歌舞伎町の名付け親 ―― 「日本経済の父」を救った峯島喜代(後編)

皆さま、こんにちは。前回の配信後、密かに「峯島喜代」をネットで検索をされた方も多いのではないでしょうか。明治という激動の時代を、その類まれなる「眼力」一つで駆け抜けた伝説の女性。

朝ドラ『あさが来た』でも少し描かれた彼女の足跡は、知れば知るほど、現代の私たちに強烈な刺激を与えてくれます。

【前回の内容】

西南戦争という国難を「勝機」と捉え、公債の運用で数百億円もの富を築いた喜代。しかし、彼女の真の凄さは、その先の「時代を創るアクション」にありました。

圧倒的な先見の明、「荒野」に未来を描けるか?

喜代が次に目を向けたのは、明治政府による地租改正(土地の個人所有解禁)でした。今や日本では日本人だけでなく外国人でさえ土地を所有していますが、当時は画期的な法改正でした。大きな富を築いた後も、安定に甘んじることなく、彼女は公債で得た利益のすべてを「土地」へと投じます。

神田小川町、鳥越、そして……当時の人々が誰も見向きもしなかった「新宿」。当時の新宿は、鴨猟が行われるほどの人気のない湿地帯。しかし、喜代だけはこの荒れ地の中に、将来、人々がひしめき合う大都会の幻影を見ていたのです。

彼女は計20万坪という途方もない広さの土地を手に入れ、自ら宅地開発に乗り出しました。現代の眠らない街・歌舞伎町の名前の由来が、彼女たちの「ここに日本一の歌舞伎座を建て、文化の拠点にする」という気高い志にあった事実は、今の街の喧騒からは想像もつかないほどドラマチックです。

富の神髄を知る者としての「質素な美学」

もしかしたら、若い世代には「長者番付」という言葉になじみがないかもしれませんが、喜代はその常連となり、東京を代表する富豪となりました。しかし、彼女の生活は驚くほど質素で、ストイックなものでした。現代の大富豪ウォーレン・バフェット氏にも通じるところがあります。

自分たちが住む立派な屋敷であっても、「ここを必要とする人に貸せば、さらに社会にお金が回る」と考えれば、自分たちは迷わず小さな住まいに移り住む。これは単なる節約ではなく、「資産を一時も眠らせず、最大限に社会に循環させる」という、プロフェッショナルとしての徹底した美学でした。

お金を私利私欲のために使うのではなく、次なる投資、次なる街づくりのために研ぎ澄ませておく。そのストイックな姿勢こそが、彼女を真の成功者たらしめたのです。

「一万円札の顔」を救った、100億円の決断

そんな喜代だからこそ、あの大御所・渋沢栄一を「お前さん」と呼び、対等に渡り合うことができました。

当時、渋沢が率いる「第一銀行」が経営危機に陥り、日本経済が根底から揺らごうとしていた時、喜代は迷わず手を差し伸べ、現在価値にして約100億円もの大金を融資して救い上げたのが、他ならぬ喜代でした。

「近代日本経済の父」を窮地から救い、日本の金融インフラを守り抜いた。その功績を称え、渋沢栄一は彼女が亡くなった後、自ら彼女の銅像を建立しました。国家の英雄にそこまでさせた女性は、後にも先にも彼女一人でしょう。

結び:私たちは「未来」に何を投資するか

喜代の人生が教えてくれるのは、真の富とは「持っていること」ではなく、「いかに未来のために使うか」であるということです。

誰もが見捨てる湿地帯に街を創り、国の危機を私財で救う。その胆力と先見性は、100年後の今を生きる私たちにとって、最高のお手本です。

資産運用とは、単に数字を増やすことではなく、自分の意志で「より良い未来」を選択していくこと。喜代が新宿の荒野に夢を描いたように、皆さまの資産も、未来を明るく照らす大きな力に変えていきませんか?

次回の配信もお楽しみに。

二十八コラム

所属:Insurance110 香港

二十八 智大

Tsuchiya Tomohiro

初めましてInsurance110香港の二十八(つちや)です。

2020年のコロナ期間が始まったころにご縁があり、日本から香港へ物流会社の駐在員として参りました。
香港に赴任した当時、資産運用や投資はギャンブルや博打に近いものだと考えておりましたが、今はその考えは180度変わりました。

我々の生活の中心には、いつもお金が絡んできますので基本的な情報を皆さんに共有できればと思います。
一緒に勉強できれば幸いです。

専門分野

  • 若いうちからのライフプランニング
  • 無理をしない資産形成
  • 香港における資産活用術
  • アスリートに向けた資産運用

海外の運用やライフプランの構築に出会ってから4年という時間で、沢山の皆様にお会いしてきました。
万が一の際にはもちろんですが、ご相談頂いたご本人やそのご家族に喜ばれるようなご提案をできるように、
日々勉強させて頂いております。
どんな些細な事でもご相談できるようにアンテナを張っていきたいと思います。

二十八 智大からの一言

将来の生活を少しでも豊かなものになるために、
今のうちから少しずつ準備できることがあると考えます。

人それぞれ備え方は異なりますので、先ずは海外の運用についての情報を聞いて、知って頂けると嬉しいです。
その先のご選択やご意向に沿って、全力でサポートできればと考えております。

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