香港で不動産投資をする際に必要な準備

香港で不動産投資をする際に必要な準備

目次

①銀行口座開設
➁手続きの留意点

③香港で日本人が投資可能な不動産商品の種類一覧

④日本で購入する場合との比較
➄投資できない不相談
⑥日本帰国後に必要な手続き


国際金融都市であり、世界で最も影響力のある都市の1つである香港。そんな香港へ駐在する際にタックスヘイブンを利用して、資産を増やしたいと思われる方がたくさんいらっしゃいます。でもどこから始めて良いか分からないという方のために香港で不動産投資をする際の基本的な知識などをお知らせしていきます。


銀行口座開設

まず、はじめに銀行口座開設です。日本にある預貯金を入金したり、不動産の決済をするのに必要になります。近年、香港での銀行口座開設は大変難しくなっております。銀行での手続きの際にはパスポート、日本の住所を示すもの、香港での住所を示すもの、マイナンバーなどが必要です。日本の住所を示すものは英語表記ある必要があるので国際免許証か日本の銀行で残高証明を英語表記で出してもらいましょう。香港に駐在で来られる方ならば問題ないとは思いますが、英語力も必要です。

手続きの留意点

口座開設の手続きですが、香港に居住しているとしても開設できないケースもあります。口座を開設する利用が不明瞭と判断されると行員の方に口座開設をお断りされてしまいます。日本とは違い、口座のグレードや口座のグレード毎に口座維持手数料などが設定されていますので、口座を開設する際には事前に調べていきましょう。お勤めの企業がメインバンクにしている銀行ですと、給与支払い口座で使用するという理由で口座開設がスムーズになります。


香港で日本人が投資可能な不動産商品の種類一覧

こちらでは香港で日本人が投資可能な不動産商品の種類をご紹介していきます。2019年4月時点で平均約963万香港ドル(約1億4000万円)と世界一住宅の高い都市です。賃貸の平均価格は2万1800香港ドル(約31万円)で、世界の中でもっとも不動産取得が難しい都市になります。

香港には大きく分けて3つのエリアがあり、住宅地域である新界地域、観光客で賑わう九龍島、香港経済の中心地として栄える香港島です。香港全体のインカムゲイン(家賃収入)は年平均で2〜3%でして、高い利回りは期待出来ません。香港は不動産価格が上昇傾向にあるのでキャピタルゲイン(売却利益)を狙った投資がメインになります。


新築マンション投資

香港の物件の価格は世界でもトップクラスに高く、香港全体の不動産価格はニューヨーク3つ分の価格になると言われております。香港の新築マンションは銀行でのローンを組める方で高収入の方や駐在員とし2年以上勤務されている方にオススメです。また今後、独立を考えている方には不動産を担保にして銀行から資金調達を狙えますので、良い資産になります。

中国人が香港で不動産を多数購入しておりますが、子供に良い教育を受けさせるためにインターナショナルスクールや優秀な大学などの付近に集中しております。その付近は、価格が高騰しやすいので短期でキャピタルゲインが狙えます。人気ですぐ埋まってしまう事があるので、良い物件が手に入らない事もあります。


中古マンション投資

前述した通り、香港の物件価格は世界でもトップクラスに高く、中古物件でも価格は日本と比較すると高いです。また日本の中古物件とは違い、排水の設備や室外機などが整備不良や、劣化している可能性もあります。不動産購入後の思わぬ出費になってしまうので、必ずチェックしましょう。

新界地区は都心から電車で20~30分と離れてしまいますが、香港ではベッドタウンとして有名です。不動産価格の上昇率は都心部とあまり変わりません。そのため少額の投資で確実なキャピタルゲインが狙えます。

日本で購入する場合との比較

日本で購入する場合と大きく違うのはローンです。香港では基本的に2年分の納税証明書と直近3~6ヶ月分の収入証明書が銀行より求められます。頭金は物件価格の20%~30%出すとローンが通りやすく、平均年3.0%~6.5%の利息になります。香港ではローンの審査が厳しいため、ノンバンクでの不動産融資も一般的に行われており、法定金利は最大で年60%です。実際不動産契約をし、決済直前で銀行のローンが通らないというケースもあり、仕方なくノンバンクで融資を行う事になってしまう事例もあります。そうならないように事前に銀行に確認や確実にローンが通ってからの契約にしましょう。

香港は国外から多くの人が滞在します。そのため家具付きのマンションがほとんどです。不動産のオーナーになると賃貸で借りる方から備え付けの家具を撤去してほしいなどと交渉されるケースもあります。

その他、不動産商品の種類

香港では縦に長いビルやマンションのイメージが多いですが、他にもマンション以外の不動産が存在します。投資ビザの取得が必要でして、法人設立をして事業用としてテナント用の不動産を借ります。その分、手続き等が複雑になり、決算なども行わなければなりません。

香港島の金融街や九龍島の尖沙咀でしたら、テナントの空きは少なく、比較的リスクは少ないのですが、その分価格が高くなります。1億円以上の余剰資金がある場合には、事業用の不動産投資として行う価値はあります。またサービスアパートメントといった家具付きでハウスキーピングサービスなどの生活をサポートするサービスが付いた物件もあります。

投資出来ない不動産

香港では土地の所有権は持てません。すべての土地が香港政府所有の土地になります。大手のデベロッパーが香港政府と契約し、貸借権を設定します。そのリース期間が99年や75年など長期の契約になるため、実質的な所有権とみなされる事もあります。個人ではとても契約できるものではありません。


日本帰国後に必要な手続き

日本では12月31日の時点で5000万円を超す国外財産と持つ場合は申告の義務が発生します。香港の平均不動産価格が日本円で約1.4億円のため、香港でのほとんどの不動産が5000万円以上になると予想されます。ここでは不動産管理の方法や税金の申告などの日本帰国後に必要な手続きをご紹介していきます。

不動産管理方法

不動産は日本と同じく管理会社にお任せするのをおすすめいたします。日本の不動産会社も香港へ進出しておりますので、日本人として感覚が似ている日本の不動産会社にお任せする方が安心です。香港現地の不動産管理会社より少し手数料は高くなりますが、トラブルの事を考えると安心です。手数料は賃貸の価格や広さなどで増減しますので、複数の不動産管理業者から見積もりを取り、比較すると良いです。帰国後、不動産オーナーは香港を離れているのでその時のサービス内容などを中心に確認しましょう。不動産オーナーに代わり物件の借主との交渉やトラブルの対応などしてもらう管理会社ですので慎重に選びましょう。

不動産価格が上昇している場合は、香港の税金のみが適用されている駐在中に売却してしまい利益を得るのも1つの手です。

その他、必要な手続き

香港では不動産を保有している場合は、固定資産税と資産所得税が発生します。

固定資産税に関しては香港政府が毎年公表する推定賃貸価格の5%が課税されます。また資産所得税は家賃収入から固定資産税およびその家賃収入の20%を控除した額に一律15%が課税されます。

また日本と香港では租税条約が結ばれておりますので、帰国していれば日本でも税金がかかるケースがあります。そして国外財産調書を税務署に提出する必要があります。調書を提出しない場合は、刑事罰の対象となり、懲役刑を受けてしまうリスクもあります。専門の方にお願いした方が確実ですので、税金の知識に自信がある方も知識がない方も関わらず、信頼出来る税理士さんに相談しましょう。

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
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