【2025】オーストラリアにおけるワーキングホリデーの現状|海外金融業界の時事ニュースを解説
ワーキングホリデーは、二国間の取り決めに基づいて、一定期間の休暇を過ごす活動とその間の滞在費を補うための就労を相互に認めている協定で、多くの場合、18歳から30歳前後までの若者を対象に働きながら外国語の習得や生活体験ができる制度です。日本は、1980年12月にオーストラリアとワーキングホリデー協定を結んだことをはじめとして、現在は30カ国と取り決めがあります。40年弱と長い歴史のあるワーキングホリデーですが、最近ではその在り方が大きく変わってきているようです。今回は、ワーキングホリデーの概要と近年のトレンドを紹介します。 人気の渡航先オーストラリア 日本は現在、オーストラリアやカナダ、韓国など30カ国とワーキングホリデー協定を結んでいますが、その中でも一番人気の渡航先はオーストラリアです。2024年は9カ月間で1万2000件のワーキングホリデー・ビザが発給されていますが、その半分はオーストラリアで発行されています。理由は、オーストラリアの日本人向けワーキングホリデー・ビザは人数制限がなく、約42.5万円以上の貯金があれば良いといったクリアしやすい条件であること、そしてビザの取得についてもオンラインで簡単に数分で完了するという手軽さにあります。 さらに、オーストラリアは給与水準が高いこと、留学よりもお金をかけずに英語を学べることも魅力です。その7割は女性で、飲食店や農場で働いている人が多いのですが、清掃業や住み込みで育児支援を行う人など、その働き方もさまざまです。 円安で加速したワーキングホリデー利用者 近年、空前の円安が進んでいます。その結果、本来は語学や異文化交流が目的だったワーキングホリデーを、日本の厳しい職場環境から逃れるための出稼ぎとして活用する若者が増えています。例えば、オーストラリアの農場で収穫作業をすると、週に1000豪ドル、ピーク時になると2500豪ドルになります。これは、日本円で月給に換算すると100万円にもなります。若い世代にとってこの金額は日本で普通に働いても稼げる金額ではないため、日本での厳しい生活をリセットするために渡航する人が増えているのです。少し前であれば、カフェで日本人従業員を募集すると、数名しか応募がない状態でしたが、近年は募集広告を地元紙に出せば、数十人の日本人が職を求めて殺到する状況であるといいます。 30年間以上、給与水準が上がらず、生活が困窮している派遣社員やフリーターといった日本の若者が、効率よく安定して稼げる職業を求めてワーキングホリデーに殺到するのも仕方がないのかもしれません。日本において働き手不足が叫ばれている状況を見ると、日本人が働きたいとすら思わない日本は、既に先進国ではなくなっているのかも知れません。 オーストラリアにおける日本人ワーキング・ホリデー滞在者の変化 働き口を求めて若者のワーキングホリデー渡航が増える一方で、元来のキラキラした”ワーホリ”のイメージと逆行して、オーストラリア短期滞在の外国人が不当な待遇を受けて困窮するという状況が報告されています。例えば、現地で仕事を見つけられない日本人が家賃滞納で住居を追い出されてホームレス化し、地元ボランティア団体による無料の食料配布に集まっていたり、女性の場合は生活苦のあまり夜の世界に踏み出すケースもあるようです。 なぜこのような事態になっているのでしょうか。最も大きな要因は、英語の読み書きが堪能ではない日本人が仕事を探している、という点にあります。以前はワーキングホリデーというと、英語を話したい、英語のスキルをアップさせたいという若者が多かったためこのような状況が生まれることはレアケースでした。 しかし、前述のとおり英語を話すことが目的ではなく、ただ高額な給料が欲しいという出稼ぎ感覚で、そこまで英語が堪能ではない日本人の渡航が増えた結果、読み書きが堪能なフィリピン人や韓国人に負けて最低賃金を下回る給与で働かざるを得ない、という状況もあるようです。また、とにかく仕事にありつくために、雇用主や同居人からセクハラを受けた女性もいます。さらに、給与が歩合制で、英語力が低いことから十分に稼げないために、雇用主がビザ延長に必要な証明書類を出さないケースも確認されています。雇用主やマネージャーなどが自国民を優遇して、それ以外の国籍の人を差別することもあるそうです。 一般的に、日本人は大人しくて文句を言わないために、不利な扱いを受けてしまう傾向が強いです。こうした背景には、昨今の円安の影響で日本人観光客が大幅に減ったことがあります。以前は、ホテルや土産店、レストランにとって、日本語を話せる従業員は大切な存在でしたが、最近は円安の影響で、そもそも日本人の観光客がオーストラリアに来ないので、日本語しか話せない日本人は必要なくなって来ているのです。 行政による対策 オーストラリアは農業大国であり、オーストラリア人が敬遠しがちな農作物の収穫作業をワーキングホリデー滞在者などの外国人の若者に依存しています。こうした構造があるにもかかわらず、外国人への差別が横行している背景には、当局による悪徳業者の取締りが不充分であることが指摘されています。これを受けて、オーストラリア政府や連邦議会でもこの問題を取り上げはじめています。 連邦議会ではワーキングホリデーに関する諮問がなされ、各国大使館との連携強化などの対応策が提言されました。また、2021年には日本政府がジュネーブでの国連人権理事会によるレビューにおいて、オーストラリアにおけるワーキングホリデーを含めた短期滞在者の労働環境の改善に向けた取組の強化を求めるなど、オーストラリア政府・連邦議会に対して継続的に待遇改善に向けた働きかけを行いました。 さらに、情報共有及びネットワーキングのために、オーストラリア各地で活動するエージェントを集めたオンライン会議を開催しています。現在は制度の改善を図る努力がなされつつあり、一部で待遇の改善も見られますが、なかなか対策が追いつかずに引き続き問題事案が発生し続けているのが現状です。 ワーキングホリデー渡航前に私たちが心掛けるべきこと 行政の力による課題解決以外に、私たちが心掛けるべきことはどのようなものがあるでしょうか。まずは、ワーキングホリデーで渡航する前に、正しい情報を収集することが大切です。海外生活が初めてなのにも関わらず、ワーキングホリデーのメリットばかりに目が行き、情報を十分に持たずに渡航した結果、トラブルに巻き込まれる日本人は多くいます。渡航先国の最低賃金をはじめ、仕事に関する情報や住居、その国の法律に関する情報は、大使館や総領事館、エージェント、日本人コミュニティ誌やウェブサイトなどから集められます。自分を守る意味でも、必要最低限の情報を理解した上で、渡航するようにしましょう。 また、相談相手を持つことも重要です。何か問題に直面した際にサポートを提供してくれるオーストラリア側の機関もありますし、日本で言う労働基準監督署にあたる組織に相談をして未払い給与が支払われたケースもあります。オーストラリア人権委員会や労働組合、大使館や総領事館、ワーキングホリデーを支援するエージェントなど、問題が発生したら、しかるべく機関に積極的に相談してサポートを得ることをおすすめします。 おわりに ワーキングホリデーの楽しい部分だけを見て、十分な情報を持たずに渡航してしまうと、さまざまな問題を引き起こす原因となります。まずは自分で情報を収集して正しい知識を身につけ、また適切な相談相手を確保することで、多くのトラブルを回避できます。ワーキングホリデーを有意義なものとし、日本人の若者がオーストラリアにおいて良い経験を積むために役立つ制度にしていくためにも、十分な予備知識を持った上で渡航することをおすすめします。
ベトナムの外国人投資家の資金準備義務撤廃|海外金融業界の時事ニュースを解説
2024年9月、ベトナム財務省は2024年11月2日から、株式投資に関する規制を撤廃することを発表しました。これまでは、外国人がベトナム国内の株を購入する際、購入前に必要な資金を国内口座に全額移動することが義務づけられていましたが、これを撤廃するというものです。今回の法改正は投資家やベトナムの株式市場にどのように影響を与えるのでしょうか。ベトナム市場の現状と合わせて解説します。 ベトナム市場の現状 高い経済成長率 ベトナムのGDP成長率は、毎年6〜8%と高い数値で推移しています。高い水準で経済成長が続く理由のひとつは、人口ボーナス期であることです。「人口ボーナス期」は総人口に占める生産年齢人口の比率が高い期間のことで、ベトナムでは2040年頃までこの人口ボーナス期が続く見通しです。今回の経済成長を背景に、株や債券などの証券市場への投資に関心を示す外国人投資家が増加しており、過去30年間のGDP成長率の平均が0.8%ほどしかない日本と比べると、ベトナムでは遥かに高いリターンが期待できるのです。 株式市場の発展に余地がある 現在のベトナム株式の時価総額は14兆円程度と小さく、まだまだ発展の余地が大きい株式市場と考えられています。今後、発効される環太平洋パートナーシップ、いわゆるTPP協定に加盟している11ヵ国の中で、ベトナムは1人当たりGDPが飛び抜けて低い国です。TPPによってベトナムへ労働集約として産業の需要が高まり、経済的に大きな恩恵をもたらすと考えられています。TPP以外にも、ベトナムは、2020年にEUベトナム自由貿易協定、東アジア地域包括的経済連携など、大型協定を相次いで発効し、貿易の自由化を促進しています。 ベトナムと米国との関係 9月に米国のバイデン大統領がベトナムを訪問し、米国との外交関係を2段階アップグレードし、最高位の「包括的戦略的パートナーシップ」となったことが話題となりました。ベトナムが中国やロシアと同様に世界で数少ない社会主義国家であることをふまえれば、これは非常に重要な出来事です。しかし、ベトナムは社会主義国家ながら歴史的に中国と対立してきました。昨今、米中の対立が深まる中で、米国はベトナムを対中戦略に重要な国家だと捉えているのです。 もともとベトナムは、コストを抑えたうえで若く優秀な人材が多いことや経済成長性などから、大企業などの事業展開先として注目されてきました。米中貿易戦争が激化する中、ベトナムを中国に代わる半導体サプライチェーンの一部と見立てて、米国企業の工場の進出が始まっています。さらに、人件費の上昇を背景に中国においても、グローバル企業の生産拠点の移転を模索する動きもあり、ベトナムへの生産工場の移転を加速させています。米国の政治的な動きはベトナムの経済を押し上げ、「ポストチャイナ」の有力国として存在感を高めています。 日本とベトナムの関係 2023年に、日本とベトナムは外交関係樹立50周年を迎えました。これまで日本とベトナムは、政治や外交、経済、文化など、さまざまな分野で戦略的パートナーシップを築いてきました。日本には高度な技術、資金力、ガバナンス、ベトナムにはコストを抑えた若くて優秀な労働力、成長する国内市場といった、相互に補完できる分野が多くあります。日本とベトナムの関係は、今後も貿易や投資、経済連携協定などをきっかけにますます良好に深まっていくと予想されています。 株式市場の規制撤廃による影響 今回のベトナム当局による株式市場規制の撤廃の発表は、国内株式市場の信頼性を向上して底上げし、外国の投資を呼び込みたいというベトナム政府の思惑があります。外国人がベトナム国内の株を購入する際に、資金を国内口座に全額移動しなければならないという規制は、これまで長い間ホーチミン証券取引所の地位向上を妨げてきました。MSCIとFTSEが算出している指数でも、ベトナム市場は新興市場よりも未成熟なフロンティア市場に分類されています。 これまでの制度では、経済が成長しても株価が上昇しにくく、世界の景気が後退した際は、新興市場よりも激しく売られやすいため、海外の機関投資家は本格的に投資ができない状態でした。そのため、多くの外国のファンドや資産家などが、ベトナム株への投資に消極的だったのです。 ベトナム財務省の通達によれば、今回の法改正により資金準備の義務を撤廃させることで、証券会社は海外の投資家が株式を購入する際、リスクを評価して事前に準備が必要な資金の比率を決定し、海外投資家が支払いを完了できなかった場合、その責任は証券会社が負うことになるとしています。また、上場企業に英語での情報開示を行うよう義務付けました。これにより、ベトナム政府は2025年までの新興市場への昇格を目指しています。 JPモルガン・マーケット・リサーチは、今回のベトナム政府の法改正に伴って、FTSEは今後1年以内にベトナムを新興市場に格上げし、投資家が市場に参入しやすくすることにより、パッシブ運用の資金が5億ドル以上流入するであろうとしています。また、MSCIもポジティブな修正を行う可能性があると述べています。 ベトナム投資にまつわるリスク 今回の規制撤廃の発表に伴って、あらゆる投資家がベトナム市場に注目していますが、高利回りである一方でリスクも存在します。ここではベトナム投資において、怒る可能性のあるリスクを解説します。 法制度の頻繁な改正 ベトナムは、まだ法制度が発展途上段階にあり、頻繁かつ突然法改正が行われることがよくあります。この唐突なルール変更によって企業活動に影響が出て、株価が大きく変動する可能性があります。政府の突然の法改正によって企業の収益が悪化し、株価の下落や債券のデフォルトなどが起こる可能性があります。 企業や政府による汚職 ベトナムでは、一部の政府関係者や企業経営陣の汚職が横行する国です。2022年4月には、大手不動産企業による社債の不正発行が発覚し、その後、芋づる式に政府や企業の汚職が発覚する事件がありました。これにより、株式市場では不動産関連株のみならず、あらゆる銘柄が急落し、債券市場でも社債の取り消しやデフォルトが増加しました。そのため、今後も汚職など不正の発覚によって、株価が急落するリスクがあることは否めないでしょう。 証券市場の運用の不透明性 発展途上段階にあるベトナム証券市場は、法律に基づいた監視体制が正常に機能していないケースも多く、不公平な取引や理不尽な法令違反の摘発、情報開示の信頼度の低さなどについて、改善が必要な状態にあります。不正な相場操作やインサイダー取引の実態が明らかになれば、株の暴落や取引停止などにより、投資家は大きな損失を負うでしょう。少しずつ改善はされているものの、証券市場の規制や監督に関する法改正を行い、よりクリアでクリーンな証券市場に近づくためにはもう少し時間がかかるでしょう。 おわりに ベトナム市場では、今回の規制撤廃をはじめ各種改革が行われています。しかし、実際はまだ未成熟なフロンティア市場であり、ベトナム企業の能力不足や経験不足なども相まって、現段階ではまだリスクの高い投資先だと見る投資家もいます。しかし、ベトナム政府も株式市場の地位向上に向けた取り組みを本格的に進めており、近い将来大きく成長する市場になることが予想されます。 ベトナムの企業へ投資する際は、リスクを考慮しながらも業界の成長性や収益性、ベトナムの経済情勢についてしっかりと把握した上で行うことをおすすめします。
米大統領選、トランプ氏の当選による株価への影響|海外金融業界の時事ニュースを解説
2024年11月5日、世界中が注目するアメリカ大統領選挙が行われ、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利を収めました。当初の報道では史上稀に見る接戦で、結果が判明するまで少なくとも数日はかかると言われていました。しかし、蓋を開けてみれば、トランプ氏は主要な接戦州を含む312の選挙人票を獲得し、カマラ・ハリス氏に圧勝して再び大統領に選ばれました。 市場関係者の間では、このトランプ氏の大勝利によって、今後のアメリカの政策と経済指針が金融市場にさまざまな影響を与えると注目されています。今回は、このトランプ氏の大統領当選がどのように経済に影響を及ぼすか、どのセクターに及ぶか、そして今後の株価がどのように動いていくのか解説します。 トランプ氏の経済政策 トランプ氏が大統領に当選したことによって、当選前に彼が掲げていた政策が実際に施行されることが見込まれます。その中でも、主に以下の方針が株価にポジティブな影響を与えると予想されています。 減税政策 トランプ氏は前任期中に法人税の引き下げを行い、これが企業利益の増加に繋がりました。今回も減税政策が行われ、企業のキャッシュフローが増えて、配当や株主還元が強化されることが期待されています。この減税政策は、特にS&P 500のような大手企業が恩恵を受ける可能性があり、株価が上昇すると見られています。また、個人減税の延長や追加の税制優遇策などが導入されれば、消費者の購買力が強化されて、消費関連株のパフォーマンスが改善する可能性もあります。 規制緩和 トランプ氏はエネルギー、金融、製造業など、特定セクターの規制緩和を進めることに意欲的です。規制緩和による収益改善が実現すれば、このセクターの企業の株価にプラスの影響があると予想されています。特にエネルギー業界は、石油や天然ガスへの投資や、掘削活動の拡大方針を表明しており、化石燃料関連の企業が恩恵を受けることになるでしょう。 政策リスクと不安要素 トランプ大統領が行う政策は、期待される一方で不安要素もあり、株価にネガティブな影響を与えかねないとも言われています。どのようなリスク要素があるのかを解説します。 通商政策 トランプ氏は「アメリカ第一主義」を掲げ、他国との貿易摩擦を激化させるとみられています。貿易摩擦が激化することでアメリカの企業のコスト負担が増加し、利益が減少すると懸念されています。特に、中国に対しては強硬な姿勢をとっており、トランプ氏が再び大統領になることで、対中関税が引き上げられて貿易戦争が再開される可能性が高くなります。 中国市場に依存する企業にとっては収益減のリスクであり、株価にネガティブな影響を及ぼすでしょう。前任期中も、中国市場への依存度が高いテクノロジー関連株が、かなり不安定な動きを見せていました。 移民政策の強化 トランプ氏は、移民に対して強硬な姿勢をとることで知られています。この移民に対する規制の強化が、一部の業界に悪影響を与えるのでは、と考えられています。特に、農業や飲食業、建設業など、移民が多く就労している業界では、労働力不足が深刻化し、人件費の上昇につながって収益が悪化する可能性があります。 政局の不安定化 トランプ政権は突発的な政策が多く、すぐに方針が変わることで知られています。これはマーケットにとっては不安要素でしかなく、前任期中もSNSでの過激な発言や突然の政策変更、予測不能な行動を繰り返し市場に混乱を招きました。トランプ氏の再選で株価の変動要素が高まって、一部の投資家は、リスクの回避に向かうかもしれません。 イーロン・マスク氏の影響 イーロン・マスク氏は選挙中、トランプ陣営に多額の献金をしています。トランプ氏は、選挙で勝てばマスク氏を政府効率化担当の役職に任命することを約束しており、先日その通りの声明を発表しました。トランプ氏によれば、マスク氏の効率化に向けた起業家的な取り組みが大規模な構造改革を促進し、無駄な業務が多いアメリカの政治体制全体に良い意味でのショックを与えるとしています。詳細はまだ明らかになっていませんが、マスク氏の過激な取り組みによって、市場が混乱する可能性があります。 トランプ再選と投資家たちの動き 2016年の大統領選挙でトランプ氏が当選した際は、トランプ政権の掲げる減税や財政出動などへの期待から、金利、株式、米ドルが急激に上昇しました。NYダウは45%、 S&P500は34%も上昇し、この米国株式市場の上昇に引っ張られる形で、日本をはじめとする世界の株式相場も上昇しました。この動きは「トランプ・ラリー」と呼ばれ、投資家たちの活発な取引が起こりました。しかし、株価は短期的に上昇したものの、長期的な視点で見ると過激な政策によるリスクの高まりや、国際関係が不安定化する可能性があります。 今回も選挙戦の最中から、トランプ氏が当選すれば、株高、ドル高のトランプラリーが始まる、といわれてきました。そして実際に、大統領選の開票が進んだ11月6日は、トランプ氏の優勢が報じられると共に、株高、ドル高が進みました。日経平均も上昇が加速して、最終的な株価は1,000円以上の上昇を見せています。同じくドルも上昇し、11月6日のドル円為替は151円台半ばから154円台半ばまで一気に円安が進みました。今回のトランプ・ラリーも一過性のものなのか、あるいは持続的なものなのかについては、慎重に見極めていく必要があるでしょう。 まとめ トランプ氏が大統領に就任したことで、株価への直接的な影響が高まる一方で、政策の不安定性もあり、投資家にとっては一長一短という側面があります。減税政策や規制緩和など、特定のセクターの企業には好影響が見込まれる一方で、貿易摩擦や移民政策の影響を受ける企業には悪影響であると考えられています。今後のアメリカ経済と株式市場がどのように進展するかは、引き続き注目していきたいポイントです。私たち一般投資家(普通の人)としては、どちらに振れても大丈夫な資金環境を作っておきたいですね。
2024年7月発行の新紙幣と歴史!旧紙幣との違いや人物の特徴を解説|海外金融業界の時事ニュースを解説
2024年7月3日に新札が発行されましたが、紙幣に印刷されている人物がわからないという人は多いでしょう。もともと、新札に載る人物は日本で偉業を成し遂げた人です。何気ない会話のネタにもしやすいため、この機会にどんな人物なのか、調べてみるとよいでしょう。 この記事では、2024年7月発行の新札に載る3人の人物の特徴を紹介します。旧紙幣と新紙幣の違いも解説するのでぜひ参考にしてください。 旧紙幣と新紙幣の違いとは? 人物の紹介の前に、まずは旧紙幣と新紙幣で異なる2つの違いを解説します。 偽造防止技術の追加 新紙幣には、旧紙幣にはなかった8つの偽造防止技術が追加されています。新たに追加された技術は以下の通りです。 偽札の製造を防ぐために、さまざまな技術が導入されています。最新の技術を取り入れることで偽札を作りにくくすることが狙いです。 デザインの変更 旧紙幣から大きくデザインが変更されているため、それぞれの表裏デザインをチェックしてみましょう。紙幣ごとのデザインは以下の通りです。 1,000円 表:北里柴三郎 / 裏:富嶽三十六景 5,000円 表:津田梅子 / 裏:藤の花 10,000円 表:渋沢栄一 / 裏:東京駅(丸の内駅舎) 表の肖像だけでなく、裏のデザインも大きく変更されています。 新札に載っている人物は誰? 新札に載る3人を見ても、何をした人かわからないとお悩みの方も多いでしょう。ここでは、3人の特徴やお札の肖像となる基準を解説します。 新札に載る3人の人物 新札に載る人物は、北里柴三郎(1,000円)・津田梅子(5,000円)・渋沢栄一(10,000円)の3人です。それぞれの特徴を見ていきましょう。 北里柴三郎は、医学で偉業を成し遂げた人物です。東京医学校(東京大学医学部)在学中に予防医学を志し、内務省衛生局での実務を経て、ドイツに留学しています。留学中に破傷風菌の毒素に対する免疫抗体を発見、免疫抗体を応用した血清療法を確立し、世界的に有名な研究者となりました。 津田梅子は、日本における女性の地位向上に大きく貢献した人物です。アメリカで育った彼女は、日本帰国後に見た女性の地位に大きなショックを受けました。日本を発展させるために、日本女性の高等教育を実施することを決意した彼女は女子英学塾を開校。1900年に開校した塾は、現在も津田塾大学として残っています。 渋沢栄一は、近代日本経済の父と称される人物です。静岡藩に商法会所設立・富岡製糸場設立への貢献・日本郵船会社の設立・東京電力会社の設立など、今も残るさまざまな企業の設立に貢献しています。公共の利益を求めることと国民が幸せになることをモットーに尽力してきた彼は、日本経済を語るうえで欠かせない人物だといえます。 載る人物を選ぶ基準 新札に載る人物はどういった基準で選ばれているのか疑問に思う人も多いでしょう。新札の肖像となる人物は、以下の基準で選ばれています。 ぼんやりとした写りの写真だと偽造しやすくなることから、より精密な写真を入手できることが条件です。撮影技術が未熟な時代だと精密な写真は入手しにくいため、明治時代以降に存命した人物から選ばれます。 また、お札の肖像としてふさわしい品格を持ち、幅広い世代に名が知られていることも条件です。今回の新札に選ばれた3人は、全員が教科書に掲載されるほどの知名度を持つため、肖像としてふさわしいといえるでしょう。 医学・日本女性の地位向上・日本経済発展と、3人が尽力してきた方向性は異なります。しかし、3人が尽力してきた業績は今もなお受け継がれているため、全員が新札の肖像に最適な人物であるといえます。 新札発行に伴うユニバーサルデザインの向上について 新札発行に伴い、旧紙幣からユニバーサルデザインも変わりました。変更された部分は以下の通りです。 旧紙幣は両端下部に小さな識別マークがあるのみでしたが、新紙幣から識別マークが大きくなっています。1,000円札は右上と左下、5,000円札は上下中央、10,000円札は両端です。いずれも識別マークが大きくなっているため、目の不自由な人でもお札の種類をすぐに判別できます。 また、額面数字が印刷される位置も変更されています。旧紙幣の数字は左右上部に小さく印字されていましたが、新紙幣から左、または中央に大きく印字されています。お札の種類を間違えにくくなるでしょう。 ホログラムとすき入れの形・配置は偽造を防止するために入れられています。ホログラムはこれまでのお札にはない画期的な技術が使われているため、外国の方でもすぐに新札だとわかるでしょう。 新札が浸透する前に新紙幣と歴史を知っておこう 2004年に発行された旧紙幣から20年の時を経て、2024年7月に新紙幣が発行されました。お札のデザインが大きく変更されるだけでなく、偽造防止技術の追加やユニバーサルデザインの向上など、いくつもの点が変わっています。 新札が浸透する前に、肖像人物の歴史を知っておけば、話題に困ったときや何気ない会話のネタとして周りの人に情報を共有できるでしょう。
スイスへの移住は早めの計画が大事!日本人が取得できるビザを紹介
スイス移住を将来的に考えている人の中には、スイスに関する情報が少なく、移住にはどのような手続きが必要であるかわからずに困っている人もいると思います。移住の目的にはさまざまなものがありますが、仕事や留学をはじめ老後の移住先としてスイスを考えているなら早めの計画が大切です。特に、ビザの種類や取得条件を事前に把握し、計画的に準備を進めましょう。 スイスには多くの魅力がありますが、物価や国の制度も異なるため移住を実現するためには資金計画もしっかりと立てる必要があります。本記事では、日本人が取得できるビザの種類や、スイス移住のメリット・デメリットについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。 スイス移住の際に必要なビザの種類 スイスに移住する際には、目的に応じたビザを選ぶ必要があります。日本人が取得できるビザは複数あり、取得のために必要な条件を理解しておくことが重要です。 日本人が取得可能なビザには、以下の4つがあります。 ・就労ビザ ・ゴールデン・ビザ(黄金ビザ) ・ヤングプロフェッショナル ・永住権(永住許可証) それぞれ詳しく説明します。 就労ビザ 駐在や転職などでスイスで働く際には、雇用契約の種類や滞在期間に応じて種類のことなる「就労ビザ」を取得する必要があります。日本人が取得できる主な就労ビザは以下の3種類です。 ・許可L ・許可B ・許可G 滞在期間や雇用形態に応じて適用されるビザが異なるため、条件を事前にしっかり確認しておきましょう。それぞれのビザについて、詳細を解説します。 許可L (L Permit) 許可Lはスイスに1年未満の短期滞在用のビザです。応募者は3〜12ヶ月間の有効な雇用契約が必要です。また、有効期間が満期になった場合も、引き続き雇用契約があれば更新できます。 許可B (B Permit) 許可Bはスイスに1年以上移住したい人向け(長期滞在用)のビザです。応募者は少なくとも12ヶ月の雇用契約が必要です。許可Lと同様に、ビザの有効期間が満期になっても、継続した雇用契約があれば更新できます。 許可G (G Permit) 許可Gはスイス周辺のドイツやフランス、イタリアに住む人が国境を超えてスイス国内で働くためのビザです。許可Gを取得している場合、最低週に1度、居住している国に戻る必要があります。 ゴールデン・ビザ(黄金ビザ) ゴールデン・ビザ(黄金ビザ)は、スイスへの移住を希望する富裕層向けの特別なビザです。主に高額な納税やスイス国民に雇用機会を提供する新会社を設立することによって取得できます。 ゴールデンビザ取得に必要な納税額は25万スイスフラン(約4,300万円)から100万ユーロ(約1億7,000万円)です。納税額は地方自治体と税理士との交渉によって異なります。日本人の場合、5年間の滞在許可が与えられ、スイス国内で自由に生活する権利が与えられます。 ゴールデン・ビザを取得すれば、スイス国内で自由に生活でき、公共サービスや高度な医療サービスを受けられます。このビザは富裕層にとって魅力的な選択肢ですが、申請するためにはスイス政府や専門家との連携が必要です。 *1スイスフラン173円(2024年10月15日現在) ヤングプロフェッショナル ヤングプロフェッショナルはスイスと日本の間で締結された協定に基づいて発行される、若いプロフェッショナル向けの特別なビザです。これは、主に18歳から35歳までの若年層がスイスで仕事をしながら、専門スキルや国際的な経験を積むことを目的としています。このビザを利用することで、スイス国内で最大18か月間の就労が可能となり、特にキャリアの初期段階で国際的な視点を広げたい人に向いています。 このビザを取得するためには、スイスの雇用者と、個人契約によって雇用されることが条件です。高等教育の学位に相当する職業上の技術、または知識を持っていれば申請が可能です。ワーキングホリデーよりも申請の上限となる年齢が高いことも魅力です。 永住権(永住許可証) スイスの「永住権(永住許可証)」は、スイス国内に長期間滞在し、就労や居住を自由に行うための権利を与えるビザです。継続して10年以上合法的に滞在した外国人に対して発行されます。 永住許可証を取得すると、スイス国内での滞在期間の制限がなくなり、自由に転職や居住地の変更ができるほか、スイスの高度な社会保障制度や医療サービスを利用できます。 しかし、1年以上以上継続してスイスから離れると失効してしまうことや、3年ごとの更新が必要といった条件が課されているため、長年永住権を持ち続けるのは至難の業とも言えます。 スイスに移住する5つのメリット スイス移住には、多くの魅力があります。自然の美しさや高い生活水準だけでなく、さまざまなメリットがあなたのスイスでの生活を豊かにするでしょう。 スイス移住の5つの主要なメリットを説明します。 ①治安が良い スイスは、世界的にも治安の良い国の1つです。日本人移住者にとって治安の良さは大きな安心感を与えてくれます。都市部でも犯罪発生率は低く、特に暴力犯罪やテロの脅威が少ないのが特徴です。 街中の警備や公共機関の整備も整っており、兵役制度もあることから国中で治安体制が充実しており、住民や観光客が安全に過ごせる環境が整えられています。さらに、スイスは中立国としての立場を長年維持しており、政治的安定も他の国に比べて高いことから、移住先として長年人気があります。 ②アルプスの自然がたくさんある スイスといえば、アルプスの雄大な自然が象徴的です。スイスに移住すると、四季折々の美しい風景に囲まれた生活を楽しめます。冬はスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツが盛んで、世界中から観光客が集まります。 夏には、ハイキングやキャンプ、サイクリングなどのアウトドア活動を楽しめるため、家族連れやアクティブなライフスタイルを求める人々にとって理想的な環境です。また、自然保護区や湖も豊富で、都会の喧騒から離れてリフレッシュできるスポットも数多く存在します。 日本の夏に比べ、日中の平均最高気温が28度程度と低く、夏の北海道や高原のリゾートと似た気候で快適に過ごせます。 ③周辺のヨーロッパの国へ気軽に旅行できる スイスはヨーロッパの中心に位置しており、周辺の国々へ気軽に旅行できる立地も魅力です。フランス、イタリア、ドイツ、オーストリアと国境を接しており、車や電車を使えば数時間で周辺の国々へ旅行できます。 また、スイスの交通インフラは非常に発達しており、ヨーロッパ各国への鉄道や飛行機のアクセスも便利です。週末や休暇には、パリやミラノ、ミュンヘンなど、主要都市への小旅行が楽しめます。 スイスは、加盟国であれば自由な移動を可能にするジェンゲン条約の加盟国であり、協定国間の移動であれば入国審査の手続きが簡素化されています。移住者にとってはヨーロッパの多様な文化や観光地を手軽に体験できる絶好の機会です。 ④公立教育が無料…
タイのクルマ産業の衰退と日本車メーカーの苦戦|海外金融業界の時事ニュースを解説
はじめに タイは早くから日本の自動車メーカーが進出し、自動車産業で働く日本人駐在員も多い国です。また、タイに限らず東南アジアの多くの国は、これまで日本車が圧倒的なシェアを謳歌してきた市場でもあります。しかし、トレンドがガソリン車から電気自動車(EV)に移行している現在、中国メーカーが莫大なPR予算を投入し販売台数を伸ばしており、タイを中心とした東南アジア市場で状況が変わりつつあります。最近は日本車メーカーの存在感が薄まり、海外駐在員の帰任も増えています。今回は、タイ自動車産業の背景を解説します。 バンコク国際モーターショーでの異変 東南アジア最大の自動車生産国であるバンコクで、毎年春に開催される自動車の展示会がバンコク国際モーターショーです。トヨタやホンダ、日産など日本のメーカーをはじめ、さまざまな国の主要ブランドが参加する、東南アジアで最も大きな自動車イベントの1つとなっています。 タイのモーターショーの独自の魅力は、会場で新車の購入予約ができるということです。会場限定の低金利キャンペーンなどの特典が用意されているため、新車購入を目的に家族で訪れる人も多く、気に入ったクルマがあればその場で予約購入していくというのが通例です。そのため、バンコク国際モーターショーにおける新車受注台数は、タイの新車市場における人気のバロメーターとも言われています。そんな中、2023年のバンコク国際モーターショー会場における開催期間中の受注実績ランキングで異変が起きました。 1位は例年通りトヨタ、2位はホンダと日本のメーカーでしたが、その2社に続き、上海汽車(MG)が3位、長城汽車(GWM)が5位、BYDが9位と、中国の自動車メーカーがトップ10に3社もランクインしたのです。 コロナ禍前の2019年の同じランキングでは、中国メーカーは1社のみ、10位に入っていただけであることを考えると、コロナ禍を経てわずか4年で、中国車メーカーが急速に勢いを伸ばしている事がわかります。 中国勢の大躍進 タイは長らくトヨタ、日産やホンダ、三菱自動車など、日本の自動車メーカーが大きなシェアを獲得してきた市場です。タイ人にも、中国製品は信用できないが、日本製品は品質が良く憧れもあるといったように、日本ブランドに対する信頼が根付いており、街を走るクルマの9割以上が日本車だと言われています。 一部の富裕層にはハイブランドの欧州車が人気であるものの、自動車といえば日本のクルマというイメージが定着している国であると言えるでしょう。ところが、バンコク国際モーターショー会期中の新車受注台数ランキングに変化が起きているように、近年状況は激変しつつあります。 タイの街中でも中国車を見かける頻度が明らかに高くなり、日本車の牙城を崩しつつあるのが現状です。タイをはじめとする東南アジアの多くの国では、これまで日本の自動車が大きなシェアを獲得してきましたが、近年中国勢が莫大な予算を投入して販売数を伸ばしています。 中国のメーカーがこのままシェアを拡大していけば、東南アジア市場における日本車のシェア率は大きく下がる可能性もあります。日本の自動車メーカーは、これまでにない窮地に立たされているのです。 なぜ日本メーカーが苦戦しているのか なぜタイにおいて、日本車メーカーのシェア率が下がっているのでしょうか。これには、昨今のEVの台頭が大きく関係しています。タイの自動車市場は、トヨタが60年以上前に進出して以来、メーカーとの強固なサプライチェーンが構築されていました。ところが、このサプライチェーンはエンジン車主体の生産態勢であるため、電気自動車に乗り換える海外の買い手の動きにうまく対応できていないのが現状です。これは、日本の自動車メーカーがEVで大きく出遅れていることを表しています。 また、タイの自動車生産自体の落ち込みも原因の1つです。タイの自動車生産台数は、この1年で落ち込み続けており、業界の見通しでは2024年の自動車生産台数は昨年の190万台から170万台に下振れると予想されています。一方で、EVセクターは急成長しており、中国のBYDなどから多額の投資を呼び込んでいるものの、落ち込みをカバーできるほどではありません。この痛みは既に業界全体に広がりつつあり、各メーカーが減産や雇用削減に伴って、日本のメーカー向けに長年部品を供給している部品メーカーのでも工場の生産量の減少、人員縮小が始まっています。 拡大するEVとの競争の激化による輸出面の落ち込みと、国内自動車市場の停滞というダブルパンチがタイの自動車産業を圧迫しており、悪化した市場から簡単に抜け出せなくなっています。現在は、1990年代終盤のアジア通貨危機やコロナ禍の時期より悪いと見るべきでしょう。こうした状況の中で、自動車部品業界は政府に対して、外国メーカーのエンジン車とかハイブリッド車生産向けインセンティブを強化してほしいと要望しており、政府も対策に本腰を入れはじめています。 中国製品に対するイメージの変化 タイでは、日本製品は壊れにくく信用できるという考えが根強くありますが、若い世代はそこまで日本製にこだわりはなく、スマホも家電もクルマも中国製でいいと考える人も増えています。むしろ中国製はクールだというイメージが浸透しつつあります。こうしたタイ人の心境変化は、バンコク国際モーターショー会場にも表れています。2023年会場の中国車ブランドのブース面積は、4年前には想像もできなかったほど広いスペースが確保され、BYDやMGといったブランドが、最大の面積を持つトヨタに迫る規模の広いブースを展開していました。 そして、イベント中の中国ブランドのブースはコロナ前では考えられないほどの混雑ぶりでした。また、タイの市民にとって新車は大きな買い物であり、日本車よりも価格の安い中国車は魅力的に映ります。さらにタイではガソリン代も高いため、ガソリン車よりもエネルギーコストの安いEVを選ぶ人が多いこと、さらにEVは購入時の税金が安いということも相まって、中国車の購入を検討する人が増えているのです。 おわりに 昨今のEVの台頭によって、自動車市場のトレンドは変わりつつあり、タイにおける日本自動車メーカーの苦戦がはじまっています。タイでの自動車の売り上げは東南アジア市場全体に大きく影響を与えるともいわれています。また、近年の中国のブランディングによって、タイの人々の中国製品に対する気持ちの変化も起こり始めており、日本車の牙城が崩され始めていると見るべきでしょう。