現物資産

50代から考える資産運用ポートフォリオ│最強の配分例と現金比率を専門家が解説

50代は人生で最も重要な資産運用の転換期です。これまで積み上げてきた資産を「守りながら増やす」という新たなステージへの移行が求められます。しかし、多くの50代が「定年までに間に合うのか」「どの程度のリスクを取るべきか」「現金をどのくらい保有すべきか」といった悩みを抱えています。 本記事では、50代特有の資産運用の課題に対して、実践的で具体的なポートフォリオ構成方法を解説します。新NISA、iDeCo、現金・預金、保障最適化のバランスをどう取るのか、リスク許容度に応じた配分例、そして今日から実行できるアクションプランまでをご紹介します。この記事を読めば、あなたの状況に最適な資産運用×保障最適化戦略が明確になります。 50代からの資産運用×保障最適化が重要な理由 50代が資産運用に真摯に取り組むべき理由は、単に老後資金を増やすという目的だけではありません。定年までの限られた時間、インフレによる資産価値の目減り、そして予期せぬ健康リスクなど、50代特有の課題に立ち向かうための重要な手段となります。統計データと人生設計の観点から、その重要性を掘り下げていきましょう。 定年までの時間が限られている 50代から定年を迎えるまでの期間は、一般的に約10年です。この期間は、20代や30代の頃のように長期的な視点でリスクを取ることが難しくなる一方、老後の生活の質を左右する最後の資産形成期間となります。この「ラストスパート」とも言える時期に、いかに効率的かつ戦略的に資産を運用するかが、豊かなセカンドライフの鍵を握ります。 定年までの時間軸と資産形成の関係 投資の基本原則の一つに、「時間はリスクを軽減する」という考え方があります。長く運用を続けることで、市場の一時的な変動の影響を平準化し、安定したリターンを期待できるのです。しかし、50代ではこの「時間」という強力な武器が限定的になります。そのため、ハイリスク・ハイリターンな投資で一発逆転を狙うのではなく、より安定的で計画的な資産配分、すなわちポートフォリオの構築が不可欠となります。具体的には、年齢の上昇とともに株式などのリスク資産の割合を徐々に減らし、債券などの安定資産の割合を増やしていくといった調整が求められます。 年金だけでは不足する老後資金・医療費用 多くの人が老後の収入の柱として期待する公的年金ですが、それだけでゆとりある生活を送るのは難しいのが現実です。総務省の「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の実収入は約24.4万円であるのに対し、消費支出は約28.2万円となっており、毎月約3.8万円の赤字が生じています [1]。 65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、毎月の可処分所得(実収入から税金などを差し引いた額)213,791円に対し、消費支出が250,330円となっており、不足分36,539円は貯蓄等で補填している状況です。 また、50代は保険や保障を見直す最後の好機とも言える年代です。現在健康であればあるほど、見直しの効果を得やすく、将来への安心にもつながります。もし現在健康であればあるほど、見直しの効果と安心につながりますし、老後生活資金の追加準備として、この不足分を補い、趣味や旅行などを楽しむためには、年金以外の収入源、すなわち資産運用による収益が不可欠となるのです。 インフレリスクと資産価値の目減り 現在の日本は、長年のデフレから脱却し、インフレ(物価上昇)の時代へと突入しています。これは、同じ金額のお金で買えるモノやサービスの量が年々減っていくことを意味します。例えば、年率2%のインフレが続いた場合、現在100万円の価値がある資産は、10年後には実質的に約82万円の価値しか持たなくなります。 インフレ対策としての投資の有効性 このインフレリスクに対抗する上で、預貯金だけでは不十分です。大手銀行の普通預金金利が0.001%程度であるのに対し、インフレ率は2%を超えています。つまり、銀行にお金を預けているだけでは、資産は実質的に目減りしていく一方なのです。インフレに負けないためには、物価上昇率を上回るリターンを目指せる投資信託や株式などへの投資が有効な手段となります。ただし、投資には元本割れのリスクが伴うため、後述する「守りの資産」である預貯金とのバランスを適切に取ることが重要です。 50代のポートフォリオ構成の基本戦略 50代の資産運用における成功の鍵は、「守りながら増やす」という哲学にあります。これは、いたずらにリスクを取って大きなリターンを狙うのではなく、これまで築き上げてきた資産をインフレや市場の暴落から「守り」、着実に「増やしていく」という考え方です。この戦略は、主に以下の3つの柱によって支えられています。 これらの要素を、ご自身の状況に合わせてどのように組み合わせるかが、最適なポートフォリオを構築する上で極めて重要になります。 「100 – 年齢」方式による株式比率の決定 ポートフォリオにおけるリスク資産、特に株式の比率を決定する上で、古くから知られているシンプルな経験則が「100 – 年齢」方式です。これは、100からご自身の年齢を引いた数字を、ポートフォリオに占める株式比率の目安とする考え方です。 計算例: この方式の最大の利点は、年齢を重ねるにつれて自動的にリスク資産の割合を減らし、安定資産の割合を増やしていく「自動リバランス機能」にあります。定年が近づき、資産を取り崩す時期が迫るにつれて、大きな価格変動リスクを避け、より安定的な運用へと自然にシフトしていくことができるのです。 より長期運用を想定した「110 – 年齢」方式 「人生100年時代」と言われる現代において、定年後も20年、30年と運用を続けるケースは珍しくありません。このような長期運用を想定する場合、より積極的な「110 – 年齢」方式も有効な選択肢となります。これにより、60歳でも株式比率を50%(110 – 60)、70歳でも40%(110 – 70)に保つことができ、インフレに負けない資産成長と、より長期にわたる資産寿命の延伸が期待できます。 債券の役割と分散効果 ポートフォリオにおいて、債券は株式と並ぶ重要な構成要素です。債券の最も重要な役割は、ポートフォリオ全体の値動きを安定させる「分散効果」にあります。一般的に、株式と債券は異なる値動きをする傾向があります。例えば、経済が不況に陥り株価が下落する局面では、安全資産とされる国債などの債券価格は上昇する傾向が見られます。このように、一方の資産が下落しても、もう一方の資産がその下落を補うことで、ポートフォリオ全体での損失を和らげることができるのです。50代の「守りながら増やす」運用において、この分散効果は極めて重要です。 国内債券と海外債券の特性 債券は、発行される国によって「国内債券」と「海外債券」に大別されます。 種類 特徴 メリット デメリット 国内債券 日本政府や企業が円建てで発行 ・為替変動リスクがない・価格変動が比較的小さい ・利回りが低い傾向 海外債券 外国政府や企業が外貨建てで発行 ・国内債券より高い利回りが期待できる・通貨分散の効果がある ・為替変動リスクがある・価格変動が比較的大きい 50代のポートフォリオでは、これら両方を組み合わせることで、安定性を確保しつつ、一定の収益性を追求するバランスの取れた運用を目指すことが推奨されます。…

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現物資産(実物資産)とは?種類一覧・おすすめランキング・リスクをFPが徹底解説【2026年版】

現物資産(実物資産)とは、金(ゴールド)、不動産、高級時計、宝石など、形のある「モノ」としての資産のことです。株式や債券のようなペーパー資産とは異なり、実体があるためインフレや通貨価値の下落に強いという特徴があります。 2026年現在、円安とインフレが同時進行する中で「将来、資産になるものに投資したい」「物への投資で資産を守りたい」というニーズが高まっています。本記事では、110 Financial SupportのFPが、現物資産の種類一覧から資産価値ランキング、そしてリスクまでを網羅的に解説します。 この記事でわかること 現金以外に持っておくべき資産の候補 円安やインフレが進む中、資産を分散させることは非常に重要です。現金の価値が下がるリスクに備えるため、現金以外にも外貨預金や株式、債券、コモディティ(商品先物)など多様な資産を持つことで、資産全体を安定させることができます。 それぞれの特性やメリット、リスクを理解し、バランスの取れたポートフォリオを構築しましょう。以下に、代表的な資産候補について解説します。 外貨預金 外貨預金とは、日本円ではなく外国の通貨で預金することで、米ドル、ユーロ、豪ドルなど多様な通貨を選べます。円安が進む中で、日本円の価値が相対的に下がるリスクを軽減し、為替差益を狙える点が魅力です。 例えば、円安により外貨預金していた通貨が円に対して高く円高方向になれば、円に戻すことで為替差益が得られます。特に海外在住の方は、現地通貨での生活費などをカバーするためにも有効な手段です。さらに、日本国内の外貨預金専用口座ではなく、海外の銀行で直接口座を開設することで、日本国内の規制から離れた自由な資産運用が可能です。※もちろん把握はされていますので脱税行為を考えている場合は意味がありません。 ただし、為替リスクもあるため、為替の動向や各通貨の金利状況を常に把握しながら運用することが大切です。また、日本では預金を預けていた金融機関が破綻した際は、外貨預金には預金保険が適用されないため注意する必要があります。 外貨預金は、他の資産と組み合わせて持つことで資産全体のリスクヘッジとして効果を発揮します。円安時代における重要な資産候補として、まず検討したい選択肢のひとつです。 株式投資 株式投資は、企業の株式を購入し、その企業の成長や業績に応じて配当や株価上昇益を得る資産運用方法です。円安が進む中、特に日本国外の企業への投資は資産を日本円の下落から守りつつ、為替差益も狙うことができます。 海外在住者にとって、現地での株式投資はその地域の経済成長にダイレクトに乗る手段とmなるでしょう。例えば、米国市場の株式は長期的に見て高い成長率を誇り、他の市場に比べて安定したリターンが期待できます。加えて、為替リスクを分散しながらポートフォリオ全体のリスク軽減にもつながります。 ただし、株式市場は値動きが激しく変動リスクも高いため、各企業の業績や市場動向を慎重に分析し、長期的な視点で運用することが重要です。個別銘柄への投資が難しいとお考えの場合は、分散投資が可能なETF(上場投資信託)やインデックスファンド(SP500など)を活用するのも効果的です。 また、日本国内と異なり海外の証券口座を利用することで、取引手数料の削減や多様な投資商品へのアクセスが可能となります。株式投資はインフレと円安の時代に、成長性を重視した投資戦略を立てる上で欠かせない選択肢の一つです。 債券 債券は、国や企業が資金調達のために発行する有価証券で、満期まで保有することで元本の返済と定期的な利息収入が期待できる資産運用方法です。株式投資に比べてリスクが低く、比較的安定したリターンが得られるため、円安とインフレ時代に資産を保全する手段として重要な候補になり得ます。 海外在住者にとっては、特に日本国外の通貨建ての債券への投資が、為替リスクのヘッジや利回り向上に役立ちます。例えば、米ドル建ての米国債やユーロ建ての欧州債券は、世界的に信用が高く、安全資産として人気です。また、新興国のソブリン(政府や政府機関が発行している)債券や企業債券は高利回りが魅力で、リスク許容度に応じて選択肢に入れるといいでしょう。 債券投資は、投資信託やETFを通じて分散投資することで、個別債券のリスクを抑えつつ安定した収益を得ることができます。また、海外の証券会社を利用すれば、より多様な債券に直接アクセスすることも可能です。 ただし、債券には利上げ局面で価格が下落する金利リスクや、政府や企業などの発行者の信用状態に依存する信用リスクがあるため、市場動向を注視しながら分散投資を心がける必要があります。金利による定期収入、定期リターンを中心に満期まで保有するイメージか、価格の上下で売買し売買益を確保するのか?大枠でも投資戦略を立てておくと良いでしょう。 商品先物(コモディティ) 商品先物(コモディティ)は、金や銀、プラチナなどの貴金属、原油、天然ガスといったエネルギー、さらには大豆や小麦などの農産物といった実物資産を対象とする投資商品です。商品先物市場での取引を通じてこれらに投資することで、インフレや円安に対するヘッジとして活用できます。 特に金は「安全資産」として知られ、インフレや通貨価値の下落、戦争などの有事に強く、リスクヘッジの手段として有効です。原油や天然ガスも世界のエネルギー需要に密接に関連しており、供給リスクや地政学的リスクなどから価格が変動しやすいため、商品によっては短期的なリターンを狙う投資家に適しています。 農産物に関しては、気候変動や政治的な影響を受けるため、価格の変動が激しい一方で、長期的には人口増加に伴う需要増が見込まれます。 コモディティ投資は、個別の先物取引だけでなく、最近ではETFや投資信託を通じて分散投資することも可能です。特に商品指数連動型のETFは、個々の商品のリスクを抑えながらコモディティ全体へのエクスポージャーを持てるため、初心者にもおすすめです。 ただし、コモディティは市場の変動が激しく、投機的な要素も含むため、しっかりとした市場分析とリスク管理が必要です。コモディティ投資は、現物資産や株式、債券と組み合わせたバランスの良いポートフォリオを構築する上で有効な選択肢の一つです。 現物資産 現物資産は、金や銀などの貴金属、不動産、アート、アンティークといった物理的な形で保有できる資産のことを指します。インフレや円安といった経済変動に強く、価値を保全するための有効な手段として近年注目を集めています。 特に貴金属は、世界的に「安全資産」としての評価が高く、通貨価値の下落に対するリスクヘッジとして長期的に信頼されています。金や銀は流動性が高く、比較的少額から投資できる点も魅力です。 不動産も現物資産の代表的な一つで、国内外の不動産への投資は賃料収入やキャピタルゲインを通じて安定的なリターンが期待できます。特に海外在住者にとっては、現地不動産への投資がその国の通貨での資産保全に役立ちます。 また、アートやアンティーク品は趣味として楽しみながら資産として保有できるのが特徴です。限定された希少性から市場価値が上昇する可能性もあります。同様に、歴史的な価値を持つコインや切手などのコレクターズアイテムも魅力的です。 実物資産の種類一覧|投資対象となる「物」を総整理 実物資産には多くの種類があります。投資対象として一般的なものから、ニッチなものまで一覧で整理しました。 カテゴリ 具体例 流動性 保管コスト インフレ耐性 貴金属 金(ゴールド)、銀、プラチナ 高い 低い〜中程度 非常に高い 不動産 居住用不動産、商業用不動産、土地 低い 高い 高い 高級時計 ロレックス、パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ 中程度 低い…

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香港で金(ゴールド)を買うと本当にお得?相場・購入方法・売却ルールをFPが徹底解説|2026年版

「香港では消費税がかからないから、金を買うとお得らしい」そんな話を聞いたことはありませんか?確かに、日本の消費税10%分がまるまる浮くのは大きなメリットです。しかし、香港での金投資には購入方法や持ち帰りルール、売却時の税制など、知っておかないと損をするポイントが多数あります。本記事では、実際に香港で金を購入した体験をもとに、2026年現在の金相場や購入の流れ、日本への持ち込みルールまでをFPの視点から解説します。 この記事でわかること 香港でゴールドを購入、売買するとお得なのか? この記事はさまざまな国の方が見られているかと思いますが、香港でゴールドを購入・売却をするとお得なのかを解説していきます。 購入時のお得ポイント 金の相場は世界共通で、ロンドン金市場(LBMA)が基準となる国際価格で取引されています。つまり、香港で買っても日本で買っても金そのものの価格は同じです。違いが出るのは「消費税」と「取引手数料(スプレッド)」の部分です。2026年3月時点で金の国際価格は1トロイオンス(約31.1g)あたり約3,000ドル前後で推移しています。1gあたりに換算すると約96ドル(約14,500円)が目安です。香港で購入する場合、この金額に消費税がかからないため、日本で購入するより約10%(1gあたり約1,450円)お得になる計算です。 売却時のお得ポイント  香港で購入した金を売却する方法は主に2つあります。1つ目は香港の銀行や貴金属店で売却する方法。この場合、香港にはキャピタルゲイン税がないため、値上がり益に対する課税はありません。2つ目は日本に持ち帰って売却する方法。日本で売却した場合、利益は「譲渡所得」として課税対象となりますが、保有期間が5年を超えると長期譲渡所得として税負担が軽減されます。FPの視点から言えば、短期の売却益を狙うよりも、長期保有による資産防衛の手段として金を活用する方が、税制面でも有利です。 1gあたりの金価格が買う時と売る時に同じであれば、金価格が香港で金を購入し日本で売却すると、消費税分が儲かりそうな気がしますよね。同じ商品の価格差を利用して利ざやを得ることをアービトラージ(裁定取引)といいます。 このアービトラージは儲かりそうな気がしますが、出入国の際に申告が必要です。日本での売却時に逮捕されないように申告は確実にしてください。 金の売買をする際には法律を遵守しないと悲しいことに これら2つは法律上問題ありません。 しかし、国をまたいで取引をするときはルールが異なる場合がありますので、注意してください。 2017年当時、話題になったニュースをご紹介します。CAがバッグの中に金塊を入れて密輸していた疑いで逮捕されました。当時は私の周りでも日本の消費税分の差額が儲かるよ、という話を聞く機会が多かったです。 しかし、やってはいけないことをやるのはよくありません。このときは金の持ち込みを申告をしていませんでした。もちろん、法律にしてがっているのであれば問題ありません。 日本の税関公式サイトによると、金の地金(純度90%以上)の重量が1キロを超える場合は、持ち出し・持ち込みに関わらず事前申告が必要で、消費税が課税されます。申告をしないと法律違反とみなされ、5年以下の懲役もしくは500万円以下の刑罰を科せられる可能性があります。 逮捕者は香港の方だったので、日本のルールを知らなかったのかもしれません。しかしたら、第三者に「大丈夫」とそそのかされた可能性もあるでしょう。 香港での金投資、今は買い時なのか? 「金を買うなら今なのか?」これは多くのご相談者様からいただく質問です。結論から言えば、金は「買い時を狙う」よりも「資産の一部として常に持っておく」ものです。 2025年10月に金価格は歴史的な最高値を更新しました。背景には地政学リスクの高まりや各国中央銀行の金買い増し、そしてインフレ懸念です。過去20年の騰落率を見ると、金は年平均8〜10%のリターンを記録しており、株式市場が大きく下落した2008年(リーマンショック)や2020年(コロナショック)にも価値を維持しています。 ただし、金は配当や利息を生みません。値上がり益のみが収益源であるため、全資産を金に集中させるのはリスクがあります。FPの視点では、ポートフォリオの5〜15%を金で保有し、残りを貯蓄型保険や株式で運用するバランスが推奨です。 日本に金を持ち込む際のルールをご紹介 この記事では金を香港でどうやって買うのか、という内容をしているのですが、最終的な出口をどうすればよいのか、という点もお伝えしなければいけません。 日本の税関は、金密輸に対する厳格な警告を発しています。知らなかったでは済まされないので、ここで基本的なルールを知っておきましょう。 日本に金を持ち込む際の基本ルール 金の地金(純度90%以上)の重量が1キロを超える場合は、持ち出し・持ち込みに関わらず事前申告が必要で、消費税が課税されます。 申告をしないと法律違反とみなされ、5年以下の懲役もしくは500万円以下の刑罰を科せられる可能性があります。 消費税を払わなくてもよい上限は 上記のルールの例外として、免税範囲である20万円以下の金であれば非課税での持ち込みが可能です。しかし、ルールはいつ変更されてもおかしくありません。 さらに仮に最大20万円で消費税分10%で得する金額は2万円です。為替や金価格の変動、手数料などを考慮すると、へたに策を練るよりも旅行をしっかり楽しんだ方がよいでしょう。 密輸はダメです。非課税枠についても2026年3月現在の確認できたルールをご紹介しました。ルールは変更するものなので、事前に確認しておきましょう。 現物金を購入する流れとは 私は香港で金の購入を行いました。 現物の金はハンセン銀行や周大福のような金取り扱い企業で購入可能です。また、ペーパーの金についてはHSBC銀行ほか証券口座にて取引ができます。 今回はハンセン銀行本店に行ってみました 実際にハンセン銀行で金を購入した様子をお伝えします。 ハンセン銀行本店は香港駅からすこし出たところに位置しています。正面玄関から入り地下2階まで下りていくと、順番待ちのチケットをとる場所にでました。 こちらの『黄金売買』のパネルを押すと番号札が発券されるので、しばらく待ちます。だいたい20分ほどで呼ばれたため、カウンターに行きました。しかし、ここで事前に入手していた情報と異なる事実が判明します。 金を購入するにあたってブログなどの情報を参考にしていました。この参考にしていたブログなどは2020年の記事によると、現金と身分証をもっていればハンセン銀行の口座を開設していなくても金の購入が可能と書かれていたのです。 しかし、金の購入にあたっては口座保有が必須となっていました。 私は言語に若干の不安があったので、香港の友人を連れていたのですが、その友人がハンセン銀行の口座保有者でした。なんとか1オンスのオーストラリアカンガルーコインを無事に購入できました。 もし過去の情報を参考にして金の購入を考えている方は、情報が変わっている可能性があります。金の購入の際はハンセン銀行の口座を持っている方と一緒に行くか、自分がハンセン銀行の口座を保有するなどしておくとよいでしょう。 金の購入に条件があったのは、おそらくマネーロンダリング対策の一環であるのかもしれません。誰が金を購入したのかを把握しておくための対策のひとつとも考えられます。 金を購入した感想 見た目は小さいのですが、持ってみると重量感があります。現物金を入手できたことがうれしく思えました。 今回は1オンスのオーストラリアカンガルーコインを購入したのですが、他にもハンセン銀行のロゴが入ったゴールドバーやコインの大きさが異なるものなどがあります。 金は装飾品としての価値があるため、べたべたと触るのはやめた方がよいでしょう。傷がつくと価値が下がる可能性があるので注意してください。 以上で金三部作を終わりたいと思います。もしご不明点などがありましたら、お気軽にお問い合わせいただけたらと存じます。

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「正貨」お金の中のお金 第二部: バーゼル3とペーパーゴールドの危機

前回の第一部では などをご紹介しました。 便利なペーパーゴールドですが危機が迫っています、と軽く触れたところで終わってしまったので、続きが気になっている方もいらっしゃいますよね。 第二部では などをご紹介します。 ペーパーゴールドのおさらい ここではペーパーゴールドのおさらいをしていきます。 ペーパーゴールドとは ペーパーゴールドとは、実際の金を持たずに金の価格と連動する金融商品のことです。また、金のETF(上場投資信託)もペーパーゴールドに含まれることがありますが、大きなETFは実際に金を保有している場合もあるので、その違いに注意が必要です。 ペーパーゴールドと現物ゴールドの違い ペーパーゴールドは、金そのものを持たずに、金の価格に連動する金融商品に投資する方法のことをいい、一方、現物ゴールドは、金の延べ棒やコインなどを実際に購入して保有する方法のことです。この金の価格は、ロコロンドン金価格という基準で決まっており、世界中の取引市場でその価格が参考にされます。ロコロンドン金価格は、金の取引において非常に重要な役割を果たしており、金投資を行う際にはこの価格の動きを注視することが大切です。 ペーパーゴールドは、実際の金を保有せずに金の価格の変動に連動する金融商品に投資する方法です。金そのものを購入するわけではなく、金の値動きに基づいて利益を狙う仕組みが特徴です。この投資方法にはいくつかの種類があり、主に金ETF(上場投資信託)や金先物取引、金投資信託などがあります。金ETFは証券取引所に上場しており、少額から投資が可能なため、特に投資初心者におすすめです。金先物取引では、将来の金の価格を予測して取引するため、大きな利益を期待できますが、リスクも高い種類です。金投資信託は、投資家の資金を集めて金関連の資産を運用する仕組みで、より分散されたリスクを持っています。 ただし、ペーパーゴールドにはいくつかのリスクが伴います。金の価格は経済状況や市場の需要と供給に大きく影響されるため、予想と反対に価格が下がる可能性もあります。特に金先物取引においては、先物契約の期限が近づくにつれて価格変動が大きくなるため、リスク管理が非常に重要です。また、ペーパーゴールドの価格連動性は金の動きに基づいているため、他の金融商品や市場の影響を受けやすいです。そのため、投資家は金価格の変動に敏感であり、市場の動向を注視する必要があります。加えて、金ETFや金投資信託においても、価格連動性が強く、金の価値が上がると投資信託やETFも上昇する傾向があります。 ペーパーゴールドは、実際に金を保管する手間がなく、物理的なリスクもない安全性がありますが、金融機関が発行する商品であるため、万が一その金融機関が破綻した場合、リスクが発生する可能性もあります。また、ペーパーゴールドの安全性においては、外的な経済状況や市場の変動が影響することがあり、投資家はこれらを十分に理解したうえで投資判断を行うことが求められます。投資を始める前に、これらのリスクやリターンをしっかり理解し、おすすめの投資方法を選ぶことが重要です。 ペーパーゴールドと現物ゴールドどっちがいい? ペーパーゴールドと現物ゴールド、どっちがいいかは目的によります。ペーパーゴールドは少額から投資でき、保管の手間もなく手軽ですが、価格変動や金融機関のリスクがあります。現物ゴールドは資産保全の面で安心感がありますが、購入費用や保管費用がかかるため、目的に応じて選ぶことが重要です。 バーゼル3でペーパーGold終焉か!? なぜペーパーゴールドに危機が迫ってきたのか、第一部でもご説明したのですがおさらいしましょう。 バーゼル3は「銀行の健全性確保のための国際ルール」を取り決めた活動の第3弾のことを指します。今後、2028年くらいまで銀行の体力があるのかを確認する動きをとるようです。 バーゼル3にはさまざまなルールの規制があるのですが、金に限っての話ではペーパー上で取引していた金に裏付けが必要になります。これにより、メリットとしては、経済危機などが起こっても、金の取引に問題が発生しないよう、銀行は体力をつける必要があるのです。 これまでは重たい金を動かすことなく、数字上の取引だけで売買ができていました。しかし、売買するにあたってお金を用意しなければいけないため、銀行としてはコストが増大するというデメリットもあります。 そのため、取引自体を取りやめる銀行がでてくるかもしれません。 【豆知識1】BIS(Bank for International Settlement):国際決済銀行って? BIS(Bank for International Settlements、国際決済銀行)は、1930年に設立された中央銀行をメンバーとする組織で、スイスのバーゼルに本部があります。ドイツの第1次大戦賠償支払に関する事務を取り扱っていたことが行名の由来ですが、それ以外にも、当初から、中央銀行間の協力促進のための場を提供しているほか、中央銀行からの預金の受入れ等の銀行業務も行っています。 BISには、2021年(令和3年)6月末時点で、わが国を含め63か国・地域の中央銀行が加盟しています。日本銀行は、1994年(平成6年)9月以降、理事会のメンバーとなっています。 参照元(日本銀行):https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/intl/g05.htm/ まずはEUに適用されるバーゼル3 バーゼル規制とはどのようなものなのか、またバーゼル規制によってどのような懸念があるのかを解説します。 バーゼル規制(BIS規制)とは バーゼル銀行監督委員会が公表している、国際的に活動する銀行の自己資本比率に関する国際統一基準のことです。米国は1980年代前半に銀行の自己資本比率規制を強化しましたが、国際業務を営む世界の銀行が同じ条件で競争できるよう、米国はバーゼル銀行監督委員会にも自己資本比率規制の強化を提案しました。 その提案を受け、1988年に最初のバーゼル規制、すなわちバーゼルⅠが制定されました。その後の金融自由化に伴い、銀行内部のリスク管理手法が発展していくなか、バーゼルⅠでは対応しきれなかった部分に対応すべく、2004年にバーゼルⅡが制定されました。 リーマンショックを経ての金融危機発生を受けて、欧米の多くの金融機関が破綻ないしは危機的な状況に至り、経済全体が不安定な状況に陥りました。その反省を踏まえ、金融機関の健全性向上を目的として、2010年にバーゼルⅢが制定され、完全適用に向けて2013年から段階的に実施されており、2028年はじめには完全に実施される計画です。 【豆知識2】バーゼル合意とは? バーゼル合意とは、バーゼル銀行監督委員会(注1)が公表している国際的に活動する銀行の自己資本比率(注2)や流動性比率等に関する国際統一基準のことです。日本を含む多くの国における銀行規制として採用されています。 バーゼル合意は、1988年(昭和63年)に最初に策定され(バーゼルI)、2004年(平成16年)に改定されました(バーゼルII)。その後、2007年(平成19年)夏以降の世界的な金融危機を契機として、再度見直しに向けた検討が進められ、2017年(平成29年)に新しい規制の枠組み(バーゼルIII)について最終的な合意が成立しました。 なお、バーゼル銀行監督委員会の常設事務局が国際決済銀行(Bank for International Settlements。略して「BIS」と言われます)にあることから、バーゼル合意は「BIS規制」と呼ばれることもありますが、BISとバーゼル銀行監督委員会は別組織のため、「バーゼル規制」がより正しい呼称と言えます。 参照元(日本銀行):https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/pfsys/e24.htm/ ペーパーゴールドに対する規制の強化を発表 2021年6月28日に、バーゼル3のペーパーゴールドに対する規制の強化についての発表がありました。 金取引の中心になっている国はイギリスです。イギリスにバーゼル3が適用されると、金取引が止まってしまうのではないか、という懸念が拡がっています。 実際の金保有量に対して金の裏付けのない世界の取引(ペーパーゴールドも含む)額は、85.75倍です。仮にこの状態でリーマンショック級の経済危機が起こった場合、金の現物として引き出そうとしても在庫がない事態が起こるかもしれません。 今回は金取引をする銀行に裏付けの資産を保有しなければならない、という規制強化が入ることで今後のペーパーゴールドの雲行きが怪しくなったわけです。 英国に適用となる2022年1月危機はどうなる バーゼル3のペーパーゴールドに対する規制の強化により、混乱が起こるかもしれないと心配した方も多かった今回の発表。バーゼル3がどうなるのかはもう答えが出ました。 大規模な混乱を避けるため、英国でのペーパーゴールドに対する規制は免除されるようです。 今回の規制で「金が暴騰する」と期待していた投資家の方には残念な結果になったのかもしれません。しかし、目線を変えると「金の現物を現在の価格帯で購入できるチャンス」と捉えることもできるでしょう。…

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「正貨」お金の中のお金 第一部

今回は、お金の中のお金といわれている『金Gold』について触れていきます。 『金Gold』の動きが導く世界の動きはどのようになっているのか。また、実際に香港で『金貨』を購入する際に注意することや、メリット・デメリットをお伝えしていきます! 三部構成になっていますので、最後までお付き合いいただけたら幸いです。 第一部は 『金Gold』について ペーパーゴールドと現物ゴールドのメリットとデメリット などをご紹介します。 『金Gold』はどういった存在なのか? 『金Gold』の存在はお金の中のお金といわれています。歴史を振り返ると、数千年も前から人々の共通価値として認識されており、世界共通の資産でもあります。 現在、私たちが認識しているお金といえば『紙幣』を想像される方が多いのではないでしょうか。しかし、あくまでも紙幣は国の信用をもとに印刷された借用書のようなものなので、正貨とは呼ぶのは難しいでしょう。※もちろん何を『正貨』とするかは時の権力者の影響力があるかと思いますので断定は出来ませんが。。。 正貨は借用書と異なり、金利は付きません。一方の借用書というのは言わば「貸し借り」の世界ですので金利の授受が発生しますし、債券、株なども金利の受取や業績に応じた配当が付いてきますね。 資産運用を行っている人は、金を鉄壁の守り資産としてポートフォリオに組み入れる方も多いです。紙幣や株式や債券などの発行体の信用ベースに取引されるペーパー資産の価値暴落時にリスク回避できる『実物資産』といえるでしょう。 国が発行する紙幣は信用によって成り立っています。治安や政局が不安定になると、「この紙幣は大丈夫かな」と心配されることもあるでしょう。もちろんそんな不安定な世の中にはなって欲しくはありません。 ですが、残念ながらそんな有事の際に唯一交渉材料として使えるのが『金』の最大のメリットといえます。 ペーパーGoldによって市場が急拡大している 金は希少な鉱物として価値が高いことで知られています。ですが、金融世界の発達により現在は株や債券などと同じ現物を動かさずに取引を完結させる『ペーパーGold』が市場で購入できるようになってきました。 例えば海外のHSBCの口座を開設していれば、口座内の数字の移動でGoldがすぐに購入できます。また、FX市場では金の価格変動でレバレッジ取引をすることも可能です。 ペーパーGoldは他にも 純金投資:田中貴金属や三菱マテリアルほか‥1,000円から投資可能 現物コイン、延べ棒:恒生銀行や田中貴金属、三菱マテリアルなどで購入可能 ETF:金価格に連動した上場投資信託も複数あり 外国株:金に関連する企業の産金株式。BANNGと呼ばれています。 投資信託:積み立て可能な投資信託もあります。iShares Physical Goldなど 金先物投資:金を投資対象とした場合、下がる方にかけられる などがあります。 このように、金に関連する投資方法はたくさんあることがおわかりいただけたかと思います。 ですが、もし初心者である場合は純金積み立てをドルコスト平均法によって、コツコツ買っていくのがおすすめです。 現物金 vs ペーパーGold それぞれの特徴とは 同じ金でも現物金とペーパーGold それぞれ特徴が異なりますが、どちらで投資や取引をするのが良いのでしょうか? メリットとデメリットを見ていきましょう。 現物金Gold投資のメリット 金そのものを自分の手で保有できるため、有事の際には世界通貨として力を発揮する 鉱物なので、量自体に限りがあり無価値にはならない:オリンピックプール3杯〜4杯分と言われています。 世界共通の価値を持つため、発行体リスクがなく安心して保有できる 現物金Gold投資のデメリット 金地金などは見た目の大きさよりも重いので持ち運びに不向き:iPhone 10 の大きさで約1Kgほどの重量となります。結構重さがありますね。 金地金などは本体自身に価値があるため盗難リスクはとても高くなります。保管やセキュリティーに十分注意しなければなりません。(貸金庫に保管するなど) タングステンに金メッキを施した偽物もあるので、真偽の見極めは素人には難しい。信頼できるところから購入するとよい 金は鉱物のため、預貯金や株式などと異なり利息や配当は発生しません。 ペーパーGold投資のメリット 金関連のETFは上場している投資信託。株と同じく日々価格変動があるので、保有している実感を感じられる 純金積み立てなどは少額の1,000円程度から投資可能のため、ドルコスト平均法で積み立てが可能 金の先物取引は金の値下がりに投資して利益を得られる。その分、損失も大きいので注意 現物とは違い、盗難リスクはほとんどない ペーパーGold投資のデメリット 金融商品としての色が濃いため、現物の裏付けがない金ETFの場合、発行体の信用リスクが発生する 金に投資しているとはいえ、本物の金に変えられるような商品はほとんどない 金ETFは現物投資と同じく分配金がない…

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