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【対談企画】台湾に移住する人必見!台湾の基本情報から生活、お金の面での情報まで徹底質問【後編】

いつも香港のお話を教えていただいている110グループの才田氏との対談の場に、今回は台湾で国際金融アドバイザーとして活躍されている宮本氏をお招きし、台湾移住に関する様々な情報を教えていただいています。 後編となる本記事では、香港移住の中でも、お金事情をメインに、台湾でのおすすめ資産運用や銀行口座開設、日常生活での決済手段などに関する情報をお届けします。台湾移住の準備に向けてぜひ参考にしてください。 〜対談スタート〜 台湾移住するなら資産運用は必須 資産の自己防衛が大事 高林:「台湾でも公的年金だけでは老後生活を送るのは難しいというお話をいただきましたが、資産の自己防衛としてやはり自分たちで運用をしたり、蓄えたりしていくことが大切だなとあらためて思いました。台湾に移住される方や移住を検討される方に向けて、台湾での資産運用としておすすめの方法や注意点などがあればぜひ教えていただきたいです。」 宮本:「資産運用と年金はつながる部分があります。先ほど年金のお話をした際、お話ししませんでしたが日本の厚生年金は実はものすごく素晴らしい制度なんです。世間では年収の壁とかいろいろ言って、まるで悪者のように言われることもありますが、厚生年金は本当に良い制度だと思います。何が良いかというと、ひとつは保険料が天引きされる点ですね。天引きを嫌がる人も多いですが、人間は弱い生き物ですので、実は(自分でしようと思っても)ほとんどの人は貯められません。天引きしてもらえるからこそできるものであって、それを国の制度としてやってくれるのは素晴らしいことだと思っています。それと運用の規模が個人とは違いますよね。素人ではできない巨額のお金を運用してくれています。そして、何よりすごいことですが、会社が保険料を半分払ってくれているんですよね。ですので、多くの人が思っている以上に厚生年金としてお金が貯まっているんですよね。この素晴らしさを国が国民にアピールしていないのは、私としてはすごく残念に思っていて、もっと伝えるべきだと思っています。 そのうえで、厚生年金に加入していた人が台湾とか、海外に移住することでどうなるかというと、この貴重な厚生年金がなくなってしまうんですよね。それって大きな資産を失うのと同じことなんです。だからこそ、海外に出る人は自分で何かをやらないといけないんです。国が強制的にやってくれなくなりますから。このことをまず意識として持ち、自分でやると決めていただきたいです。では海外で何ができるかというと、法律によるルールやしがらみによって日本ではできなかった海外の金融商品や運用制度などを利用できるようになります。日本にいながら海外の投資ができる商品もありますが、海外で直接やることによってコスト削減ができます。日本は手数料や中間コストが高いものがたくさんありますので、同じことをやっても結果が違ってきます。それが海外で資産運用をするメリットのひとつですね。 台湾でやるとすれば、まず簡単にできるものとして外貨預金があります。日本にも米ドル建て預金など外貨預金がありますが、台湾は日本より手数料が安いですし、優遇制度も多々あります。金利も台湾のほうが高めですね。ただ、金利は4~5%で良いとしても物価上昇率がそれ以上に高いので、実際にはそれだけで良いかといえばそうではない部分もあります。」 才田:「日本の厚生年金制度が良くできているというのは、私も思います。ただ、海外に出るとそれを続けられる人と続けられない人がいて、さらに台湾では最低でも入らないといけないものがあるようですが、香港では何もありません。会社と個人で毎月支払う年金的なものはありますが、インフレ率の高い香港で将来65歳から30年間そのお金だけで生きていけるかといったら絶対無理ですね。家賃すら支払えない状況になるのではないかと思います。そういった点では台湾でも香港でも、現役で元気なうちに何かお金に動いてもらうものを自分が利用するというのが大切だと思います。社会全体で守るというのが厚生年金の仕掛けですが、海外ではその仕掛けを利用するのは難しいので、海外に一歩を踏み出す場合にはそのことを大きなテーマとして持っておくことが大切ではないかと思っています。 日本人移住者におすすめ資産運用法 高林:「宮本さんに再びお聞きしたいのですが、110グループが取り扱っている貯蓄型保険を含め、台湾でできる資産運用の種類や方法をお伺いしたいです。」 宮本:「台湾では株式投資をしている人が多いです。若い人からお年寄りまで株が大好きで、電車のなかでも皆さんスマートフォンで株式のチャートを見ながらニコニコしたり、渋い顔をしたりしている人たちをよく見ます。ただ、台湾で言葉がわからない日本人がそれをやるかというと難しいと思います。株式投資をやるなら日本で、日本語でやるといいと思います。敢えて台湾で、日本人がやりやすいものということで言うと、例えば銀行が紹介してくれる物として、優遇金利の付いた短期の定期預金があります。簡単ですし、日本人移住者にもやりやすいと思います。あとは貯蓄型保険ですね。貯蓄型保険にも大きく3つありまして、「現地通貨(台湾元)建ての保険商品」と「外貨建ての保険商品」、外貨建てでは米ドル建てが一番多いです。米ドル建ては台湾元建てよりも金利も高いですし、2年ぐらいで元本越えして、それ以降は増えていきますので日本の方にもやりやすいと思います。あとひとつは「投資信託」のようなものですね。日本のNISAやiDeCoに似たようなものが台湾にもありますので、利用しやすいと思います。」 高林:「以前、才田さんとの対談のなかで、最後にお金をどこで使うかという出口のお話をしていただいたのですが、台湾では出口によって資産運用のやり方が変わってくるのでしょうか。」 宮本:「その方が貯めたり増やしたりしたお金をどこで使うかを考えておくことは必要ですが、まず台湾に移住すると台湾の銀行で口座を作りますよね。その口座で貯めたお金を日本でセブンイレブンやローソンなんかにあるATMでお金を引き出せるんです。ですので、お金を取り出すという意味ではとくに問題はないと思います。日本に戻ってしまうということになれば台湾にあるお金を日本に戻す必要があります。日本から海外へ海外送金するのは面倒だったりできなかったりすることもあるのですが、台湾から日本への海外送金は簡単にできますので、それも問題ないと思います。」 才田:「私もこれまで何度か『できれば海外に出てみるのが良い』というようなお話をさせていただいたことがありますが、それでも最終的には日本に戻るという方も一定数いらっしゃるんですね。そういう点では、先ほど不動産のお話も出ましたが、日本に持って帰れない資産ではなく、日本に持って帰りやすい、移動させやすい資産をいくつか持っておくのが良いと思います。自分が貯めたお金を自分で使いたいというのはもちろんですが、やっぱり一緒に生活をしている家族、自分が大切にしている人に資金が確実に渡るようにしておくのがいいかなという気がしています。」 台湾の銀行口座開設 高林:「台湾に移住されてまず銀行口座の開設をするというお話でしたが、銀行の選び方や開設時の注意点などはありますか。」 宮本:「香港だと非居住者であっても口座開設できるようですが、台湾で口座開設するためには、まず居住者でなければできません。それが前提になりますが、口座開設は比較的簡単にできます。ただ、居住証明は必要です。通常は皆、居住証というものを持っていますが、居住証を提出する必要があります。外国人はパスポートも求められますね。手続きも簡単で、当日中に口座開設もでき、キャッシュカードも受け取れます。日本の感覚とあまり変わりません。 どの銀行が良いかですが、台湾は銀行の数も多いのですが、日本でいう都市銀行というか、一般的に看板をよく見かける銀行だと利便性もいいし安心だと思います。会社にお勤めの場合は、振込手数料などの都合もあって一般的には会社が銀行名を指定してきますので、指定された銀行で作ることになると思います。」 才田:「宮本さんが仰ったように、香港では非居住者でも口座を作れる可能性があります。利便性の面でも最近はアプリでいろんなことができるようになっています。日本の口座があればいいという考え方もありますが、日本の銀行だと海外送金がすごく面倒ですし、逆に海外のお金を日本に持ち込むといったことも考えると、台湾から2時間ぐらいで来られる香港にも口座を開設しておくというような発想に広げていただくのもいいですね。そうすればどこの銀行口座であってもおおむね維持したまま移動もできますし、将来の選択肢も広げられるのかなと思います。せっかく海外に出られるのであればいろいろな可能性を見ていくのがいいのではないかという気がします。」 台湾の決済手段 高林:「この対談を通して、これから2国間の活用などといった上級編の話も展開していけるかもしれませんね。あと、決済手段についてもお伺いしたいのですが、キャッシュレスとか現金決済とか、台湾はどのような感じでしょうか。」 宮本:「生活のなかでの決済手段はキャッシュレス、とくにタッチ決済が進んできています。タッチ決済は日本のSuicaのようなカード決済とLineペイのようなスマホ決済、あともうひとつありますが、大きくはこの3種で、日本のようにたくさんの○○ペイがあるわけではありません。中国大陸ではもうほとんど現金を使わないと聞いていますが、台湾ではそんなことはありません。現金も使えますし、ピッ、ピッとキャッシュレス決済も皆さんやっていますね。もちろん、クレジットカードも使えます。」 子連れで移住の場合に必須の台湾の教育事情 台湾でどのタイプの学校に入れるか 高林:「駐在の方など、お子様連れで移住される方もいると思いますが、お子様の幼稚園や学校は皆さん、どのような選択をされているのか気になる方も多いと思います。お子様連れで台湾に来られる場合の教育事情などを教えていただきたいです。」 宮本:「大きく分けると3つあります。駐在の方はほとんどの場合、日本人学校に入れられています。台湾では現在、小学校と中学校があり、台北には1校あります。台中と高雄にもあります。 もうひとつはインターナショナルスクールですね。台湾には結構数も多くありまして、アメリカ系、ヨーロッパ系が多く、そういうところにお子様を入れている日本人の方もいらっしゃいます。インターナショナルスクールに入れる方は、どちらかというと駐在員よりこちらで事業をやられている方が多いですが。あと、どう表現すればいいのかわからないのですが、学校でありながら勉強だけではなく、人生教育のようなことも教える学校もあって、そういうところに入れている日本の方もいらっしゃいました。 あとは、現地、台湾の公立学校にお子様を入れる方も私の周りには結構いらっしゃいます。それが、現地採用や事業をされている方ではなく、駐在で来られているのに台湾の公立学校に入れているという方にも何人かお会いしています。」 高林:「駐在で来られて現地の学校に入れられるというのは、何か狙いや意図のようなものがあるのでしょうか。」 宮本:「私も理由をお聞きしたいのですが、せっかく台湾に来たし、国際色を養えていいのではないか、ということでした。お子さんは小学1年で入学して4ヵ月ぐらいでペラペラになっているそうで、家庭でも中国語を使い出したなんて言われていました。ただ、駐在で行く親にとっては大変ですよね。中国語がペラペラというわけではないですけど、PTAとか学校とのやりとりとかたくさんありますよね。それは全部中国語なので、一番親が大変ですよね。」 才田:「私もよく耳にしますが、(駐在員の)旦那さんは仕事で必要なので中国語や英語を話せる人が多いですが、幼稚園を選んだり、学校やPTAとのやりとりをしたりというのはお母さんが動くわけですよね。奥さんは学校の対応が大変と言いますが、旦那さんは奥さんの対応が大変とかって聞きますね。まあ、どこかでそれぞれパワーは要りますね。子どもにチャレンジングなことをしてもらおうと思えば思うほど、親もしっかりチャレンジできる器量は要るなとお話をお聞きして感じました。それでも、文化の違いの体験は今しかできないことかもしれませんし、せっかくですので親の頑張り様次第かなとも思いながらお聞きしていました。」 宮本:「あと、結果的に奥さんのほうが言語レベルは上がっていくという話も聞きますね。会社の通訳が付きませんからね。」 才田:「ママ友との交流のなかで使う単語をキャッチしていきますからね。」 子どもの言語教育は 高林:「言語のところでお聞きしたいのですが、英語や中国語を学ばせたいとか将来のポテンシャルを加味して選ばれる方もいるのではないかと思うのですが、台湾にお住まいの日本人の皆さんはどのように考えられているかご存じでしょうか。あと、日常生活の言語についてもお伺いしたいです。」 宮本:「せっかく中国語圏に来たから中国語を学ばせたいという方もいらっしゃいますし、国際色豊かになってもらいたくて英語系のアメリカンスクールやヨーロッパ系のインターナショナルスクールとかに入れる方もいらっしゃいます。比率としてどちらが多いかはかわかりませんが、せっかく海外に来たので海外の学校に入れたいという親御さんは多いですね。 日常生活の言語は、台湾では当然中国語です。ただ、中国語でも台湾語というのもあるんです。こちらでは台湾語を使っている年配の方がたくさんいらっしゃいます。私と同年代の方でも、とくに南の方に行くと台湾語を使う方がいます。私もよくハイキングや山登りに行くのですが、挨拶をすると台湾語で喋られたりします。台湾語はわからないので中国語でお願いしますって言いますが。ですので、世代によりますが、日常では中国語と台湾語を両方使う感じですね。日常生活のなかで英語を使うことはないです。では、旅行者や移住者などはどうするかというと、日本よりは英語を使える方は圧倒的に多いので安心かと思います。」 高林:「日本語ができる方も多いのでしょうか。」 宮本:「日本統治時代が1945年までの50年間ありましたので、80代以上の方は結構流暢に日本語を話す方が多いです。台湾の老人ホームのようなところに行くと、普通に日本語を話されている老人の方々もいらっしゃいます。ただ、時代の経過とともに流暢な日本語を話される方は減ってきていますが、第二外国語で日本語を選択したり、日本が好きで片言の日本語を話す方はたくさんいます。こちらが日本人だとわかれば日本語で話しかけてくる人が多いです。あとは、日本人がよく行く様なお店には日本語を話せるスタッフがたくさんいますので、言葉の心配をする必要はほぼないと思います。」 才田:「アニメの影響も大きいですよね。日本に留学したこともないのにアニメで覚えたと言って、アニメキャラ的な日本語を話す人もいますね。」 宮本:「かなり大きいですね。」 高林:「私の知り合いにもアニメで日本語を覚えたという方はいますね。」 海外移住希望者にひと言 高林:「最後にお二人に締めの言葉をお願いします。」 才田:「まずは私から。私が宮本さんと一緒に台湾での立ち上げの仕事をしていたときに、香港と大きく違うなと思ったのが人を雇う時のことですね。例えば、香港では人を雇おうとすると必ず交通費を要求されますが、台湾は昼食代なんですよね。台湾にはそれぐらい食の深さがあり、食べることを大切にしていますよね。韓国同様、台湾は日本から一番近い海外の国ですが、こんなに日本に近いところに、こんなに日本のことを好きに思っている国があるということに気づいていただけると思います。資産運用云々の話もありますが、まずは一歩海外に出てみて、そのなかで感じること、できることをひとつずつ順番に学んでいければいいということを今回の対談のなかで知っていただけたと思います。まずは今回の情報を旅行などで楽しむためにも活用していただければいいかなと思っています。またどこかでお会いできればいいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。」 宮本:「冒頭の気候のお話のなかでひとつお伝えし忘れたのですが、台湾には杉がないので花粉症の方にはすごく喜ばれます。飛行機で降り立った瞬間に全然違うそうです。私は花粉症がないので感じないのですが、花粉症の方は皆さん、台湾は天国だって仰います。 先ほど、才田さんが海外に出て日本の良さがわかると言われましたが、まさしくそのとおりだと思います。とくに今、日本のニュースを見ると年金の話題がよく出ますが、それを見ると『日本人はわがままな国民』なんて感じます。税金などは政治家にもっと頑張ってもらって無駄のないように効率的に使ってもらわないといけませんが、年金に関しては別です。年金はパイが決まっていますし、ある程度の運用も決まっています。たくさんもらいたいけど払うのは嫌という人もいますが、それはないですよね。もともとパイが決まっているのでたくさんもらいたければたくさん払う必要もある、払いたくなければたくさんもらえません。海外にいるとそういったこともわがまま的に感じます。台湾に移住すると、ある意味、良い面、悪い面の両方がありますが、そのわがままから解き放たれますよね。上手に自分でやれば海外でお金を増やすことはできると思います。そういったところに目をつけていっていただきたいです。」 高林:「海外移住に関する対談をさせていただくと、あらためて日本の良さを意識できるなと私も感じます。宮本さん、才田さん、本日はどうもありがとうございました。」

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【対談企画】台湾に移住する人必見!台湾の基本情報から生活、お金の面での情報まで徹底質問【前編】

アジア圏と一口に言っても国が違えば気候風土や文化、習慣および意識の仕方などが違います。日本から見れば同じように見えても、実際に現地で仕事や生活をするとなれば、事前に各国の違いをつかんでおくことが大切です。 そこで今回は、いつも香港のお話を教えていただいている才田氏との対談の場に、110グループ台湾で国際金融アドバイザーをされている宮本氏をお招きし、台湾移住に有益な情報を教えていただきました。宮本氏は自ら台湾に拠点を移され、8年以上にわたって駐在員はじめ日本人移住者をメインに台湾での資産管理や資産保全に関するサポートをされています。台湾の基本情報から台湾での社会保障や医療事情、銀行口座開設や資産管理、教育まで、台湾移住を検討するために役立つさまざまな情報をお話いただきましたので台湾移住の準備をされている方はぜひ参考にしてください。 〜対談スタート〜 台湾の基本情報 地理的にも人情的にも日本に近い国 高林:「宮本さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。早速ですが、台湾に移住したい方、検討されている方に向けて、台湾の位置や気候、過ごしやすい時期など基本的な情報を教えていただけますか。」 宮本:「まず台湾の位置関係ですが、まさに『アジアのど真ん中』に位置しています。南にはフィリピン、北には中国、西に香港、シンガポールなど、そして東に日本があります。東京からだと飛行機で大体3時間くらいですね。大阪からだと2時間半、九州から2時間くらい、沖縄からは1時間程度で、とても日本と近いです。場合によっては日帰り旅行もできるのでは、というほどです。 台湾の人口は2,300万人少々なのですが、年間900万人くらいの人が海外旅行をしていて、そのうち大半が日本に行っていると聞きます。台湾の人は日本人のことが大好きなんです。地理的にも感情的にも日本と台湾は近い関係にあり、日本にも行きやすいし、日本からも来やすいです。ただ、コロナ以降は日本から台湾に来る人の数は回復していないようでして、日本からも台湾に人を招き寄せたいということで、私もボランティアで『台北と東北を結ぶ』といったプロジェクトに参画させていただいています。 気候に関しては、南の島をイメージされがちなのですが、案外四季もあります。例えば、12月~2月は少し寒い日がありますし、コートやダウンを着て街を歩いている人も多いです。12月末で気温14度ぐらいですので、まあこれは『冬を楽しんでいる』という感じかもしれません。現地の人は冬と表現していますが私の感覚では気温的には秋といったほうが近いです。ただ、日本の四季と違うのは、台湾は基本的に1年間を通して暑いです。ですので、暖房器具とか、家自体も断熱性能があまりよくないので冬場は室内に冷たい空気が入り込んで結構寒く、寒さに耐え凌ぎながら日々暮らしているという感じです。極寒ではないですが。 実は台湾には3,000メートル級の山が約270~280座あるんです。日本は公式データではたしか21座だったと思いますから10倍以上ですね。それでいて国土が日本の10分の1ですから、狭い敷地に高い山がぎゅっと詰まった感じで、標高が高いところと低いところで気候が全然違います。亜熱帯気候からから寒帯までバラエティに富んでいます。それによって植生や生き物も多種多様です。蝶を例に挙げると、たしか400種くらいと聞いています。面積に比例して考えるとブラジルレベルだそうです。台湾では固有種だけでも40~50種くらいいると言われています。イギリスではたしか蝶々自体が70種(日本は250種)ぐらいしかいないそうです。もちろん他の生物もそんな感じでたくさんいて、住んでいいてもすごく面白い気候帯ですね。」 才田:「香港と共通していると思って聞いていましたが、暖房器具に弱いですよね。寒くなってくると、寒さを凌ぐ手段がヒーターを買うか、家の中でダウンを着るしかないんですけど、暖かそうにみえる台湾もそうなんですね。」 宮本:「そうですね。まさしくそんな感じです。」 高林:「春夏秋冬でみると気温的にはどのような感じでしょうか。」 宮本:「暑いときは35~36度ですね。日本だと暑いときに40度ぐらいになる時もありますが、そのようなことはあまりなくて、暑い期間がすごく長いという感じです。寒いときでは、気温が一桁台になることはなく、10~11度で寒いと思う感じです。2月になると気温が一桁台になることがありますし、台北市の近くには1,000メートルくらいの山があるんですが、そういうところでは数年に1回くらい、ほんの少しですが雪が降ることがあります。台湾は面積も九州と同じくらいですが、南北感の距離も九州のように縦長で300キロメートルくらいの距離がありますので、南北での気温差は結構あります。一番南には高雄という大きな都市があるのですが、そこはすごく暑いようです。高雄から台北に来た人は皆さん『涼しい』と言います。」 才田:「香港のスタッフが言っていましたが、『日本はオーブンレンジの中にいるようなジリジリした暑さで、台湾や香港は湿気があるので蒸し器の中にいる暑さ』のようです。気候面でも台湾と香港はつながっている感じですね。」 宮本:「そうですね。私自身は日本に戻ると24時間以内に皮膚がパキパキになります。夏でもですが、冬はとくに24時間持たないです。唇も頬も、手の指先も。以前はあかぎれになったことがなかったのですが、台湾に7年も8年もいると身体が慣れてしまうのでしょうね。最近は本当にあかぎれがひどいので、冬場に日本に戻るときにはドキドキします。」 才田:「本当に乾燥がすごいですよね。パキパキ感が。何か塗っておかないと、そのまま(皮膚が)外れてしまうような感じですよね。」 宮本:「本当に怖いですね。」 高林:「そうなんですね。前回の対談で、才田さんに香港の『緩やかな四季』についてお聞きしましたが、台湾もそれに近いのかなと思いました。」 台湾の食文化 高林:「生活する上では食事も大切です。台湾の食文化について教えていただけますか。」 宮本:「台湾といえば皆さん、中華料理を思い浮かべると思いますが、日本人が一般的に思い浮かべる辛くて、塩分が強くて脂っこい中華料理とはずいぶん違うと思います。台湾の料理はむしろその真逆で、基本的に非常に薄味というか、塩分がほぼありません。わりと甘めな味付けなので日本人の口に合うと思いますが、塩分が少ないという部分では日本人には物足りないと思います。その辺りの(台湾の)ラーメン屋にふらっと入ってラーメンを食べると、日本人の方々は失敗じゃないかと言うぐらい塩分が無いです。でも、看板に『日本人向けの味』などと書いていたり、日本人向けの味と台湾人向けの味を選べたりするところもあります。私は血圧が高めだったのですが、台湾に来て塩分が少ない生活をしているので肉体的には良いのかなと思います。でも、脂分は日本に比べて何倍も多く感じます。スーパーマーケットに行っても油の一斗缶サイズのものを売っていますし、それだけ油の消費量が多いのでしょうね。 中華料理といってもすごく幅が広くて、同じ中国大陸(以下中国)でも地方で食べる物が違いますよね。香港でもそうですよね。でも、台湾は歴史的に大きく2度中国から人口が集まっているんですが、中国のいろんなところから人が来ているので、人種のるつぼというか、いろんな文化が入り乱れています。ですので、台湾の人が日常的に食べるわけではないですが、日本でよく食べるような中華料理も食べることもできます。 あと、台湾はそんなに大きな国ではないですが、北と南で結構違いがあります。南に行けば行くほど甘味になる傾向があります。台北のほうは、日本の東京に相当しますが、いろんな味が楽しめます。 それと、香港もそうかもしれませんが、台湾の人は日本ほど自炊はしないですね。朝食も大抵外で食べますし、お昼は弁当持参で来る人も多いですが、夜も外食文化があって、食事をするところは日本以上にあります。ただ、魚に関しては意外に、とくに台北は少ないんです。台湾は四方を海に囲まれているので私も台湾に来たときは魚介をたくさん食べられると思っていたのですが、意外に少なく、スーパーマーケットに行ってもほとんどないですね。淡水魚が売られていることもあるのですが、あまりおいしくはありません。 市場とかに行けばありますが、それでも少ないですね。というのは、最初にお話ししたように台湾は周りを色んな国で囲まれているので実は漁場がすごく狭いんですね。漁獲量がすごく限られているんです。その点、日本は太平洋、日本海、東シナ海等々、東西南北に漁場があって、世界有数の漁場に恵まれた国だというのは台湾に来てから感じました。このあいだ台湾で回らない鮨屋に行ったのですが、1人当たり日本円換算で5~6万円くらいかかりました。おそらくですが、日本だと、銀座で4万円、築地で2~3万円、福岡だと1万5,000円というレベルの鮨屋ですよ。」 高林:「ありがとうございます。お魚の話は興味深いですね。台湾の代表的な料理や日本料理店なんかはどのようなものが食べられるんでしょうか。」 宮本:「台湾料理の有名どころとしては牛肉麺ですね。『ニュウロウミェン』といいますが、牛肉が入ったラーメンで、台湾への観光客は一番よく食べる料理だと思います。あと、『魯肉飯(ルーローハン)』といって甘辛味の豚肉の粗挽きをご飯の上にのせた料理ですが、これも庶民の味としてよく食べます。水餃子もですね。中国では焼餃子はあまりないのですが、台湾は日本の統治時代が50年あったからかどうかはわかりませんが、台湾では焼餃子も結構あります。日本食に関しては、多分、海外では世界一と言えるほど、種類も豊富で選択に苦労することはないです。日本のチェーン店もほぼ台湾で展開していると思います。代表的なところでは牛丼チェーン店3種、店舗数も多いですね。回転寿司チェーン店やサイゼリアなどもたくさんあります。ただ、基本的に値段は高めですね、でも、そのなかでウナギは安いと思います。ウナギは味のレベルも高く、価格も安いです。これは漁場が近いし、ウナギの養殖にも成功していて安く手に入るようです。」 台湾の治安 高林:「台湾に行ったことがない方にも台湾での食事についてよくイメージできるかと思います。ありがとうございます。あと、海外にあまり行ったことがない方は治安面も不安があると思うのですが、現在の台湾の治安状況はいかがでしょうか。」 宮本:「治安はすごくいいですね。私も色んな国に行っていますが、多分、台湾は(そのなかでも)一番安全な国だと思っています。私が8年近く住んでいるなかで身の危険を感じたことは一度もないです。日本人のほとんどは、台湾、香港、中国は一緒だと思っているようなのですが、全く違います。道徳、言葉、考え方、習慣、生活様式、アイデンティティなど、全く異なります。ですので治安面でも違いますね。私自身、中国に住んでいたこともありますが、中国では危険を感じたり、怖いと思ったりしたこともありましたし、人口比で考えると比較できないかもしれませんが昨年も凶悪事件が9件ぐらいありましたよね。とはいっても、どんな安全な国でも行ってはいけない場所というのは必ずあり、台湾にもあります。行かない方がいいといわれている場所に敢えて行くことがなければ問題はないと思います。スリや盗難なども注意しておく必要はありますが、あまり聞くことがなく、日本と同じような感覚だと思います。 ただ、治安とは違う危険があって、交通状況は良くないですね。急に自動車の運行量が増えたということや、駐車場の数が少ないこと、バイクがものすごく多いことなんかがあって、路上の事故や危険が多いです。私も歩いていて足の爪先をバイクに轢かれたことがあります。まあ、爪先だったのでたいして痛くはなかったですが、ぶつかりそうになってヒヤッとすることは何度もあります。」 街の綺麗さも日本並み 高林:「ありがとうございます。日本だと歩行者優先ですが、その点は違うのですね。街の景観や雰囲気はいかがでしょうか。」 宮本:「街の雰囲気は日本に似ていると思います。私自身は台湾も綺麗だとおもうのですが、台湾人が日本に行くと皆さん日本は綺麗だと言いますね。綺麗の感覚が台湾人と日本人で異なるのかもしれませんが、台湾には街にゴミ箱もきちんとあって、ゴミ箱に物を捨てるという習慣もあり、綺麗好きです。街並みも綺麗だと思います。都会は車やバイクが多いですが。でも、街中には高層マンションや百貨店などもありますし、あまり日本の都市部と変わらないのではないでしょうか。コンビニもたくさんありますよ。」 高林:「日本のブランドのお店も多いので安心感もあるなというのは、私の記憶にもあります。」 宮本:「他の国に行った時の感覚は、同じアジアのなかでも例えば中国とかフィリピンにいった時の感覚と比べると、台湾は日本にいる感覚に近いですね。」 台湾移住前に知っておくべき諸情報 台湾移住のビザは? 高林:「ビザについてお聞きしたいのですが、観光旅行でビザの要否や移住者はどういうビザで来られているかご存じでしょうか。」 宮本:「私はビザの専門ではないので詳しいお話はできませんが、駐在で来られる方は皆さん就労ビザを取得して来られていますね。ご家族は皆さん帯同ビザで来られています。最近は留学で来られる方も増えていますが、その場合は学生ビザですね。主にはこの3種ではないでしょうか。現地採用でこちらに来られたり、起業されたりしている方も就労ビザを取られています。観光旅行であれば3ヵ月以内の滞在であればとくにビザを意識して来られる方はいないと思います。 ビザの取りやすさで言うと、他の国とあまり変わらないのではないでしょうか。ただ、こちらで起業しようという場合はビザの枠もありますし、現地人を採用するなど取得条件を満たす必要もあります。」 高林:「ちなみに、今は台湾に住まれている日本人はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。」 宮本:「正確な数は把握していませんが、在留登録をされている方は2万4,000人くらいだったと思います。2万6,000人くらいいたのが減って、そのあと少し増えた感じです。」 高林:「コロナの後はどのような感じですか。」 宮本:「コロナの後、減ったのですが、今は少し増えてきているというのは最近聞きました。登録していない人もいますし、短期・中期で来られている方も多いので、トータルとしては3万人くらい日本人が住まれていると聞きます。」 高林:「一般的には就労ビザ、帯同ビザというところですね。」 宮本:「そうですね。」 台湾ではどこに住むか? 高林:「台湾に住むとなればどこに住むのが良いのか、家賃も含めて教えていただきたいです。」 宮本:「私は台北に住んでいるので、南の方とか他の都市の事情には詳しくないですが、私の肌感覚としては地域によって家賃の幅が大きいことは感じます。本当に場所によって家賃が違いますので比べるのは難しいですが。」 高林:「日本人駐在員の方達はどのような地域に、どのような価格帯で住まわれているのでしょうか。」 宮本:「駐在の方達は会社の近くや都市中心部の良い地域に住まわれていますね。台北には台北駅を中心に衛星的にいくつか良い地域があって、便利な地域に住んでいる方が多いです。そういう地域では家賃は日本円で20万~30万円でしょうか。家族帯同で来られている方々は日本人学校の周りに住んでいる方がほとんどです。そういうところでは、部屋数も3部屋ぐらいの物件で家賃30万円前後ですね。 まあ、これは家賃を会社が出してくれるから住めるのでしょうが、私のように駐在ではなく単身でやっている者は、中心部から少し離れた場所で、家賃が9万数千円という感じです。少し離れた場所とはいえ、ドア to…

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