【2024】海外移住者の税金はどうなるの?国外に住む人の納税に関する基本知識と注意点を解説

海外に移住し、新たな生活を始めることに憧れはありませんか。しかし、海外移住への夢を実現する過程で、避けて通れないのが「税金」の問題です。国外に住むとなると、日本への納税の義務はあるのか、納税の方法にはどのようなものがあるのかを把握しておく必要があります。

この記事では、海外移住者が直面する税金に関する基本知識と、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。海外での生活を始める前に、ぜひ知っておきたい税金のルールを理解し、海外移住を実現するためにもぜひ参考にしてください。

※今回はあくまでも、一般的な知識として情報をまとめていますが、何らかの判断が必要なケースの場合は、専門家への個別相談を実施してください。

海外移住者の住民税と所得税の扱いについて

海外移住者の住民税と所得税の扱いについて説明します。そのためには、あなたが日本の居住者か非居住者であるかが明確である必要があります。

居住者と非居住者では、支払い義務のある税金が変わるため、しっかりと確認しておきましょう。

日本の居住者と非居住者の区別

日本の税法では、納税者を「居住者」と「非居住者」に区別しています。居住者は、日本国内に住所があるか、または1年以上日本に滞在する人のことを指します。

一方、非居住者は、日本国内に住所を持たず、かつ日本に1年未満しか滞在しない人のことで、日本国内で発生した所得にのみ税金が課されます。

例えば、海外に移住し日本国内に住所がなく、かつ1年未満の滞在であれば、非居住者とみなされ、日本での仕事や不動産からの収入にのみ税金がかかります。

ただし、厳密な非居住者判断については税務当局との交渉が必要な場合もあるようですので、税逃れのために一定期間海外に出るなど安易なご判断をせず、移住に詳しい専門家へご相談ください。

住民税の支払いは不要

海外に移住して、1月1日時点で日本に住所がなければ、前年分の住民税の支払いは不要です。

例えば、2023年9月に海外に移住した場合、2024年1月1日時点で住所が日本になく、海外に在住していれば、海外転出するまでの2023年の1月~8月分の住民税は課税されません。

非居住者の場合は、住民税の課税対象外です。

所得税の支払いは必要

海外に住む非居住者が日本の国内源泉所得がある場合、海外だけでなく日本でも確定申告を行う必要があります。

アフィリエイト収入や副業収入で日本に恒久的施設を有していない場合、国内源泉所得には当たらないため、日本での確定申告の義務はありません。

海外移住者が所得税の支払いが必要な場合、代理人である「納税管理人」を立てて、申告・納税を本人に代わって代行してもらうことができます。

一方、日本での収入がない場合は、課税対象となる所得がないため所得税の支払いは不要です。

 

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海外移住をしてから日本に納税が不要な3つの条件

海外移住をしてから日本に納税が不要な3つの条件を紹介します。

  • ・日本に住民票がない
  • ・日本を拠点にする企業などから収入を得ていない
  • ・日本国内に不動産を所有していない

3つの条件にあてはまる場合は、日本で納税をする必要はありません。それぞれの条件について解説します。

【1】日本に住民票がない

海外移住をした人の納税義務に影響を及ぼす重要な条件の一つは「日本に住民票がない」ことです。1年以上の海外に居住することが決まっている場合、住民登録している自治体へ「海外転出届」を提出し、住民基本台帳から住民票を除票しなければなりません。

日本国内に住所を持たないことで、あなたは税法上の「非居住者」とみなされます。

非居住者は、日本国内で発生した所得に対してのみ税金を納めることになります。海外での収入に関しては、日本への納税義務が免除されます。日本国内での収入を得ずに海外で生活を始める際には、日本と移住先の国の納税についてしっかりと把握し、二重課税になるリスクを軽減することが重要です。

【2】日本を拠点にする企業などから収入を得ていない

海外移住者が日本への納税を免除される条件として、日本を拠点とする企業や組織から収入を得ていないことがあげられます。

たとえば、日本の会社に雇用されてリモートワークで働いている場合、その収入には日本の所得税が課されます。

しかし、海外に移住し、現地の企業や海外の企業からのみ収入を得ている場合、その収入に対する日本国内での納税義務は発生しません。

日本の国内源泉所得がなければ、所得税の支払いは不要です。

【3】日本国内に不動産を所有していない

海外に移住した後、日本国内に不動産を所有していない場合も納税が免除されます。日本国内に不動産(家、土地など)を保有している場合、その不動産から発生する収入(賃貸収入など)や、不動産の所有そのものに関連する税金(固定資産税など)の納税義務が生じます。

日本国内に不動産を持たない場合は不動産に関する税金を収める必要はありません。現在すでに不動産を持っている場合は、税金対策として海外へ移住を検討する際に売却を検討するのも一つの方法です。

海外移住後、日本で確定申告が発生する6つのケース

海外へ移住してからでも、日本で確定申告、税金の支払いが発生するケースを6つ紹介します。

  • ・日本に住民票がある
  • ・日本に恒久的施設がある
  • ・日本の企業から収入を得ている
  • ・日本で相続が発生する
  • ・日本で不動産を所有している
  • ・保険解約などでの利益がある

確定申告や納税が必要な場合は日本に一時帰国するか、納税管理人を立てて代理で行ってもらう必要があります。

現在、日本ではインターネット上で確定申告を完結させられる「e-Tax」というサイトがありますが、こちらは非居住者は利用できません。e-Taxを利用する場合も、国内にいる代理人に対応してもらう必要があるため注意しましょう。

ケース1:日本に住民票がある

海外移住後でも、日本に住民票が残っている場合は確定申告が必要になるケースがあります。この状況では、税法上「居住者」とみなされ、海外で発生した収入に対して日本で税金が課される可能性があります。

二重課税を避けるために、海外での税金支払いと日本での税金処理の間で適切に調整することが重要です。

移住後の次の年の2〜3月より前には、自分に確定申告が必要かどうか確認するようにしましょう。

ケース2:日本に恒久的施設がある

たとえ海外に居住していても、日本国内に事業者活動を行えるような恒久的施設を保有し、収益を得ている場合、その収益に関して日本で確定申告や納税の義務が発生する可能性があります。

恒久的施設とは、オフィス、工場、または店舗など、事業活動を行うための固定的な場所のことです。

これらの施設で製品を作って販売したり事業活動を経て得られた収益は日本国内で発生した源泉所得とみなされ、日本の税法に基づく課税対象となります。

ケース3:日本の企業から収入を得ている

海外に移住した後も日本の企業から収入を得ている場合、日本での確定申告が必要です。例えば、リモートワークで日本の会社に雇用されている、または日本のクライアントからフリーランスとして仕事を受けている場合がこれに該当します。

日本にある企業から収入を得ている場合は日本国内源泉の所得とみなされ、日本の税法に基づいて課税されます。

ケース4:日本で相続が発生する

海外移住後に日本で相続が発生した場合には、確定申告が必要です。日本国内に資産を持つ故人から相続を受けた際には、相続税の申告をしなければなりません。

相続されるものは故人の預金や不動産、株式といったさまざまな資産が含まれます。相続発生時には税理士などの専門家に相談し、正確な申告を行うことが大切です。

ケース5:日本で不動産を所有している

海外移住後でも、日本国内に不動産を所有している場合、その不動産から生じる収入に対して確定申告を行う必要があります。

不動産を保有していることで固定資産税などの税金の課税対象となり、賃貸からの収入がある場合には所得税の申告が必須です。また、不動産の売却があった場合には、売却益に対する譲渡所得税の申告も必要です。

日本国内の資産から収益を得ている場合、海外に居住していても日本の税法に従い、適切に申告し納税する必要があります。

ケース6:保険解約などでの利益がある

海外移住後、日本の保険商品を解約したことで受け取れる解約返戻金は国内源泉所得に該当するため、日本での確定申告、納税が必要です。

たとえば、生命保険や積立保険などを途中解約し、支払った保険料総額を超える金額を受け取った場合、その差額は所得とみなされ、税金が課されます。

保険解約による利益は、しばしば見落とされがちな納税対象であるため注意が必要です。

また、日本が外国と締結している租税条約によっては、日本国内で発生した保険解約益について、居住国でのみ課税を受け、日本での課税が免除される場合があります。

移住先の国の租税条約の内容や、解約金額によって収める税金額が大きく変わるため、個人で対応するのは難しいケースがほとんどです。

もし保険解約で得られる収入がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。

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​​海外移住を検討している人は税金を考慮したマネープランを立てましょう

海外移住後に日本への納税義務が発生しない条件は、日本に住民票がなく、国内不動産や日本企業からの収入を得ていないことです。

日本の企業から収入を得たり、不動産での収入がある場合、さらには相続や保険解約等で臨時収入がある場合は確定申告を日本で行わなければなりません。どの場合も計算方法が複雑になります。

そのため、確定申告に関する知識がなく手続きを完了させる自信がない、ゆっくりと時間をとることができない方は専門家に相談することをおすすめします。

海外移住をした方で確定申告や納税が発生するケースは複雑であることも多いため、手続きや申請を代理で行ってくれる専門家に相談することをおすすめします。

海外移住者向けに移住までのマネープランについては110mediaで相談してみてはいかがでしょうか。

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