駐在期間のNISA取り扱いと海外資産運用のメリットとは

日本に居住している間はNISAを使えます。もし駐在員として海外で働くことになった場合、NISAの取り扱いはどうなるでしょうか。

この記事では
・NISAについて
・海外居住中のNISA口座の取り扱いについて
・駐在員のメリットを海外投資に活かすためには

などについて解説していきます。

NISAのおさらい

まずはNISAのおさらいをしましょう。

NISAとは小額の投資が非課税になる制度です。金融庁が投資を促進する目的で定めており、資産運用に一歩踏み込んでほしい思いを込めて発足されました。

通常の資産運用では投資が上手くいき利益が出たとしても、手元には全額残りません。

例えば100万円投資したとします。100万円が200万円になれば、差額の100万円が利益になると思われますよね。

しかしその100万円には税金がかかるので、およそ20万円引かれます。残りの80万円が最終的に手元に残るのです。

香港やシンガポールなどはキャピタルゲインに税金がかからないので、利益がそのまま手元に残るのですが、日本は儲けに対しては税金がかかります。

このように普通に資産運用をしているだけでは税金がかかってしまいますが、NISAを使えば税金を優遇してくれる期間があるため有利に資産形成ができます。

NISAの詳細は以下の通りです。

NISA
積み立て可能期間
払い出しいつでも可能
非課税運用期間最長5年間
提出時の税制優遇なし
受取時の税制優遇なし
運用商品の変更売却時に非課税枠消滅
投資限度額年120万円

非課税が適用される運用期間は最長5年、年間120万円です。ここで注意しておきたいのは運用商品を変更した場合、非課税枠が消滅します。

例えば非課税枠の120万円分をインデックスファンドで運用し、ある程度含み益がのったので売却することにしました。売却すると非課税枠の120万円分は使い切ることになるので、その年はNISAでの運用はできません。

NISAについてのより詳細なポイントは『金融庁』のホームページをご覧頂くと良いかと思います。

最大限非課税枠を活用する繰り越し方法や、税金の優遇を受けられる期間について、最新の情報が掲載されています。

またNISA口座は1人1ひとつです。またNISAと積み立てNISAの併用はできません。

海外駐在中のNISA口座の取り決め・取り扱いについて

駐在員として海外生活を送っている間は、NISA口座を開設したままにしておくことや、新規でNISA口座を開設することはできません。

日本は居住場所で税金のかけ方を判断します。つまり日本に居住していれば税制優遇される制度を使えるのですが、海外に出てしまえば対象外になってしまうのです。

ただしNISAを続ける場合、海外転出の前に金融機関に『継続適用届出書』を提出する必要があります。また基本的には『継続適用届出書』を提出してから5年を経過する日の年末までに、『帰国届出書』を提出することでふたたびNISAの積み立てが可能です。

もし5年を経過する年の12月31日までに『帰国届出書』を提出していないと、口座が廃止されてしまうので注意してください。

海外駐在中のメリットを活かした資産運用をするためには

日本に居住しているときはNISAやiDeCoのように、税金が優遇された制度が使えました。しかし一歩海外に出てしまえば新規での口座開設ができなかったり、5年で口座が廃止されたりと既存の制度が使いにくくなってしまいます。

「日本の便利な制度が使えないから、資産運用に不利だな」と思われるかもしれません。

大丈夫です。海外には日本にない優れた商品があるのでご安心ください。
それでは海外の個人年金商品にも目を向けてみましょう。

日本と香港の制度や商品を一例として紹介します。

商品特性税メリット払い出し制限運用リターン
日本iDeCo選択次第△(60歳)△~〇(運用次第)
日本NISA選択次第△~〇(運用次第)
香港海外保険債券60%株その他40%◎(選択次第)
香港海外積み立て選択次第△~〇(運用次第)

香港やその他の国では保険商品の加入や積み立て投資を行うことで、資産形成が可能です。

モデルケースを見ていきましょう。

35歳で$50,000を30年間寝かせた場合、$149,270になりました。およそ$100,000増えたことになります。
45歳で$50,000を20年間寝かせた場合、$99,317になりました。およそ$50,000増えたことになります。
55歳で$50,000を10年間寝かせた場合、$67,000になりました。およそ$17,000増えたことになります。

老後資金をつくる場合も同じです。

35歳から$100,000を65歳まで30年間寝かせたとします。分割受け取りを選んだ場合、年間$15,000を65歳から100歳まで受け取り可能です。

このようにしっかりと投資する商品を選べば外貨での投資元本を確保しつつ資産は増えるので、海外資産運用を選択肢に入れてくださいね。

海外居住中は効率よくお金を増やせるチャンス

NISAやiDeCoにはそれぞれメリットやデメリットがあります。しかし駐在員として海外に転出した場合は、新規で口座を開設できないなど不便な点があるので注意してください。

海外駐在中のメリットを活かすのであれば、手間のかからない『海外積み立て(貯蓄保険)』がおすすめです。

日本帰国後はNISAやiDeCoの優遇税制度を賢く使うことで、将来のリターンを獲得しましょう。

海外居住中はお金の面に関しては恵まれており、チャンスの時間といえます。ぜひ駐在期間を活かして資産運用や外貨運用をされてはいかがでしょうか。

もしご不明点等ございましたら、お気軽に弊社にお問い合わせいただければ幸いです。

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
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香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。
日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。