【2024】老後のオーストラリア移住はあり?後悔しないための重要ポイントを解説

日本人が多く暮らす国、オーストラリア。2022年頃から始まった円安の影響も追い風となり、オーストラリアに移住してお金を稼ぐ若者がテレビなどで話題です。

この記事では老後も見据えてオーストラリア移住を検討している方のために、その魅力や後悔しないためのポイント、また資金面でのポイントをお伝えします。

オーストラリア移住の魅力と生活コスト

外務省の「海外在留邦人数調査統計」によれば、2022年10月時点でオーストラリアに暮らす日本人は約9万9,500人で、世界第3位の多さです。

まずは日本人を惹きつけるオーストラリアの魅力と、生活コストをみていきましょう。

移住先としてのオーストラリアの魅力

オーストラリアに暮らす魅力は大きく3つあるといえるでしょう。

  1. 気候
  2. 治安
  3. 日本との時差

オーストラリアの気候は、地域差がありますが、年間を通じて温暖で過ごしやすいといえます。夏はカラッとした暑さで日本のような蒸し暑さはありません。

次にオーストラリアの治安は、Institute for Economics and Peace(経済平和研究所)による「Global Peace Index 2023」(2023年の世界平和度指数)において163ヵ国中第22位です。第9位の日本ほどとはいえませんが、上位15%に入る治安の良さでマレーシア(19位)、ベルギー(20位)と同程度です。

最後にオーストラリアは日本より30分〜2時間ほど時間が進んでいます。孤独を感じやすい海外生活ですが、時差が小さいため日本の家族や友人とコミュニケーションをとりやすいといえるでしょう。

オーストラリアでの生活コスト

気になる生活コストについては、次の3項目を整理していきましょう。

  1. 賃金
  2. 生活費
  3. 医療費(医療制度)

2023年7月1日時点で、オーストラリアの最低賃金は1時間あたり23.23豪ドル(約2,244円)です。一方、日本の最低賃金(全国平均)は2023年10月以降1時間あたり1,004円であり、オーストラリアの最低時給は日本の2倍以上です。

「日本より稼ぎやすい!」と嬉しくなるかもしれません。しかしオーストラリアでは生活費も高くかかります。Numbeoの国別生活費指数によればオーストラリアの生活費(家賃を含む)は世界第12位の高さ。日本は41位であり、体感的にも日本のおよそ1.5倍ほどといわれています。

医療制度については、日本と同様に国民健康保険(メディケア)が基盤です。メディケアは公立病院でかかった治療費や、診察費、検査費の全額または一部をカバーしてくれます。このため公立病院の需要が高く、外来の予約は数週間〜数ヵ月待ちが通常である点は注意が必要です。

オーストラリア移住を成功させるポイント

オーストラリアに移住する流れとしては、英会話の勉強と移住費用の貯金→ビザ申請→渡航→物件探し→職探しといった進め方が一般的です。

ここではとくにビザの取得について説明し、安心して生活するための注意点を実際に移住した方の声を混じえてご紹介します。

永住ビザの取得

オーストラリアのビザ制度は種類もとても多く、仕組みも複雑です。

基本的には一時的に滞在できるビザを取得した後に永住ビザを申請する方法をとります。

永住ビザまたは永住ビザの取得につながるビザは大きくわけて3種類あります。

  1. 独立移民ビザ
  2. 就労ビザ
  3. パートナービザ

独立移民ビザは会社やパートナーといった「スポンサー」が不要で、職歴や学歴、英語力、年齢などをポイント換算した合計点によって審査されます。また指定の職業リストに載っている職業に就いている必要があります。

就労ビザは雇用主にスポンサーとなってもらって取得するビザです。ほかにも指定の職業・分野で2年以上の実務経験やフルタイムで働いた経験が必要です。就労ビザを得てからさらに一定の条件を満たすと永住ビザの申請ができます。

パートナービザはオーストラリア人・ニュージーランド人、オーストラリア永住者であるパートナーにスポンサーしてもらうビザです。職業の要件はなく、事実婚・結婚見込みでも申請できます。

※オーストラリアでは3〜6ヵ月ごとに政策の見直しがあり、法改正のスピードが非常に早い点が特徴です。ビザの制度も頻繁に改正されますので、必ず最新の情報を調べ、専門家に相談するようにしてください。

オーストラリア移住での3つの注意点

海外に移住すると日本での生活とは異なる大変さを体感するでしょう。

文化の違いや言語の壁、日本に帰国するハードルの高さ、孤独感などはどの国にもいえることですので、ここではオーストラリアならではのポイントを3つ紹介します。

  1. アジア人差別
  2. 紫外線
  3. 歯科医療

オーストラリアは「移住者の国」と呼ばれるほど移民の多い国です。オーストラリア統計局が2021年7〜9月におこなった国勢調査によれば、移民の割合は総人口の5割を超えます。さまざまな人種が入り混じるため「人種差別を感じることはない」という日本人移住者もいますが、一方で「白人は17時に仕事が終わるのに、アジア人は帰宅前に社長の許可が要る」と理不尽な経験をした方も。人種差別が少ない国という声も散見されますが、実際はそうとも限らないようです。

次に紫外線対策です。オーストラリアは紫外線が非常に強く、皮膚がんにかかる人が多い国です。季節を問わず日焼け止めやサングラス、長袖の洋服などで対策しましょう。

最後に歯科医療について。先述したメディケア制度はすべての診察・治療をカバーするわけではなく、カバーできない診療として歯科治療がそのひとつです。オーストラリア歯科医師会が実施したアンケートでは定期検診とフッ素治療だけで平均215豪ドル(約2万800円)かかるとの報告もあります。歯科治療は民間の保険でカバーするのが一般的です。

オーストラリア移住で知っておきたい資金面のポイント

オーストラリアに移住するにあたり、前もってどのぐらいの貯金を準備すれば良いのでしょうか。また移住後の資産運用はどうすればよいのでしょうか。移住前に準備したい金額の目安と、移住後の資産運用について整理しましょう。

移住前に準備したい金額

どの地域や物件に住むのか、また取得するビザの種類によって必要な費用は変わってきますので、ここでは下記の条件で考えてみましょう。

  • ・単身で移住
  • ・現地で職探しにかかる時間は3ヵ月
  • ・日本での生活費は16万2,000円※

※総務省「家計調査報告(家計収支編」)2022年より単身世帯の消費支出の月平均額

最低でも仕事が見つかるまで3ヵ月分の生活費が必要です。オーストラリアでの生活コストでお伝えしたように日本の1.5倍の生活費がかかるとすると、1ヵ月あたり24万3,000円、3ヵ月で72万9,000円となります。ほかにも航空券代・保険代・引越し費用・ビザ申請費用などが必要です。なにかあったときの予備費も含めて200万円〜300万円は準備しておきたいところです。なお就労ビザなどスポンサーを必要とする場合の生活費は1年分(291万6,000円)ほど準備しておいたほうが良いでしょう。

海外で資産運用するには?

日本の証券会社は日本に住んでいる人を対象にサービスを提供しているため、海外移住となると解約せざるを得ません。資産運用は現地で利用できる証券会社を通じておこないましょう。スマホで取引できるネット証券が便利です。オーストラリアで利用できる代表的なネット証券にはCommSec、eToro、NABtradeなどがあります。

資産運用に関する税金面のポイント

オーストラリアの所得税法では、資産の売却益は課税所得に含まれ、所得額に応じて0%〜45%の所得税が課されます。

また投資で発生する税は住んでいる国(オーストラリア)で発生するものと、投資した国で発生するものの2種類あるため、外国に投資する際は双方の税制や租税条約の締結状況を確認してください。

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まとめ

日本人が多く暮らすオーストラリアは移住先として多くの魅力を持っています。一方で日本よりも高い生活コストや複雑で頻繁に改正されるビザ制度など、移住のハードルは低くありません。制度を確認しながら資金面も含めた準備を、専門家の力も借りながらしっかりおこなっていきましょう。

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※本記事は2023年12月時点での為替レートを使って豪ドルを日本円換算しました。

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