【2025年1月1日施行】電子タバコの規制に踏み切ったベトナム

ベトナムで電子タバコの禁止が可決

近年、日本でも急速に普及が進んでいる電子タバコですが、2024年11月30日、ベトナム政府は2025年から電子タバコと加熱式タバコを全面的に禁止することを決めました。
ダオ・ホン・ラン保健相は国会で、ベトナムにおける電子タバコ・加熱式タバコの喫煙率が、2015年は0.2%だったところから2020年には3.6%にまで急増していると説明しました。

このうち15~24歳の若い世代の割合が最も高く、特に青少年の健康リスクが非常に高まっているとしています。この決議案は、若者世代を電子タバコの悪影響から守るため、出席議員の96%が賛成して可決しました。これにより今後ベトナム政府は、電子タバコと加熱式タバコの生産・販売・輸入・保管・輸送・使用を禁じる具体的な措置を講じていくことになります。

喫煙大国ベトナム

ベトナムは他の国と比べるとタバコ関連の規制が比較的緩く、街中や飲食店など公共の場所で喫煙している人たちの姿を日常的に目にします。喫煙率が下がらない要因は、タバコ税が他国と比較して低いことに加え、ベトナムの好調な経済成長によって国民の平均所得が年々向上する中で、タバコが安く買えてしまうことが理由にあるといわれています。

また、ベトナム国内ではタバコはどこでも販売されていて、10代でも簡単に手に入れることが出来ます。
最近は電子タバコや加熱式タバコが大人気で、若者がファッション感覚で気軽に喫煙をはじめる傾向があり、特に学生の間で急速に普及しています。

実は、ベトナム政府はこれまで、喫煙率を下げて国民健康を保護するために、長らく禁煙政策を実施してきた歴史があります。2004年には「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」に批准し、2013年には「たばこの害予防法」も施行されました。

また、2023年5月にはファム・ミン・チン首相が、電子タバコや加熱式タバコ、シーシャなどの新型タバコの使用防止に向けた規制策定を指示し、職場や飲食店での受動喫煙の減少を目指す「2030年までのタバコ害の予防と制御に関する国家戦略」が策定されました。

ベトナム政府の努力によって、2010年に47%だった喫煙率が、2021年には41%まで下がりました。しかし、世界的に見れるとベトナムは依然として喫煙率がもっとも高い国の1つであり、2024年現在の男性の喫煙率は38.9%と高止まりしています。
電子タバコや加熱式タバコの規制について、適切な処置を続けなければ、ベトナム国民の健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。

電子タバコに関する世界的な風潮

日本では、ここ数年で電子タバコや加熱式タバコが一気に広まりました。一方で、海外には電子タバコを規制している国が多くあります。その代表的な国が、日本人も多く訪れるタイです。

タイでは商務省から2014年12月27日に電子タバコ禁止条例が発令されており、電子タバコの使用や持ち込みが禁止されています。もし違反した場合は、最高で10年の懲役または50万バーツの罰金のいずれかが科せられます。

実際に、電子タバコを使用した日本人が逮捕されたケースもあります。また台湾でも2023年3月に「煙害防制法」が施行され、電子タバコの使用や製造、販売、輸入、広告などが全面的に禁止され、持ち込みも認められなくなりました。
隠して持ち込んだ場合、厳しいペナルティが適用されます。同じくシンガポール、ブラジル、パラオなども、電子タバコの持ち込みを使用も禁止としています。EUは国ごとに異なりますが、多くの国では規制の対象として販売する場合、許可を得る必要があります。

アメリカでは従来のタバコと同様、多くの州で未成年者への使用、販売や公共の場所での使用を禁止としています。オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどでは、ニコチンを含む電子タバコは、医薬品とみなされて規制されています。
このように、現在は電子タバコの持ち込みや使用については世界各国で規制されています。海外旅行や出張で事前に調べずに持ち込んだり使用したりすると、罰金や逮捕のリスクもあるため注意が必要です。

今後の法規制の流れ

世界保健機関(WHO)は、肺がんの90%、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の75%は、タバコが原因であるとしています。
さらに、電子タバコや加熱式タバコの有害性にも触れ、これらはニコチン数値が高く中毒性があり、肺がんなどの深刻な病気の要因になる可能性があると警告しています。ベトナムでは、毎年4万人がタバコを原因とする疾患で死亡しています。

専門家は、電子タバコの使用や、レストランやバーなど混雑した場所での受動喫煙によって、若い世代の間でニコチン中毒を引き起こす可能性があると警告しています。今回のベトナム政府の決定は、喫煙に対する健康被害やリスクに対して積極的に措置を講じて、喫煙率を下げることが目的です。

世界中でタバコに関する規制が強化される中、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長も、このベトナムの大きな決定を称賛しています。今回の決議に基づいて、ベトナムでは電子タバコと加熱式タバコの禁止措置が本格的に施行されることになります。
電子タバコや加熱式タバコの持ち込み自体が処罰対象となることも考えられますので、ベトナムを訪れる予定のある方は、常に最新の状況を確認するようにしましょう。

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