海外保険に関するよくある質問 – 第11弾 –
お客様から実際に相談をお受けした海外保険に関して解説していきます。
今回は海外貯蓄保険のリスクについてのご相談をピックアップしました。
質問
Q.海外貯蓄保険を検討しているのですが、リスク(デメリット)はありますか?
A.はい、あります。
このあたりの話は皆さんの気になるポイントなのではないでしょうか。
海外貯蓄保険において注意すべきポイントなどをご紹介します。
海外貯蓄保険のリスクとは
リスクは海外保険だからではなく、世の中に存在する運用商品(預貯金含む)全てで存在します。
銀行預金も運用商品にあたるのか、と思われる方もいらっしゃるかと思います。
銀行にご自身の大切な資産を預けていますので、リスクが存在していると考えられるでしょう。
通常言われているリスクは以下の4種類があります。
- 価格、金利変動リスク:そのものの値動き、金利変動によるリスク
- 信用リスク :投資先の会社や団体の状態が悪くなるリスク
- カントリーリスク :国の政治、経済、社会情勢によるリスク
- 為替リスク :為替相場の変動によってうけるリスク
たとえば前述の銀行預金は信用リスクに該当します。
カンパニーリスクとも言い換えられますが、金融機関が未来永劫存在する保証はどこにもありません。
それではリスクについて順に見ていきましょう。
資産運用における一番のリスクは価格や金利変動です。
ご自身が購入した運用商品は価格が変動するため、想定通りにいかないことは珍しくありません。
ある程度の利回りを約束している商品もありますが、当初のプラスの部分が『良くも・悪くも』見込み通りにいかないこともあるので覚えておくとよいでしょう。
2つ目は信用リスクです。
ご自身が大切な資産を預けていた銀行や証券、保険会社などは業績が悪化する可能性があります。
最悪の場合、破綻してしまう可能性もゼロではありません。
セーフティーネットとして、金融機関や国ごとに破たんを保護する機構があります。
日本の契約者保護機構では責任準備金の90%までは原則補償されると表現されていますが、確実に守ってくれるかどうかは・・・正直わかりません。
香港には監督官庁はありますが、解約返戻金を補填してくれる場所はないといわれています。
そのあたりも含めて、どの金融機関に預けるのかを判断していかなければなりません。
3つ目はカントリーリスクです。
預ける金融機関先の国がデフォルトするかもしれないリスクを指します。
最後に為替リスクです。
自国通貨でその国の金融商品を買った場合、入り口では為替リスクは考えなくてよいと思います。
しかし、運用の出口では、どの国で生活しているか?という違いで運用された資金が為替の変動の影響を受けるかもしれません。
このようなリスクは保険や銀行、証券などで取り扱っている運用商品含め、様々な投資商品にも該当します。
それぞれにおいて、リスクを判断した上で商品を購入するかどうかを決めていただくのがよいでしょう。
海外貯蓄保険のデメリットとは
海外の貯蓄型の商品を検討する際に、特に注意していただきたいポイントをデメリットとして3つ挙げました。
- 掛け捨て保険と比較して保険料が割高
- 流動性に乏しい
- 途中解約で元本割れする可能性がある
ひとつ目の掛け捨て保険と比較して保険料が割高な点について解説します。
貯蓄型商品の中で、海外保険を選択すると、大なり小なり「保障部分」が付加されています。
全部保障だけという保険がいわゆる「掛け捨て保険」と言われているわけですが、
万が一の保険要素の部分だけを見ると、安く高い保障を購入することが可能です。
ですが、海外で貯蓄型のプランを選択するということは『保障』目線で考えた場合、掛け捨てよりも、明らかに貯蓄型の保険の方が保障に対する保険料が割高に設定されています。
とは言え、お支払い頂いている保険料の内訳としては、お金が貯まる要素の比重が大きいため、結果として支払う保険料も高くなる。
つまり保障目線で考えるとデメリットのひとつといえるのではないでしょうか。
次に、赤文字で書いてある
- 流動性に乏しい
- 途中解約で元本割れする可能性がある
については、図解でご説明します。
左側は預貯金、右側は貯蓄保険の図解です。
両方とも同じように毎月・毎年お金を積み上げていくと、オレンジで示した貯蓄金額が右肩上がりになります。
一見同じように見える図解ですが、お金が貯まっていく要素は異なるものです。
銀行預金で積み立てする場合、預けていた現金分はいつでも引き出せます。
一方の保険商品はクーリングオフ期間が過ぎたあと、必ず数年間は元本割れの期間が発生します。
元本割れの期間を青色の点線で示しました。
ご覧頂くと分かるように、契約当初から一定期間は、お支払い頂く金額より下に青色の点線は推移しています。
その下に推移している期間は、仮に途中解約してしまった場合、投資元本(お支払いいただいた保険料総額)を割る。
つまり元本割れの期間となっていまいます。
ですが、仮に積立期間中にご契約者様が亡くなった場合、必要な手続きの上で保険料を支払った分は保険金として返金してくれますのでご安心ください。
では、預貯金と貯蓄保険・・・どちらが良いのでしょうか?
一つの答えとしては、良い悪いで判断するのではなく、目的(出口の時間軸)によって使い分けするのがおすすめです!
例えば、5年以内に使う予定のあるお金は、元本割れや大きな変動が考えられる保険や投資信託にはあまり向いていません。
ですが、お子さんの教育資金やご自身の老後資金など、中・長期的な目線で考えるお金については貯蓄型保険などの元本確保された確実性が向いているといえます。
海外貯蓄保険のメリットとは
リスクと、デメリットばかり記載すると、やっぱりハードル高いのかなって思ってしまいそうですが、海外貯蓄保険にはデメリットばかりではありません。
そのデメリットを並べても魅力的なメリットもありますので、ご紹介します。
- 保険料が割高な分、掛捨てにはなっていない
- 損益分岐点以降は流動性も出る
- 損益分岐点以降は預貯金より圧倒的に優位(増える)
保険料が高いという話を上記しましたが、逆に保険の役割を果たしつつ、しっかりとお金も貯まります。
バランス良く両輪を兼ねる使い方ができる点がメリットですね。
運用がうまくいって自分自身も喜びますが、仮に志半ばで万が一があったとしても、遺族に感謝される。
良いですね!
また、赤文字で書いてある
- 損益分岐点以降は流動性も出る
- 損益分岐点以降は預貯金より圧倒的に優位(増える)
は、ちょっと専門的な言葉が多いですが、運用中の元本割れ期間(しっかりとお金を積み上げる期間)をデメリットとするならば、損益分岐点以降は大きなメリットに変わります。
他の金融商品とは大きく異なる点がココなのですが、
元本割れの期間を超えると、投資した金額より減ることはなくなります。
つまり一定期間の時間は必要ですが、元本をしっかりと確保しているという大きな強みがるのが海外貯蓄保険の最大のメリットでしょう。
また部分的に解約できる商品もありますので、どうしても資金の引き出しが必要な場合はそれも可能ですし、
引き出し後の残ったお金の部分はそのまま運用を継続することができるので、運用に無駄がないのもメリットでしょうね!
まとめ
海外貯蓄保険にはリスクが存在するのかを解説しました。
海外貯蓄保険に限らず、運用商品にはすべてリスクがあります。
運用商品のリスクとは
- 価格、金利変動リスク:そのものの値動き、金利変動によるリスク
- 信用リスク :投資先の会社や団体の状態が悪くなるリスク
- カントリーリスク :国の政治、経済、社会情勢によるリスク
- 為替リスク :為替相場の変動によってうけるリスク
の大きく4種類です。
海外貯蓄保険のデメリットは
- 掛け捨て保険と比較して保険料が割高
- 流動性に乏しい
- 途中解約で元本割れする可能性がある
の3つが挙げられます。
しかし、元本割れの期間を過ぎればメリットに代わる点も多いです。
海外貯蓄保険のメリットは
- 保険料が割高な分、掛捨てにはなっていない
- 損益分岐点以降は流動性も出る
- 損益分岐点以降は預貯金より圧倒的に優位(増える)
があります。
香港をはじめ、海外保険は利回りの高い商品が多いので、ご自身の大切な資金の一部をあててみてもよいのではないでしょうか。
リスク面をしっかりご理解していただいたうえで、海外貯蓄保険を購入するきっかけになりましたら幸いです。
海外に居住されている今が、最大のチャンスであり、海外生活の一つのメリットと言えるでしょう。ぜひご検討の一つとしてお考え下さい。
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