海外駐在・海外赴任者におすすめの資産運用は?iDeco・定期預金・仮想通貨など9種類の運用プランと選び方も解説

海外駐在が決まった際や赴任中、将来を見据えた資産形成に関心を持つ駐在員の方は少なくありません。しかし、日本と海外では税制や利用できる金融サービスが大きく異なるため、「何から始めれば良いかわからない」「非居住者でも投資は続けられるのか」と悩む方も多いのが実情です。特に、海外在住中の資産運用では、帰国後のことも見据えた長期的な戦略が不可欠となります。
本記事では、海外に在住しながらでも実践可能な資産運用の方法を9種類ご紹介するとともに、FPの視点から海外駐在者におすすめの投資戦略や注意点を詳しく解説します。2026年最新のiDeCo・NISA制度の情報も踏まえ、ご自身のライフプランに合った最適な資産形成の道筋を見つけるための一助となれば幸いです。
Contents
- 1 海外赴任中にできる資産運用
- 2 海外駐在者の資産運用における運用プランとは
- 3 駐在員が陥りがちな資産運用の失敗パターン
- 4 リスクを確認し自分に合う海外駐在者向けの資産運用を選ぼう
- 5 海外資産運用は、110(ワンテン)グループへ
海外赴任中にできる資産運用

海外赴任中にできる資産運用には、以下のようなものがあります。
- ・定期預金
- ・株式投資
- ・債券投資
- ・投資信託
- ・仮想通貨
- ・iDeCo
- ・不動産投資
- ・貯蓄型保険
- ・年金
それぞれの概要について、以下で簡単に解説します。
定期預金:安定した低リスクの運用(初心者向け)

定期預金は元本確保型(※現地通貨ベース)の運用であるため、大きなリスクを避けたい駐在員の方におすすめです。
メリット
- ・元本割れのリスクが極めて低い
- ・手軽に始められる
- ・現地の利子課税優遇
デメリット
- ・株式等と比較してリターンは低い
- ・高金利の銀行が見つからない可能性
- ・万一時の銀行口座利用について対応を計画しておく
FPの視点から見ると、海外での定期預金は、資産運用の第一歩として、また安全資産の確保として有効な選択肢です。特に、赴任先の金利が日本よりも高い場合、その恩恵を享受できます。米ドルやユーロなどの主要通貨で保有することは、円安に対するヘッジ(資産を守る手段)にもなります。例えば、米ドルやユーロなどの主要通貨で預金を持つことで、為替変動リスクに対するヘッジにもなり得ます。
ただし、多くのご相談者様が陥りがちなのが、為替手数料や海外送金手数料を見落としてしまうことです。これらのコストを考慮しないと、せっかくの高金利も相殺されてしまうため、事前に確認することが重要です。
個別株式投資:海外口座を駆使した運用(上級者向け)

海外居住という環境は、日本国内からはアクセスしにくい銘柄や市場へ投資できる絶好のチャンスです。米国市場の勢いを直接取り込んだり、成長著しいアジアの現地株に投資したりと、グローバルな視点での資産形成において大きなアドバンテージになるでしょう。
FPの視点から見ると、海外駐在中の株式投資は、将来の資産を大きく増やすポテンシャルを秘めた魅力的な選択肢です。多くの駐在員の方が、赴任を機に海外証券口座を開設し、国際分散投資を始めています。例えば、金融センターである香港やシンガポールでは、世界中の金融商品にアクセスしやすく、税制面のメリットも享受できる場合があります。
メリット
- ・短期運用で大きなリターンを得られる可能性がある
- ・配当金(インカムゲイン)が得られる
- ・世界中の成長企業に投資できる
- ・国によりキャピタルゲイン税が非課税になる
デメリット
- ・元本割れのリスクがある
- ・一定の資金力を必要する
- ・為替変動リスクを伴う
- ・万一の際の口座管理や相続手続きが複雑になる可能性がある
元本割れのリスクを軽減するためには、特定の国や銘柄に集中せず、投資先や時期を分散させることが資産運用の鉄則です。海外での株式投資を成功させるには、信頼できる情報源を確保し、ご自身の投資目標とリスク許容度を明確にすることが不可欠です。
海外駐在者におすすめの証券口座は?
海外で証券口座を開設する際、どの金融機関を選ぶかは非常に重要です。FPとして多くの駐在員の方々からご相談いただく中で、2026年現在、特におすすめできる人気の海外証券口座として、以下の選択肢が挙げられます。
- ・インタラクティブ・ブローカーズ(IB証券): 世界中の幅広い金融商品に低コストでアクセスでき、多くの国・地域で利用可能なため、グローバルに活躍する駐在員に最も人気のある証券口座の一つです。
- ・Firstrade(ファーストレード): 米国株取引に特化しており、手数料の安さが魅力です。米国在住者や、米国株中心のポートフォリオを組みたい方におすすめです。
- ・Futu(フートゥー): 香港やシンガポール在住者を中心に、アジア市場への投資に強みを持つ証券会社です。使いやすいアプリも特徴です。
- ・フィリップ証券: シンガポールを拠点とし、アジア全域にネットワークを持つ老舗証券。地域に根差した情報提供やサポートが期待できます。
証券口座を選ぶ際は、①取扱商品の多様性、②手数料の安さ、③日本語サポートの有無、④ご自身の居住国で口座開設が可能か、といった点を総合的に比較検討することが重要です。また、日本の証券口座を保有している場合、海外赴任中は取引が大幅に制限されたり、口座維持に手続きが必要になったりすることがあります。出国前に必ず証券会社に確認し、必要な手続きを済ませておきましょう。
債券投資:投資中級者向け

債券投資の場合、発行体によっては株式投資よりもリスクを抑えた資産運用が可能です。海外在住者であれば、日本では情報量が少ない現地の国や企業が発行する債券に投資する機会もあるでしょう。
株式投資をする場合と同じく、まずは海外証券の口座が必要です。
メリット
- ・定期的に利子を受け取れる
- ・投資対象の幅が広い
- ・株式よりもリスクが低い傾向
- ・国によりキャピタルゲイン税なし
デメリット
- ・発行体によってはリスクが高い
- ・株式よりもリターンが低い
- ・短期での利益獲得はできない
- ・一定の資金力が必要
- ・万一時の売買状況、口座利用について対応を計画しておく
長期的な資産運用をしたい、リスク分散したいという場合には債券投資も検討してみましょう。ただし、発行体によってはリスクが高くなるため、利率だけではなく発行体の信用度の高さにも注目する必要があります。
投資信託:積立投資で着実な資産形成を(中級者向け)

投資信託は、資産運用の専門家が複数の株式や債券などに分散投資を行ってくれる金融商品です。個別銘柄を選ぶ手間が省け、少額から始められるため、海外在住で忙しい駐在員の方々にとって、資産形成の有効な手段となります。
FPの視点から見ると、投資信託は特に「時間を味方につける」長期的な資産形成を目指す方におすすめです。多くのご相談者様が、海外赴任をきっかけに、つみたてNISAや海外の積立型投資信託(海外積立投資)を始められています。例えば、S&P500などの代表的な株価指数に連動するインデックスファンドは、低コストで市場全体の成長を享受できるため、投資初心者から上級者まで幅広く活用されています。
メリット
- ・専門家による分散投資でリスクを軽減
- ・少額からの積立投資が可能
- ・多様な投資先に手軽にアクセス可能
- ・国によりキャピタルゲイン税が非課税
デメリット
- ・個別株式投資よりもリターンは低い可能性
- ・信託報酬などの運用コストが発生
- ・元本割れのリスク
- ・万一の際の口座管理が複雑になる可能性
海外在住中に投資信託を始める場合、日本の証券口座では新規購入が制限されることが多いため、海外の証券口座を利用するのが一般的です。海外移住後も継続して投資を続けられるよう、口座開設の資格や税制については、事前に専門家へ相談することをおすすめします。
仮想通貨

海外駐在中であっても、仮想通貨への投資は可能です。ただし、日本の仮想通貨の口座は海外在住者になると取引が制限・禁止されるため注意しましょう。
メリット
- ・短期運用で大きなリターンを得られる可能性
- ・国や地域によっては決済手段として流通している
デメリット
- ・値動きが激しい
- ・決済手段として使える場が限られる可能性
- ・国により売却時に想定外の高税率の場合がある
赴任先の国で仮想通貨の口座を開く場合、まずは口座開設の資格があるかどうか、利益に対する税制上の扱いなどを確認しておくことが重要です。
iDeCo(個人型確定拠出年金):2026年改正と非居住者の加入条件投資(初心者~中級者向け)

海外駐在中の人であっても、条件を満たせばiDeCo(個人型確定拠出年金)へ加入可能です。また、NISAなどの他のiDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金に上乗せして自ら備える日本の私的年金制度です。海外赴任中であっても、日本の国民年金に「任意加入」していれば、継続や新規加入が可能です。2026年12月からは制度改正により、掛金上限の引き上げや加入対象年齢の拡大(70歳未満まで)が予定されており、老後資金対策として再注目されています。
FPの視点で注意したいのは、海外在住(非居住者)の間は、iDeCo最大のメリットである「所得控除」が受けられないという点です。日本国内で所得税・住民税を納めていないため、節税メリットを享受できず、単なる「運用益非課税」の制度となります。
メリット
- ・ご自身で老後のための資産を計画的に形成できる
- ・月々5,000円からの少額で始められる
- ・運用で得た利益(運用益)は非課税で再投資される
デメリット
- ・資金のロックされる(60歳・65歳原則引出不可)
- ・国民年金の任意加入が条件となる
- ・海外在住者(非居住者)の場合、最大のメリットである掛金の所得控除が適用されない
海外在住中にiDeCoを積極的に活用すべきかどうかは、個々の状況によって判断が分かれます。例えば、日本での滞在期間が長く、将来的に日本で年金を受け取ることを主眼に置く場合は有効ですが、海外での資産形成を優先したい場合は、他の投資方法がより効率的かもしれません。ご自身の帰国予定やライフプランを踏まえ、専門家と相談しながら慎重に判断することをおすすめします。
海外不動産投資|現地の成長を取り込む実物資産運用(上級者向け)

海外居住というメリットを活かし、将来的な価格上昇が見込まれるエリアの不動産へ投資することは、大きなリターンと「インフレヘッジ(物価上昇対策)」を兼ね備えた魅力的な選択肢です。一方で、現地の法律・商慣習・言語の壁があるため、投資対象としては最上級の難易度と言えます。
メリット
- ・インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)の両方を狙える
- ・インフレ対策ヘッジとしての効果が期待できる
デメリット
- ・多額の自己資金が必要となる
- ・流動性が低く、売却したいときにすぐに現金化できないリスクがある
- ・現地の法規制、税制、商慣習の理解が必要となる
- ・管理・維持に手間とコストがかかる
FPの視点から申し上げると、海外での不動産投資は、大きな成功体験を持つ方がいる一方で、最も慎重な判断が求められる資産運用です。多くのご相談者様が直面する問題として、物件管理の難しさ、予期せぬ修繕費、そして帰国後の売却の困難さなどが挙げられます。特に、海外転勤中に購入した物件を、帰国後に遠隔で管理するのは容易ではありません。信頼できる管理会社を見つけられない場合、空室リスクや家賃滞納リスクに直接対処する必要があります。
不動産投資を検討する際は、現地の信頼できる専門家(不動産エージェント、弁護士、会計士など)とのネットワークを構築することが成功の鍵となります。安易な情報に飛びつかず、十分なリサーチとデューデリジェンス(物件調査)を行った上で、慎重に判断してください。
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貯蓄型保険:投資初心者~中級者向け

海外赴任中は日本の生命保険に加入することはできません。ただし、海外の生命保険への加入は可能であるため、日本の保険とは運用の考え方が根本的に異なる為、利回りが高いものに加入して万が一に備えつつ資産運用するという手段もあります。
メリット
- ・運用に手間がかからず、解約返戻金や満期保険金、ドル年金として運用益を得る
- ・運用益は解約するまで税金が繰延べされるため複利運用を有効に活かすことが可能
- ・確定した利益に対して一時所得として税控除が受けられる(日本帰国後)
- ・契約者、被保険者を変更し、不動産のように運用しながら定期収入‧次世代への譲渡が出来る
- ・「受取人指定」が可能なため突然の万一時に確実に親族に資金移転可能
デメリット
- ・短期の運用には向かない(ただし、2年目から生涯配当を受取るプランもある)
- ・居住国によっては購入できない(制裁国、軍事政権国など)
- ・運用初心者向けのため、値動きを見るのが好きな人には不向き
例えば、香港の貯蓄型生命保険であれば利回りが比較的高いため、もし香港へ駐在中であれば検討してみる価値はあるでしょう。他の国に居住中の場合は状況により、条件が変わる可能性もありますので、お問い合わせ、ご相談ください。
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海外駐在者の資産運用における運用プランとは

海外で資産運用を行う際、具体的にどのような投資プランがあるのでしょうか。ここでは、多くの海外駐在員や海外移住者の方々に活用されている代表的な2つのプランをご紹介します。ご自身の投資経験やリスク許容度を踏まえ、最適なプランを選択することが資産形成の第一歩です。
海外積立投資プラン(積極型投資)
海外積立投資プランは、ある程度のリスクを取りながらも、長期的に高いリターンを目指す積極的な投資家におすすめです。特に、海外在住のメリットを活かし、世界中の成長市場に分散投資したい方に適しています。
FPの視点から見ると、このプランの最大の魅力は、S&P500などの主要な株価指数に連動するインデックスファンドや、世界中の優良な投資信託を毎月コツコツと積み立てられる点にあります。例えば、過去の実績ではS&P500は長期的に年平均9%以上のリターンを上げており、複利効果を最大限に活用することで、10年、20年といった期間で大きな資産形成が期待できるでしょう。
多くのご相談者様が、このプランを通じて、教育資金の準備や早期リタイアに向けた資産の土台を築いています。ただし、市場の変動により元本割れのリスクも伴うため、短期的な価動に一喜一憂せず、長期的な視点で継続することが大切です。
元本確定型海外積立投資プラン(安定投資型)
「投資はしたいけれど、元本割れのリスクは避けたい」という安定志向の方には、元本確定型の海外積立投資プランがおすすめです。このプランは、海外の貯蓄型保険などを活用し、満期時には支払った保険料以上のリターンが保証される商品が中心となります。
FPの視点から見ると、このプランは着実に資産を守りながら増やしたい方、特に退職後の生活資金や、お子様の教育資金など、使う時期が決まっている資金の準備が必要な方におすすめです。に適しています。例えば、香港などで提供されている貯蓄型保険は、米ドル建てで運用され、予定利率が比較的高く設定されているため、日本の円建て保険よりも効率的な資産形成が期待できます。
契約時に将来受け取れる金額が確定しているため、ライフプランが立てやすいのが大きなメリットです。ただし、積極型プランと比較するとリターンは控えめになります。ご自身の資産状況や目標に合わせて、積極型プランと安定型プランを組み合わせる「ハイブリッド型」のポートフォリオを組むことも、有効な戦略の一つです。
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駐在員が陥りがちな資産運用の失敗パターン

海外での資産運用は大きなチャンスを秘めている一方で、知識不足や準備不足から思わぬ失敗につながるケースも少なくありません。ここでは、FPとして多くのご相談者様から伺った、海外駐在員が陥りがちな失敗パターンを3つご紹介します。
1. 国内の感覚で金融商品を選んでしまう
日本で人気のある金融商品が、必ずしも海外在住者にとって最適とは限りません。特に、税制の違いは大きな影響を及ぼします。例えば、日本では非課税のNISA口座も、海外の居住地国では課税対象となる場合があります。現地の税制や規制を理解せず、国内の感覚のまま投資を始めてしまい、後から想定外の税金が発生するケースは非常に多い失敗例です。
税金を考慮した利回りをよくするためにも、居住地国と日本の間で締結されている「租税条約」を確認し、日本の税制だけでなく、現地での課税ルールを事前に把握することをおすすめします。
2. 為替リスクを軽視してしまう
海外での資産運用は、外貨建てで行われるのが一般的です。米ドルやユーロなどの主要通貨であれば比較的安定していますが、新興国通貨などは価格変動が激しく、大きな為替差損を生む可能性があります。資産の大部分を単一の外貨で保有していると、円高が進んだ際に円換算での資産価値が大きく目減りしてしまいます。複数の通貨に資産を分散させるなど、為替リスクを管理する視点が不可欠です。
3. 出口戦略(帰国後のこと)を考えていない
「海外駐在中に資産を増やすこと」ばかりに目が行き、「日本に帰国した後、その資産をどうするのか」という出口戦略を考えていないケースです。海外で形成した資産を日本に送金する際の手数料や税金、帰国後に海外の金融機関の口座を維持できるのかなど、事前に確認しておくべき点は多岐にわたります。出口戦略が不明確なままでは、せっかく増やした資産を有効に活用できない可能性があります。
これらの失敗を避けるためには、海外の金融事情に詳しい専門家のアドバイスを参考に、ご自身の状況に合った計画を立てることが何よりも重要です。
リスクを確認し自分に合う海外駐在者向けの資産運用を選ぼう

海外駐在中であっても、資産運用の選択肢は豊富にあります。定期預金のようにリスクの低いものから、株式投資や投資信託のようにリターンを狙えるものまで、ご自身の投資経験やリスク許容度に合わせて、バランスよく組み合わせることが資産形成を成功させる鍵です。
ただし、最も重要なのは、帰国後にトラブルとならないよう、ご自身やご家族が管理できる範囲で運用プランを立てることです。海外在住者(非居住者)として海外の金融サービスを活用する際は、今後のライフプランを明確にし、信頼できる専門家のアドバイスを参考にしながら、慎重に選択しましょう。
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