【2026年3月】ホルムズ海峡封鎖でドル円は165円へ|海外在住者の資産防衛5選

監修者情報

INSURANCE 110 Director 才田 弘一郎

日本・海外で累計2,000名以上のお客様の資産運用をサポート。
香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。

中東情勢の緊迫化で原油価格が急騰し、ドル円も再び150円台後半へ。海外に住む日本人にとって、日本円資産の目減りとエネルギーコスト上昇は他人事ではありません。
本記事では香港拠点のFPが、こうした有事の局面で、海外在住者が取るべき具体的な資産防衛アクションを解説します。

この記事でわかること

  • ホルムズ海峡封鎖が原油・日経平均・ドル円に与えた実際の影響
  • 海外在住日本人が特に注意すべき「円資産偏重リスク」
  • いますぐ取れる具体的な資産防衛アクション5つ

いま中東で起きていること — ホルムズ海峡の”事実上封鎖”


2026年2月末、米国とイスラエルによるイランへの攻撃とそれに対するイランの反撃を契機に、ホルムズ海峡の航行船舶数が急減し、「事実上の封鎖」状態に陥りました。ホルムズ海峡は世界の海上原油輸送量の約2割を占める要所であり、日本が輸入する原油の約9割がこの海峡を通過しています。

この地政学ショックは、数日のうちに金融市場全体へ波及しました。

市場への直接的影響

指標状況(2026年3月初旬時点)参考前月比
Brent原油先物80米ドル台前半上昇
日経平均株価54,245円(▲3.6%)2025年4月以来の下げ幅
ドル円相場一時159円台前半円安加速
有事のドル買い米ドル・スイスフラン・金が上昇リスクオフ

特に注目すべきは、本来なら有事に買われる「円」が、今回は逆に売られた点です。日本は景気を重視する金融政策を維持しており、利上げに動きにくい通貨は有事に売られやすい傾向が鮮明になっています。原油高による輸入額の膨張(円売り需要)と金利差拡大が重なり、構造的な円安圧力が形成されています。

民間シンクタンクの試算では、ホルムズ海峡封鎖が長期化した場合、原油130ドル・ドル円165円という水準が現実味を帯び、最悪シナリオでは1ドル200円を目指す展開も否定できないとされています。

海外在住日本人の資産に何が起きるのか


「自分は既に海外に住んでいるから関係ない」と考えるのは危険です。日本に退職金・年金・預金・不動産を残している海外在住日本人にとって、今回の局面は特有のリスクをはらんでいます。

影響1:円安進行で日本円資産の実質価値が目減り

海外駐在員・海外在住者の多くは、日本の銀行口座・証券口座・退職金を「円建てのまま」保有しています。ドル円が150円から165円へと10%円安が進めば、将来帰国時に換算される資産の実質的な価値は10%目減りします。過去数年の円安トレンドですでに20〜30%のダメージを受けた方も少なくないはずです。

この「円資産の実質目減り」は、為替ヘッジをしていない限り、時間の経過とともに着実に進行します。現地通貨で生活している海外在住者こそ、円資産の扱いを見直す必要性が高いのです。

影響2:ドル建て運用の恩恵と”集中リスク”の罠

一方、米ドル建てで資産を保有している方は、円安局面で相対的に恩恵を受けます。ただし、ここにも落とし穴があります。米ドル一極集中は、米国の地政学リスクや金利政策の転換時に一度にダメージを受けるリスクを抱えています。

110グループの顧客事例では、円預金に偏った結果として帰国時に想定より2,000万円以上目減りしてしまったケースがある一方、ドル一極集中で2022年以降の金利の急変動時に評価損が膨らんだケースもあります。「どちらか一方」ではなく、円・ドル・香港ドル・シンガポールドルといった複数通貨での分散設計が、有事に強い資産構造を築きます。

いま海外在住者が取るべき資産防衛アクション5つ


投資の世界では「有事のときこそ動くな」という格言があります。ただし、これは「何もするな」という意味ではなく、「感情的に売り買いするな」という意味です。冷静な判断に基づき、以下の5つのアクションを順に検討してください。

① 慌てて全売却しない — 積立投資は継続が鉄則

地政学リスクのピークで売却すると、反発局面の上昇を取り逃がします。積立投資は継続したまま、資産配分の再点検だけを先に行いましょう。

② 通貨分散を見直す — 円・ドル・HKD・SGDの4通貨設計

円資産の比率が50%を超えている方は、段階的に多通貨へ分散することを検討してください。香港ドルは米ドルペッグ(1USD = 約7.8HKD)の仕組みで実質的にドル建て資産に近い安定性を持ちながら、アジアでの運用機会にアクセスできる強みがあります。

③ エネルギー関連・インフラ資産への一部シフト

原油高の恩恵を受ける資源関連銘柄・エネルギーETF・インフラファンド等への部分組み入れは、地政学リスクに対する天然のヘッジとして機能します。ポートフォリオの5〜10%を目安に検討する価値があります。

④ 香港ドル建て貯蓄型保険で長期ヘッジを組む

香港で販売される貯蓄型保険は米ドル・香港ドル建てで設計されており、10〜20年単位で返戻率の上昇を見込みやすい構造です。為替リスクを長期で吸収しつつ、複利で資産を増やしたい方に適しています。ロックインオプションやターミナルボーナスなどの機能を活用すれば、為替変動にも強い出口設計が可能です。

⑤ 帰国時の為替リスクを見据えた出口戦略

最終的にいつ・いくら・どの通貨で資産を受け取るか。このゴール設計がないまま運用しても、有事の円安局面で判断を誤ります。10年後・20年後の「受け取りたい金額と通貨」を先に決め、そこから逆算して資産配分を組むのが王道です。

よくある質問(FAQ)


Q1. 今すぐ円をドルに全額替えるべきでしょうか?

一括での大量両替はおすすめしません。為替は短期的には読めないため、3〜6ヶ月かけて段階的に分散するドル・コスト平均法のようなアプローチが安全です。また、全額ドルへの集中もリスクがあるため、複数通貨への分散を同時に行ってください。

Q2. 原油価格はいつまで高止まりしますか?

民間シンクタンクの見立てでは、ホルムズ海峡の封鎖状態が続けば100〜130ドル水準が半年以上続くリスクシナリオも想定されています。ただし、外交的解決により早期に60〜70ドル台へ戻る可能性もあり、不確実性が高い状況です。短期予測に賭けるのではなく、どちらのシナリオでも耐えられる設計が重要です。

Q3. 香港ドルは米ドルペッグだから安全ですか?

香港ドルは1983年以降、米ドルに対して1USD = 7.75〜7.85HKDのレンジで管理されており、40年以上ペッグ制度を維持しています。実質的にドル建て資産と同等の安定性を持ちますが、アジアでの運用機会にアクセスしやすい点が強みです。

Q4. 日本株・日本円の長期見通しはどうなりますか?

複数の証券会社は、短期的なボラティリティを経ても2026年末に向けて日経平均が回復するシナリオを描いています。ただし、円そのものの長期的購買力低下は構造的な問題であり、日本円資産一本足での保有はリスクが高いと考えるべきです。

Q5. 海外駐在員が最も陥りやすい失敗は何ですか?

最も多いのは「現地で稼いだ給与をそのまま現地通貨で寝かせ、日本の資産も円預金のまま放置する」というパターンです。結果として、インフレ・為替・金利のすべての変化に対して無防備になります。現地口座と日本口座をセットで設計することが海外在住者の資産防衛の第一歩です。

有事こそ”通貨・地域分散”で資産を守る


ホルムズ海峡をめぐる地政学ショックは、原油高・円安・株安という形で一気に顕在化しました。日本国内メディアは「日本在住者への影響」を中心に論じていますが、海外在住日本人にとっての本当のリスクは、現地通貨で生活しながら日本円資産を温存しているという”ねじれた資産構造”にあります。

今回のタイミングで一度、円・ドル・香港ドルといった通貨別のバランス、地域別のバランス、出口戦略までを含めて棚卸しすることを強くおすすめします。有事にうろたえず、冷静に長期視点を維持できるかが10年後の資産額を決めます。判断に迷ったときは、海外在住者の資産運用に精通した専門家に早めに相談してください。

ディスクレーマー(免責事項)
本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。税務に関する詳細は、税理士等の専門家にご相談ください。

グローバルな保障設計と資産運用は、110(ワンテン)グループへ

「110 Financial Support」では、海外在住者や海外移住を検討されている方の資産形成を協力にサポートをしています。海外での資産運用では、資金シミュレーションはもちろん、税務知識の専門性や海外現地の情勢、物価上昇や想定外の出費など、多岐にわたる要因を考慮することが必要です。

  • ・駐在国で、どのように資産運用を始めれば良いかわからない
  • ・駐在から現地転職や現地起業に変わった場合の保障や資産運用を相談したい
  • ・海外での資産運用事情や、老後資金の準備について詳しく知りたい
  • ・現在加入している金融商品が自分に合っているか診断してほしい

といったお困りごとがあれば、日本人サポート実績20年以上の「110 Financial Support」までご相談ください。海外在住者や海外移住前のご準備段階の方も、あなたの資産運用状況を踏まえ、最適な資産運用プランづくり・適正化のサポートをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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