【2024】円安進行中の「外貨建て保険」加入・解約時期をプロが解説

外貨建て保険とは、保険料の支払い、保険金や解約返戻金の受け取りなどを外貨で行う保険です。為替の影響を受けるため、加入するタイミングについては慎重に検討する必要があります。

本記事では、外貨建て保険と為替の関係を整理するとともに、円安時に外貨建て保険へ加入あるいは解約する場合における留意点を解説します。商品により運用通貨などは違うため、まずは外貨建て保険の内容をよく理解しておきましょう。

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外貨建て保険とは?

外貨建て保険とは、保険料の支払い、保険金や解約返戻金の受け取りなどを外貨で行う保険です。種類は終身保険、養老保険、年金保険などがありますが、円建て保険よりも資産運用の側面が強いのが特徴です。選択できる通貨は米ドル・豪ドル・ユーロなど商品により異なります。

外貨建て保険においては、選んだ通貨によっては比較的高金利での運用が可能です。したがって、低金利が続く日本においては資産運用の選択肢の一つとして活用できます。

ただし、為替の変動により支払保険料や受け取る保険金の金額が増減する点には注意が必要です。加入の際には為替変動などのリスクを理解し、運用期間と今後の為替動向を考慮しましょう。

外貨建て保険と円安・円高の関係

外貨建て保険は、為替の変動により保険料や保険金などの金額が変わります。高い利回りでの運用が期待できる反面、為替の影響を受けて損失を被るリスクもあるため、円高・円安がどのように関係するのか整理しておきましょう。

円安になった場合

保険料の払込時よりも保険金や解約返戻金の受け取り時に円安が進行していれば、受け取る金額はより多くなります。逆に、円安が進行するほど保険料の支払いは高くなります。

円安とは、相対的に円の価値が下がることです。例えば1ドル135円であったのが、1ドル140円になることを指します。

この場合、それまで毎月100ドルのドル積立を実施するのに13,500円の支払いで済んだものが、円安の進行により500円高い14,000円を支払わなくてはなりません。同じ100ドルの商品でも支払う日本円が多くなるということは、それだけ円の価値が下がったことを意味します。つまり銀行から引き落としされる日本円の金額が多くなり負担感が増す印象です。

円高になった場合

保険料の支払いで日本円から外貨に換算する際、円高になるほど保険料の支払いが安く済みます。逆に、保険金や解約返戻金の受け取るタイミングで保険料の払込時よりも円高であれば、受け取る金額が少なくなります。

円高とは、相対的に円の価値が上がることです。例えば1ドル140円であったのが、1ドル135円になることを指します。

考え方は円安と逆で、この場合は毎月100ドルの積立を実施するのに以前は日本円で14,000円を支払う必要があったのが、円高の進行により13,500円で済みます。したがって、日本円の価値が500円上がったと考えます。つまり銀行から引き落としされる日本円の金額が少なくなり負担感が軽くなる印象です。

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円安進行中で外貨建て保険への加入や解約はどうすべきか

保険金の受取時、為替が保険料を支払ったときよりも円安に振れていれば外貨建て保険の恩恵を受けられます。しかし、実際は保険金の受け取りの時期に為替がどう変動しているかを予測することは困難です。

米ドル/円に関していえば、2021年末から2022年10月下旬にかけて円安が進み、一時は1ドル=150円に届きました。2023年に入ってからも再び円安が進む中、外貨建て保険への加入や解約でリスクを軽減するために以下の点がポイントとなります。

・保険料を平準払(月払)にする
・運用目標の金額を大きくしすぎない
・受取時に据置期間を活用する
・円安進行中に解約する(加入済の場合)
・他の金融商品へリスク分散する

自分に合った方法で為替リスクを軽減しましょう。

保険料を平準払する

保険料を平準払いすれば、「ドルコスト平均法」の効果により為替変動のリスクを軽減できます。ドルコスト平均法とは、金融商品の買付けにおいて定期的に一定金額を購入することです。これにより、購入単価が平準化されていくため、一度に多く買い付けて高くついてしまうというリスクを軽減できます。

円安の進行下では保険料の支払い方法を月払いにするという選択肢も視野に入れてみましょう。ただし、保険料の支払総額が一時払と比較してどれくらい違うのかはシミュレーションをしておくことをおすすめします。

目標金額を低めに設定しておく

外貨での運用目標金額があまりにも高ければ、為替リスクにさらされる期間も長くなる可能性があります。為替が大きく変動して予定よりも早く目標金額に到達する可能性もありますが、まずは堅実なラインで目標を設定しておきましょう。

運用目標額は途中で変更もできますが、タイミングや現在の状況確認については各保険会社や販売代理店に確認しておくことをおすすめします。為替は急な変動が起こる可能性もあるため、例え円安が進んでいても状況の推移には注意が必要です。

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据え置きや外貨受け取りを選べるようにする

円安時の加入で気になるのが、受取時に今よりも円安になっているかどうかです。もし受取のタイミングで円高になり、このままでは元本割れしてしまうという場合、外貨での受け取りや据え置きすることで状況が改善するまで待つことが可能です。

ただし、保険金を使う予定があった場合は据え置き等を選択することで、ライフプランに影響が出る可能性があります。据え置く期間や外貨を円に替えるタイミングなどについて、あらかじめ計画を立てておいた方が良いでしょう。

円安進行中に解約する(加入済の場合)

すでに外貨建て保険に加入しており円安が進んでいる場合は、そのタイミングで解約することも視野に入れておきましょう。まだまだ円安が進むはず、と思って運用を続けた結果、急に円高に振れてしまう可能性も考えられます。したがって、すでにリターンが確保できる状態であるならば、円安は解約をするタイミングの一つとして有効です。

一番重要なことは資産を守ることであるため、自分の目標金額とリスクの許容度に照らし合わせて解約のタイミングを決めましょう。

他の金融商品にもリスク分散する

外貨建て保険だけではなく、他の金融商品での運用も同時に考えておきましょう。円安の中で加入するのであれば、リスクヘッジとして定期預金、債券やインデックスの投資信託など比較的リスクが抑えられる金融商品に分散投資することが重要です。

円安で外貨建て保険に加入するならリスクヘッジをしよう

外貨建て保険は為替変動の影響を受けるため、加入するタイミングが重要です。

加入の検討中に円高が進めば、保険料の支払い負担が軽減されるので追い風となるでしょう。逆に、円安基調であれば保険料の支払い負担が増加してしまいます。また、元本割れを避けるには、保険金の受取時に今より更に円安が進行する必要がある、というプレッシャーも感じるでしょう。

保険金の受取時に為替がどうなっているのかを的確に予測するのは難しいため、加入時にリスクについてしっかり理解しておくことが重要です。円安が進行する中では保険料を月払にする、据え置き措置として外貨で保険金を受け取れる商品を選択する、といったリスクヘッジの考えを持つことが重要でしょう。

海外居住・海外駐在中で外貨収入がある場合は?

これまでは、日本円から外貨建て保険に加入するイメージでしたが、もしあなたが既に外貨を保有している状態や、外貨収入がある場合は、上記とは状況が異なります。

もし米ドルもしくは、米ドルとペッグしている通貨(香港ドルなど)で収入がある場合は、為替リスクを無視することができます。つまり支払い時における円安とか円高とかを気にする必要が無くなると言うことです。

この状態であれば、心理的ストレス、心配事は随分と軽減されるのではないでしょうか?とは言え、海外はインフレ率も高く、銀行口座に置いたままでは運用ロス(価値の減少)となってしまうため、短期であれば3ヶ月定期預金なども有効です。

また外貨資産を中長期的に運用し、最終的な受け取りリスクを軽減したいのであれば、海外で購入できる外貨建て保険が有効でしょう。

たとえば、債券や投資信託、銀行預金などの金融商品を海外で購入し、仮に万一があった場合はご遺族がその資金を回収するのに200万円ほどの費用と、1年以上の時間がかかってしまいます。国によってはそれらの交渉すら困難な状態になります。

ところが、保険商品としてオブラートに包まれた運用商品であれば「受取人」の設定や、金利の良いまま名義を変えて運用を継続できるなど、中長期の運用にとっては安心できる独特の機能があります。

また海外で生活しているときにしか選択できない、期限付きの選択肢ですので検討してみるのも良いでしょう。

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
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香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。
日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。