【2024】海外赴任後も新NISA口座は継続可能?非居住者・海外赴任者向けに解説

「これから海外赴任予定だけど、NISA口座は継続できるのか?」

日本に居住している間は使用できるNISAですが、もし駐在員として海外で働くことになった場合、すでに運用中のNISAの取り扱いはどうなるでしょうか。

2024年にNISA制度が変わり、新しいNISA制度(以下、新NISA)が始まるなか、海外赴任予定者の方は詳しい内容を把握するのが難しいかと思います。本記事では旧NISA制度をおさらいしたのち、新NISAではどう変わるのか、海外赴任者がおさえたい注意点を解説いたします。

これからNISA口座を開設したいとお考えの方にとっても役立つ情報になりますので、ぜひ読み進めてみてください。

旧NISA制度のおさらい

NISA(ニーサ)は「Nippon Individual Savings Account」の略称で、小額の投資が非課税になる制度です。金融庁が投資を促進する目的で定めており、資産運用に一歩踏み込んでほしい思いを込めて発足されました。

「日本に住む20歳以上の人」を対象として始まったNISA制度ですが、2022年4月の法改正で成人年齢が引き下げられたことにより、現在は18歳以上の方が口座開設の対象となっています。

本章ではおさらいとして、海外赴任者が関わるNISA制度の特徴を紹介していきます。

金融機関によっては、条件付きで海外赴任でNISA口座の継続が可能

海外赴任におけるNISA口座の取り扱いについては、金融機関ごとに対応が異なります。2019年の税制改正以降、楽天証券、野村證券、みずほ証券等では、海外転勤命令などの事情に限り、最長5年以内の海外赴任であればNISA口座を維持できるようになりました。

ただし、下記のようにいくつかの条件があります。

海外から新たにNISA商品へ投資できない

海外赴任中、NISA口座の維持は可能ですが、新たにNISA商品を買付けることはできません。

出国・帰国時に書類の提出が必要

楽天証券、野村證券、みずほ証券等では、海外赴任をする人がNISA口座を継続するには「非課税口座出国届出書」「非課税口座継続適用届出書」を提出することでNISA口座を継続して保有できるようになりました。

また帰国時には「帰国届出書」を提出することで、帰国してからも再びNISA口座を利用できるようになり、その後新たな買い付けが可能となります。

特定口座やNISA口座の株式等は一般口座で管理

海外赴任をする方は、特定口座やNISA口座(ジュニアNISA口座)で株式等の管理ができず、該当する口座に資産がある場合は一般口座で管理されるようになっていました。

日本株式と日本国債以外は継続して保有できない

各金融機関で指定された日本株式と日本国債以外の金融商品については、売却や決済を行ってから、海外赴任しなければいけません。

2024年新NISA制度における注意点

現状、旧NISA制度から新NISA制度へ移行したことによって、出国の手続き等における新たな変更点はありませんが、2024年の新NISAが始まって以降も、海外赴任者が引き続き注意しなければいけない点について解説していきます。

自己都合で出国する場合はNISA口座を閉鎖

NISA制度で出国しても引き続き利用できるのは、給与等の支払いをするものからの転勤の命令等のやむをえない事由で出国する場合のみです。

海外移住や海外で転職をする場合など、自己都合で日本の非居住者となる場合は新NISAになった後も口座を閉鎖しなければいけません。

帰国後には、期限内に「帰国届出書」の提出が必要

帰国後もNISA口座を引き続き運用していく場合は「帰国届出書」を提出しなければいけません。提出期限は「継続適用届出書を提出した日から5年の日が属する年の12月31日まで」です。

もし5年以内に帰国できない場合は帰国届出書を提出できないため、NISA口座を継続できない可能性があり、注意が必要です。

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海外赴任・転勤者もNISA口座の継続は可能

金融機関が指定する「継続適用届出書」を出国時に提出すれば、海外赴任中でも引き続き口座を保有し続けることが可能となります。また、日本への帰国時に「帰国届出書」を提出することで、帰国してからもNISA口座の運用が可能です。

NISAは日本居住者を対象とした税金が優遇される制度であるため、海外駐在中は新規での口座開設ができなかったり、5年で口座が廃止されたりと、海外赴任者にとって制限が多く、扱いが難しい点もあるかと思います。

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