WBC創設20周年 ―― 放映権の変遷が語る「勝てる市場」の選び方

皆さま、こんにちは。「球春到来!」と言いたいところですが、ここ香港もまだまだ朝晩の冷え込みが厳しく、本格的な野球シーズンを実感するには、もう少し時間がかかりそうです。

WBC創設20周年と、塗り替えられる「熱狂」の記録

さて、野球ファンにとって今年は記念すべき年。2006年に産声を上げたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が、ついに創設20周年を迎えます。

当初は手探りだったこの大会も、今や世界中が熱狂する巨大コンテンツへと成長しました。前大会の観客動員数は全体で130万人を超え、特に東京ドームで行われた予選は、会場別で世界ナンバーワンの動員を記録。チケットはまさに争奪戦で、連日の大盛況となったのは記憶に新しいところです。

今大会も、前回以上の熱狂が巻き起こることは間違いないでしょう。

地上波消滅? 配信プラットフォームの「独占」が意味するもの

野球人としてこの盛り上がりは喜ばしい限りですが、専門家の視点で私が注目しているのは、舞台裏で起きている「配信コンテンツの奪い合い」です。

前回大会はア〇プラで中継されましたが、今大会はネッ○○リックスが独占配信。地上波での放送がないという、これまでの常識を覆す事態となっています。

大会を前に、世界中で有料会員が急増するのは確実ですが、伝統的な「地上波放送」というインフラを持たないWBCが、どこまで社会現象を巻き起こせるか。これは、メディア戦略における壮大な実験とも言えるでしょう。

投資の世界には、「強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」というジョン・テンプルトンの格言があります。地上波がないことへの「懐疑」が、配信プラットフォームという新たな市場でどのように「成熟」していくのか、非常に興味深い展開です。

約1.3倍 vs 約2.2倍。数字に突きつけられる「マーケットの差」

この放映権ビジネスを巧みに活用し、選手の価値を最大化させているのがメジャーリーグ(MLB)です。彼らは放映権料、スポンサー収入、独自のグッズ販売権などを戦略的に組み合わせ、驚異的な収益構造を築き上げました。その結果は、日米の「平均年俸」という冷徹な数字にはっきりと表れています。

項目 日本プロ野球(NPB) メジャーリーグ(MLB)
2006年の平均年俸 3,751万円 約3億1,400万円
2025年の平均年俸 4,905万円 約7億600万円
2006年からの増加額 +1,154万円 +約3億9,200万円
2006年比 約1.3倍 約2.2倍
増加率 約31% 約125%

 

日本プロ野球の平均年俸が約31%の増加にとどまった一方、メジャーリーグでは約125%増加しています。金額だけでなく、成長率にも大きな差があることが分かります。若手選手が「時期尚早」との声を押しのけてでも海を渡ろうとするのは、単なる挑戦心だけではなく、この圧倒的な「市場価値の格差」を冷静に判断した結果と言えます。

人気も実績も十分な日本人選手たちが、このマネーゲームの差に直面している現状は、同じ野球人として非常に歯がゆいものがあります。

結び:あなたの資産を「どの市場」に置くべきか

この日米の年俸格差が教えてくれるのは、資産運用の鉄則である「卵は一つのカゴに盛るな」という教訓の、もう一つの側面です。分散も大切ですが、それ以上に「どのカゴ(市場)を選ぶか」が重要だということです。

どれだけ優れた実力があっても、停滞した市場に居続けるのと、成長する仕組み(プラットフォーム)に乗るのとでは、将来的なリターンに天と地ほどの差がついてしまいます。メジャーの選手たちが放映権バブルを味方につけて年俸を跳ね上げたように、皆さまの資産形成においても「成長する市場への適切な配置」こそが、20年後に大きな差を生む決め手となります。

この記事をご覧になっている方は、期間が限定されている駐在員でしょうか。それとも、自分で滞在期間を決められる現地勤務の方でしょうか。いずれにせよ、いま海外(香港)にいるのであれば、実は自分が「優れたカゴ」にいることを再認識してみてはいかがでしょうか。

日本市場の底力に期待しつつも、グローバルな視点で「勝てる市場」を選ぶ。そんな攻めの姿勢を、私も全力でサポートしてまいります。

次回の配信もお楽しみに。

二十八コラム

所属:Insurance110 香港

二十八 智大

Tsuchiya Tomohiro

初めましてInsurance110香港の二十八(つちや)です。

2020年のコロナ期間が始まったころにご縁があり、日本から香港へ物流会社の駐在員として参りました。
香港に赴任した当時、資産運用や投資はギャンブルや博打に近いものだと考えておりましたが、今はその考えは180度変わりました。

我々の生活の中心には、いつもお金が絡んできますので基本的な情報を皆さんに共有できればと思います。
一緒に勉強できれば幸いです。

専門分野

  • 若いうちからのライフプランニング
  • 無理をしない資産形成
  • 香港における資産活用術
  • アスリートに向けた資産運用

海外の運用やライフプランの構築に出会ってから4年という時間で、沢山の皆様にお会いしてきました。
万が一の際にはもちろんですが、ご相談頂いたご本人やそのご家族に喜ばれるようなご提案をできるように、
日々勉強させて頂いております。
どんな些細な事でもご相談できるようにアンテナを張っていきたいと思います。

二十八 智大からの一言

将来の生活を少しでも豊かなものになるために、
今のうちから少しずつ準備できることがあると考えます。

人それぞれ備え方は異なりますので、先ずは海外の運用についての情報を聞いて、知って頂けると嬉しいです。
その先のご選択やご意向に沿って、全力でサポートできればと考えております。

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Insurance110では世界各地に拠点があります。
各国に滞在する日本人ファイナンシャルプランナーが、海外在住時の資産運用に関するセミナーを行なっております。

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