【2024】日本円の紙くず化対策とは?海外居住者が考えたい資産形成と運用方法

世界的な大恐慌や政治が引き起こす問題などにより、ひょっとしたら日本円が「紙くず」になってしまう未来もあるかもしれません。世間で言われている「紙くず」はちょっと極端な表現ですし、今すぐそうしたことが起こるとは考えたくはありませんが、万が一の場合に備えて資産を守る方法を知っておいて損はないでしょう。

今回は特に海外居住者におすすめの資産形成手段について、それぞれの特徴やメリット・デメリットをお伝えします。海外の税制などに注意しつつ、自分に合った運用方法を見つけましょう。

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日本円が紙くずになる可能性とその対策

現在、世界は地政学リスクの高まりなどにより先行き不透明な状況が続いています。そのような世界情勢の中、日本円が紙くずになってしまうリスクは必ずしもゼロとは言えないでしょう。

1946年、日本では第二次世界大戦での敗戦を背景としたハイパーインフレ対策として、預金封鎖が行われました。預金封鎖されることにより銀行預金を自由に引き出せなくなり、限定された金額のみ引き出しが許可されるなど、実質国民は国から資産の差し押さえを受けることになったのです。過去には日本以外でも、韓国、ギリシャやキプロスなど、世界各国で経済破綻が起きています。

また、近年では新型コロナウイルス感染拡大により世界経済が一時的に冷え込み、多くの企業や家庭が難しい状況を経験しました。

今後もいつ何が経済がダメージを受けてしまうのか予測は不可能であり、原材料高などによるインフレーションに歯止めがかからず、日本円が急激に価値を落とし、円安もさらに進む未来もあるかもしれません。

2023年7月28日に日銀から発表された内容は衝撃的で「YCC:イールドカーブコントロールを1%を上限に柔軟に調整していく」ということでしたが、ざっくりとした筆者の考えとしては「日本円の紙くず化が加速するかも・・・」という一抹の不安を感じました。

もし今海外に在住しているのであれば、投資先や運用方法の幅を広げて対策を講じておくことを強くおすすめします。

以下、海外で資産運用できるサマリーをお伝えしていきます。ただ我々の経験上、運用益を手にできる人・できない人がいらっしゃるのですが、ポイントは何かというと『出口戦略』を視野に入れているかどうか?ということが分かってきました。最終的にどの国で使うのか、という点です。『

『リターンを出す、利益を出す、儲ける』といった通常の投資イメージではなく、日本円の価値下落に対して資産保全、資産価値の維持をするために、海外での優れた運用を活用できているのか?

せっかく保全した資産を最後に手にできないって本末転倒です。注意点についてもしっかりと把握していきましょう。

日本円の紙くず化対策!海外居住者向け資産運用方法

日本円の紙くず対策として、海外居住者向けの代表的な資産運用方法とその概要を紹介します。

  1. 定期預金
  2. 株式
  3. 投資信託
  4. 債券
  5. 貯蓄型保険
  6. 不動産

それぞれリスクやメリット・デメリットが異なるため、特徴をよく理解した上で投資しましょう。

1.定期預金:投資初心者向け(相続不向き)

定期預金とは、一定の預入期間を指定して預金するものです。普通預金よりも金利が高いことが特徴ですが、日本では定期預金の金利も低水準が続いています。そのため、海外の高金利な銀行で定期預金することを検討してみても良いでしょう。

メリット

  • ・リスクが低い
  • ・気軽に始められる
  • ・国によりキャピタルゲイン税なし

デメリット

  • ・株式等と比較してリターンは低い
  • ・高金利の銀行が見つからない可能性
  • ・万一時の口座利用について対応を計画しておく

定期預金は株式投資のように元本割れするリスクを負いたくない人に向いている資産運用手段です。リスクは低いですがリターンもあまり多くは期待できないため、もし始めるのであれば金利が高い銀行を探すことがポイントです。

日本の銀行における定期預金金利は低いため、海外の比較的高金利な銀行を探してみましょう。

2.株式:投資上級者向け(相続不向き)

株式発行は企業が資金調達の一環として行います。購入した企業の株式が上昇すれば、定期預金よりも大きなリターンを得る可能性があります。しっかり事前のリサーチをした上で、日本以外の企業に目を向けてみると投資の幅が広がります。

メリット

  • ・大きなリターンを得られる可能性
  • ・配当金が得られる
  • ・世界に投資できる
  • ・国によりキャピタルゲイン税なし

デメリット

  • ・損失が出る可能性
  • ・一定の資金力が必要
  • ・万一時の売買状況、口座利用について対応を計画しておく

株式投資では、売買のタイミングが良ければ定期預金よりも大きなリターンを得られる可能性があります。日本株や米国株以外にも、海外在住者であれば自分がいる国で期待できる企業へ投資をしてみると投資の幅も広がります。

また、株式投資を行うにはまとまった資金が必要であることと、元本割れのリスクがある点には十分注意が必要です。安全性の高い資産運用手段や投資する業種などにおいて上手くバランスを取りましょう。

3.投資信託:投資中級者向け(相続不向き)

投資信託とは、投資家から集めた資金をファンドがあらかじめ決められた株式や債券などで運用するものです。よく耳にする商品にはSP500インデックスファンド、全世界株式投資(オルカン)など、株式投資よりもリスクは低く、様々な株式や債券などにまとめて投資できます。多くの種類があるため、自分のリスク許容度に合ったものを選びましょう。

メリット

  • ・個別株投資よりもリスクが低い
  • ・積立投資が可能
  • ・多くの投資先にまとめて投資可能
  • ・国によりキャピタルゲイン税なし

デメリット

  • ・個別株よりもリターンは低い可能性
  • ・運用中は一定のコストが発生する
  • ・損失が出る可能性
  • ・万一時の売買状況、口座利用について対応を計画しておく

投資信託では世界中のあらゆる株式、債券や不動産などにまとめて投資できます。そのため、株式のように個別の投資先をピックアップすることに難しさを感じる人や、株式よりもリスクを抑えたい人に向いているでしょう。

投資信託にはたくさんのラインナップがあるため、海外在住者であれば滞在中の国で人気の投資信託を選ぶこともリスク分散になります。短期で大きなリターンを得ることは難しいですが、長期的な目線を持って投資することで徐々に資産を増やせるでしょう。

4.債券:投資中級者向け(相続不向き)

債券も株式と同じく資金調達方法の一種であり、その発行体は国や企業など様々です。債券投資では定期的に利子が発生し、期日を迎えると元本が返ってきます。発行体にどれくらいリスクがあるのか事前に確認することが重要です。

メリット

  • ・定期的に利子を受け取れる
  • ・投資対象の幅が広い
  • ・株式よりもリスクが低い傾向
  • ・国によりキャピタルゲイン税なし

デメリット

  • ・発行体によってはリスクが高い
  • ・株式よりもリターンが低い
  • ・短期での利益獲得はできない
  • ・一定の資金力が必要
  • ・万一時の売買状況、口座利用について対応を計画しておく

債券は一般的に株式よりもローリスク・ローリターンである金融商品です。原則として満期まで保有する必要がありますが、定期的に利子が受け取れるため、利回りが良いものを購入すれば資産増加につながります。

ただし、高利回りの債券はリスクが高くなることが考えられるため、利率だけではなく発行体が信用できるかどうかの見極めが重要です。海外在住者の場合、滞在中の国が発行する債券などをチェックしてみても良いでしょう。

5.貯蓄型保険:初級〜中級者向け(譲渡・相続向き)

貯蓄型保険とは、終身保険や養老保険など満期に満期保険が受け取れるものです。海外の貯蓄型保険の中には日本の商品よりも運用利回りが高いものもあります。運用期間や運用通貨などを考え、検討してみるのも良いでしょう。

メリット

  • ・運用に手間がかからず、解約返戻金や満期保険金、ドル年金として運用益を得る
  • ・解約するまで税金が繰延べされるため複利運用を有効に活かすことが可能
  • ・確定した利益に対して一時所得として税控除が受けられる(日本帰国後)
  • ・契約者、被保険者を変更し、不動産のように定期収入・次世代への譲渡が出来る
  • ・「受取人指定」が可能なため突然の万一時に確実に親族に資金移転可能

デメリット

  • ・短期の運用には向かない
  • ・居住国によっては購入できない(制裁国、軍事政権国など)
  • ・運用初心者向けのため、値動きを見るのが好きな人には不向き

万が一に備えながら資産運用するのであれば、貯蓄型保険という選択肢もあります。長期運用となるため、短期で利益を上げたい人には向いていません。

もし海外在住者が現地で貯蓄型保険に加入することを検討する場合は、加入資格や保険金の受け取り時の通貨などについてよく確認しておきましょう。

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6.海外不動産:投資上級者向け(相続不向き)

海外の国や地域によっては、不動産価格が高騰しているケースもあります。上手く行けば高いリターンを得られますが、定期預金や株式ほどの手軽さはないため事前のしっかりとしたリサーチが重要です。

メリット

  • ・ハイリターンを得られる可能性
  • ・将来ご自身が移住するときなどに活用
  • ・賃貸が可能であれば外貨収入を得る

デメリット

  • ・一定の資金力が必要
  • ・海外情勢が変わる可能性
  • ・補修費用、家電の入れ替え、管理依頼費などコスト高で実質利回りは低い
  • ・賃借人との揉め事がおこると交渉が外国語になるため注意が必要
  • ・実は確実な家賃の集金が大変。
  • ・売却に時間がかかる、もしくは売却の目処が立たない物件が多い。

不動産投資では現物の確認やマーケットリサーチが重要になります。しかし一番大切なのは『目的』でしょう。海外在住者は日本以外の不動産投資ができる環境にありますが、将来的な価値、相続時に家族、子供達に渡せる資産なのか売却目的なのか?などについては慎重に検討する必要があるでしょう。

また、投資後にトラブルが起きないよう、事前に契約の内容や物件のメンテナンスにかかる費用をしっかりチェックしておく必要があります。

日本円が紙くずになるリスクも考慮した対策をしよう

日本円が今すぐ紙くずになってしまう(価値を失う)リスクは恐らく低いと考えられます。しかし、世界的に不安定な情勢を見ると日常が予期せず突然変わってしまい、資産価値の維持にも悪影響が出る可能性もゼロではありません。

資産運用手段により投資する金融商品やリスクは異なるため、分散投資をして投資先が偏らないように気を付けるのも大事ですが、まずは資産の価値を保全する、維持する、維持できる投資先であることがより大事になります。

また、海外在住者が日本以外で資産運用をする場合は税制や情勢が日本と異なる可能性があります。投資を始める前に金融機関や専門家へ相談するなどして、不明点がないようにしておきましょう。

もし海外在住者でどの資産運用方法が良いのか分からない、海外の資産運用事情に詳しくないといったお困りごとがあれば、110 Financial Supportへご相談ください。資産状況や海外情勢などをふまえ、ご自身に合った資産運用プランを提案させていただきます。

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
日本・海外で累計2,000名以上のお客様の資産運用をサポート。
香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。
日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。