【2024】プレミアムファイナンスとは?気になるポイントやメリット・デメリットについて徹底解説!

プレミアムファイナンスはこれまであまり知られていませんでしたが、実は歴史が古く日本人に海外投資や海外での資産運用が解放された1997年、外為法改正以前より存在はしていたようです。ですが、情報伝達スピードが格段に上がるなか、年々市場を拡大しています。日本においてもマレーシアの金融機関が日本への参入を予定しているなどの噂は多く、注目の高さを感じます。

実際にプレミアムファイナンスを利用したいと考えている人、そもそもどの様な仕組みで、何のために実行するのか…など、うまく活用できるかと悩んでいらっしゃる方、検討されている方もいらっしゃるかと思いますし、自社のクライアント向けに最適な相続対策はないものか?と模索していらっしゃる専門家の方もいらっしゃる事でしょう。

本記事ではこのような悩みを持つ方へ、プレミアムファイナンスの重要な内容やメリットやデメリットについて詳しく解説していますので、ぜひご参考にしてください。

プレミアムファイナンスとは

プレミアムファイナンスとは、認可された生命保険証券の価値を担保にし、金融機関から融資を受けて保険契約を結ぶことです。つまり、プレミアム(保険料)をファイナンス(借入れ)することで、通常の方法では手配が難しい大型の保障を、第三者資金の活用により効果的に確保することができるスキームです。このアプローチにより、個人や企業は限られた自己資金で大きな保障や投資機会にアクセスできる一方、リスクと複雑性も伴うため、専門家のアドバイスを得ながら慎重に検討することが重要となります。

プレミアムファイナンスの仕組みは、不動産購入の流れに置き換えると理解しやすいかもしれません。例えば、気に入った不動産を購入する際、通常は金融機関から融資を受け、その不動産自体を担保とします。

これは、将来の資産価値を担保に現在の購入資金を調達するという点で、プレミアムファイナンスと類似しています。プレミアムファイナンスでは、生命保険証券の将来価値を担保に保険料支払いのための資金を借り入れるのです。どちらも、大きな資産や保障を少ない初期投資で獲得できる点が特徴です。

プレミアムファイナンスは、保険プランと借入プランを組み合わせた複雑な金融ツールです。この商品の主な特徴と利点は以下の通りです。

借入元本の返済方法

死亡保険金と借入元本を相殺することが可能です。これにより、保険契約者は生前に元本返済の負担を軽減できます。

コスト構造

保険の維持管理費用を借入利息のみに抑えることができます。これは、保険料そのものを借り入れることで実現します。

投資性と柔軟性

運用状況が良好な場合、解約返戻金で借入を返済した後も手元資金が残る可能性があります。

金利環境の変化に応じて、自己資金で借入を一部または全額返済し、利払いを抑制することも可能です。

リスク管理

金利変動や運用状況によっては追加の資金拠出が必要になる場合があります。そのため、長期的な資金計画と定期的な見直しが重要です。

上記のような多彩なバリエーションで相続税対策に十分な大型保障の確保や、有利な運用を確保できるプランなのですが、借入や借替えを行う通貨の選定や、金利次第で有利になったり、不利になったりと状況により変化しますので、プラン全体の設計を実施するに当たって大事なことは目的の設定と言えます。

このように、プレミアムファイナンスは高度な金融戦略を可能にする一方で、複雑なリスク管理も必要とします。利用にあたっては、財務状況や将来の資金需要を慎重に検討し、専門家のアドバイスを受けましょう。

プレミアムファイナンスの流れ 

この章ではプレミアムファイナンスを契約するまでの流れについて解説します。

事業承継対策、相続税対策、大型保障の確保、効果的な資産運用これらの主な目的が、既に明確に決まっているという前提の上で、手続きイメージを持って頂くために簡易的ステップ化して解説しています。

STEP1:保険契約の手続きをする 

プレミアムファイナンス最初のステップとして、保険契約を組みます。プレミアムファイナンスに使われる保険商品は、どれでも良いという訳ではありません。プライベートバンクなど保険料を貸す側の金融機関から認可を得る(得ている)必要があります。

保険を担保にするのに、その保険商品が変動要素が大きい場合は認可されない可能性もあります。この辺りの適応商品選定、目的に応じたプランニング設定などは、弊社のような海外保険の専門家へ相談しましょう。

保険商品の価値担保割合、現金の保有額などを考慮し保険に関する手続きを進める横で、プレミアムファイナンスを提供している金融機関との段取りをプロジェクト化して進める必要があります。、不動産を購入する場合の借入時も書類準備、審査などに時間がかかりますが、それ以上に大きなプロジェクトとなるイメージを持って置かれると良いでしょう。

また、保険会社と契約する際は、現地での手続きが必要となるため注意しましょう。

STEP2:銀行口座開設、融資手続きをする 

保険証券を担保に融資ができる金融機関はHSBCや中国建設銀行、その他スイスなどのプライベートバンクでも取り扱いがあります。ただ、借入と書いていますが簡単に出来るものでもなく、そもそも銀行口座を開設するハードルがとても高くなっており、最近では最低USD3M〜5M(4.5億円〜7.5億円)くらいの手持ち資金を預金として求める銀行が殆どです。

保険プラン設計、プライベートバンクへの預け入れ金額によって融資可能額は変わりますが、初年度の保険料相当額(プランにより異なる)の100%まで借入するようなスキームにすることが可能です。

借入対象者には、年齢や住所の規制はありませんが、日本人個人においては非居住者もしくは海外法人が対象となります。条件に該当可能な富裕層の方にとっては最高の相続税対策の一つとなることは間違いありませんが、全体的な内容設定、スキーム設計がとても重要です。

最近では、ノンバンク系のプレミアムローン提供会社もあるため、間口は広がりつつありますが、あくまでも融資(ローン)なので借入金利が発生します。スキーム設計上においては金利の低い国の通貨を選択することも考慮にいれて設計します。借入金利を運用利益で相殺すること可能ですが、本人の居住国によっては運用利益に対して課税されることもあり、また経済情勢により金利も変動するのでリバランスなどに注意が必要です。

STEP3:保険契約成立と融資実行

この章では、保険契約成立と融資の実行について解説します。

STEP1でお伝えした保険契約手続きにおいて、その成立に到達するためには2つの大きなハードルが待ち構えています。なぜ高いハードルがあるかと言うと、一度、保険契約が成立し保険証券が発行されると、万一時には莫大な保険金が、ご親族に支払われる様になります。つまり高額な保険金を巡り、マネーロンダリングや、モラルリスクが内在する危険性があるかどうか?を保険会社としても事前に十分見極める必要があるからです。

①Financial Statas:資産のバックグラウンド証明

そもそも高額な保険契約が必要な理由が、理にかなっているのか?という点において、大事な指標がその資産状況となります。自社株式、不動産、ビジネス内容、投資内容、他の保険内容、銀行の平均残高状況など、高額な保険金を確保する必要のあるどの様な資産を保有しているのかを詳細に審査致します。

ビジネスにおいてもその業種業態や、世界的に制裁されている国との取引があることで、保険契約に適さないため契約不成立という事も考えられます。もちろんこれらの証明についてはメインバンクの担当者、顧問税理士、会計士とも連携しながら弊社専門家チームも適宜対応しております。

②Medical Check:健康状態の証明

もう一点が、身体の健康状態に関する結果証明です。銀行の借入も同じで融資した翌年に亡くなられると融資が焦げ付くような人には融資がおりないと思いますが状況は似ていますが、より詳細に健康状態の告知、海外での健康診断が必要となります。

高額な保険金を契約するだけの健康状態が担保されているのか?詳細な健康診断結果を審査する事になります。逆にタバコも吸わず、年齢に応じた身体の健康状態が維持管理されていれば、優良体という保険料が大きく割引される保険プランもありますので、健康管理がうまく行き届いているタイミングは加入を検討するベストな時期かもしれません。

これら①②のハードルを乗り越えた先に、保険契約の成立、つまりプレミアムファイナンス、相続税対策スキームの完成があります。よく『保険に入ってやってるのに何でこんなに時間がかかるんだ・・・』と、お叱りを受ける事もございますが、万一時に何十億も保険金を支払う契約となると、保険会社の審査部も慎重にならざるを得ないことはご理解頂けますと幸いです。

次に、保険の審査と並行して、プライベートバンクなどの融資についても手続きを進めて参ります。こちらは健康状態の証明は不要ですが、資産のバックグラウンド証明がかなり厳しいため場合によっては、保険の審査がほぼ完了しているのに、口座開設・融資契約が間に合っていないという様な事もあります。

最終的には、保険契約上の手続きが『保険料の支払い待ち』という状態と、プライベートバンクの『融資実行承認』という状態のタイミングを合わせて、銀行から保険会社への保険料支払い(融資実行)という状況に向けて一歩一歩プロジェクトを進めていく事になります。

プレミアムファイナンスの特徴

この章では、改めてプレミアムファイナンスの特徴について解説します。

レバレッジを活用できる

プレミアムファイナンスでは、レバレッジを効果的に活用することができます。その主な特徴と留意点は以下の通りです。

少額の自己資金での高額保障

借入を活用することで、少ない手元資金、あるいはほとんど自己資金を使わずに、高額な保険金を確保できます。

利息のみの支払い

通常、借入元本の返済は不要で、利息のみの支払いで済むため、キャッシュフローの負担を軽減できます。

高い運用利回りの期待

保険商品によっては、レバレッジ効果により、より高い運用利回りが期待できる可能性があります。

リターンとリスクのバランス

大きなリターンが期待できる一方で、以下のようなリスクも存在します。

  • ・金利変動リスク
  • ・為替リスク(海外の保険商品を利用する場合)
  • ・運用成績の悪化リスク

リスク管理の重要性

これらのリスクを適切に管理するため、以下の対策が必要です。

  • ・定期的な運用状況のモニタリング
  • ・金利動向の注視
  • ・必要に応じた戦略の見直し
  • ・専門家によるアドバイスの活用

プレミアムファイナンスは、高度な金融戦略を可能にする一方で、適切なリスク管理が不可欠です。個人の財務状況や将来の資金需要を慎重に検討し、専門家のアドバイスを受けながら活用することが重要です。

保険会社の格付けが高い 

プレミアムファイナンスにおける保険会社の信頼性

プレミアムファイナンスを提供するオフショア保険会社や香港の保険会社は、高い信頼性を有しています。この信頼性は以下の要因に基づいています。

高い格付け

S&PやFitchなど、歴史ある格付け機関から高評価を受けています。

これらの格付けは、保険会社の財務健全性や支払能力を客観的に示しています。

厳格な規制

例えば、オフショアエリアであれば、バミューダ金融庁(Bermuda Monetary Authority, BMA)が保険業界を規制しています。

香港の保険会社は、香港保険業監管局(Insurance Authority)による厳格な審査基準をクリアしています。この規制により、保険会社の健全性と消費者保護が確保されています。

ビジネスモデルの特性

これらの保険会社のビジネス構造は、高い収益性を特徴としています。

主に富裕層の資産を扱うため、安定した資金基盤を有しています。

リスク管理

顧客の預金や投資を担保とすることで、債務不履行のリスクを低減しています。

これにより、安定した事業運営が可能となっています。

国際的な評価

バミューダの保険規制は、世界的に高い評価を受けていますし、香港は国際金融センターとしての地位を確立しており、その金融機関は世界的に高い評価を受けています。

この評価は、保険会社の信頼性にも反映されています。

これらの要因により、プレミアムファイナンスを提供する保険会社は、高い社会的信用と財務的安定性を兼ね備えています。ただし、個別の保険会社や商品を選択する際は、最新の情報を確認し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。

プレミアムファイナンスの注意点

この章では、改めてプレミアムファイナンスの注意点を解説します。

資産証明が必要

プレミアムファイナンスという金融ツールをを活用するには、複数の金融機関との連携が必要となり、その際に必ず資産証明の提出が必要になります。

流動資産でも最低100万米ドル〜200万米ドルの証明を要求する金融機関が多いとされています。

また、土地や建物などの固定資産ではなく、換金性の高い流動資産を準備をする必要があるでしょう。

ほか、どの様に資産を構築したのか?ビジネスの業種業態はどのような展開なのか?などなどマネーロンダリング規制に該当していないための証明、制裁国との取引などないか?などなど金融機関独自の審査があり、時間がかかる事もあるため事前にご留意ください。

健康診断が必要

繰り返しになりますが、2つのハードルのもう一つは『健康状態の管理』という事で、健康診断結果によって、ご年齢にもよりますが保険料が10%以上変わる可能性もあります。

ご自身は健康だと思われていても、保険契約上の健康診断は場合によっては非常に厳しい結果になる事も予想されます。相続税対策や高額な保障を含む資産運用を検討されている場合は身体の内側が健康であるうちに、実行スタートしましょう。

金利上昇のリスク 

経済情勢により、借入金利が上昇するリスクがあります。借入金利は最短で毎月、通常は3ヶ月ごとに見直されます。このため、借入金利が当初の想定を上回り、運用利益を相殺してもなお追加の資金が必要となる場合があります。

さらに、契約者の居住国によっては運用利益に課税される可能性があります。これらの要因は、プレミアムファイナンス全体のコストを押し上げる可能性があるため、事前に考慮しておく必要があります。

対策として、以下の点を検討しましょう。

  • ・金利動向の定期的な確認
  • ・損益分岐点を超える損失が予想される場合、通貨を変更しての借り換え
  • ・必要に応じた借入額の調整

これらの対応策については、専門家と相談しながら進めることが重要です。金融環境の変化に柔軟に対応することで、プレミアムファイナンスのリスクを適切に管理していきましょう。

プレミアムファイナンスのコストとリスク

プレミアムファイナンスを利用する際には、以下のコストとリスクを考慮する必要があります。

初期費用/継続費用

プレミアムファイナンスの申込時には、以下のような初期費用が必要となります。

  • ・口座開設費用、法人設立費用などのサポート費用
  • ・個人担保資金の運用手数料
  • ・法人維持管理サポート事務手数料 など

これらの費用は、初期のみかかるものと、運用の維持管理として継続的にかかる費用がありますので、事前に資金計画に組み込んでおく必要があります。

追加担保・金利負担のリスク

プレミアムファイナンスでは、資産の担保評価が一定の基準を下回った場合、追加で担保を請求されるケースがあります。これは、以下の状況で発生する可能性があります。

  • ・運用成績が悪化した場合
  • ・市場の変動により担保資産の価値が下落した場合
  • ・金利上昇局面において利払い用口座への資金追加

など、追加担保の要求は予期せぬ資金需要を引き起こす可能性があるため、このリスクを十分に理解し、対策を講じておくことが重要です。

プレミアムファイナンスを利用する際は、これらのコストとリスクを十分に検討し、自身の財務状況に適しているかを慎重に判断することが大切です。必要に応じて、定期的に金融の専門家と方針について協議していきましょう。

可能性と慎重さを兼ね備えた革新的な金融ソリューションとして

プレミアムファイナンスは、個人の資産管理と社会的意義を両立させる革新的な金融の仕組みです。しかし、その複雑さゆえ、慎重な検討と専門家の助言が不可欠です。

この仕組みは、皆様の人生設計に大きな可能性をもたらす一方で、個々の状況に応じて最適な選択が異なります。ご家族の状況、資産状況、ビジネスの展望、そして健康状態など、多くの要因を総合的に考慮する必要があります。

プレミアムファイナンスは魅力的な選択肢の一つですが、決して唯一の解決策ではありません。私たちは、お客様一人ひとりに寄り添い、多様な対策や手法の中から最適な解決策を見出すお手伝いをさせていただきます。

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