今後の投資・資産運用はアジア株に注目!?リスクを抑え高いリターンを得る方法とは
いまや世界経済の成長エンジンとなっているアジア。この高い経済成長力を資産運用に反映させたいと考えている人は多いのではないでしょうか。しかしながら、日本にいる方々にとっては「アジア」というひとくくりでの情報は得られても、個別企業の情報を得にくいため投資をするうえでのリスクがあります。また、投資手段に制限がありアジア株に投資したくても実際には難しいという人もいるでしょう。 本記事では、リスクをできる限り抑えながらも高いリターンを狙えるよう、アジア株投資のメリット・デメリット、アジア株に投資するコツについて解説します。おすすめのアジア株ファンドも紹介しますので参考にしていただければ幸いです。 アジア株が注目される理由 そもそも投資とは、将来の成長を期待して資金を投ずることです。どれだけの成長を期待するかは人それぞれですが、できるだけ成長性が高いほど期待も膨らみます。 経済の成長という視点で見れば、2024年の世界の経済成長率が2.4%と予測されるなか、アジア諸国・地域全体の実質GDP成長率予測は4.9%と約2倍の高さです。このなかにはすでに著しい成長を遂げている中国や韓国、インド、シンガポールなどといった国々も含まれていますが、ベトナム、フィリピン、カンボジア、マレーシアなど、アジア諸国・地域平均を超えている国々は多くあります 。 経済成長の原動力となるのは、ITに代表されるような高度な革新力や技術力もありますが、人口の増加も大きなインパクトとなります。日本をはじめ多くの先進諸国で少子高齢化が進んでいるのに対して、アジアの新興国の多くは人口が増加しています。人口が増えると労働力が高まるのはもちろんですが、消費も増えます。そのため需要が高まり、長期的に高い経済成長が期待できます。 また消費量が伸びるだけではありません。過去の日本や中国を振り返るとイメージしやすいですが、経済発展することで消費に質を求める人も増えます。企業の事業機会や競争力が高まり業績成長加速が期待できます。 いまや世界の大企業も中国依存から他のアジア諸国に投資を広げており、多くの個人投資家がアジア株に注目しています。 アジア株に投資するメリット・デメリット 今後、アジア株への投資を検討している人は、あらかじめメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。 アジア株に投資するメリット アジア経済成長の大きな要因である人口増加を考えると、昨今の成長力は短期的なものではないと考えられます。長期的に高いリターンを期待できるのは、アジア株に投資する最大のメリットと言えるでしょう。長く運用を続けられることで老後資金の不安が解消できそうです。また、高い配当利回りも期待できるため、FIREや海外移住に興味がある人へのメリットも大きいでしょう。すでに日本や先進諸国の株式、投資信託をしている場合でも、アジアの資産を加えることでリスクを分散できます。 アジア株に投資するデメリット 高成長を期待できる一方で、アジア株への投資はリスクも高めです。投資へのリスク許容度が高めの人であっても、アジアの新興国には以下のようなリスクが懸念されます。 ・政治リスク:社会情勢が安定していない国や地域もあります。選挙・政権交代等による経済政策の変化、デモ・テロによる経済状況への影響などの可能性もあります。 ・流動性リスク:注目が高まっているとはいえ、先進諸国の市場に比べると新興国市場はまだまだ取引が少ない傾向です。希望するタイミング・価格で売買できない可能性があります。 ・為替リスク:政治リスクや金利の変動幅が大きいほど、通貨が大きく下落する可能性があります。そのため新興国では先進国諸国に比べて為替リスクも大きい傾向があります。 アジア株への投資情報が少ないデメリットもあります。株式投資をする場合には企業業績はもちろん、政情をはじめとする情報収集は欠かせません。しかし、米国やEU圏に比べてアジアの新興国に関する情報は量質ともに少ない傾向にあり、日本にいながら有効な情報を得るのは容易ではありません。 日本にいながらアジア株に投資できる? 日本の証券会社のなかには中国やシンガポール、ベトナムなどアジア諸国の株式を取り扱っているところもあります。一般的には高い経済成長を期待できる国、銘柄を選んで取り扱っているようですので、情報収集に役立てると良いでしょう。 しかしながら、ひとくちにアジアといっても経済の成長潜在性は各国、各銘柄によってもさまざまです。地域の事情を実際に見ていないなかで銘柄選択をするのは容易ではありません。アジア株への投資を検討したい場合は、運用のプロが多くのアジア株から運用方針に沿って選択し運用してくれるアジア株ファンド(投資信託)に投資をする方法もあります。間接的にアジア株の優良銘柄に投資が可能なうえ、分散投資によるリスク軽減にもなります。 おすすめのアジア株ファンドを紹介 最後に日本で購入できるアジア株ファンドの中から3つのファンドをピックアップしました。ファンド選びの参考にしてください。 eMAXIS 日経アジア300インベスタブル・インデックス 初めてアジア株に投資するならインデックスファンドから始めるのもおすすめです。インデックスファンドは指標に連動する運用を目指すため、個別企業の情報が得にくい場合でも値動きを把握しやすいことや、アクティブファンドに比べてリスクが低めといった安心感があります。アジア株に投資するインデックスファンドのなかでも本ファンドは信託報酬が低いため、長期で運用する場合でも安心です。NISA対象ファンドです。 野村-アジア好配当株投信 本ファンドはアジア諸国の高配当株式銘柄に投資しています。特に、台湾、中国、シンガポール、インドなど、成長率の高いアジア諸国への投資配分が高く、安定的に高いインカムゲインが期待できます。ファンドの規模を示す純資産総額、基準価格ともに安定的に成長しており、運用パフォーマンスも良好です。NISA対象ファンドです。 DIAMベトナム株式ファンド 特定の国の株式に投資したい場合は、これから長く高成長が期待できる国がおすすめです。そのひとつがベトナムです。ベトナムファンドのなかでも本ファンドは高いリターン率を示しており、また信託報酬も低めであるためコスト/リターンの高バランスを期待できます。 なお、まだ先ではありますが、本ファンドには償還日(2045年6月1日)が設定されています。長期運用を検討している人は注意しましょう。NISA対象ファンドです。 アジア株を活用した長期・分散投資で資産を成長させよう 高い経済成長力で多くの投資家の注目を集めているアジア株。高い人気を背景にアジア株を取り扱っている日本の証券会社もあります。しかし、実際に投資をしようと思うと案外投資に大切な情報が少なく銘柄選びに迷うことも多いのも事実です。 アジアの新興諸国はこれから大きな成長が期待できるとはいえ、政治リスクや流動性リスク、為替リスクなどが懸念される国もあります。アジア株で資産形成する際には、運用のプロが分散投資をしてくれるアジア株ファンドを活用するのもおすすめです。今回紹介したファンドの選択基準を参考にしながら長期的に資産を成長させていきましょう。
【対談企画|後編】香港生活に必要なお金と資産管理の方法とは?家賃相場から税金・社会保険・年金まで
香港で多くの日本人の資産管理や移住に関するサポートをされているシニアコンサルタントの才田氏に海外移住される方々に有益な情報を教えていただいているこのコーナー。 後編となる本記事では、香港移住の中でも、お金事情をメインに、香港の平均的な家賃相場や社会保険の仕組み、銀行口座開設から資産管理に関する情報をお届けします。香港移住の準備に向けてぜひ参考にしてください。 〜対談スタート〜 香港ではどこに住むか 香港は家賃が高い 高林:「香港へ移住される方々はどのようなところに住まれているのでしょうか。」 才田:「どういうレベルの住宅に住みたいかにもよりますね。香港では家賃は場所と面積で大体決まりますが、とにかく高いです。山手になればなるほど家賃が上がります。日本の駐在の方が一般的に住まれているのは香港ドルで5万ドルくらい、日本円では100万円ぐらいのところでしょうか。責任者として役職の高い方であれば150万~200万円くらいのもっと高いところに住まれている方もいるようです。だからといってすごくキレイなところというわけではないようですが。 駐在ではなく、単身で、現地採用で来られる方は選べる範囲がすごく限られますが、それでも日本円換算で安くて15万~20万円くらいになると思います。香港に移住してくるという方は、こちらでしっかり稼ぐという目的や資産があって来られる方が多いと思いますが、ご自身が住みやすかったり、お子様を学校に送りやすかったりと、目的に応じて住居選びをされるといいと思います。あと、日本のようにインフラの整備はあまりされていませんので、例えば水回りのトラブルなどはよく聞きます。住宅に関しては日本のように満足度が高い住居を選ぶのは難しいと思いますので、その点は心得られていた方がいいですね。」 高林:「ありがとうございます。ホテル代なども高いですか。」 才田:「駐在でホテル暮らしをされている方もいらっしゃいます。ホテルのサービスを受けられるメリットはありますが安くはないですね。ただ、先程から高い、高いと言っていますが、これは為替の関係もあります。今は円が安すぎるため日本円換算でお話しするとどうしても高くなってしまうということもあります。それでもやっぱり家賃やホテル代はコロナ以降ずっと上昇傾向にあるようです。」 香港移住時のお金事情 香港での銀行口座の開設 高林:「海外に住むことになると銀行口座も必要ですが、香港ではどのように銀行口座を開設されるのが一般的ですか。」 才田:「香港での外貨(収入)を受け取るための給与口座が要りますね。個人のお金を動かせる現地の口座が必ず必要になりますが、香港ではインターナショナルバンクといわれる銀行が多々あります。イギリス系だとHSBCやスタンダードチャーターズ、中国系だとバンクオブチャイナ、アメリカ系のシティバンク、シンガポール系のDBSあたりでしょうか。各国の巨大バンクといわれる銀行が香港に支店を出していますので、どの銀行を選んでもいいと思いますし、まずは香港にずっと根付いているHSBCやハンセン銀行の口座を開設されるのもいいと思います。HSBCはどの国に行っても使えることを前提としている銀行に口座を開設しておくと、将来的にも口座を維持するために楽なのではないかと考えています。マルチカレンシー口座といって12種類ぐらいの通貨を保有できるのも便利だと思います。 大手銀行の子会社としてオンライン専業銀行なども続々と設立され、最近では銀行なのに仮想通貨を購入できるZA Bankなどもあり、まだまだ世界の金融センターとしては先端を走っているといえます。 とはいえ、最近日本から転勤して来られた方で、書類不十分だったり、銀行とのコミュニケーションがうまく取れなかったりして口座が開設できないということもありました。ですので、銀行から求められる書類をきちんと準備して来ることが大切です。 こちらで香港IDを取る前に銀行口座を開設されるのであれば、まだ香港での各種証明書がなかったりしますので、まず日本居住者というステイタスで開設することになるかもしれません。香港での各種証明書はまだ取得できてなくても(給与など)お金を受け取る必要があることもありますので、状況を考えながら開設し、その後、本人確認情報含めいろいろアップデートするという方法もあるかと思います。(日本とは違い)銀行の窓口に行ってすぐに口座開設できるというものではありませんので、準備はしっかりしてから来るようにご注意いただきたいです。」 高林:「話が少しズレるかもしれませんが、以前香港の銀行口座を開設して外貨を活用する、というお話をしていただいたかと思うので2点お聞きしたいです。1つ目は香港では現地に住んでいなくても口座開設ができるかどうか。もう1つは香港で口座を開設し帰国が決まったあと、日本帰国後も香港にそのまま口座を維持しておけるのか、教えていただきたいです。」 才田:「まず、1つ目の香港に住んでいなくても香港で口座を開設できるかというご質問ですが、基本的には開設できます。ただ、住所証明を出せる国に住んでいるという条件はあります。居住地の住所証明がなければ書類の送り先もないということですし、どこの国の課税になるかも明確になりませんよね。ですので、自分の居住地をはっきりさせて、その証明も出せるのであれば開設できると思っていただいていいと思います。 2つ目のご質問については、例えば先ほどお話ししたHSBCはワールドワイドに展開している銀行ですので、日本はもちろんイギリスやアメリカに行かれても口座を維持しておくことは可能だと思います。 ただし、2年とか一定期間口座内の資金移動やログインなど何もなければ口座凍結となり、その後数年経つと一旦お金が香港政府に預けられてしまいます。凍結解除するためには手続きの手間や時間、費用がかかりますので、住所変更はもちろん口座を維持するための管理や手続きはきちんとすることが大切です。最近では、居住国が変わった際には居住国の電話番号登録や納税番号、日本でいうマイナンバーのような番号を登録するよう求められますので、これらへの対応はきちんとすることが必要です。」 高林:「口座凍結されてしまった方はどうすればいいのでしょうか。」 才田:「どこでどのように凍結したかによっても変わりますが、日本にいて凍結した場合はまず自分で電話をしてみることですね。本人であれば解決できる可能性はあります。そのうえで凍結解除に必要な書類を教えてもらって郵送することで解決できる場合もあります。ただ、電話だと英語か広東語で話す必要があり、上手く通じない可能性もありますので、その場合には旅行などのついでに現地の窓口に行くのが一番簡単な方法だと思います。もし現地に行くのが難しいようでしたら、あくまで翻訳・通訳代行という形になりますが、弊社のグループ会社が銀行とのやりとりや手続き方法のアドバイスはさせていただいています。必要でしたら弊社が提供している『お困りごとサポート(OSSJ)』をご用命いただければと思います。」 香港での税金手続き 高林:「ありがとうございます。海外にいらっしゃる日本人の中にはフリーランスの方や会社にお勤めの方、日本と香港の両方で所得がある方などいろんなケースがあると思いますが、香港居住の日本人の方々は一般的にどのような税金手続きをされているでしょうか。」 才田:「駐在の方か、現地採用の方か、こちらで事業をされている方かなどによって大きく変わりますね。駐在の方はご自身で税金関係の手続きなどをされることはほぼないようよう思います。最近新しく来られる駐在の方はわかりませんが、通常であれば税金などの問題がないように香港での納税関係はすべて会社が行うところがほとんどだと思いますので、日本の天引きのようにされているのではないでしょうか。 ただ、そもそも香港では日本のような源泉徴収というシステムがなく、みんな毎年確定申告をします。ですので、香港での現地採用という形で雇用されている方はご自身で確定申告をされます。確定申告は4月から翌年3月までの1年分の所得を5月、6月ぐらいに申告し、納税の必要があれば1月ぐらいに納税通知書がくるというサイクルです。日本とは違い、会社員でも確定申告が必要ですのでその点は注意が必要です。紙面で申告する方法が一般的なのですが、最近ではeTAXを使って、オンラインで短時間・スムーズに税務申告をする方がスマートですので、現地採用として勤務されている方は、すぐにでも申請した方がいいですね!」 香港の社会保険・年金事情 高林:「社会保険や年金についてもお聞きしたいです。」 才田:「香港では日本のような健康保険制度はありません。その代わり、政府が運営する病院が各エリアにたくさんあり、必要な時に診てもらえる環境は整っています。いわゆる現物支給的な感じでしょうか。日本円で1,000円~2,000円で済むくらい医療費も非常に安いです。 ただ、みんなが利用するので、例えばお腹が痛くて病院に行っても待っている間に治ったということもあるぐらい待たされてしまいます。ですので、海外から香港に移住されている方の多くは民間のクリニックを利用するようになりますが、民間のクリニックには上記のような公的制度がないため個人で医療保険を準備する必要があります。民間の医療保険はプランによって手術や入院だけだったり、オプションで通院でも給付されたりといろいろありますので、必要性や保険料に応じて選択されるといいですね。 病気にならず保険を利用しなければ掛け捨てになりますが、医療機関にかかる必要が生じた場合は民間のクリニックは医療費が非常に高いので、預貯金を保険という形に変えて備えておくのがいいと思います。例えば、中耳炎で10万円、尿管結石で140万円、盲腸で200万円…などなど、円換算するとより高額に感じますね。」 高林:「公的病院と民間クリニックの違いは料金だけで、何かほかにも違いがあるのでしょうか。」 才田:「そうですね。医療技術的なものは全然変わらないと思います。ですので、民間の保険にお金をかけるかどうかの違いはすぐに診てもらえるかどうかです。(医療機関側は)患者の緊急度によって早く診るか、待たせるのかの選別をしています。 公的機関を使って待たされるのは緊急度が低いという考え方もできますが、それでも民間の医療機関はお金をたくさん払う分、早く診てもらえますのでどちらがいいかはご自身で選ぶ必要があります。 日本人は(一定割合の自己負担のみでどこでも順番に診てもらえる)健康保険システムに慣れていることもあり、例えば子供が病気で泣いてるのに数時間あるいは翌日まで待てず、とにかくすぐ診てもらえるところに連れて行くという方が多いのではないでしょうか。香港に住む場合には、日本で健康保険料を払うくらいの費用負担と考えて、香港の民間医療保険に支払うのが心の安心は買えるだろうと思います。」 高林:「本来なら病気にならないことが一番だと思うのですが、海外に移住する前に予防接種を受けたり、現地でも最低年に1回は健康診断を受けたりしたほうがいいでしょうか。」 才田:「駐在であれば、出国前に会社が肝炎系の予防接種を推奨したりすることはあると思います。これらの予防接種を受けて来られる方が多いように感じます。香港には定期健診や定期的な予防接種のルールというのがありませんので、来られた後もあくまで日本の会社の福利厚生のなかで受診される方はいると思います。 基本的に駐在の場合は、健康管理を含めた労務管理は日本の基準に従いますので、香港にいる場合でも1年に1回は健康診断を受けるという日本のルールのもと、日本と100%同じ内容とはいきませんが、弊社でも日本語のわかる機関での健康診断のアレンジメントをさせていただいています。」 高林:「民間の医療保険への加入がおすすめとのことですが、選び方についてアドバイスをいただきたいです。」 才田:「医療保険の保険料は安くはないですし、使わなければ掛け捨てになってしまいます。医療保険を準備することは大切ですが、日本(の健康保険)と同じように通院しても保障を得られるほうがいいのか、手術などの大きな部分に保険をかけるのかに分けて、効果的な医療費への備えをすることを検討されるのがいいと思います。 例えば、先ほども事例として出ましたが、尿管結石で日帰りで超音波手術を受ける場合、日本円で140万円ぐらいかかるそうです。そうなると、旅行か何かのためにせっかく貯めていたお金を使うことになってしまい、人生のライフプランが数年分逆戻りすることになる可能性もありますよね。 ちょこちょこ通院するからその分も保障してほしいというのであればフルカバーというタイプを選ばれるといいと思いますが、貯金で払うより保険料のほうが高くなる可能性もあります。 どちらを重視するかは個人の環境や状況にもよりますが、治療費を払うための医療貧乏にならないようにということだけは心がけていただきたいです。ただ、保険加入するためにはさまざまな加入条件もありますので、保険を検討される際にはまずご相談いただくのが一番かなと思います。」 高林:「医療保険に加入したいという方はどこに相談すれば良いのでしょうか。」 才田:「今回のテーマのように香港に移住ということであれば、ぜひ弊社110(ワンテン)にご相談いただきたいですね。グループ内にメディカル担当として香港の医療保険事情に詳しい者もおりますし、複数の保険会社の中からその方に合った医療保険のご紹介させていただきます。」 才田:「あと、年金のご質問もありましたね。香港では、日本でいう確定拠出年金、企業型DCやiDeCoのような制度で、給料の一定割合を掛金として個人+企業で差し引き、運用するような制度はあります。ただ、こうして国や企業が個人の老後資金づくりのためにサポートしている制度で老後資金が充分まかなえるようになるとは香港の人はみんな思っておらず、個人で株式などへの投資や年金型の保険に加入、海外の不動産に投資などしたりして、投資に対する意識が高いと感じています。 私が電車に乗っているときなども、みんなスマホで株式ボードをずっとチェックしたりしているのをよく見ます。香港で国が医療や年金を保障するのは本当に最低限であると考えておかれるのがいいと思います。(日本人の方にとっては)海外でしかできない資産運用を活用しながら将来的に日本でも使えるような年金づくりをしっかりされておくのがいいのではないかと思っています。」 香港でのお金の置き場所は 高林:「最後に資産管理の方法について教えていただきたいです。」 才田:「資産については、まず、資産を増やしたいのか、守りたいのか、そして使っていきたいのか、によってお金の置きどころが変わってくると思います。あと、香港移住ということで来たけれども後々他の国に移住したり、日本に帰国したりといったこともあると思いますので、お金の置きどころといっても、具体的にどういう形で資産を保有するのがいいかも変わってきます。 例えば、現物ゴールドとか、株式、投資、銀行預金、貯蓄型保険や年金プラン、不動産などさまざまありますが、どの場合でも出口を考えておく必要があります。 日本では資産管理上、課税が大きくて縛りとなるような税金上の問題は香港ではほとんどありませんので、資産がある方にはいいところだと思います。相続税なし、贈与税なし、キャピタルゲイン税なし、企業家の2重課税なしと、かなり税制がシンプルなのが魅力です。 プライベートバンクなんかも預金額5~6億円をベースに毎年7~8%の利益が出るような仕掛けもありますが、最終的にどういう形で自分が使ったり、次世代に渡したいかを考えて資産管理をしていただくのがいいと考えています。…
24年・25年の石油需要予想、引き下げへ。原油先物上昇の理由とは|海外金融業界の時事ニュースを解説
2024年11月13日時点で、原油先物が若干上昇しました。一部のアナリストは、この値上がりについて「現物市場での一時的な供給不足の兆候が、長期的な石油需要の低迷予測を上回り、買いが入っている結果に過ぎない」と分析しています。実際、原油先物の価格は、石油輸出国機構(OPEC)が11月12日に発表した世界の石油需要予測の下方修正を受けて、2週間ぶりの安値近辺で取引されているのが現状です。今後の世界の石油需要はどのような動きをするのでしょうか。 石油需要見通しの減速 OPECは11月12日、2024年の世界石油需要予想を、前月予想の日量193万バレルから引き下げるという月報を発表しました。引き下げは4ヶ月連続で、2024年の需要見通しが下方修正されたということになります。OPECの月報によると、2025年の石油需要の伸びも引き続き減少する見通しで、さらに今後数年間に渡って減速していくと予想されています。この石油需要の下落傾向は、主にアメリカや中国、インドなど主要消費国を中心とした世界的な経済減速の影響が背景にあります。これらの国々で起こっているインフレや、地政学的リスクが、石油の需要に影響を与えているのです。 長期的な石油需要の展望 国際エネルギー機関(IEA)が公表した年次報告によると、世界の石油需要は2029年までにピークに達し、2030年からは減少に転じると予想されています。これは、大型トラックが燃料をディーゼルから液化天然ガス(LNG)に転換していることや、商業施設や住宅の建設の鈍化などによって、ディーゼル消費が低調になっていることが要因とされています。また、世界的な電気自動車(EV)の普及、発電の脱石油化など、昨今のさまざまな経済的課題やクリーンエネルギーへの移行も、石油の消費の抑制に拍車をかけています。 また、最新の予測では、次の10年間で大幅な供給過剰になると予想されます。IEAも、石油の需要は2030年までにピークに達するという予測を示していたものの、今回その時期を前倒し、2029年までには日量1億0560万バレルで頭打ちとなって2030年には小幅な減少の見込みです。こうした長期的な弱気の展望は、石油市場やOPEC加盟国、米国シェール産業に重大な影響を及ぼす可能性があり、石油産業は事業戦略や事業計画の見直しを迫られているのが実態です。 中国の急速な電動化 石油市場に大きな影響を及ぼしているのが中国です。IEAが発表している2024年の世界エネルギー見通しによると、産油国の足元を危うくしているのは「電動モビリティ」によって輸送手段に使用されるエネルギーが化石燃料から電気へと移行が進んでいることが原因といわれています。中国は、世界最大の石油輸入国にして、電気自動車(EV)普及を牽引している世界最大の国です。中国のEVの生産シェアは世界でも圧倒的であることに加え、国内新車販売に占めるEVのシェアは既に50%に達しています。 また、EV以外にも、太陽光パネルや蓄電池など、国策として急速に電動化を推し進めており、高額な輸入化石燃料への依存を急激に減らしています。中国は2023年までの10年間で、世界の石油需要の伸びの3分の2、天然ガスは3分の1を占めていた石油消費大国ですが、現在の強力な電動化推進政策によって、中国全体の石油需要は今後数年でピークに達する見通しです。このことが、今後の世界の石油需要にも大きな影響を与えるといわれているのです。 石油から電気への動き 中国の電力の需要はこれまで、GDPに応じて増加していたところが、2019年以降はGDPを50%も上回るペースで伸びています。実際に、中国のエネルギー最終消費に占める電力の割合は既に石油を上回っています。 このようなデータからも、中国は電動化で突出した国になりつつあることが見て取れます。そして、この電動化の動きは中国に限った話ではなく、世界的にも同じような傾向にあります。他国でも、国内新車販売に占めるEVのシェアは、遅かれ早かれ同じ水準に達するでしょう。また、中国に次ぐ石油消費大国である米国でも、電力需要が急激に拡大しています。その大きな要因となっているのが、近年急拡大する人工知能(AI)用データセンター向けの電力需要です。 米国の巨大IT企業は、生成AIに必要となるデータセンターのエネルギー需要の急増に対応しようと、こぞってあらゆる手段を講じています。米国エネルギー情報局(EIA)の分析によると、こうしたデータセンターの電気使用量は、2030年までに現在の2倍を超え、米国国内電気消費量の約9%にまで拡大すると予想されています。このように、中国やアメリカをはじめとした、世界的な潮流や電力需要、経済問題、政策などによって、世界の石油需要は減速しつつあり、電力需要への移行が始まっているのです。 良いものは残しつつ、人間社会にとって必要な変化は受け入れていきたいものです。
米大統領選、トランプ氏の当選による株価への影響|海外金融業界の時事ニュースを解説
2024年11月5日、世界中が注目するアメリカ大統領選挙が行われ、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利を収めました。当初の報道では史上稀に見る接戦で、結果が判明するまで少なくとも数日はかかると言われていました。しかし、蓋を開けてみれば、トランプ氏は主要な接戦州を含む312の選挙人票を獲得し、カマラ・ハリス氏に圧勝して再び大統領に選ばれました。 市場関係者の間では、このトランプ氏の大勝利によって、今後のアメリカの政策と経済指針が金融市場にさまざまな影響を与えると注目されています。今回は、このトランプ氏の大統領当選がどのように経済に影響を及ぼすか、どのセクターに及ぶか、そして今後の株価がどのように動いていくのか解説します。 トランプ氏の経済政策 トランプ氏が大統領に当選したことによって、当選前に彼が掲げていた政策が実際に施行されることが見込まれます。その中でも、主に以下の方針が株価にポジティブな影響を与えると予想されています。 減税政策 トランプ氏は前任期中に法人税の引き下げを行い、これが企業利益の増加に繋がりました。今回も減税政策が行われ、企業のキャッシュフローが増えて、配当や株主還元が強化されることが期待されています。この減税政策は、特にS&P 500のような大手企業が恩恵を受ける可能性があり、株価が上昇すると見られています。また、個人減税の延長や追加の税制優遇策などが導入されれば、消費者の購買力が強化されて、消費関連株のパフォーマンスが改善する可能性もあります。 規制緩和 トランプ氏はエネルギー、金融、製造業など、特定セクターの規制緩和を進めることに意欲的です。規制緩和による収益改善が実現すれば、このセクターの企業の株価にプラスの影響があると予想されています。特にエネルギー業界は、石油や天然ガスへの投資や、掘削活動の拡大方針を表明しており、化石燃料関連の企業が恩恵を受けることになるでしょう。 政策リスクと不安要素 トランプ大統領が行う政策は、期待される一方で不安要素もあり、株価にネガティブな影響を与えかねないとも言われています。どのようなリスク要素があるのかを解説します。 通商政策 トランプ氏は「アメリカ第一主義」を掲げ、他国との貿易摩擦を激化させるとみられています。貿易摩擦が激化することでアメリカの企業のコスト負担が増加し、利益が減少すると懸念されています。特に、中国に対しては強硬な姿勢をとっており、トランプ氏が再び大統領になることで、対中関税が引き上げられて貿易戦争が再開される可能性が高くなります。 中国市場に依存する企業にとっては収益減のリスクであり、株価にネガティブな影響を及ぼすでしょう。前任期中も、中国市場への依存度が高いテクノロジー関連株が、かなり不安定な動きを見せていました。 移民政策の強化 トランプ氏は、移民に対して強硬な姿勢をとることで知られています。この移民に対する規制の強化が、一部の業界に悪影響を与えるのでは、と考えられています。特に、農業や飲食業、建設業など、移民が多く就労している業界では、労働力不足が深刻化し、人件費の上昇につながって収益が悪化する可能性があります。 政局の不安定化 トランプ政権は突発的な政策が多く、すぐに方針が変わることで知られています。これはマーケットにとっては不安要素でしかなく、前任期中もSNSでの過激な発言や突然の政策変更、予測不能な行動を繰り返し市場に混乱を招きました。トランプ氏の再選で株価の変動要素が高まって、一部の投資家は、リスクの回避に向かうかもしれません。 イーロン・マスク氏の影響 イーロン・マスク氏は選挙中、トランプ陣営に多額の献金をしています。トランプ氏は、選挙で勝てばマスク氏を政府効率化担当の役職に任命することを約束しており、先日その通りの声明を発表しました。トランプ氏によれば、マスク氏の効率化に向けた起業家的な取り組みが大規模な構造改革を促進し、無駄な業務が多いアメリカの政治体制全体に良い意味でのショックを与えるとしています。詳細はまだ明らかになっていませんが、マスク氏の過激な取り組みによって、市場が混乱する可能性があります。 トランプ再選と投資家たちの動き 2016年の大統領選挙でトランプ氏が当選した際は、トランプ政権の掲げる減税や財政出動などへの期待から、金利、株式、米ドルが急激に上昇しました。NYダウは45%、 S&P500は34%も上昇し、この米国株式市場の上昇に引っ張られる形で、日本をはじめとする世界の株式相場も上昇しました。この動きは「トランプ・ラリー」と呼ばれ、投資家たちの活発な取引が起こりました。しかし、株価は短期的に上昇したものの、長期的な視点で見ると過激な政策によるリスクの高まりや、国際関係が不安定化する可能性があります。 今回も選挙戦の最中から、トランプ氏が当選すれば、株高、ドル高のトランプラリーが始まる、といわれてきました。そして実際に、大統領選の開票が進んだ11月6日は、トランプ氏の優勢が報じられると共に、株高、ドル高が進みました。日経平均も上昇が加速して、最終的な株価は1,000円以上の上昇を見せています。同じくドルも上昇し、11月6日のドル円為替は151円台半ばから154円台半ばまで一気に円安が進みました。今回のトランプ・ラリーも一過性のものなのか、あるいは持続的なものなのかについては、慎重に見極めていく必要があるでしょう。 まとめ トランプ氏が大統領に就任したことで、株価への直接的な影響が高まる一方で、政策の不安定性もあり、投資家にとっては一長一短という側面があります。減税政策や規制緩和など、特定のセクターの企業には好影響が見込まれる一方で、貿易摩擦や移民政策の影響を受ける企業には悪影響であると考えられています。今後のアメリカ経済と株式市場がどのように進展するかは、引き続き注目していきたいポイントです。私たち一般投資家(普通の人)としては、どちらに振れても大丈夫な資金環境を作っておきたいですね。
タイで資産運用するには?駐在員・移住者向けに証券会社・定期預金・投資信託をFPが比較解説【2026年版】
タイに駐在・移住している日本人にとって、現地での資産運用は避けて通れないテーマです。日本のNISAやiDeCoは海外居住中に新規積立ができず、日本の証券口座も制限されるケースが多いため、「タイにいる間に何ができるのか」を把握しておく必要があります。本記事では、110 Financial SupportのFPが、タイで利用できる投資手段(証券会社・定期預金・投資信託・国債)を比較し、駐在員・移住者それぞれの状況に合った資産運用プランを解説します。 この記事でわかること 【タイ在住者向け】なぜ資産形成を始める必要があるのか? まず、なぜ資産形成を行う必要があるのか、その理由について説明します。 持っているお金の価値が下がるインフレ対策 過去3年間の、タイの平均インフレ率は2.67%です。インフレが各国の経済に与える影響は大きく、インフレが進行すると時間の経過とともに物価が上昇し、現金や預金の実質的な価値が下がります。 そのため、利子がほとんどつかない銀行にただお金を預けているだけでは資産が目減りし、将来の生活費や、万が一の大きな支出を賄うことが難しくなるでしょう。 一方で、資産の一部を株式や投資信託などで運用すれば、インフレの影響を受けにくい環境で資産を少しずつ増やしていくことができます。もし運用によって資産が増えなかったとしても、その資産の価値を維持しつづけることができるのです。 子供に資産を引き継ぐ相続対策として 家族のために安心して生活ができるようにするため、また、資産を子どもに引き継ぐためにも、タイで資産運用を行うことは非常におすすめです。タイでは、相続に関する法律や税制が日本とは異なりますが、事前にこれらを把握したうえで資産運用を進めることができれば、将来的に資産の価値を最大限に引き出すことができます。 タイ駐在者におすすめの資産運用方法4選 タイでの駐在生活が長期に及んでいる人へ向けて、適切な資産運用の方法を紹介します。 おすすめの方法は以下の4つです 資産運用をこれから始める方や、何に投資をしていよいかわからない方はぜひ参考にしてみてください。 1. 投資信託 投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きなファンドとして運用し、株式や債券、不動産など複数の資産に分散投資する金融商品です。株式や債券を自分で選んで投資する手間が省けるうえに、プロのファンドマネージャーが運用をしてくれるので初心者にも始めやすいのが特徴です。 また、投資信託はリスク分散がしやすく、少額から始められる点が資産運用に役立ちます。投資信託には一般的なものと、税優遇付きの投資信託があります。 一般投資信託 駐在としてタイに在住の方を含め、すべての人が投資できる投資信託です。株式や債券、コモディティ、不動産といった多様な資産クラスに投資することでリスクを分散しながら運用可能です。分散投資をおこなうことで、どれか1つの投資対象で損益がでた場合でもリスクは軽減されます。 また、一般投資信託は特定のテーマや地域に特化したものも多く、例えば世界の株式市場に連動するものや、特定の業界にフォーカスしたものなどがあげられます。 一般投資信託の中でも、タイ在住者が比較的検討しやすいのは、SET50連動型のインデックスファンドや、外国株式に投資するグローバルファンドなどです。SET50連動型ファンドはタイの主要50銘柄に分散投資するため、個別株よりもリスクを抑えることができます。グローバルファンドは、タイ国内の市場リスクを避けて、世界の成長を取り込むのに有効です。 税優遇付きの投資信託(SSF、RMF) 税優遇付きの投資信託には、タイ国内で利用できる「SSF(Super Savings Fund)」や「RMF(Retirement Mutual Fund)」などがあります。これらの投資信託は、税金面での優遇があり、タイで資産運用をしたい方にとっては非常に魅力的です。 SSFは年間所得の30%、かつ年間20万バーツまで購入でき、毎年購入する必要がありません。売却については、積立開始から10年以上保有する必要があります。一方で、RMFは年間所得の30%まで購入でき、年1回以上の購入が必須です。また、満55歳以上で、積立開始から5年以上が経過しないと売却ができません。 SSFとRMFはタイに長期で滞在している方向けであり、課税所得の30%を上限とし、個人の所得控除の対象となるのがメリットです。しかし、帰国などを理由に途中解約した場合は、それまで受けていた財還付金をすべて返還する必要があります。さらに、税還付を受けた月から返還するまでの月数に対して1.5%の課徴金を支払わなければなりません。 そのため、税優遇付きの投資信託を購入し、資産形成を行う方法はタイに10年以上長期滞在をしている人、またはする予定がある人にはおすすめの方法です。 2. 外国証券会社で個別株式・上場投資信託(ETF) 外国証券会社を利用して個別株式や上場投資信託(ETF)に投資する方法は、タイ駐在者にとって、グローバルな市場に直接アクセスできるのが魅力です。個別株式では、特定の企業の成長に期待して投資ができる一方、ETFは複数の株式や債券、不動産などに分散投資することでリスクを低減しつつ、市場全体でのパフォーマンスを狙うことが可能です。 外国証券会社を通じてこれらの投資商品を購入すれば、アメリカやヨーロッパなど世界の主要市場に資産を分散でき、タイ国内の市場リスクを補完できます。これにより、幅広い選択肢から自分に合った投資戦略を実現することができるのです。 タイの株式市場はSET(Stock Exchange of Thailand)とMAI(Market for Alternative Investment)の2つがあります。SET指数は2026年現在、1,300〜1,500ポイント付近で推移しており、2025年後半のタイバーツ急騰やEV政策の転換などが市場に影響を与えています。今後の予想としては、タイ政府のデジタルウォレット政策や観光業の回復が追い風となる一方、中国経済の減速リスクが懸念材料です。 3. 日本の証券会社でiDeCo(個人型確定拠出年金) iDeCo(個人型確定拠出年金)は、日本の証券会社を通じて利用できる、将来のための積立型年金制度です。 タイ駐在員の方(日本の厚生年金加入者)の多くは、海外転出時にiDeCoの新規積立は停止となります。 そのため、積立はできませんが、既に積み立てた資産については「運用指図者」として日本帰任まで運用を継続できます。 運用益は非課税で再投資されるため、帰国後の老後資金の効率的な準備に役立ちます。iDeCoは、長期的な資産形成を目指すためのツールとして非常に有効です。ただし、海外居住者になれば日本の所得控除の対象にはなりませんので注意が必要です。 4. 海外の貯蓄型保険商品に加入 タイに駐在、または移住して長く暮らしていく場合でも、保険商品は資産を効率的に運用したり、家族の将来を守ったりするための重要なツールです。 海外の貯蓄型保険には、日本にはない商品も多く存在します。日本にはない高金利な商品や、安定した資産形成にも適している商品などがあります。 海外駐在中であることをメリットとして海外の保険商品などを運用することで、資産運用の幅が広がり、より効率的な資産形成も可能となるでしょう。…
【対談企画】あなたはどっち?海外の資産を残せるお父さん・残せないお父さん
海外には日本に比べて資産を形成する上で魅力的な商品や方法、税制などが多々あります。海外駐在や海外移住を機に海外で資産形成をしたり、日本の資産を海外に移転させたりする人も多いのではないでしょうか。一方で、せっかく海外で上手く資産を築けたとしても、場合によってはその資産を家族にきちんと残せなくなる可能性もあります。海外駐在をはじめ海外移住をする日本人が増えている昨今、あらためて海外での資産形成方法について考える必要がありそうです。 そこで、香港を中心に多くの日本人の資産づくりや管理のサポートをされているシニアコンサルタントの才田氏に「資産を残せるお父さん・資産を残せないお父さん」というテーマでインタビューを行いました。海外の資産を残せるお父さんになるための方法や、そのために準備しておくべきことなどについて教えていただきました。 〜対談スタート〜 資産を守るには海外と日本のどちらが有利? 高林:「最初に、(海外に移住された方が)資産を守るということからお聞きしたいです。日本に住んでいる場合と比較して、海外に移住すると資産を守るという点でどのようなメリットがあるのか教えていただきたいです。」 才田:「海外に移住した場合にどう資産を守るかという話ですが、まずは無理して海外にでる必要はないということをお伝えしたいです。というのも、日本は金融機関を含めて日本人が(日本語で)対応してくれますよね。私自身、海外に住んで14年になりますが、日本に帰るたびに対応の良さや充実したサービスなど、とても素晴らしいと感じています。日本はとても住みやすいですし、これらは資産を守ることにつながる要素だと思います。『資産を守る』というと税金とか為替を含めた経済的なリスクもあって海外移住……となりがちですが、税金や資産面だけ考えて海外に移住してもよいのか、資産のどういったことを守るのかということはしっかり考える必要があります。 そのうえで海外に出た場合についてお話しすると、まずは税制が日本とまったく違う国があります。例えば、香港では所得税率は16〜17%ですし、社会保険料も徴収されません。日本は、昔、5公5民といって収入を得ると半分は国(税金や社会保険料など)で半分は自分のものでした。今の日本は社会保険料、所得税、消費税など諸々を含めると6公4民もしくは7公3民と言えるような状態です。さらに、日本では三代相続すると資産がなくなるとも言われますが、大きな資産を次世代に渡す必要がある人たちにとっては相続税や贈与税もあります。ですので、大きな資産を残していくということであれば、相続税等が安い国に移動するのもひとつの方法でしょう。具体的な守り方は超資産家、ミドルアッパー層などといった資産の程度によっても変わりますが。 あと、日本にいると気づきにくいと思うのですが、日本は自分のお金を海外に移動させにくいですね。子供の留学資金や生活費など、海外送金をすることはあると思うのですが、日本は銀行窓口で海外送金する際に厳しく確認されますよね。香港やシンガポールではスマホのアプリで海外送金の設定が簡単にできます。まあ、捉え方によって良し悪しは変わりますが、自分の大切なお金をすぐに動かせるかどうかというのは、自分の資産を安全なところに移せるかどうかにも関係してきますね。」 海外で資産を残すためには 相続で有利な国を選ぶ 高林:「お話のなかで相続という言葉が出ましたが、資産を残すという意味では相続になりますよね。相続や資産保有において日本より有利な国というのはあるのでしょうか?」 才田:「相続は誰にも大切ですが、特に多くの資産を保有している方にとっては避けがたいポイントですね。まず、相続税や贈与税の有無で言うと、シンガポールやマレーシア、香港では相続税がかかりません。日本の方でも相続税の利点を重視してシンガポールに移住される方もいらっしゃるようです。アジアであればベトナムやタイもそうですね。 ただ、これらの国は不動産(土地)を現地の人以外が買えないといった問題もあったりします。だからといって、じゃあ海外居住者になるということで身体だけ移したなると、日本の当局からも相続税回避のためだけに移住したのではないかと疑いをかけられる可能性も高いです。最初にお話ししましたが、ただ税金のためだけに海外に移住しようと考えるのではなく、日本にいながらできること、海外のどこに資産の基盤を置くかなど全体的なバランスを考えながら、税金納める国や相続に有利な国、方法を選ぶべきだと思います。 でも、大切なことがありまして、本人だけが移住してもダメなんです。私もお客様の資産サポートをお受けするなかで遭遇することがあるのですが、資産のことを考えて海外に出たもののやはり日本が暮らしやすいといって帰国される方は多いんですね。その後、海外の銀行にそのまま預金を置いた状態で亡くなると、遺族がすごく大変なんです。これは香港の事例ですが弁護士費用に数百万円(数百万円が大きいかどうか?感じ方は人それぞれです)かかります。それで口座のお金(相続財産)を取り戻すのに2~3年ぐらいかかります。ですので、何の目的で移住するか、その目的を為し得るための資産運用やお金の置き場はどこがいいかというのをしっかり考えて移住されるのがいいですね。総合的に考えていくと、この国で、この相続の仕方がいいという結論が出てくると思いますが、単純に税金だけで選ぶと本末転倒になる可能性があります。」 残す資産を増やす 高林:「ありがとうございます。税金だけではなく、人それぞれのケースに合わせてどの国や方法を選ぶか相談されると良さそうですね。これもケースバイケースかもしれませんが、海外に住むとなればどのような資産を持つのが最適でしょうか?」 才田:「海外にどれだけ滞在するかによって変わります。例えば、永住される予定でしたらその地に根ざした投資の仕方が有効だと思います。例えば、アジアの発展途上にある国の不動産を購入しておくのもいいでしょうね。経済発展に従って不動産価値も上がりますし、最終的には自分で住むこともできますよね。 日本にいながら業者に勧められて買うというのは注意したほうがいいです。これもご相談をお受けすることがあるのですが、数十年前に日本でも海外不動産への投資ブームがあって投資された方もいらっしゃいます。当時、マレーシアのジョホールバルなんかは特に人気があったのですが、地価が上がりそうなエリアだと言われても実際にそこに住んでいないとどこに開発地区ができるかなんてわかりません。そのなかのどこが上がるかといった具体的なことは何もわからないですよね。 結局、投資をされて何とか上手く原資を取り戻せた方もいますが、購入費用に加えてずっと維持費がかかり、ずっと赤字のままという方もいらっしゃいます。それならまだいいですが、当時の販売業者がいなくなって、メンテナンスしてもらえないということもあるんです。不動産投資が悪いと言ってるわけではないのですが、きちんとメンテナンスもされて、最終的には自分で住めるという前提の元に購入されることが大事です。 成長が見込まれるのであれば、現地の株式市場で投資をするのもいいでしょうね。タイ・ベトナムなどは株式市場でも外国人が購入できる枠もあります。UAEでは仮想通貨関係の税金優遇があります。その国それぞれの資産運用に対する優遇制度を見ながら資産運用方法を選ぶのがいいでしょう。 大きな資産を次世代につなぎたい、相続税がたくさんかかる可能性があるという場合には、海外で貯蓄型保険を使うのがすごく有効ではないかと考えています。永住する予定だったけど帰国することになるってこともあるんですね。 先ほどもお話ししましたが、海外で資産を蓄えて日本に戻り、困ったことになったといってご家族から相談されることって多いんです。本人が認知症になったとか、死亡されたとかになると海外の銀行口座は凍結されてしまいますので。海外ではもう一人の名義人がアクセスできるジョイント口座を持つ方法もありますが、それにしても自分が元気なうちに資金を移動させていくことが大事です。不動産や仮想通貨にしても同じです。 その点、海外の貯蓄保険は保険とは名ばかりで、実は中身は資産運用なのですが、出口では受取人を指定して、10人でも20人でも資産を渡せます。他の資産に比べて、確実に渡したい人に資産を渡せるという点、その指定を生前のうちに計画的に実施できるという点で群を抜いていると思います。 そのうえで、さらに資産規模が大きいという方はスイスやシンガポールのプライベートバンクを利用されてはいかがでしょうか。お手伝いさせていただきます。誰に渡したい、どのように使いたいなど、信託や財団などの仕組みを使って資産を振り分けていくこともできます。」 税金面で有利な資産を選ぶ 高林:「今回のテーマが『資産を後世に残す』ということなのですが、税金面では有利な資産と不利な資産というのはありますか?」 才田:「そうですね。税金面で有利な資産というと保険でしょうね。海外の貯蓄型保険は資産を代々引き継がせることができますし、お金を引き出さなければ運用している限り現状の税制では税金はかからないです。例えば株式とかだと譲渡した時点で所得税がかかることが多いですから、次世代に渡すのには不利な気がします。 税金といっても所得税と相続税を考える必要がありますし、海外でということであれば、資産の種類よりも各国の税制によって検討するのがいいでしょうね。例えば株式・仮想通貨など資産は運用利益に対して税金(所得税)がかかりますので、非課税となる国を選ぶのがいいですよね。利益をそのまま再投資できますから投資効率が上がります。そのうえで、相続したとしても相続税への影響が少ない資産に変えておくといいでしょう。 繰り返しになりますが、貯蓄型保険は税金のことにしても、遺族に残すことにしてもとても優れています。自分自身が売買や管理できるうちは株式や投資信託などでもいいのですが、例えば株価が最高潮の時に相続が発生してその価格で財産評価されると税額も上がりますし、実際にその株を売却できるようになったときに価格が下がっていたら税金だけ多く取られたということになりかねません。 税金面での有利不利とは離れるのですが……。私がお客様の資産サポートをさせていただきながら、自分自身でも日々考えるのですが、運用の良し悪し以前に、こうやってきちんとサポートしてくれる人間、組織が近くにいるというのが一番有利な資産の残し方になるのではないかと思います。 先ほどお話ししたジョホールバルの不動産ではないですが、売りこむときには元気よく言い寄ってきていたのに3年ぐらい経つといなくなるケースもあります。そうなるのは一番不幸な資産運用だと思います。何かに投資する、何かを購入するときには、きちんとサポートしてくれる人がいる資産であることが税金面の有利不利よりも大切なのではないかと思います。」 仮想通貨には相続リスクがある? 高林:「仮想通貨はいかがでしょうか。海外で仮想通貨を保有していると相続時に何かリスクはありますか?」 才田:「仮想通貨については最近お問い合わせを受けることも増えてきていますね。仮想通貨については相続時のリスクというより、まず保有の仕方をケアしておく必要があります。 これは海外だからというのではなく日本でもそうですが、そもそも取引所に対するリスクヘッジをしておく必要があると考えています。自分ではアラート通知などの安全設定をしていても取引所が悪いことをしないとも限りませんし、ある日突然残高がゼロになっているということもあり得ます。最近では、取引所側のエラーで起こるハッキングへの保険やコールドウォレットといって取引所内の取引できないアカウントに入れるなど保全はされてきていますが、取引所を信用しきらずに複数に分けておくといいでしょう。 ウォレット内に保管して自分自身で保有する選択肢もあります。そうなると仮想通貨というデジタル資産が物理的な存在になり(個人保管になるため)保管責任が発生します。仮想通貨を保有したことがない方にはちょっと難しいかと思いますが、その資産を自分のものとするための秘密キーなど、もし突発的に良くないことが起こり、それを家族が知らない場合はほぼ取り戻せないと思っておいたほうがいいでしょう。 これは相続時のリスクといえますね。個人で管理するという場合は、家族にどう伝えるか、いつ渡すかをしっかり考えることが必要だと思います。 あと、海外でという話になると国ごとに仮想通貨へのルールが違うことに注意が必要です。ヨーロッパや米国のように規制が少ないところもありますが、香港のように資産保有規模により取引が制限されている国・地域があります。課税のルールも国によって違います。」 結論・資産を残せるお父さんになるためには 今から準備しておくこと 高林:「では、子供に資産を残すために我々がしておく準備にはどのようなことがありますか?」 才田:「子供に残す資産としては『目に見える資産』と『目に見えない資産』があると考えています。目に見える資産はビジネスや不動産、金融商品、仮想通貨などです。これらはどういう資産があるか配偶者や子供に少しずつ伝えていくことが大事ですね。それと、家族がもめないようにするために遺言書にまとめておくことでしょうか。遺言書は、書き方のルールが各国違いますので注意は必要ですが、家族に対する想いも伝えられますし遺族も嬉しいと思います。 あと、受取人を指定できるタイプの資産を準備するのがいいですね。私自身、何度もお客様の相続の場に立ち会っていますので自信を持って言えますが、特に海外では保険の仕組みを有効に活用した方法で残すのが大事ではないかと考えています。お子様達もどこか他の国にいるかもしれませんし。大切な家族を亡くして悲しみに浸っているなか、高い弁護士費用を払って、長い期間をかけて、それでも取り戻せない不安がある資産ではなく、『これは貴方のために準備したもの』とわかりやすく、確実に残せるのが保険の神髄だと思っています。 もちろん資産規模によりプライベートバンクの活用、資産管理会社の活用などあるかと思いますが、常に規制は変化し当局とはイタチごっこになるのではないでしょうか?改めて原理原則に立ち返り下手な相続税対策を施すより良いかもしれません。 目に見えない資産としては、生きていくためのサバイバル能力をつけてあげるということがあります。お子様の年齢にもよりますが、例えば、自分の生き様や考え方を遊びを通して、見せたり、伝えたり、資産の増やし方を伝授したりというのもひとつです。自分が亡くなったときの相続で家族がもめないようなファミリーづくりの準備も必要だと思っています。」 資産を残せるお父さん・残せないお父さんの違い 高林:「ありがとうございました。まさに『資産を残せるお父さん』という本日のテーマに合ったお話ですね。では、ずばりお聞きしたいのですが、『資産を残せるお父さん』と『資産を残せないお父さん』の違いは何でしょうか?」 才田:「ひとことで言うと『死生観』ですね。私自身、『もし今、自分が死んだら』という前提づけをするようになったのが30代中盤ぐらいだったと記憶していますが、そう考えるようになったことでいろいろ変わってきたと思います。死というのは重いテーマですが、死は皆平等に訪れますし、私は逆に生きる糧にしています。死生観を持つことで、今やるべきことがわかるようになりますし、子供と接する時に何を、どう話すかなんてことも真剣に考えられるようになってきたと感じています。 資産にしてもそうですね。遺族が資産を受け取りやすいかという視点で逆算しながら資産の種類や運用方法を選べるようになってきたと思っています。人間、どんなに長生きしても100年ぐらいですよね。最後の20年ぐらいは意識があるかどうかもわからないですし、そのうち後半の10年ぐらいは健康かどうかもわからない。そう思うと家族としっかり接していけるのは50年か60年ぐらいです。そのなかで次世代にどう残すか、その先にどう残していけるかということを心として伝えていくことで、自分の子ども達もまたその子や孫にどうしていくか考えるようになるのではないかと思います。 私のお客様のなかでも次世代にお金をたくさん残してあげたいという方がいらっしゃいます。理由をお聞きすると、自分に孫ができた時にたくさんお小遣いをあげたいからと言われたのですが、シンプルですけど本質をついた理由ですよね。こうやってイメージするとお金の使い方にしても投資と浪費の違いも見極められるし、資産を残せるお父さんになれますよね。 死生観を持って、自分がどのような生活をしていきたいかをより具体的にイメージできるお父さんであるほどしっかり資産を残せるのではないかと考えています。私も資産を残せる側のお父さんになれるよう、まだまだ研鑽中です。」 高林:「逆に、資産を残せないお父さんはどういう特徴があるのでしょうか?」 才田:「場当たり的な方、快楽主義者というのでしょうか。自分中心の判断をするというか、借金を重ねてしまったり、良いお金の使い方ができなかったりする方はお金を残せないのではないかと思います。一生懸命やっても残せない場合もあるとは思いますが、『お金を残せるお父さん』を意識して前向きに行動していくことが大事なのではないでしょうか。」 高林:「『残せるお父さん』を目指していきたいですね。才田さん、本日はどうもありがとうございました。」
【対談企画】仮想通貨に投資をするべき?仮想通貨の知識を高め、目的に合わせて活用しよう
仮想通貨が世の中に登場して約15年が経ち、世界的に仮想通貨に投資をする人も増えてきています。なかでも日本で仮想通貨に投資をしている人は約500万人と推定されています。多くの場合は投機目的だと思われますが、曖昧な部分も多く、将来に向けた投資として活用して良いのか迷っている人もいるのではないでしょうか。 そこで、資産運用方法や投資商品に詳しいシニアコンサルタントの才田氏に仮想通貨の基本的な知識や仮想通貨を資産運用に活用するメリットや注意点などについてお話をお伺いしました。 〜対談スタート〜 そもそも仮想通貨とは? 高林:「資産運用や投資のニュースなどで仮想通貨が取り上げられるようになってだいぶ年月が経ちます。しかし、まだまだご存じない方も多いと思いますので、仮想通貨の基本的な知識を教えていただけますか?」 才田:「仮想通貨はデジタル資産の一種です。ブロックチェーン技術を基にしたバーチャル・アセットで、紙幣や硬貨といったリアルなお金の形はないですが、通貨的な役割をするものと言えばよいでしょうか。代表的なものにビットコインがあります。各国の中央銀行が発行・管理するものではないため怪しいイメージを持ってしまいがちですが、ブロックチェーンという改ざんされにくい技術を基に発行されており、取引の透明性や匿名性といった特徴があります。」 仮想通貨が注目された背景 高林:「ありがとうございます。仮想通貨が最初に注目され始めた時期とその背景について教えてください。」 才田:「私自身がビットコインの存在を知ったのは、2014年頃のある情報誌の仮想通貨特集記事を読んだときです。当時は1ビットコインの価値が100米ドル、日本円だと1万円少々だったと記憶しています。その時は興味深くは思いましたが購入には至りませんでした。 それから私もビットコインの歴史を含めて色々調べたのですが、リーマンショック後の中央集権的な通貨システムに対する不安感から、2009年1月3日に初めて公開されたとされています。公開後、最初に商取引されたのが2010年5月22日で、ネット上では5月22日を「ピザDay」としてピザでお祝いしているイメージがよくアップされます。というのも、この商取引は仮想通貨で初めてピザ2枚を買ったというものなんですね。ピザ2枚に10,000ビットコインが使われたようです。当時の価値で41米ドル、日本円では3700円程度でした。 初めての公開から15年ぐらいが経ちましたが、いまだと(10,000ビットコインは)日本円にして600億円くらいですから、それだけ世界中で注目、支持されるようになり、存在感が大きくなってきたことがわかります。」 仮想通貨の使い道 高林:「仮想通貨が誕生してから15年以上ということですが、現時点では実際に仮想通貨を使っているという話を身近で聞きません。実際のところ、仮想通貨はどのように利用されているのでしょうか。」 才田:「仮想通貨はデジタルとしての数字でしかなく、形が見えないのでわかりにくい面はあります。ただ、NFT(※)やDeFiのような新しい技術も仮想通貨をベースに進化しており、銀行送金などもこのようなデジタル技術を使うようになってきています。他にも、例えばゲームやウォーキングなど、何かしらの行動で仮想通貨を稼げるものもあります。 デジタル上で改ざんされない特徴がありますので、今後も銀行が介在しない新たな経済圏、新しい金融の取引としてさまざまな商取引でも使われるようになるのではないかと期待もしています。 」 (※)非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称: NFT) 高林:「ニュースなどでは仮想通貨でホテルの決済ができるようになったという情報を見聞きすることもあるのですが、世界的にこの傾向は広がるのでしょうか。」 才田:「オンライン決済できるサイトの中でも仮想通貨決済が可能なところがありますね。そうはいっても、やはりVisaやMasterCard®などカード決済の方がまだまだ多いのではないでしょうか。徐々に仮想通貨を持っている人が増えていけば、実際の商取引のなかで仮想通貨が使えるところは増えていくのではないかと思います。最近ではVISAやMasterCard®︎などが暗号資産企業、Web3企業と連携を深めるニュースも報道されるなど、既存金融との壁が薄くなっていることも感じます。」 仮想通貨を保有したまま海外移住は可能? 高林:「実際の買い物等で使えるようになるのはまだ先だとしても、価値の増大を期待して投機的に仮想通貨を購入する人もいると思います。海外移住や駐在が決まり、保有している仮想通貨を手放す必要があるのか、そのまま保有していていいのかという声も聞くのですが、どうするのが良いか教えていただけますか。」 才田:「仮想通貨自体は国に縛られないデジタル・アセットですが、国によって保有可否や保有可能な仮想通貨の種類といったルールが違います。そのため、まずは保有制限があるか、保有は可能でも仮想通貨の種類が限られているか、など移住先の国の規制を確認することが重要です。そのうえで、保有している仮想通貨を売却するかどうかという話になりますが、現時点では国外に出る際に売却しないといけないというルールがあるわけではありません。売却のタイミングはご自身で決めていただくことになります。 ただ、例えば日本の取引所で購入した仮想通貨を海外に出てから売却してよいか、移住先で決済に使ってよいかなどということは、各取引所のルールを確認することも必要です。一旦売却すると利益あるいは損失を確定することになり、利益が出たときには税金の問題が発生しますし、税金のルールも国によって異なることも気に留めておく必要があります。」 仮想通貨の税制は? 高林:「ありがとうございます。国によって税金の取り扱いが違うとのことですが、仮想通貨による利益に課税されない国はあるのでしょうか。」 才田:「ドバイは個人所得税がかからないため税金面だけを見ると多くの資産を持っている方にはいいでしょうね。香港やシンガポール、タイなどでも(仮想通貨を)売却決済したときの税金はほとんどかかりませんが、それぞれ保有できる人や保有できる種類、取引できる取引所などの規制があります。 いずれにしても課税関係だけで考えるのではなく、全体的な資産額やそこでの生活など、トータルなライフプラン、特に非居住者としての扱いを考えなければなりません。」 高林:「仮想通貨に関する税制は、日本ではどのようになっているか教えていただけますか。」 才田:「日本では、現時点では仮想通貨の売却益は雑所得として取り扱われています。株式のように譲渡所得(※)とはならず、他の所得の状況によっても税率が変わります。ですので、日本で利益確定して、他の所得とも合わせて課税所得額が大きくなると利益の半分近くを税金として納めなければならなくなる可能性もあります。仮想通貨は投資というより投機的な面が強いこともあって現時点では一般的な金融商品の税制とは扱いが異なりますが、業界団体の各方面から税制改正要望が上がってきているようです。」 (※)株式の売却益は譲渡所得となり申告分離課税ですが、雑所得は総合課税であり給与所得など他の所得と合算して課税されます。 仮想通貨は保有するべき? 高林:「投機的という点では、過去からの流れを見ると仮想通貨の価値がかなり上がっています。未来を考えると、まだ仮想通貨を持たれていない人はこれからでも購入して保有しておくのが良いのでしょうか。」 才田:「保有するかどうかはあくまでご自身で決めていただくことになりますが、持っておくのはいいと思います。現在の市場は不安定ですが、技術的な進化により長期的には成長が見込まれます。ただし、規制の変化や市場の不安定さはリスクとして捉えておく必要はあります。 今まったく仮想通貨を持たれていない方がこれから持つとした場合に何を、どこで購入して保有するかというのはしっかり考えなければなりません。例えば、日本居住者の購入を除外している取引所も出てきていますし、利益が出るかどうかの前に、法的に問題なく口座を開設できることが大切です。また、万一のハッキングに対する補償面も確認しておく必要もあります。そのうえで、どの仮想通貨を選ぶかということになります。仮想通貨にも種類がたくさんありますので、仮想通貨を発行し運営している会社の具体的な活動・取り組みについてもしっかりチェックしておかないといけません。個別株を選ぶ場合に似ていますが、入り口の規制段階から出口の売却、税金までの一連をしっかり確認したうえで問題ない状態で購入するのであれば、資産ポートフォリオの一つとして保有されておくのはいいと思います。」 他の資産との違いは? 高林:「法規制等も日進月歩に変わっていく可能性もありますし、仮想通貨は他の金融商品に比べて難易度は高いように思いました。他の資産に比べて資産運用をするうえでの違いなどがあればお伺いしたいです。」 才田:「デジタルとは真逆になりますが、一番わかりやすい例がゴールドです。金は2004年以降で価格が大きく飛躍したのですが、実はそのきっかけになったのが金のETFファンドの販売開始でした。金の現物は国をまたいだ持ち込みや実物管理が難しいのですが、ファンドになった瞬間にルールの明確な既存の金融商品となり、管理の難易度が下がります。ファンドの価格は金価格に応じて変動しますし、リターンもきちんと得られます。売却してリターンを得るときには金融商品として定められている範囲内での申告ができます。ファンドの価格変動リスクはありますが、金そのものへの投資自体はファンド会社が行いますので安心して金投資ができます。 これと同じように、仮想通貨も米国発でビットコイン初のファンドができてきています。おそらく日本でも仮想通貨のファンドが取り扱われるようになるでしょう。ですので、仮想通貨そのものへの投資が不安な方は、もう少し待てば証券会社を通して金融商品として投資できるようになるかもしれません。海外での仮想通貨ファンドへの投資であれば、一足先にご紹介できるプランもございますのでご興味があればご相談いただければと思います。」 高林:「ありがとうございます。今は、法的な規制などの難易度も高いため主に専門的な知識を持っている方の市場だけれども、今後いろんな整備がされていくということで、将来的には金融商品か何かを通して一般の投資家にも普及するタイミングが訪れるという理解で合っているでしょうか。」 才田:「はい。合っています。」 日本非居住者が仮想通貨を保有する際の注意点 高林:「日本人で非居住者に該当する方が仮想通貨口座やウォレットを保持する際、法的な注意点や実務的な問題はありますか?」 才田:「注意すべき点は多々ありますので、これが注意点とひと言で言うのは難しいです。ただ、ひとつ言えるのは、居住者としてきちんと居住権を取得している国の規制に従うことですね。あと、多くの国では個人ウォレットの保持に問題はありませんが、個人できちんと管理しておかなければなりません。例えば、交通事故に遭ってキーを紛失してしまうなどといったリスクも考えられます。金など現物を保管するのと同じような心がけは必要です。 あと、個人のウォレットはどの国にも所属していないグローバルなもので、これは仮想通貨のコンセプトであり、メリットとも言えますが、当局側からするとどの国のお金かわからないものを個人が持ち歩くことを許容し続けるとは考えにくいです。ですので、今後起こり得ることとしては、個人のウォレットにKYC(本人確認手続き)で保有者を特定できるようになるかもしれません。とにかく、居住国の規制を常に確認し、どの国の居住権のもとに行っているということをきちんと言えるようにしておくことが必要だと思います。」 仮想通貨の将来像は? 高林:「才田さんの見解としては、仮想通貨は将来的に決算手段として普及するとお考えですか?」 才田:「仮想通貨というと2009年のビットコインが最初ですが、実は30~40年前くらいからデジタル通貨構想が進められているという情報を耳にしたことがあります。というのも、マネーロンダリングの話を聞くことがあると思いますが、一番マネーロンダリングしやすいのはキャッシュ(現金)なんです。しかしデジタルになると、車のETCと同じで『どこから来て、どこへ行った』というのが必ずわかるようになります。今でもさまざまな国が中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)の導入に向けた議論がされていますよね。 ですので、仮想通貨はその前哨戦というか、将来的には規制の整備や技術の進化によってより広く普及する可能性があります。すでに一部の国や業界では仮想通貨が決済手段として使われるようになりましたが、アメリカでは不動産の権利をNFT化して専用の仮想通貨で売買するということも行われています。このようにリアルの資産の価値や権利をデジタルに転換するというRWA(Real World…
東南アジアで起業する流れを解説。日本人が進出する理由やメリットとは
東南アジアでの起業を検討しているけれど、具体的な手続きや進め方がわからないと悩んでいませんか?ビジネスチャンスにあふれる香港やマレーシア、シンガポールなどの東南アジア各国での起業は魅力的ですが、初めての海外進出には不安がつきものです。 現地の法規制や文化の違い、インフラの状況など、クリアすべき課題が多く、どこから手をつけて良いのかわからないこともあるでしょう。 この記事では、そんな悩みを抱えるあなたに向けて、東南アジア各国での起業の流れをわかりやすく説明します。ぜひ参考にしてみてください。 1.東南アジアで起業する日本人が増えている理由 東南アジアで起業する日本人が増えている背景には、地域全体の高いGDP成長率が大きな要因としてあります。しかし、起業にはメリットだけでなく、文化や法規制の違いなど、デメリットも存在することを把握しておきましょう。 これら3つの視点からそれぞれのポイントについて解説します。 日本よりも高いGDP成長率に着目 東南アジア諸国の多くは日本より高い経済成長率で推移しており、アジア開発銀行のデータによれば、東南アジア地域の2024年のGDP成長率は4.6%のとなる見通しです。2023年度日本の1.2%と比較すると、非常に高い水準を維持しています。 GDP成長率の高さに加え、今後も人口の増加やそれに伴う労働力・消費人口の増加が予想されており、東南アジアはますます魅力的な市場です。日本企業や日本人が東南アジアに進出し、出資や起業する理由の1つとなっています。 出典:アジア投資開発銀行「ADB、アジア新興国・地域の2024年と2025年の経済成長率を4.9%と予測」出典:内閣府「国民経済計算(GDP統計) – 経済社会総合研究所 – 内閣府」 東南アジアで起業するメリット・デメリット 東南アジアで起業する際のメリットとデメリットを把握しておくことは重要です。メリットには成長市場や低コストの労働力が含まれ、一方でデメリットには法規制の違いや文化的障壁があります。 東南アジアで起業するメリット 東南アジアの国々は日本に比べて賃金が安く、若い労働者が多いのが特徴です。そのため、現地で人材を雇用することにより、国内と比べて大幅にコストをおさえられます。また、親日国家も多く勤勉な人も多いため、高いスキルを持った人材を採用できるのが魅力です。 東南アジアで起業するデメリット 著しい経済成長が見込まれる代わりに、環境対策が十分になされていない場合もあります。光化学スモッグなどによって都市での生活に影響が出ているケースもあります。 また、日本よりもインフラが整備されていない国もまだ多いため、ビジネスモデルによっては起業がしにくい状況であることも考えられます。自分が実現したいビジネスモデルと、その国の環境の相性についても事前に調査することをおすすめします。 東南アジアにおけるビジネス上の課題 東南アジアでビジネスを展開する際には、いくつかの課題に直面することがあります。これらの課題を理解し、適切に対処することが成功の鍵となります。 これらの3つの課題について詳しく説明します。 インフラが日本ほど整備されていない 東南アジアは多くの国々で経済成長が進んでいる一方で、インフラの整備が日本ほど進んでいない地域もあります。地方では道路や公共交通機関が都市部ほど整備されておらず、物流や移動に時間がかかることがあります。 電力供給やインターネット接続の安定性も課題であり、ビジネスの運営に支障をきたすことも考慮しておかなければなりません。また、熱帯の地域でもあるため、雨が多く洪水や台風などが多い地域です。しかし、自然災害に対するインフラの耐性が十分でない場合もあり、ビジネスに影響を与えることがあります。 現地のインフラ状況を事前に調査し、適切な対応策を講じることが重要です。 法整備が十分では無い ビジネス環境が急速に発展している一方で、法整備が十分に進んでいない国も存在します。特にビジネス関連の法規制や契約の執行において、日本と比べると不透明さや一貫性がない部分がある国も少なくありません。そのため、起業時やビジネスを進めていくなかで予期しない法的リスクやトラブルに直面する可能性があります。 さらに、税制や労働法などの規制が頻繁に変更されることもあり、企業はその都度対応を迫られることも考慮しておきましょう。 円滑に起業するためにも、法的な課題に対処可能な現地の法制度に精通した専門家と連携し、常に最新の情報を収集することが重要です。 政情リスクや社会情勢、治安に問題がある 東南アジアの一部の国では、政情不安や社会情勢、治安に関する問題がビジネス活動に影響を与えることがあります。例えば、政権交代や政治的な不安定さにより、規制や政策が突然変更されるリスクが存在します。 ベトナムは社会主義制度を実施している国家であり、インドネシアはイスラム教徒が多い国であるため、思想が日本と異なっていることも理解して置かなければなりません。文化や国のルールの違いにより、自分が考えていたビジネス計画や戦略の再調整を余儀なくされることもあります。 また、一部の地域では治安が不安定なところもあり、社会的な不安や抗議活動が発生する可能性もゼロではありません。犯罪やテロのリスクに対する対策も必要です。 万が一のときのために、従業員の安全確保や、施設のセキュリティ強化が必要となる場合があります。リスクに対処するためには、現地の状況を常に把握し、適切なリスクマネジメントを行うことが重要です。 2. 東南アジアで起業する流れとは? 東南アジアでの起業には、各国ごとに異なる手続きや要件が存在します。起業を考えている国における企業の流れをあらかじめ理解しておきましょう。 3つの国における起業の流れについて詳しく解説します。 香港での起業の流れ 香港で会社設立を行う流れは以下のとおりです。 使用予定の会社名は中国表記は任意となっています。会社登録申請では、オンラインで行えば1時間程度で、書面で申請する場合は通常4営業日以内に会社設立証明書と商業登記証が発行されます。 法人銀行口座の開設を行う際、商業登記証が必要となり、始めから銀行口座開設完了までに約1〜2ヶ月程度かかると考えておきましょう。 香港で起業、会社設立を行うのは比較的簡単で、最低資本金が1香港ドルであることや、外国人でも自由に就労でき、1人で会社設立することも可能です。 シンガポールでの起業の流れ シンガポールで会社設立を行う流れは以下のとおりです。 シンガポールでは外資規制のある職種があります。例えば、メディア、電気やガスなどのインフラ、金融に関する業種などです。また、起業の際は法人設立代行会社などを通してサポートを依頼するのが一般的で、自身のニーズを把握し、複数の代行業者と比較検討することが大切です。 会社名の予約は会計企業規制庁(ACRA)のウェブサイトから使いたい商号の予約が行えます。予約した商号は60日間有効で会社設立登記を有効期間内に行います。 銀行口座開設まではおおよそ2、3ヶ月程度かかることを想定して、会社設立の準備を行いましょう。 マレーシアでの起業の流れ マレーシアで会社設立を行う流れは以下のとおりです。 マレーシアで設立する会社名について、既に同一の会社名や類似商号が存在しないか調べることをネームサーチと言います。許可が出れば、設立時の発起人及び取締役の選定に進みます。 取締役は2017年1月31日付で施行された新しい法律により、マレーシア国内に居住する取締役が1名いれば問題ありません。また、取締役はマレーシア人である必要はありません。…
現物資産(実物資産)とは?種類一覧・おすすめランキング・リスクをFPが徹底解説【2026年版】
現物資産(実物資産)とは、金(ゴールド)、不動産、高級時計、宝石など、形のある「モノ」としての資産のことです。株式や債券のようなペーパー資産とは異なり、実体があるためインフレや通貨価値の下落に強いという特徴があります。 2026年現在、円安とインフレが同時進行する中で「将来、資産になるものに投資したい」「物への投資で資産を守りたい」というニーズが高まっています。本記事では、110 Financial SupportのFPが、現物資産の種類一覧から資産価値ランキング、そしてリスクまでを網羅的に解説します。 この記事でわかること 現金以外に持っておくべき資産の候補 円安やインフレが進む中、資産を分散させることは非常に重要です。現金の価値が下がるリスクに備えるため、現金以外にも外貨預金や株式、債券、コモディティ(商品先物)など多様な資産を持つことで、資産全体を安定させることができます。 それぞれの特性やメリット、リスクを理解し、バランスの取れたポートフォリオを構築しましょう。以下に、代表的な資産候補について解説します。 外貨預金 外貨預金とは、日本円ではなく外国の通貨で預金することで、米ドル、ユーロ、豪ドルなど多様な通貨を選べます。円安が進む中で、日本円の価値が相対的に下がるリスクを軽減し、為替差益を狙える点が魅力です。 例えば、円安により外貨預金していた通貨が円に対して高く円高方向になれば、円に戻すことで為替差益が得られます。特に海外在住の方は、現地通貨での生活費などをカバーするためにも有効な手段です。さらに、日本国内の外貨預金専用口座ではなく、海外の銀行で直接口座を開設することで、日本国内の規制から離れた自由な資産運用が可能です。※もちろん把握はされていますので脱税行為を考えている場合は意味がありません。 ただし、為替リスクもあるため、為替の動向や各通貨の金利状況を常に把握しながら運用することが大切です。また、日本では預金を預けていた金融機関が破綻した際は、外貨預金には預金保険が適用されないため注意する必要があります。 外貨預金は、他の資産と組み合わせて持つことで資産全体のリスクヘッジとして効果を発揮します。円安時代における重要な資産候補として、まず検討したい選択肢のひとつです。 株式投資 株式投資は、企業の株式を購入し、その企業の成長や業績に応じて配当や株価上昇益を得る資産運用方法です。円安が進む中、特に日本国外の企業への投資は資産を日本円の下落から守りつつ、為替差益も狙うことができます。 海外在住者にとって、現地での株式投資はその地域の経済成長にダイレクトに乗る手段とmなるでしょう。例えば、米国市場の株式は長期的に見て高い成長率を誇り、他の市場に比べて安定したリターンが期待できます。加えて、為替リスクを分散しながらポートフォリオ全体のリスク軽減にもつながります。 ただし、株式市場は値動きが激しく変動リスクも高いため、各企業の業績や市場動向を慎重に分析し、長期的な視点で運用することが重要です。個別銘柄への投資が難しいとお考えの場合は、分散投資が可能なETF(上場投資信託)やインデックスファンド(SP500など)を活用するのも効果的です。 また、日本国内と異なり海外の証券口座を利用することで、取引手数料の削減や多様な投資商品へのアクセスが可能となります。株式投資はインフレと円安の時代に、成長性を重視した投資戦略を立てる上で欠かせない選択肢の一つです。 債券 債券は、国や企業が資金調達のために発行する有価証券で、満期まで保有することで元本の返済と定期的な利息収入が期待できる資産運用方法です。株式投資に比べてリスクが低く、比較的安定したリターンが得られるため、円安とインフレ時代に資産を保全する手段として重要な候補になり得ます。 海外在住者にとっては、特に日本国外の通貨建ての債券への投資が、為替リスクのヘッジや利回り向上に役立ちます。例えば、米ドル建ての米国債やユーロ建ての欧州債券は、世界的に信用が高く、安全資産として人気です。また、新興国のソブリン(政府や政府機関が発行している)債券や企業債券は高利回りが魅力で、リスク許容度に応じて選択肢に入れるといいでしょう。 債券投資は、投資信託やETFを通じて分散投資することで、個別債券のリスクを抑えつつ安定した収益を得ることができます。また、海外の証券会社を利用すれば、より多様な債券に直接アクセスすることも可能です。 ただし、債券には利上げ局面で価格が下落する金利リスクや、政府や企業などの発行者の信用状態に依存する信用リスクがあるため、市場動向を注視しながら分散投資を心がける必要があります。金利による定期収入、定期リターンを中心に満期まで保有するイメージか、価格の上下で売買し売買益を確保するのか?大枠でも投資戦略を立てておくと良いでしょう。 商品先物(コモディティ) 商品先物(コモディティ)は、金や銀、プラチナなどの貴金属、原油、天然ガスといったエネルギー、さらには大豆や小麦などの農産物といった実物資産を対象とする投資商品です。商品先物市場での取引を通じてこれらに投資することで、インフレや円安に対するヘッジとして活用できます。 特に金は「安全資産」として知られ、インフレや通貨価値の下落、戦争などの有事に強く、リスクヘッジの手段として有効です。原油や天然ガスも世界のエネルギー需要に密接に関連しており、供給リスクや地政学的リスクなどから価格が変動しやすいため、商品によっては短期的なリターンを狙う投資家に適しています。 農産物に関しては、気候変動や政治的な影響を受けるため、価格の変動が激しい一方で、長期的には人口増加に伴う需要増が見込まれます。 コモディティ投資は、個別の先物取引だけでなく、最近ではETFや投資信託を通じて分散投資することも可能です。特に商品指数連動型のETFは、個々の商品のリスクを抑えながらコモディティ全体へのエクスポージャーを持てるため、初心者にもおすすめです。 ただし、コモディティは市場の変動が激しく、投機的な要素も含むため、しっかりとした市場分析とリスク管理が必要です。コモディティ投資は、現物資産や株式、債券と組み合わせたバランスの良いポートフォリオを構築する上で有効な選択肢の一つです。 現物資産 現物資産は、金や銀などの貴金属、不動産、アート、アンティークといった物理的な形で保有できる資産のことを指します。インフレや円安といった経済変動に強く、価値を保全するための有効な手段として近年注目を集めています。 特に貴金属は、世界的に「安全資産」としての評価が高く、通貨価値の下落に対するリスクヘッジとして長期的に信頼されています。金や銀は流動性が高く、比較的少額から投資できる点も魅力です。 不動産も現物資産の代表的な一つで、国内外の不動産への投資は賃料収入やキャピタルゲインを通じて安定的なリターンが期待できます。特に海外在住者にとっては、現地不動産への投資がその国の通貨での資産保全に役立ちます。 また、アートやアンティーク品は趣味として楽しみながら資産として保有できるのが特徴です。限定された希少性から市場価値が上昇する可能性もあります。同様に、歴史的な価値を持つコインや切手などのコレクターズアイテムも魅力的です。 実物資産の種類一覧|投資対象となる「物」を総整理 実物資産には多くの種類があります。投資対象として一般的なものから、ニッチなものまで一覧で整理しました。 カテゴリ 具体例 流動性 保管コスト インフレ耐性 貴金属 金(ゴールド)、銀、プラチナ 高い 低い〜中程度 非常に高い 不動産 居住用不動産、商業用不動産、土地 低い 高い 高い 高級時計 ロレックス、パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ 中程度 低い…
青汁王子が資産を失った「信用取引」と「追証」とは?|海外金融業界の時事ニュースを解説
はじめに かつて青汁事業で成功を収め「青汁王子」として一躍有名になり、さまざまなビジネスやメディア活動を展開して多くのフォロワーを獲得している実業家の三崎優太氏。8月13日に、その三崎氏がX(旧Twitter)で、「何を隠すこともなくお金がなくなりました。リアルになくなりました」と8万6130円となった預金残高の画像を公開し話題となりました。 三崎優太氏といえば、そのカリスマ性と大胆な発言で多くのメディアやSNSで注目を集めて来た人物のため、今回も話題作りではないか、という意見もあります。しかし、株式の信用取引によって全ての財産を失ったと言っており、多くの人がその取引や真意に関心を寄せています。三崎氏が全財産を失ってしまったとされる信用取引というのは、一体どのようなものなのでしょうか。 信用取引とは 信用取引は簡単に言うと、自分が所持している資金力以上の金額で株式投資を行うことです。自分の資金や株式などを担保にして、証券会社から株の買付に必要なお金を借りて投資する仕組みです。通常の現物取引の場合、資金がなければ株式を購入することは出来ませんが、信用取引の場合、手元に投資金額がなくても、いわゆる「レバレッジ」を活用して大きな金額を動かして株式取引が出来るので、投資のチャンスを逃すことなく大きな利益を狙うことができるのです。一方で、信用取引にはリスクもあり、自己資金以上の損失が発生することやコストが発生する可能性があります。リスク管理を怠り、ギャンブルのような取引を行う人の中には、借金をするほど大きな損失を出してしまう人も一定数存在しているのです。 信用取引のメリット 信用取引のメリットは大きく分けて2つあります。 ①資金効率が向上する 信用取引の場合、一般的に取引額の30%の保証金を納めることで、自己資金の約3.3倍の取引ができるようになります。自己資金は変わらないまま取引可能な金額が増えるので、資金効率の向上を図ることが出来ます。これがいわゆる「レバレッジ効果」というものです。手元に資産が少なくても、大きな利益を得るチャンスがあります。 ②株価下落局面で利益が狙える 現物取引の場合、一般的に買いでしかポジションを保有することができない仕組みになっています。そのため、株価が上昇することでしか利益を上げることができません。一方で、信用取引の場合は、買いだけでなく売りから取引を始めることができるため、株価の下落局面でも利益を狙うことが可能です。 信用取引のデメリット 一方で、信用取引にはデメリットもあります。 ①大きな損失が出ることがある 信用取引は、自己資金の約3.3倍までレバレッジをかけた取引ができるため、大きな利益が出る期待がある一方、株価が思わぬ方向に大きく動いた場合、損失時のリスクも同様に大きくなります。 ②追証が発生することがある 追証(おいしょう)とは、株式の変動によって、追加で委託保証金と呼ばれる担保の差し入れが必要となった状況のことをいいます。追証が発生した場合、証券会社が指定する日時までに入金を行う必要があります。 ③現物取引よりもコストがかかる 現物取引でかかるコストは、基本的に売買手数料のみですが、信用取引では現物取引にないさまざまなコストがかかります。証券会社にもよりますが、注文あたりの約定代金で売買手数料を定めていたり、1日定額で売買手数料を定めていたりします。また、信用取引、証券会社から現金や株券を借りて取引を行うため、売買手数料のほかに現金を借りることで発生する金利や、株券を借りることで発生する貸株料などのコストがかかります。 追証(おいしょう)とは? 追証(おいしょう)について、もう少し詳細に説明しておきましょう。追証とは「追加保証金」の略で、資金が一定の基準を下回った場合に、証券会社から求められる保証金のことを指します。信用取引の委託保証金には「最低保証金率」というものが定められています。これは信用取引をしている金額に対して、維持しなければならないという保証金の割合のことです。 信用取引をしている銘柄が値下がりして含み損が生じ、最低保証金率を保つために必要な額含み損が生じての割合が低下した最低保証金率を保つために必要な額を下回った際に、証券会社が追証を要求するのです。一般的には、証券会社から資金を借りて信用取引をする際に、30%以上の保証金を担保として入れておく必要があります。例えば、50万円の保証金を委託し、150万円の信用買いを始めるとしましょう。この保証金の額が信用買いをした銘柄の値下がりなどによって減少し、30万円を割り込むと追証が必要となります。従って、信用取引をする場合、最低保証金維持率と保証金のチェックは不可欠となります。 青汁王子のケース 2024年8月、今年史上最高値をつけた日経平均株価は5日に大暴落を起こしました。市場開始直後から売り注文が殺到し、売りが売りを呼ぶパニック状態となって、日経平均株価の終値は4451円安の3万1458円と、米国市場の大暴落「ブラックマンデー」の翌日に記録した3836円安を超える過去最大の下げ幅となりました。青汁王子こと三崎優太氏は、この8月5日の日経平均株価の大暴落により、資産を失ってしまったと言われています。おそらく信用取引を行っている際に株価が暴落し、多額の追証が必要になって資金不足に陥ったと推測されます。また、青汁王子が持っていた銘柄の株の時価総額が担保となっていたところ、日経平均株価の暴落によって価値が急落して強制決済が行われた可能性もあります。その後青汁王子は、信用取引口座を閉鎖したことを発表しており、「もう二度と同じ過ちは繰り返しません。株をやるなら必ず現物で、間違っても信用取引にだけは手を出してはいけない。下手をしたら本当に借金を背負うことになる。どうか同じような失敗をする人がいなくなりますように」とのコメントをX上で投稿しています。 おわりに 信用取引は、レバレッジをかけて大きな金額を動かすことが出来るのが魅力で、短期間で利益を狙うのに適した取引方法です。しかし、株価が予想と逆方向に動いた場合は多額の追証が発生して破産してしまうリスクもあります。信用取引は返済期日が決まっていたり、保有日数に応じて手数料がかかるなど、長期保有には向いていません。三崎氏は現在も通常の活動ができていることもあり、実際のところ大事には至っていないのかもしれません。その後三崎氏は、「三崎顧問制度」という経営サポートのような新ビジネスを開始することを発表していますので、今回の騒動はその宣伝や話題作りであった可能性も大きいです。しかし、私たち一般の投資家は、信用取引について正しく理解しながらリスクを抑えて投資することが重要です。現物取引であれば、最悪全財産を失う・・・だけですが、レバレッジをかけて信用取引をするという事は、全財産を失うだけでなく、更に莫大な借金を抱えてしまい、一生涯社会復帰できないような資産状態になる可能性ゼロではない事を肝に銘じておいてください。仕組みとルール、そして無理のない(失っても大丈夫な範囲)で、十分な証拠金と損失管理を行ったうえで、信用取引で大きな利益を目指しましょう。 海外資産運用は、110(ワンテン)グループへ 「110 Financial Support」では、海外在住者や海外移住を検討されている方の資産運用をサポートをしています。海外での資産運用では、資金シミュレーションはもちろん、税務知識の専門性や海外現地の情勢、物価上昇や想定外の出費など、多岐にわたる要因を考慮することが必要です。 といったお困りごとがあれば、日本人サポート実績20年以上の「110 Financial Support」までご相談ください。海外在住者や海外移住N-2年前のご準備段階の方も、あなたの資産運用状況を踏まえ、最適な資産運用プランづくり・適正化のサポートをいたします。ぜひお気軽にご相談ください。