海外保険に関するよくある質問 – 第3弾 –
お客様から実際に相談された海外保険に関する内容をご紹介します。今回は外貨建て保険に関するご質問です。
質問
Q.外貨建て保険は入っちゃダメ!?
今回ご相談を受けた方はあらかじめインターネットで外貨建て保険について調べていました。その中で日本のFPが「外貨建て保険は入っちゃダメ」と書かれた記事を見て心配になったそうです。
実際にインターネットで外貨建て保険について調べてみると、いろいろなことが書かれていました。一例をあげると
苦情だらけの外貨建て保険・・・その実態は?
・外貨建て保険の苦情7年連続増加、19年度2,822件 (日経新聞)
・外貨建て保険の苦情が急増「仕組みの説明が不十分」69% (毎日新聞)
・生保協会、外貨建て保険の販売資格創設へ (産経新聞)
さまざまな新聞にまるで「外貨建て保険は悪だ」と言わんばかりの印象を受けました。
苦情の内容としては
・元本保証だと思っていた
・利率の良い預金だと思っていた
などです。
内容を見ていくとお客様側の勘違いも一部見受けられました。保険を紹介する側も説明不足だった可能性もありますし、お客様側もしっかりと内容を理解する必要があります。
私が日本で保険の仕事していたときは、外貨建て保険も普通の保険の販売資格があれば販売できていました。しかし最近では生保協会が外貨建て保険を販売する際は、専用の資格が必要になってきています。
外貨建て保険が向かない人の特徴
では、外貨建て保険に向かない方はどのような特徴があるのでしょうか。ひとつづつ解説していきます。
・為替のことが理解できない
物事をすべて円ベースで考えている方です。このような方は加入した後に「思っていたのと違う」と感じてしまうかもしれません。
必ず為替を理解した上で加入されることをおすすめします。
・資産が全くない
外貨建て保険は当然のことながら外貨で運用するので、受け取り時の為替のレートにより受け取れる金額が変動します。急にお金が必要になったとき、使いたいタイミングで使えないこともあり得るでしょう。
そういったときは別の資産を使って、外貨建て保険はそのままにしておくなどの使い分けが必要です。外貨建て保険のみに頼ってしまうと、何かあったときに困ってしまう可能性があります。
まずはしっかりとベースとなる資産を築いた上で外貨建て保険をはじめるのが良いでしょう。
・長期運用ができない
保険商品は基本的には長期運用になります。保険は商品にもよりますが、元本割れ期間があります。10年、15年程度使えない期間がありますので、短期的に何か使う予定があるのでしたら他の保険商品を選ばれた方が良いでしょう。
外貨建て保険のメリット、デメリットとは
外貨建て保険のデメリットばかり目がいってしまいましたが、そんなに悪い商品なのでしょうか?寧ろしっかりと商品の特徴を理解した上で加入すれば良い商品といえます。
下記に外貨建て保険のメリットとデメリットをまとめました。
それぞれ深掘りしていきます。
外貨建て保険のメリット
ひとつ目は円建てと比較して運用の利率が良いことがあげられます。いま日本の保険の利率は、ほぼほぼゼロに近いです。ドルで運用すれば利率が良いので、資産運用としての側面もあり有利といえます。
ふたつ目に通貨の分散です。外貨で運用するので、円資産以外にもドル資産を築けます。通貨分散として外貨建て保険を活用するのは一つの方法として有効といえるでしょう。
最後に保険料が割安です。日本では1,000万円の死亡保険を買うのには800万円ぐらい払わないといけません。しかし、ドルにするだけで支払う金額はだいたい半額で済みます。保証を買うといった意味でも、外貨建て保険はメリットがあるといえるでしょう。
外貨建て保険のデメリット
ではデメリットもみていきます。ひとつ目は為替の影響をうけることです。将来の為替がどうなるのかはプロトレーダーにも分かりません。受け取る時にマイナスになっていますか?円高になってますか?と聞かれてもわからないのでお答えできないのが現状です。
ただ、受け取る時に円安になってれば、為替の利益ものりますので受取額が増えます。為替はデメリットでもありメリットでもあるといえるでしょう。
デメリットのふたつ目は長期に使えないお金になることです。保険は長期運用の商品になりますので、必ず一定期間預けておく置いておく必要があります。
最後にコストが高いです。これは日本の外貨建て保険に限る話になりますが、海外で直接購入する海外保険と比較すると割高であるといえます。
まとめ
外貨建て保険はデメリットばかりではありません。インターネット上では苦情が寄せられていますが、保険会社側の説明不足とお客様側の勘違いによりミスマッチが起こった結果、満足できない形になった可能性があります。
外貨建て保険は理解をした上で加入すれば利率が良く、通貨分散になるため外貨運用や資産運用の手段のひとつになるでしょう。
保険は金融商品です。必ず販売資格のある人に相談していただき、ご自身で理解し納得できるまで何度でも相談することをおすすめします。海外に居住されている方は、海外で加入できる貯蓄型の生命保険をご検討されるのも良いかと思います。
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