【2024】海外移住で株式投資を続ける人の留意点とは?利用可能な証券口座もご紹介
「海外移住を考えているけど、海外でも株式投資を続けられる?」
「確定申告など、税金関係はどうなるの?」
国際税務は単純に語れる内容ではなく、知らずに海外で株式投資を続けていると脱税や利益が少なくなるといったことにもなりかねません。
そこで本記事では、以下の内容を解説しています。
- ・海外移住では証券口座を変更しなければいけない可能性がある
- ・海外移住で株式投資をした場合に関わる税金の留意すべき点
- ・資産が多い方は国外転出時課税制度が関与する場合がある
海外移住を考えている方の中でも、とくに資産が多い方に最後までお読みいただきたい記事となっております。リスクに備えられるよう、本記事を読み進めてください。
Contents
海外移住後に株式投資を続けられる証券会社かどうかを確認
すでに証券会社に登録して株式投資をしている方は、同証券会社の利用規約を読む必要があります。
日本の証券会社は基本的に日本の居住者が利用できるサービスとなっているため、海外移住した際に現在ご利用の証券口座が使えなくなる可能性があります。
楽天証券ホームページの海外出国のお手続きページに記載されているように、1年以上5年未満の出国では事前手続きにより口座継続可能、5年以上出国予定の方は解約手続きが必要です。
またSBI証券でも日本の非居住者となる場合は解約が必要となっています。
こういった主に日本で利用される証券会社は、海外移住により日本の非居住者となる場合、原則解約となっていることが多いので、海外移住で株式投資を続けたい方は証券会社の乗り換えが必要になる可能性があります。
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海外移住後に株式投資を利用できる証券会社で契約
海外移住後でも株式投資を続けられる証券会社は主に、海外を活動拠点とする証券会社です。
前章でも解説した通り、日本国内の証券会社は日本の居住者に向けたサービスがほとんどのため、海外移住した場合は原則解約となる証券会社が多いです。
海外の証券会社の特徴はさまざまで、日本語に対応しているフィリップ証券やIB証券、米株取引に強いFirstradeなどがあるため、言語の得意不得意や取得する銘柄など、自身に合った証券会社を選べます。
海外移住をして株式投資を続けていきたい方は、現在ご利用の口座が日本の非居住者でも利用できるかを確認し、必要であれば海外で使える証券口座を開設しましょう。
海外移住先の税率を考慮している方は2か所で税金が発生することに留意
税率を考慮して海外移住をする方もおられますが、居住する国で発生する税と投資した国で発生する税の2つがあるため、双方の税制や租税条約を結ばれているかどうかを確認しないと、日本の居住者である状態から税率をうまく下げられないかもしれません。
例えばタイの居住者となり、アメリカの株式に投資をした場合は以下のようになります。
・キャピタルゲイン(売買益)
タイ0% +アメリカ0% = 0%
・インカムゲイン(配当)
タイ10% +アメリカ10% = 19%
・インカムゲイン(利子)
タイ15% +アメリカ10% = 23.5%
今回のタイとアメリカの例では、キャピタルゲインにかかる税率が日本より低くなっていますが、事前に調べておかないと「実は日本より高い税金を納めていた」という状況になりかねません。
海外移住した現地での確定申告や租税条約といった国際税務知識が必要となるため、税務知識に苦手意識がある方は、詳細まで把握しておくのは難しいでしょう。
すでに株式を保有している方は出国税が適用される可能性がある
証券をはじめとする日本在住中に保有している資産の額によっては、国外転出時課税制度(以下、出国税)が適用される可能性があります。
出国税は出国する時点で時価1億円以上の有価証券を保有する日本の居住者が納めるべき税金で、売買により利益確定をしていなくてもその時点で売買したものとみなして、含み益に課税される制度です。
1億円以上運用する可能性がある方、常に運用している方は注意すべきポイントです。
海外移住で株式投資を続けるには国際税務知識が必要
まずは現在ご自身が利用している証券会社では、海外居住者になる場合に口座を継続して利用できるのかを確認しましょう。基本的に日本の証券会社は日本の居住者向けサービスのため、多くの場合は海外で利用できる証券会社に登録する必要があります。
海外移住をして株式投資をする場合は、居住国と投資先の国の2か国で課税されることを知っておく必要があります。
知らずに移住する国と投資する国を決めてしまうと、納税額が大きくなり株式投資で得た利益が少なくなる可能性が出てくるでしょう。
また海外移住をして株式投資をするには確定申告や租税条約といった知識も必要です。
国際税務は新しく勉強するにはハードルが高い知識なので、思わぬ形で脱税してしまったり、利益が少なくなってしまったりといった状況を避けたい方は、専門家に頼ることでリスクを減らせるでしょう。
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