【2024】投資詐欺の実情最前線|海外金融業界の時事ニュースを解説
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はじめに
昨今、投資詐欺に関するニュースが後をたちません。投資詐欺とは、虚偽でありながら、非常に魅力的で本当のように思える投資機会を持ち込んで相手を騙し、金銭を詐取する犯罪行為です。電話、電子メール、オンライン、郵便物を利用して正当な金融サービス会社の実在する人物になりすまし、投資させようとあらゆることを試みます。
近年の投資詐欺の手口には、SNSを活用したものや、公的機関を名乗るもの、数人でさまざまな役回りを演じる劇場型など、より一層巧妙、悪質化しています。今回は投資詐欺の種類や手口、騙されないための心構えについてご紹介します。
有名人を語った投資詐欺が爆増中
最近、実業家の前澤友作さんが、詐欺被害者を食い止めるべく、名前や肖像を無断で使用した広告の掲載を許可しているアメリカのメタと、メタの日本法人に対して広告の掲載停止と損害賠償を求める訴えを起こしたというニュースが話題になりました。
このように、SNS上の広告で著名人や有名企業の名前や写真を無断使用し、主催するセミナーや投資へと誘導して金銭を騙し取られる被害が急増しています。2023年のSNS型投資詐欺の認知件数は2271件、被害額は278億円だったものが、2024年1~3月の3カ月だけで被害の認知件数は1700件と爆増しています。被害額も急拡大しており、同時期の被害額は219億円、被害の最高額は4億5000万円となっています。
一方、広告を掲載しているメタ側は、前澤氏の氏名または肖像を無断で使用したのは名称不詳者らだと主張して争う姿勢を示しています。SNSプラットフォーム事業者の経営を支えているのは企業からの広告収入であり、これを簡単に手放すことは出来ないため、今のところ収束する兆しは見えません。
多様化する投資詐欺手口
FacebookやLINE、InstagramなどのSNS上に、有名な起業家や経済評論家、投資家などの顔写真を掲載した広告を出し、本人になりすます詐欺の手口としては、次のような手口があります。広告をクリックすると、有名人が儲かる方法を教えるセミナーを開催している、というWebページが表示されます。セミナーへの入り口をクリックすると、LINEアカウントが表示されます。LINEアカウントはアシスタントと称する人物であったり、またはLINEグループやLINEのオープンチャットへ誘導されたりします。
グループでは参加者が投資の成功体験の話をしていたり、主催側から接触があったりして、巧みに振り込みへと誘導するといった具合です。
SNS上のこうした広告の多くは、本人とは全く関係のない、なりすましによる投資詐欺広告です。また、SNSサイトで知り合った人物から、実在しない投資話や資金援助、商品購入を持ちかけられる詐欺や、電話やダイレクトメールで投資を勧誘して金銭を騙し取ったり、出会い系サイトやマッチングアプリなどのSNSを通じて知り合い、恋愛感情を抱かせて様々な名目で金銭をだまし取る、SNS型ロマンス詐欺も横行しています。
その他にも、震災復興、災害支援、国際支援等に使うという使命感を煽るものや、紹介者・仲介者を名乗る者からの接触など、多様化しており、これらの手口を複合的に用いるケースも多数確認されています。
投資詐欺被害に遭わないために
急増する投資詐欺に遭わないために、私たちが心がけるべきなのは、どのようなものでしょうか。ここではその対策をご紹介します。
・金融リテラシーを身に着ける
株式投資や投資信託のような元本保証がされていない商品を勧められた際、リスクの説明をすることなく「絶対儲かる」「元本保証」といった表現が出てきた場合は、投資詐欺を疑いましょう。断定表現を使った勧誘のほか、顧客の知識や目的に見合わないようなリスクの高い商品を販売する行為は法律で禁じられています。また、一般的なリターンと比較して、利回りが極めて高い商品も怪しいと心得ましょう。もちろん、リターンが高いものは全て詐欺というわけではありません。しかし、短期で高利回りということは、同じくらい大きなリスクを取っているはずです。こうした怪しい投資話を避けることで、投資詐欺に巻き込まれるリスクを回避しやすくなります。
・金融庁への事業者登録を確認する
日本の居住者を相手に金融商品の売買を行なう場合は、金融商品取引業の登録が必要です。この登録の有無は金融庁のHPで確認することができます。登録なく金融商品取引を行なえば違法です。また、支払いを現金での受け渡しで要求されたり、振込先が個人名義などであったりした場合には登録業者ではないケースが多いので注意が必要です。
・普段から家族でお金について話をする
借金がある、老後資金が足りないなど、お金に対して不安や焦りがあると冷静な判断が出来ずに、詐欺に騙されてしまうかもしれません。新たな手法が次々と現れているため、年配の方がターゲットになっているケースも多くあります。日常から家族でお金について話し合うことが重要です。普段から話しやすい環境づくりを行なうことで、1人で抱え込まず、トラブルを未然に防ぎやすくなります。
まとめ
投資詐欺は、被害者を信頼させるために、当初は少額の投資で高い利益を出すこともありますが、やがて大きな金額の投資を求め、最終的には資金を持ち逃げするか、存在しない投資先に資金を移してしまいます。SNSの即時性と閉鎖性を悪用する詐欺を避けるために、投資話が出たら必ず警戒し、冷静な判断を心がけましょう。私たち利用者の心掛けと同時に、政府による規制強化や、広告主、メディアの連携が重要になってきています。
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