「正貨」お金の中のお金 第三部

これまでは金そのものについての話や、金に関連する規制の話などをしてきました。
金について調べていたところ、現物金を購入したほうがよいのではないか、という気持ちになり遂に金の購入に至りました。

  • 第三部では香港で金を買うとお得なポイントは
  • 法律を順守しないと大変なことになる
  • 実際に金を買ってみた

などの内容をお送りします。

あくまでもエンターテインメントとしてお楽しみくださいね。

香港でゴールドを買うと『お得』なのか

この記事はさまざまな国の方が見られているかと思いますが、香港でゴールドを購入するとお得なのかを解説していきます。

購入時のお得ポイント

  • 香港には消費税がない。日本は消費税が上乗せされる。
  • 香港での金購入時は消費税分に関して日本より安く購入できる。
  • 売買スプレッドが安価である(為替により変動しますがHKD4~6)

売却時のお得ポイント 

  • 仮に日本で売却する場合、消費税分上乗せされた金額で売却可能。
  • 香港での売却時は税金などは関係ないので、金価格の価格上昇時に売却できる。

香港で金を購入し日本で売却すると、消費税分が儲かりそうな気がしますよね。
同じ商品の価格差を利用して利ざやを得ることをアービトラージ(裁定取引)といいます。

このアービトラージは儲かりそうな気がしますが、申告が必要です。
日本での売却時に逮捕されないように申告は確実にしてください。

法律を遵守しないと悲しいことに

金を香港で買って香港で売ることは問題ありません。
日本で金を購入し、日本で売却する。
こちらも問題ありません。

しかし、国をまたいで取引をするときはルールが異なる場合がありますので、注意してください。

2017年当時、話題になったニュースをご紹介します。
CAがバッグの中に金塊を入れて密輸していた疑いで逮捕されました。

当時は私の周りでも日本の消費税分の差額が儲かるよ、という話を聞く機会が多かったです。

しかし、やってはいけないことをやるのはよくありません。
このときは申告をしていませんでした。
もちろん、ルールにのっとって行うのでしたら問題ありません。

日本の税関公式サイトによると、金の地金(純度90%以上)の重量が1キロを超える場合は、持ち出し・持ち込みに関わらず事前申告が必要で、消費税が課税されます。
申告をしないと法律違反とみなされ、5年以下の懲役もしくは500万円以下の刑罰を科せられる可能性があります。

逮捕者は香港の方だったので、日本のルールを知らなかったのかもしれません。
もしかしたら、第三者に「大丈夫」とそそのかされた可能性もあるでしょう。

日本に金を持ち込む際のルールをご紹介

この記事では金を香港でどうやって買うのか、という内容をしているのですが、最終的な出口をどうすれかよいのか、という点もお伝えしなければいけません。

日本の税関は

あんた、「運び屋」したら人生終わりやで!

というメッセージを出しています。

知らなかったでは済まされないので、ここで基本的なルールを知っておきましょう。

日本に金を持ち込む際の基本ルール

・金の地金(純度90%以上)の重量が1キロを超える場合は、持ち出し・持ち込みに関わらず事前申告が必要で、消費税が課税されます。
申告をしないと法律違反とみなされ、5年以下の懲役もしくは500万円以下の刑罰を科せられる可能性があります。

消費税を払わなくてもよい上限は

・上記のルールの例外として、免税範囲である20万円以下の金であれば非課税での持ち込みが可能です。
しかし、ルールはいつ変更されてもおかしくありません。

さらに仮に最大20万円で消費税分10%で得する金額は2万円です。
為替や金価格の変動、手数料などを考慮すると、へたに策を練るよりも旅行をしっかり楽しんだ方がよいでしょう。

※密輸はダメです。
非課税枠についても2021年7月30日現在の確認できたルールをご紹介しました。
ルールは変更するものなので、事前に確認しておきましょう。

現物金を購入する流れとは

私は香港で金の購入を行いました。

現物の金はハンセン銀行や周大福のような金取り扱い企業で購入可能です。
また、ペーパーの金についてはHSBC銀行ほか証券口座にて取引ができます。

今回はハンセン銀行本店に行ってみました

実際にハンセン銀行で金を購入した様子をお伝えします。

ハンセン銀行本店は香港駅からすこし出たところに位置しています。
正面玄関から入り地下2階まで下りていくと、順番待ちのチケットをとる場所にでました。

こちらの『黄金売買』をパネルを押すと番号札が発券されるので、しばらく待ちます。

だいたい20分ほどで呼ばれたため、カウンターに行きました。
しかし、ここで事前に入手していた情報と異なる事実が判明します。

金を購入するにあたってブログなどの情報を参考にしていました。
この参考にしていたブログなどは2020年の記事によると、現金と身分証をもっていればハンセン銀行の口座を開設していなくても金の購入が可能と書かれていたのです。

しかし、金の購入にあたっては口座保有が必須となっていました。

私は言語に若干の不安があったので、香港の友人を連れていたのですが、その友人がハンセン銀行の口座保有者でした。
なんとか1オンスのオーストラリアカンガルーコインを無事に購入できました。

もし過去の情報を参考にして金の購入を考えている方は、情報が変わっている可能性があります。
金の購入の際はハンセン銀行の口座を持っている方と一緒に行くか、自分がハンセン銀行の口座を保有するなどしておくとよいでしょう。

金の購入に条件があったのは、おそらくマネーロンダリング対策の一環であるのかもしれません。
誰が金を購入したのかを把握しておくための対策のひとつとも考えられます。

金を購入した感想

見た目は小さいのですが、持ってみると重量感があります。
現物金を入手できたことがうれしく思えました。

今回は1オンスのオーストラリアカンガルーコインを購入したのですが、他にもハンセン銀行のロゴが入ったゴールドバーやコインの大きさが異なるものなどがあります。

金は装飾品としての価値があるため、べたべたと触るのはやめた方がよいでしょう。
傷がつくと価値が下がる可能性があるので注意してください。

以上で金三部作を終わりたいと思います。
もしご不明点などがありましたら、お気軽にお問い合わせいただけたらと存じます。

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記事監修:INSURANCE 110 DIRECTOR 才田 弘一郎
日本・海外で累計2,000名以上のお客様の資産運用をサポート。
香港、シンガポール、日本、アメリカなど世界各国の保険やオフショア商品の事情に精通。
日本人に適した「出口戦略」を意識した堅実な資産運用の提案が得意。