香港2026年の給与改定率|上層4.12%・中層2.64%・低層1.17%を駐在員が資産形成に回す3つの戦略

監修者情報

110Financial Support認定FP/シニア資産コンサルタント
才田 弘一郎(さいた・こういちろう/Koichiro Saita)

日本・海外で累計2,000名以上のお客様の資産運用をサポート。
香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。

2026年5月28日、香港特区政府が給与水準調査委員会の調査結果を発表しました。104社・15万人以上の従業員データに基づく純指標は、上層4.12%、中層2.64%、低層1.17%。日本の春闘における賃上げ率と比較しても一定の水準といえますが、香港の物価上昇を考慮すると、昇給分をそのまま生活費に充ててしまう駐在員が少なくありません(出典: 香港毎日新聞)。

この記事では、香港の最新の給与改定データを整理した上で、昇給分を「消費ではなく資産形成に回す」ための具体的な3つの戦略を解説します。

この記事でわかること

  • ・香港2026年の昇給率に関するデータと、日本人駐在員への影響
  • ・昇給分を自動的に資産形成に回す「天引き式」の仕組み
  • ・香港駐在中にしかできない資産運用の選択肢と出口戦略

香港2026年の給与改定率|業界別の最新データ

香港特区政府の給与水準調査委員会が2026年5月28日に発表した純指標は以下の通りです。調査対象は104社、15万人以上の従業員の過去1年間の給与変動データに基づいています。

給与層給与改定率(純指標)
上層(シニアマネジメント層)4.12%
中層(ミドルマネジメント層)2.64%
低層(一般職層)1.17%

出典: 香港毎日新聞「政府、給与改定率の調査結果を発表」

公務員事務局の楊何蓓茵局長によると、この指標は「公務員給与を決定する六大要素の一つに過ぎない」とされており、最終的な給与改定には香港の経済状況、生活費変動、政府財政状況、職方からの要求、公務員士気など複数の要素が考慮されます。

また、民間の人材コンサルティング会社の調査では、業界別に以下の傾向が報告されています。

業界2026年予測昇給率備考
金融・銀行4.0〜5.0%コンプライアンス人材の需要増
テクノロジー・IT4.5〜6.0%AI・サイバーセキュリティが牽引
製造・物流3.0〜3.5%供給網再編の影響で横ばい
小売・サービス2.5〜3.5%観光回復で緩やかに改善

出典: HKIHRM Press Release / Randstad HK Salary Guide 2026

転職時の給与上乗せ幅は以前の20%超から約15%に落ち着いており、「ジョブホッピングで大幅昇給」が以前ほど通用しにくくなっています。

日本人駐在員への影響

日本企業からの駐在員は、現地法人の給与テーブルとは別に「購買力補償方式」や「併用方式」で給与が決定されるケースが多く、香港の改定率がそのまま適用されるわけではありません。

しかし、現地採用の日本人や、現地法人の給与テーブルに移行した駐在員にとっては、上層4.12%の昇給は年間の手取りに直接影響します。例えば月給3万香港ドル(約58万円)の場合、4.12%昇給で年間約1.5万HKD(約29万円)の手取り増となります。

この29万円を「なんとなく」使ってしまうのか、意図的に資産形成に回すのかで、5年後の資産額に大きな差が生まれます。

戦略1|昇給分を「天引き」で自動積立に回す

昇給分を資産形成に回すための最も確実な方法は、昇給前の手取りで生活を続け、増えた分を自動的に投資に回す仕組みを作ることです。

具体的なステップ:

  • 昇給後の最初の給与明細で、手取り増加額を確認する
  • その増加額と同額を、毎月自動積立(貯蓄型保険・投資信託等)に設定する
  • 生活費の口座には昇給前と同じ金額だけを残す

この「天引き式」の効果は大きいです。年23万円の積立を年利5%で10年間続けると、約297万円になります(出典: 自社試算。年利5%/10年複利)。20年なら約783万円です。

人間は「使える金額が増えれば、使う金額も増える」傾向があります(パーキンソンの法則)。昇給分を「最初からなかったもの」として扱うのが、最も精神的負担が少ない資産形成法です。

戦略2|香港駐在中にしかできない資産運用を活用する

香港は金融商品の選択肢が日本より幅広いといわれています。駐在期間中にしかアクセスできない商品があり、昇給分の運用先として検討する価値があります。

選択肢特徴最低投資額目安注意点
貯蓄型保険(サンライフ等)5〜10年で元本+確定利回り。ドル建てUSD 2,000〜/年途中解約で元本割れリスク
MPF(強制積立年金)雇用主と折半。月収上限HKD 30,000給与から自動天引き65歳まで引き出し不可。帰国時の扱いに要注意
海外投資信託グローバル分散。ドル・ユーロ建てUSD 1,000〜帰国後の継続保有可否を事前確認
香港ドル建て定期預金年利3〜4%(2026年時点)HKD 10,000〜為替リスクあり。金利は変動

110 Financial Supportでの相談では、昇給分を貯蓄型保険に充てるケースが最も多いです。理由は「自動引落で強制積立になる」「帰国後も保有を継続できる商品がある」「ドル建てで円安ヘッジになる」の3点です。ただし、いずれの商品も「帰国後にどうなるか」を事前に確認することが必須です。(出口戦略については前回記事「40代の資産運用で失敗する人の共通点5つ」を参照)。

https://insurance110.media/assets-management/overseas-investment/couple-asset-management-overseas/
https://insurance110.media/assets-management/overseas-investment/40-50-kikoku-portfolio-strategy/

戦略3|昇給を「税引き後」で考え、手取りを最大化する

香港の所得税(薪俸税)は累進税率(2〜17%)または標準税率方式(課税所得500万HKDまで15%、超過分16%)のいずれか低い方が適用されます(出典: 香港政府一站通 薪俸税税率)。日本の最高税率45%+住民税10%と比べると圧倒的に低いため、昇給分の手取りインパクトが日本より大きくなります。

比較日本(年収1,000万円)香港(同等所得)
最高税率33%(所得税)+10%(住民税)15%(標準税率)
4%昇給時の手取り増(概算)約23万円約34万円

出典: JETRO「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用」

つまり同じ4%昇給でも、香港駐在員は日本勤務時より約1.5倍の手取り増を得られます。この差額を「香港にいる間だけのボーナス」と捉え、意図的に資産形成に回すことで、帰国後の生活基盤を大きく強化できます。

さらに、香港にはキャピタルゲイン税がありません。投資信託の売却益や貯蓄型保険の満期返戻金にも課税されないため、運用益をそのまま再投資に回せる環境です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 昇給分を資産形成に回すなら、まず何を選べばいいですか?

香港駐在員であれば、まずドル建ての貯蓄型保険が最も始めやすい選択肢です。自動引落で強制的に積立できる上、帰国後も保有を継続できる商品があります。まとまった余剰資金がある場合は、海外投資信託との組み合わせも有効です。

Q2. MPF(強制積立年金)は帰国時にどうなりますか?

香港を永久に離れることを証明できれば、MPFの早期引き出しが可能です。ただし手続きに数ヶ月かかる場合があり、運用商品の時価によっては元本割れのリスクもあります。帰国の6ヶ月前には引き出し手続きの準備を始めることを推奨します。

Q3. 香港の昇給率は今後も3〜4%が続きますか?

直近のトレンドでは、2023年3.8%、2024年3.5%、2025年3.5%、2026年予測3.5〜4.0%と安定推移しています。ただしAI・サイバーセキュリティ等の需要が高い分野では5%超の昇給も見られます。

Q4. 昇給分の資産形成で税金面の注意点はありますか?

香港にはキャピタルゲイン税・配当課税がないため、香港在住中の運用益は非課税です。ただし日本帰国後は、海外資産の運用益に日本の所得税が適用されます。CRS(共通報告基準)により海外口座情報は日本の税務署に自動報告されるため、申告漏れにご注意ください。

Q5. 110 Financial Supportに昇給時の資産配分を相談できますか?

はい、無料で相談いただけます。110 Financial Supportでは、香港を拠点にアジア5拠点で海外在住の日本人向けに資産運用サポートを提供しています。昇給・賞与のタイミングでの資産配分見直し、帰国前の出口戦略設計まで対応しています。

香港の昇給を「消費」ではなく「資産形成」に変える

2026年の香港の平均昇給率は3.5〜4.0%。この昇給分を意図的に資産形成に回すかどうかで、5年後・10年後の資産額に数百万円の差が生まれます。

  • 昇給分を天引きで自動積立に回す(昇給前の生活を維持)
  • 香港駐在中にしかアクセスできない金融商品を活用する
  • 低税率の恩恵を最大化し、手取りを資産形成に回す

110 Financial Supportでは、昇給や賞与のタイミングでの資産配分見直しを無料で相談いただけます。「昇給分をどこに置くべきか」「帰国時にどう引き出すか」まで含めた出口戦略込みのプランをご提案します。

※本記事の内容は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。税務に関する詳細は、税理士等の専門家にご相談ください。

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『110 Financial Support』では、海外在住者・海外移住検討者の資産形成を、世界6カ国13拠点・日本人ライフプランナー20名以上在籍・サポート実績累計27,000名以上(米国・ハワイ含むグループ累計)の体制でサポートしています。 海外資産運用では、税務・現地情勢・物価上昧・出口戦略など多岐にわたる要因を考慮することが必要です。

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