海外在住者必見│日本へ一時帰国して里帰り出産する際の制度・手続きガイド

海外赴任や国際結婚、留学などで海外に暮らしている方の中には、妊娠・出産を機に日本へ一時帰国し、実家などで家族のサポートを受けながら出産したいと考える方もいるでしょう。

滞在国の医療体制や言葉の問題、出産費用、家族から受けられるサポートなどを考慮し、日本での里帰り出産を選ぶケースがあります。

ただし、海外在住者が一時帰国して出産する場合、住民票の有無、日本の公的医療保険への加入状況、帰国期間などによって、利用できる制度や必要な手続きが異なります。

「日本人だから健康保険を利用できる」「一時帰国すれば住民票を移せる」「海外在住でも出産育児一時金を必ずもらえる」とは限りません。

ここでは、日本へ一時帰国して里帰り出産をする方に向けて、妊娠中に利用できる制度や必要な手続き、帰国前後に準備しておきたいことを解説します。

※本記事は2026年7月時点の情報をもとにしています。自治体、医療機関、健康保険組合、勤務先、滞在国によって取り扱いが異なるため、必ず各窓口へ確認してください。

Contents

海外在住者が一時帰国して出産する前に確認したいこと

最初に、次の3点を確認しましょう。

  • 希望する産院で里帰り出産を受け入れてもらえるか
  • 日本の公的医療保険の加入資格が継続しているか
  • 日本で住民登録ができる状況か

特に注意したいのが、住民票と健康保険です。

生活の本拠が海外にあり、出産後に再び海外の居住地へ戻る一時帰国の場合、原則として日本で住民登録を受け付けてもらえないことがあります。

例えば川崎市は、海外居住者が一時帰国し、再び海外の居住地へ戻る場合は、住所が海外にあるものとして扱い、住民登録を受け付けられないと案内しています。帰国先の自治体へ事前に相談しましょう。

一時帰国で出産する期間は何か月必要?

「一時帰国で出産する場合、期間は何か月必要なのか」と疑問に思う方も多いでしょう。

一時帰国の期間について、全国共通の決まりはありません。次の条件を考慮して決める必要があります。

  • 産院が指定する初回受診の時期
  • 妊娠経過や母体・胎児の状態
  • 航空会社の搭乗条件
  • 産後健診や赤ちゃんの1か月健診
  • 出生届やパスポートの手続き期間
  • 滞在国のビザや在留資格の取得期間

帰国時期については、希望する産院から「妊娠何週までに受診する必要があるか」を確認し、現在の主治医とも相談して決めましょう。

航空会社によっては、出産予定日が近づくと診断書や医師の同行が必要になります。

例えばJALの国際線では、出産予定日を含めて28日以内に搭乗する場合などに、搭乗日から7日以内に発行された診断書が必要です。また、出産予定日を含めて14日以内の場合は産科医の同伴が必要とされています。航空会社ごとに条件が異なるため、予約前に確認してください。

海外から一時帰国する前の出産準備・手続き

①産婦人科・分娩予約

里帰り出産を希望する場合は、日本へ帰国する前に分娩予約を済ませておくことが重要です。

里帰り出産の受け入れ条件や予約期限は、医療機関によって異なります。妊娠初期から中期に予約を締め切る産院もあるため、出産先を決めたらできるだけ早く問い合わせましょう。

特に、次のような場合は、受け入れ可能な医療機関が限られることがあります。

  • 無痛分娩を希望している
  • 帝王切開の既往がある
  • 多胎妊娠である
  • 持病や妊娠合併症がある
  • 高次医療機関での管理が必要である

産院には、次の点を確認しておきましょう。

  • 分娩予約の申込期限
  • 日本での初回受診が必要な妊娠週数
  • 帰国が必要な時期
  • 必要な紹介状や検査結果
  • 分娩費用と予約金
  • 無痛分娩や帝王切開への対応
  • 日本の健康保険がない場合の費用

②海外の病院で里帰り出産の紹介状を準備する

海外の病院から日本の産院へ転院する場合は、紹介状や診療記録が必要になることがあります。

海外では、日本のような形式の紹介状を発行しない医療機関もあります。しかし、日本の産院では、これまでの妊娠経過を確認するため、紹介状や検査結果の提出を求められることがあります。

現在通院している海外の病院に、次の情報を記載した英語の紹介状または診療記録を作成してもらいましょう。

  • 出産予定日と妊娠週数
  • 妊娠経過
  • 血液型
  • 感染症検査の結果
  • 血液検査・尿検査の結果
  • 超音波検査の結果
  • 胎児の発育状況
  • 既往歴・手術歴
  • アレルギー
  • 使用中の薬
  • 妊娠中に発生した病気や異常

紹介状のほか、検査結果、超音波画像、処方薬の一覧なども、紙またはデータで持参すると安心です。

③海外駐在中の出産で日本の健康保険を使えるか確認する

海外駐在中の出産で日本の健康保険を利用できるかどうかは、住民票の有無だけでなく、日本の健康保険資格が継続しているかによって決まります。

日本企業との雇用関係が継続し、海外赴任中も日本の健康保険に加入している場合は、一時帰国中に日本の医療機関を受診できる可能性があります。

一方、現地採用や退職などによって日本の健康保険資格を喪失している場合、日本国籍があっても健康保険は利用できません。

また、海外赴任者に同行している配偶者や子どもなどの帯同家族は、一定の海外特例要件を満たせば、海外居住中も健康保険の被扶養者として認められる場合があります。日本年金機構は、海外赴任する被保険者に同行する家族などを海外特例要件の対象として案内しています。

勤務先や健康保険組合へ、次の点を確認しましょう。

  • 日本の健康保険資格が継続しているか
  • 一時帰国中に保険診療を受けられるか
  • 出産育児一時金の対象になるか
  • 出産育児一時金の直接支払制度を利用できるか
  • 生まれた赤ちゃんを被扶養者として加入させられるか
  • 必要な申請書類や提出期限

④海外からの里帰り出産にかかる費用を確認する

海外から里帰り出産をする場合、主に次の費用がかかります。

  • 日本までの航空券
  • 妊婦健診費用
  • 分娩・入院費用
  • 無痛分娩や個室などの追加料金
  • 紹介状や英文診断書の作成費用
  • 産後健診・赤ちゃんの健診費用
  • パスポートやビザの取得費用
  • 日本での生活費
  • 配偶者や家族の渡航費

2026年7月時点では、正常な妊娠・分娩は原則として従来の健康保険の保険診療対象外です。帝王切開や妊娠高血圧症候群など、医学的な治療が必要になった場合は、保険診療の対象になることがあります。

日本の健康保険資格がない場合は、保険診療となる治療についても全額自己負担となる可能性があります。

海外駐在中の出産では、正常分娩の費用だけでなく、緊急帝王切開、切迫早産、長期入院、新生児治療などが必要になった場合の医療費と自己負担額も確認しておきましょう。

産院ごとの費用やサービスは、厚生労働省の「出産なび」でも確認できます。

⑤海外駐在中の出産後に必要な予防接種スケジュールを確認する

出産後、いつ滞在国へ戻るかによって、日本で受ける予防接種と滞在国で受ける予防接種が分かれることがあります。

日本で乳児期から行われる主な定期接種には、次のものがあります。

  • ロタウイルスワクチン
  • 5種混合ワクチン
  • 小児用肺炎球菌ワクチン
  • B型肝炎ワクチン
  • BCGワクチン
  • MRワクチン
  • 水痘ワクチン
  • 日本脳炎ワクチン

ロタウイルス、5種混合、小児用肺炎球菌、B型肝炎の標準的な接種開始時期は生後2か月ごろです。BCGは生後5か月ごろ、日本脳炎は3歳ごろからが標準的な接種時期です。

海外駐在家庭では、日本と滞在国で予防接種の種類や接種時期が異なる可能性があります。日本で接種を始める前に、滞在国の小児科にもスケジュールを確認しておきましょう。

また、次の点も確認しておくと安心です。

  • 滞在国で同じ種類のワクチンを接種できるか
  • 日本と滞在国で製品や接種回数に違いがあるか
  • 英文の予防接種証明書が必要か
  • 日本の母子健康手帳を接種記録として使用できるか

日本で利用できる可能性がある制度

①海外在住者でも妊婦健診の補助券を利用できる?

日本で住民登録が認められ、自治体へ妊娠届を提出すると、一般的には母子健康手帳と妊婦健康診査の受診券・補助券が交付されます。

妊婦健診の公費助成を受けられる回数、金額、対象となる検査は自治体によって異なります。また、補助券があっても、検査内容や医療機関によっては自己負担が発生します。

海外在住者が一時帰国しただけでは、妊婦健診の補助券を利用できるとは限りません。生活の本拠が海外にある場合は住民登録が認められず、補助券の交付対象にならない可能性があります。

帰国前に、滞在予定の自治体の母子保健担当窓口へ次の点を確認しましょう。

  • 一時帰国者でも母子健康手帳を受け取れるか
  • 妊婦健診の補助券が交付されるか
  • 海外ですでに受けた健診分が助成対象になるか
  • 住民登録がない場合に利用できる支援があるか

②出産育児一時金は海外在住でももらえる?

出産育児一時金は、出産した時点で日本の公的医療保険に加入しており、妊娠4か月・85日以上で出産した場合に支給対象となります。

2026年7月現在、支給額は子ども1人につき原則50万円です。出産場所は問われないため、日本へ一時帰国して出産した場合だけでなく、海外で出産した場合も、有効な健康保険資格があれば申請できます。

「海外在住でも出産一時金50万円をもらえるのか」という疑問に対しては、海外在住かどうかではなく、出産時点で日本の公的医療保険の加入資格があるかが重要です。

申請期限は、原則として出産日の翌日から2年以内です。海外で出産した場合は、現地の出生証明書や日本語訳など、追加書類を求められることがあります。具体的な必要書類は加入している保険者へ確認してください。

③出産育児一時金の直接支払制度

直接支払制度は、出産する本人に代わって医療機関が保険者へ出産育児一時金を請求し、保険者から医療機関へ一時金が直接支払われる仕組みです。

出産費用が一時金を上回った場合は、退院時などに差額を支払います。出産費用が一時金を下回った場合は、保険者へ申請することで差額を受け取れます。

医療機関によっては、直接支払制度ではなく、受取代理制度や出産後の償還払いを利用する場合があります。分娩予約時に支払方法を確認しましょう。

④2026年に成立した出産費用の新制度にも注意

2026年には、標準的な出産費用について妊婦の自己負担が生じない仕組みを設けることなどを盛り込んだ医療保険制度改正法が成立しました。

ただし、妊娠・出産に対する新しい給付制度の施行は、法律の公布後2年以内とされており、具体的な開始時期や対象費用などは今後定められます。

2026年7月時点では、出産育児一時金が原則50万円支給される従来の制度が引き続き案内されています。実際に出産する時期によって制度が変わる可能性があるため、厚生労働省や加入している保険者の最新情報を確認してください。

⑤海外駐在中に出産した場合、児童手当はもらえる?

児童手当は、原則として子どもが日本国内に住んでいる場合に支給される制度です。

里帰り出産によって赤ちゃんが一時的に日本で生まれても、その後、両親とともに海外で生活する場合は、原則として児童手当の支給対象になりません。

こども家庭庁は、子どもが海外に住んでおり、日本国内に住所を有しない場合、その子どもの児童手当は原則として支給されないと案内しています。留学など一定の要件を満たす場合には例外がありますが、海外駐在に帯同する乳幼児は通常、この留学特例には該当しません。

海外駐在中の出産で児童手当を申請できるかどうかは、住民票を置いているかだけではなく、赤ちゃんの実際の居住地や生活状況によって判断されます。

日本での里帰り出産に必要な手続き

①海外在住者が一時帰国して出産するとき、住民票は移せる?

住民票は、その人の生活の本拠がある場所に置くものです。

出産のために一時帰国し、出産後に再び海外の居住地へ戻る場合、行政サービスを利用する目的だけで住民票を日本へ移すことはできません。

自治体によって確認方法は異なりますが、次のような状況を総合的に判断される可能性があります。

  • 日本で生活する予定の期間
  • 海外の住居を維持しているか
  • 海外での勤務や在留資格が継続しているか
  • 出産後に海外へ戻る予定があるか
  • 日本へ生活の本拠を移したと判断できるか

一時帰国ではなく本帰国し、日本へ生活の本拠を移す場合は、海外からの転入手続きを行います。

「国民健康保険や妊婦健診の補助券を利用したいから」という理由だけで住民登録をすることはできないため、帰国先の自治体へ事前に確認してください。

②帯同家族は国民健康保険に加入できる?

日本の国民健康保険は、原則として日本国内に住所があり、勤務先の健康保険などに加入していない人が対象となります。

生活の本拠が海外にある帯同家族が、一時帰国したという理由だけで国民健康保険へ加入できるとは限りません。

海外駐在者の配偶者として日本の健康保険の被扶養者になっている場合は、国民健康保険ではなく、勤務先の健康保険を利用できる可能性があります。

一方、本帰国して住民登録を行い、勤務先の健康保険などに加入していない場合は、国民健康保険の加入対象となることがあります。

次の窓口へ、それぞれ確認しましょう。

  • 勤務先の人事・労務担当者
  • 加入している健康保険組合
  • 帰国先の市区町村の国民健康保険窓口

③母子健康手帳を受け取る

日本で住民登録が認められ、自治体へ妊娠届を提出すると、母子健康手帳が交付されます。

母子健康手帳には、妊娠経過、出産時の記録、赤ちゃんの成長、健康診査、予防接種などを記録できます。

自治体によっては、次のものを求められる場合があります。

  • 本人確認書類
  • マイナンバーを確認できる書類
  • 出産予定日や妊娠週数が分かる書類
  • 海外の医療機関が発行した妊娠証明書
  • 海外で使用している妊娠・出産の記録

住民登録がない一時帰国者への対応は自治体によって異なるため、事前に確認してください。

④出産育児一時金の支払手続きをする

直接支払制度を利用する場合は、通常、出産前または入院時に、医療機関から渡される合意文書へ署名します。

出産前に健康保険の資格が変更・喪失する可能性がある場合は、勤務先、保険者、医療機関へ早めに連絡してください。

⑤海外在住者が日本で出産した場合の出生届の期限

日本国内で赤ちゃんが生まれた場合、生まれた日を含めて14日以内に出生届を提出します。14日目が役所の閉庁日に当たる場合は、翌開庁日が期限となります。

出生届は、一般的に次のいずれかの市区町村へ提出できます。

  • 赤ちゃんが生まれた場所
  • 父母の本籍地
  • 届出人の所在地

産院から、医師や助産師が記入した出生証明書付きの出生届を受け取ります。

海外在住で日本に住民票がない場合でも、日本国内で出生した赤ちゃんの出生届は提出できます。ただし、住民票の作成、健康保険、児童手当などは別の手続きとなるため、出生届を提出する自治体へ確認してください。

また、海外で赤ちゃんが生まれた場合、日本側への出生届の期限は、生まれた日を含めて3か月以内です。出生によって外国籍も取得する場合は、期限内に日本国籍を留保する旨の届出が必要です。

⑥赤ちゃんの健康保険加入手続きをする

父母のどちらかが日本の勤務先の健康保険に加入している場合は、勤務先を通じて赤ちゃんを被扶養者として申請します。

海外赴任中に生まれた赤ちゃんも、出生によって海外赴任者との身分関係が生じ、海外特例要件などを満たす場合は、被扶養者として認定される可能性があります。必要書類や認定条件は健康保険組合へ確認しましょう。

父母が国民健康保険に加入しており、赤ちゃんも日本で住民登録をする場合は、自治体で加入手続きを行います。

⑦こども医療費助成の手続きをする

こども医療費助成は、健康保険が適用される医療費について、子どもの自己負担分を自治体が助成する制度です。

「乳幼児医療証」「子ども医療証」など、自治体によって名称や対象年齢、一部負担金の有無が異なります。

一般的には、赤ちゃんが健康保険へ加入し、その自治体に住民登録していることなどが条件になります。海外へ戻る予定の一時帰国者が対象になるとは限らないため、自治体へ確認してください。

⑧海外在住者が赤ちゃんのパスポートを取得する方法

赤ちゃんを連れて滞在国へ戻る場合は、0歳の赤ちゃんにも本人名義のパスポートが必要です。18歳未満は、原則として有効期間5年のパスポートを申請します。

まず出生届を提出し、赤ちゃんが戸籍に記載された後に申請します。

申請には一般的に次のものが必要です。

  • 一般旅券発給申請書
  • 戸籍謄本または戸籍電子証明書提供用識別符号
  • 規格に合った赤ちゃんの顔写真
  • 法定代理人の署名
  • 本人確認に必要な書類

国内でのパスポート発行には申請から受け取りまで2週間程度、国外の在外公館では2週間から1か月程度かかると外務省は案内しています。申請窓口や審査状況によって異なるため、海外へ戻る日程から余裕を持って申請しましょう。

パスポートの申請を親が代理で行える場合でも、受け取り時には赤ちゃん本人の来庁が必要です。

⑨滞在国のビザ・在留資格を取得する

赤ちゃんが滞在国へ入国・居住するためには、パスポート以外にも次の手続きが必要になることがあります。

  • 入国ビザ
  • 扶養家族ビザ
  • 滞在許可・在留カード
  • 現地政府への出生登録
  • 出生証明書や戸籍謄本の提出
  • 書類の翻訳
  • アポスティーユまたは領事認証
  • 日本の大使館・領事館への在留届の変更

必要な手続きや審査期間は国によって大きく異なります。妊娠中から勤務先、滞在国の入国管理機関、大使館・領事館などへ確認しておきましょう。

滞在国へ戻る前に確認すること

①赤ちゃんの医療保険

滞在国で赤ちゃんが医療を受けられるよう、現地の公的保険、勤務先の団体保険、民間医療保険などへの加入手続きを行います。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 保険の適用開始日
  • 新生児の加入申請期限
  • 先天性疾患の取り扱い
  • キャッシュレス受診の可否
  • 予防接種や乳幼児健診が補償対象か
  • 緊急入院時の連絡先

出生後、一定期間以内に申請しなければならない保険もあるため、出産前に勤務先や保険会社へ確認しておきましょう。

②予防接種記録の引き継ぎ

日本で受けた予防接種を滞在国の医療機関へ引き継げるよう、次の情報を整理します。

  • ワクチンの名称
  • 接種日
  • 製品名
  • 製造番号
  • 接種回数
  • 接種した医療機関

母子健康手帳には一部の項目が英語で併記されていますが、滞在国によっては英文の接種証明書を求められる場合があります。

帰国前に、接種した医療機関へ英文証明書を発行できるか確認しましょう。

③乳幼児健診と次回の受診予定

滞在国へ戻る前に、日本の小児科や産婦人科で次の受診時期を確認しておきましょう。

  • 母親の産後健診
  • 赤ちゃんの1か月健診
  • 乳幼児健診
  • 次回の予防接種
  • 経過観察が必要な症状

滞在国へ戻る時期によっては、日本で予定されている健診を受けられない場合があります。滞在国で代わりに受診できる医療機関を探しておきましょう。

④航空会社の搭乗条件

航空会社によっては、生後間もない赤ちゃんの搭乗を制限していたり、母親や赤ちゃんの診断書を求めたりすることがあります。

また、帝王切開後や産後の体調によっては、長時間の移動が負担になる可能性があります。

渡航日を決める際は、母親と赤ちゃんの主治医へ相談し、利用する航空会社の搭乗条件を確認してください。

海外在住者の出産費用はFPへの相談も選択肢

海外在住者の出産では、産院へ支払う費用だけでなく、航空券、日本での滞在費、赤ちゃんのビザ、医療保険、教育費なども考える必要があります。

また、次のような疑問を抱える方もいるでしょう。

  • 出産育児一時金の対象になるか
  • 会社の海外医療保険でどこまで補償されるか
  • 出産費用をどの通貨で準備するべきか
  • 日本と滞在国のどちらで保険に入るべきか
  • 出産後の家計や教育資金をどのように管理するか

健康保険や住民票、児童手当の受給資格については、自治体や勤務先、健康保険組合への確認が必要です。一方、出産費用や今後の家計、保険の組み合わせについて整理したい場合は、海外在住者への対応経験があるFPへ相談する方法もあります。

ただし、FPが行政上の受給資格や医療上の判断を決めることはできません。制度の確認先と、お金の相談先を分けて考えることが大切です。

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日本一時帰国での里帰り出産チェックリスト

帰国前

  • 分娩する産院を予約する
  • 帰国が必要な妊娠週数を確認する
  • 英文の紹介状や検査結果を準備する
  • 航空会社の妊婦向け搭乗条件を確認する
  • 日本の健康保険資格を確認する
  • 出産育児一時金の対象か確認する
  • 分娩費用と支払方法を確認する
  • 一時帰国中の住民登録の可否を自治体へ確認する
  • 滞在国へ戻るためのビザ手続きを調べる
  • 日本と滞在国の予防接種スケジュールを比較する

日本到着後

  • 産院を受診する
  • 対象となる場合は妊娠届を提出する
  • 母子健康手帳や妊婦健診の補助券を受け取る
  • 出産育児一時金の支払手続きをする
  • 出産後の行政手続きに必要な書類を確認する

出産後

  • 国内で出産した場合は14日以内に出生届を提出する
  • 赤ちゃんの健康保険加入手続きをする
  • 対象となる場合はこども医療費助成を申請する
  • 赤ちゃんのパスポートを申請する
  • 滞在国のビザや在留資格を申請する
  • 予防接種記録や英文証明書を準備する
  • 滞在国での医療保険を手配する
  • 母親と赤ちゃんの搭乗可否を医師へ確認する

まとめ

日本で利用できる妊娠・出産・子育て関連の制度は、自動的に適用されるものではなく、本人による申請や事前確認が必要なものがほとんどです。

特に海外在住者の場合は、次の点によって利用できる制度が変わります。

  • 日本で住民登録が認められるか
  • 日本の公的医療保険の資格があるか
  • 日本企業との雇用関係が継続しているか
  • 日本に滞在する期間
  • 出産後に生活する国
  • 自治体や健康保険組合の取り扱い

海外在住者が一時帰国して出産する場合は、「日本人だから制度を利用できる」「短期間だけ住民票を移せばよい」と自己判断せず、産院、市区町村、勤務先、健康保険組合、滞在国の大使館・領事館へ早めに確認しましょう。

余裕を持って準備を進めることで、日本での里帰り出産から、赤ちゃんを連れて海外へ戻るまでの手続きを、よりスムーズに進められます。

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記事監修
110Financial Support認定FP/シニア資産コンサルタント 才田 弘一郎
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日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。