【2024】海外移住・赴任でも駐在期間のNISAは継続可能?新NISA制度の注意点も解説

海外への赴任や移住は、新たな生活やチャンスの始まりですが、日本で始めた資産形成の取り組みをどう継続するかが懸念事項になることも少なくありません。これまで日本で運用をしていた旧NISAに加え、新NISAについても海外移住後や赴任後にそのメリットを享受できるのか知りたいと考える方は多いでしょう。

この記事では、海外在住者や赴任者が直面するつみたてNISAの継続問題に焦点を当てて解説します。

旧NISAについて

NISA(ニーサ)は、少額で投資を行い得られた利益が非課税になる制度です。金融庁が多くの人に投資や資産運用をはじめてもらう目的で発足しました。

旧NISA制度は大きく2つに分けられ、上場株式・投資信託などで利益を得る「一般NISA」と、長期の積立や一定の投資信託を行う「つみたてNISA」があります。

また、それぞれ資産運用や投資で利益が出た場合、その利益に対して非課税になる上限額や保有期間が定められており、その期間や金額は以下の通りです。

一般NISAつみたてNISA
投資対象商品・上場株式
・投資信託
・REIT など
・長期の積立
・一定の投資信託
非課税対象株や投資信託などから得られる配当金や分配金、譲渡益一定の投資信託によって得られる分配金
・譲渡益
非課税投資上限額(年間)120万円40万円
非課税保有限度総額600万円800万円
非課税保有期間(最長)5年20年

旧NISA制度においては、一般NISAとつみたてNISAの併用ができないこともデメリットとなっていました。

新NISAとは?

2024年から発足した新NISAは、旧NISAと比較すると非課税枠が広がり、非課税で投資できる期間も無期限となりました。

また、旧NISAでは2つのNISA制度の併用ができませんでしたが、新NISAでは併用ができるようになったため、非課税保有限度総額は合計で1,800万円と大幅に引き上げられています。

ただし、併用をする場合の成長投資枠の保有限度総額は1,200万円となります。

2022年4月の法改正により成人年齢が引き下げられたため、対象が「日本在住の20歳以上」から「日本在住の18歳以上」の方が口座開設の対象となっています。

成長投資枠つみたて投資枠
投資対象商品・上場株式(整理・監理銘柄)
・投資信託(信託期間20年未満)
※毎月分配される投資信託、及びデリバティブ取引を用いた一定の投資信託は除外
・REITなど
・長期の積立
・一定の投資信託
※投資信託は、金融庁の基準を満たしたものに限定
非課税対象株や投資信託などから得られる配当金や分配金、譲渡益一定の投資信託によって得られる分配金・譲渡益
非課税投資上限額(年間)240万円120万円
非課税保有限度総額1,800万円(このうち、成長投資枠は1,200万円)
非課税保有期間(最長)5年20年

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海外在住・赴任者はNISAの継続は可能?

これまでは、NISA制度を利用しており海外在住や海外赴任となる場合には口座を閉鎖しなければなりませんでした。しかし2019年に税制が改正され、一部の金融機関においては、特定の事情に限り最長で5年以内であれば口座の保有が可能です。

特定の事情とは、現在所属している日本の企業において、海外転勤などの命令を受けた場合などです。私事都合による海外移住や海外企業への転職等の場合は適用されない可能性があるため注意が必要です。

口座の保有が可能となるのは、あくまで各金融機関の任意の対応となっています。そのため、自分が保有している金融機関や証券会社によっては、従来通りNISA口座を解約・閉鎖しなければならないかもしれません。

また、NISA口座を維持できるようにはなりましたが、海外にいる間は新規の買付は不可となっています。

現在、海外赴任や移住の予定がある方ですでにNISAを運用している場合は、自分が契約しているNISA口座の海外転出時の対応について、確認する必要があるでしょう。

自己都合以外の海外赴任・移住の際には手続きが必要

一部の証券会社では、海外赴任する人がNISA口座を継続して保有したい場合、出国時に「非課税口座出国届出書」と「非課税口座継続適用届出書」を提出する必要があります。

また、帰国してから保有していた口座を再び利用したい場合は、「帰国届出書」を提出しなければなりません。届出書が受理された後に、新たな買い付けが可能となります。

海外移住者・赴任者が気を付けるべきNISAの注意点

現在、旧NISAから新NISAへの移行によって出国・帰国手続きの変更点などはありませんが、口座の継続時、そして帰国後の手続きについてはいくつかの注意点があります。

特定口座やジュニアNISA口座の資産は一般口座へ

海外赴任や移住をする場合は、それまで保有していた特定口座やジュニアNISAjの口座では株式等の管理ができません。これらの口座に資産がある場合は、一般口座で管理することとなります。

日本株式と日本国債以外は継続保有ができない

海外へ赴任・移住する際は、各金融機関において指定されている日本株式や日本国債以外の金融商品を保有できません。その他の株式などは売却や決済を済ませてから出国する必要があるため注意しましょう。

自己都合の海外移住はNISA口座を保有できない

前述の通り、海外へ出国してもNISA口座を保有できるのは、給与等の支払いをする者からの転勤命令等、やむを得ない事由で出国するケースのみとなります。

つまり、自己都合での海外移住や、日本の企業を退職し海外の企業へ転職する場合などは、新NISAの場合でも口座を閉鎖しなければならないため注意しましょう。

※新NISAに限らず、移住前の所得に対する税金の清算をする必要があるので計画的な準備が必要ですね。

帰国後は必ず期限内に「帰国届出書」を提出

一部の金融機関において5年以内の口座保有が適用され、「非課税口座出国届出書」と「非課税口座継続適用届出書」を出国時に提出していた場合は、帰国後にに「帰国届出書」を提出することで、改めて保有していた口座を利用できるようになります。

ただし、提出期限が定められており、期日は「継続適用届出書を提出した日から5年の日が属する年の12月31日まで」となります。

また、もし5年以内に帰国できなくなった場合はNISA口座を継続できず、閉鎖しなければならない可能性があります。5年以上になる場合は、その期間が経過する前に口座を保有している金融機関や専門の期間に相談するようにしましょう。

海外移住・赴任後の資産運用を気軽に相談

NISAを利用している人の中には、積立枠を最大限に活用し資産をさらに増やしたいと考えている人が多いでしょう。特に海外に赴任する場合は、旧NISAは口座の閉鎖をしなければならず新NISAにおいても新規の買付ができないため、どのように資産を増やしていけば良いのか悩ましい点もあるかと思います。つみたて投資枠の金額以上に資産運用を検討する際には、海外の保険プラン商品が有効な選択肢の一つです。

特に、海外在住者にとっては、海外での生活では予期せぬ事態が発生する可能性もあり、そうしたリスクに備える意味でも保険商品の選定は重要です。保険商品にはさまざまな種類があり、貯蓄型の保険プランでしっかり運用益を目指せるものから、万が一の際に保障を受けられるものまで、目的に応じた商品選びが可能です。しかし、適切な保険商品を選ぶには、専門的な知識が必要になることも事実です。

保険商品の一例として、香港の貯蓄型生命保険があります。この貯蓄型プラン生命保険は米ドル建て運用を中心に行うため、アメリカドル以外の居住の方であれば、現地通貨、日本円、アメリカドルの3つの通貨に分散していることになります。また、この保険の優れているところは、リスクフリーレートと同等または高い利回りで守りながら運用している点です。

最近では、米ドル以外にも対応した運用型プランも充実してきており、更に時間の経過とともに投資元本が確保されていきますので、投資初心者にも安心して継続できる内容ではないでしょうか? 海外居住というボーナスタイムを有効に活かし、しっかり資産を蓄えることも現実的になりますね。

110Financial Supportでは海外在住者向けの資産運用や保険商品に関する相談を受け付けています。資産運用のプロフェッショナルが、一人ひとりのライフスタイルや将来設計に合わせたアドバイスを提供し、積立NISA枠以上の資産運用を検討している方々のサポートを行っています。海外生活を送る中で、より安心して資産を増やしていきたいと考えている方は、ぜひ110Financial Supportに相談してみてください。

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「110 Financial Support」では、海外在住者や海外移住を検討されている方の資産運用をサポートをしています。海外での資産運用では、資金シミュレーションはもちろん、税務知識の専門性や海外現地の情勢、物価上昇や想定外の出費など、多岐にわたる要因を考慮することが必要です。

・駐在国で、どのように資産運用すべきか、方法がわからない
・海外での資産運用事情や、老後資金の準備について詳しく知りたい

といったお困りごとがあれば、日本人サポート実績20年以上の「110 Financial Support」までご相談ください。海外在住者や海外移住N-2年前のご準備段階の方も、あなたの資産運用状況を踏まえ、最適な資産運用プランづくり・適正化のサポートをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
日本・海外で累計2,000名以上のお客様の資産運用をサポート。
香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。
日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。