住をきっかけに資産形成を加速させることが可能です。まずは専門家に相談し、あなたの資産状況とライフプランに最適な移住プランを設計することから始めましょう。

参考文献

ディスクレーマー(免責事項)
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。税務に関する詳細は、税理士等の専門家にご相談ください。

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