老後のベトナム移住はあり?生活費・ビザ・年金・失敗しないポイントを紹介

物価の安さや温暖な気候、食事の親しみやすさなどから、ベトナムへの老後移住を検討している人もいるのではないでしょうか。

「退職後はベトナムでゆっくり暮らしたい」
「日本の年金だけで生活できるのか知りたい」
「ベトナムには退職者向けのビザがあるの?」
「ホーチミン、ダナン、ハノイのどこが老後生活に向いている?」

このような疑問を持つ人は少なくありません。

結論からいうと、ベトナムは数週間から数カ月のロングステイ先としては魅力的ですが、仕事・投資・家族関係などの滞在資格がない人が、退職後に長期間住み続けるのは簡単ではありません。

2026年7月時点で、ベトナムには年齢や年金収入、保有資産だけを条件とする一般的なリタイアメントビザがないためです。

そのため、最初から日本の生活基盤を手放して完全移住するのではなく、45日から90日程度の試験滞在や、日本とベトナムを行き来する季節移住から始めるのが現実的です。

この記事では、ベトナムへのリタイア移住の魅力、老後の生活費、必要資金、ビザ、年金、保険、資産運用、都市ごとの特徴、失敗を避けるための準備について詳しく解説します。

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Contents

ベトナムへの老後移住は可能?

ベトナムに住むこと自体は可能ですが、観光目的の滞在と、生活拠点を移す長期移住は分けて考える必要があります。

日本国籍者は一定の条件を満たせば、ビザを取得せずにベトナムへ入国できます。

査証免除で滞在できる期間は、入国日から45日以内です。入国時点でパスポートの有効期間が6カ月以上残っていることや、帰国または第三国へ出国する航空券を持っていることなどが条件となります。査証免除で入国した場合、原則としてベトナム国内で滞在期間を延長することはできません。

45日を超えて滞在したい場合は、事前に電子ビザ(e-Visa)を取得する方法があります。電子ビザの有効期間は最長90日で、1回入国と複数回入国のいずれかを選択できます。

ただし、45日間の査証免除に90日間をそのまま追加できるわけではありません。また、電子ビザを取得すれば自動的にベトナムへ永住できるわけでもありません。

ベトナムにリタイア移住できる退職ビザはある?

「ベトナムの退職ビザ」や「ベトナムのロングステイビザ」を探している人もいますが、2026年7月時点で、ベトナム政府の公式案内には、年齢・年金収入・預貯金だけを条件とした一般的なリタイアメントビザは確認できません。

タイやマレーシアなどには、一定の年齢や収入、資産を条件とする長期滞在制度があります。一方、ベトナムでは「退職した人だから」「十分な年金や資産があるから」という理由だけでは、長期滞在資格を取得できないのが現状です。

90日を超えて継続的に滞在するには、おもに次のような資格が必要です。

  • ベトナム企業で働くための就労資格
  • ベトナム国内で事業を行うための投資資格
  • ベトナム人または適法な滞在資格を持つ家族との関係に基づく資格
  • 学校などへ通うための留学資格
  • その他、ベトナムの法令で認められた滞在資格

就労や投資の名目を形式的に用意すればよいわけではありません。実際の雇用関係、投資、事業活動などが求められるため、老後の滞在資格を取得するためだけに安易に会社を設立することはおすすめできません。

ビザ制度は変更される可能性があるため、実際に申請する際は、ベトナム出入国管理局、在日ベトナム大使館、外務省などの最新情報を確認してください。

老後のベトナム移住が注目される5つの理由

1.日本人にも親しみやすい食文化

健康にも関わる食事が自分に合うかどうかは、海外で生活するうえで重要です。

ベトナムには、フォー、ブン、春巻き、チャーハン、おかゆなど、米や米麺を使った料理が数多くあります。

野菜やハーブを多く使った料理、比較的あっさりとした味つけの料理も多く、海外の食事に慣れていない人でも選択肢を見つけやすいでしょう。

ただし、料理によってはパクチー、ヌクマム、唐辛子、八角などが使われます。すべてのベトナム料理が日本人に合うとは限らないため、試験滞在中に日常的に食べられる店を探しておくことが大切です。

ハノイ、ホーチミン、ダナンなどの都市部には、日本食レストラン、日本の食品を扱うスーパーマーケット、輸入食品店もあります。ただし、日本から輸入された米、調味料、加工食品などは、現地の商品より高くなる傾向があります。

2.生活スタイルによっては生活費を抑えやすい

ベトナムでは、ローカルレストランでの食事、配車サービス、通信費、美容サービスなどを日本より安く利用できることがあります。

現地の商品やサービスを中心に生活すれば、毎月の生活費を抑えられる可能性があるでしょう。

一方で、次のような生活を希望すると支出は増えます。

  • 外国人向けの設備が整ったコンドミニアムに住む
  • 日本食や輸入食品を日常的に購入する
  • 日本語対応の私立病院を利用する
  • 配車サービスやタクシーを頻繁に利用する
  • 補償の充実した海外医療保険に加入する
  • 日本へ定期的に一時帰国する

「ベトナムなら日本の半額で暮らせる」と一律に考えるのではなく、自分が希望する住居、食事、医療、移動手段をもとに生活費を計算する必要があります。

3.暖かい地域を選べる

ベトナムは南北に細長く、地域によって気候が大きく異なります。

南部のホーチミンは年間を通して暑く、北部のハノイには比較的はっきりとした季節の変化があります。中部のダナンは温暖なビーチリゾートですが、台風や大雨、浸水の影響を受けることがあります。

寒さが苦手な人にとって、暖かい環境で暮らせることは魅力です。ただし、高温多湿の気候は、熱中症、脱水、疲労、睡眠不足などの原因にもなります。

特に高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくくなることがあるため、こまめな水分補給や休憩が必要です。外務省も、高温多湿の環境では熱中症や脱水症への対策が必要だと案内しています。

4.都市によって異なる暮らし方を選べる

ベトナムでは、にぎやかな大都市、海沿いのリゾート都市、歴史や文化が残る都市など、自分の希望に合った滞在先を選べます。

  • 利便性や医療環境を重視するならホーチミン
  • 海の近くで比較的ゆったり暮らしたいならダナン
  • 文化、食事、季節の変化を楽しみたいならハノイ

ただし、観光で訪れたときの印象と、毎日生活したときの印象は異なります。少なくとも数週間、できれば雨季と乾季の両方を体験してから都市を決めるのがおすすめです。

5.国内外への旅行を楽しみやすい

ベトナム国内には、ダナン、ニャチャン、フーコックなどのビーチリゾートがあります。

ダナン周辺には世界遺産の街ホイアンや古都フエがあり、ハノイからはハロン湾やニンビン、ホーチミンからはメコンデルタなどへアクセスできます。

日本に住んでいると長期休暇が必要になる東南アジア各国にも、比較的短時間で移動できます。退職後に国内外の旅行を楽しみたい人にとって、ベトナムは魅力的な拠点となるでしょう。

ホーチミン・ダナン・ハノイの老後生活を比較

ベトナムへの老後移住を考える際は、都市ごとの気候、医療、交通、生活費を比較することが大切です。

都市おもな魅力注意点向いている人
ホーチミン生活利便性が高く、私立病院や日本語対応クリニックの選択肢が比較的多い交通量、騒音、暑さ、中心部の家賃便利な都市生活や医療環境を重視する人
ダナン海に近く、街が比較的コンパクト。ホイアンやフエにも行きやすい台風、大雨、浸水、ハノイ・ホーチミンより限られる高度医療海辺でゆったり暮らしたい人
ハノイ文化や歴史、日本食、医療機関などの選択肢が多い冬の寒さ、乾季の大気汚染、交通量季節の変化や都市文化を楽しみたい人

ホーチミンへの老後移住

ホーチミンは、買い物、外食、医療、交通などの利便性を重視する人に向いています。

日本人や外国人が利用しやすい私立病院、日系クリニック、日本食レストランなどが比較的充実しているため、海外生活が初めての人でも生活環境を整えやすいでしょう。外務省も、ホーチミンには日本語対応が可能な私立病院・クリニックがあると案内しています。

一方で、バイクや自動車の交通量が多く、騒音や大気汚染、道路横断の難しさなどにストレスを感じることがあります。

中心部や外国人に人気の地区では、設備の整った住居の家賃が高くなる場合もあります。

ダナンへの老後移住

ダナンは、ビーチの近くで比較的ゆったりと暮らしたい人に人気のある都市です。

街の中心部、ビーチ、空港などが比較的近く、ホーチミンやハノイよりコンパクトな生活圏をつくりやすい点が魅力です。

ただし、「ダナンは必ずホーチミンより安い」とは限りません。2026年6月のNumbeoの投稿データでは、1ベッドルームの平均家賃は、ダナン中心部で約1,335万vnd(約8万2,800円)、中心部以外で約831万vnd(約5万1,500円)となっています。物件の設備や立地、契約期間によって家賃は大きく異なります。

また、中部は台風や大雨の影響を受けやすいため、住居を選ぶ際は過去の浸水状況、非常用電源、停電・断水時の対応も確認しましょう。

高度な検査や専門治療が必要な場合、ハノイ、ホーチミン、日本、近隣国への移動を検討する可能性もあります。

ハノイでの老後生活

ハノイは、歴史や文化、食事、季節の変化を楽しみたい人に向いています。

日本人向けの医療機関や飲食店があり、大使館などの行政機関へのアクセスも比較的便利です。

一方、冬には気温が下がり、暖房設備の少ない住宅では室内を寒く感じることがあります。また、乾季にはPM2.5の値が高くなる傾向があるため、呼吸器や心臓に持病がある人は注意が必要です。

2026年6月のNumbeoの投稿データでは、ハノイの1ベッドルームの平均家賃は、中心部で約1,100万vnd(約6万8,200円)、中心部以外で約755万vnd(約4万6,800円)です。

ベトナムの老後生活費はいくら?

ベトナムでの老後生活費は、住む都市、住宅の水準、食事、保険、医療、日本への帰国回数によって大きく異なります。

2026年6月のNumbeoの投稿データを見ると、ハノイ、ダナン、ホーチミンの1ベッドルームの平均家賃は、中心部以外で約686万~831万vnd(約4万2,500~5万1,500円)、中心部では約1,100万~1,498万vnd(約6万8,200~9万2,900円)となっています。

ただし、Numbeoは利用者から投稿された情報を集計したデータです。外国人向けの新しいコンドミニアム、日本語対応、家具・家電、清掃サービスなどを希望すると、この平均額を上回る可能性があります。

1人暮らしの生活費目安

以下は、都市部で比較的無理のない生活をする場合の一例です。

項目1カ月の目安
家賃800万~1,800万vnd(約5万~11万2,000円)
水道・電気・インターネット・通信費200万~400万vnd(約1万2,000~2万5,000円)
食費600万~1,200万vnd(約3万7,000~7万4,000円)
交通費100万~400万vnd(約6,000~2万5,000円)
医療保険・医療予備費300万~1,200万vnd以上(約1万9,000~7万4,000円以上)
娯楽・日用品・交際費300万~800万vnd(約1万9,000~5万円)
合計約2,300万~5,800万vnd(約14万3,000~36万円)

実際には、月2,500万~5,500万vnd(約15万5,000~34万1,000円)の目安程度を一つの目安にするとよいでしょう。

夫婦2人の生活費目安

夫婦2人の場合は、月4,000万~8,000万vnd程度(約24万8,000~49万6,000円)が一つの目安です。

住居やインターネットは共有できますが、食費、保険、医療費、航空券などは2人分必要になります。日本食中心の生活や頻繁な一時帰国を希望する場合は、さらに余裕が必要です。

上記は当サイトによる試算であり、実際の金額を保証するものではありません。日本円換算は1VND=約0.0062円として計算しています。為替相場によって実際の金額は変動します。

ベトナム移住に必要な資金はいくら?

ベトナムには一般的なリタイアメントビザがないため、「○円以上持っていれば退職ビザを取得できる」という公的な必要資金の基準はありません。

しかし、実際に生活を始めるには、毎月の生活費とは別に初期費用や緊急資金が必要です。

おもな初期費用には、次のものがあります。

  • 航空券
  • ビザ申請費用
  • 仮住まいのホテル代
  • 住居の保証金と前払い家賃
  • 家具・家電・生活用品
  • 海外医療保険
  • 健康診断や予防接種
  • 日本への緊急帰国費用
  • 予想外の入院・治療費
  • ビザの更新や出入国にかかる費用

1人で移住する場合は少なくとも1億5,000万~3億5,000万vnd(約93万~217万円)、夫婦の場合は2億5,000万~5億vnd程度(約155万~310万円)を、当面の生活資金として別に確保しておくと安心です。

これはおおむね6カ月分の生活費、住居の初期費用、航空券、緊急費用などを想定した目安です。長期的な老後資金や将来の介護費用、医療費は別に準備する必要があります。

ベトナム移住のデメリットと注意点7つ

1.リタイアメントビザがない

ベトナム移住の最大のデメリットは、退職者向けの長期滞在制度が整っていないことです。観光目的で45日または90日滞在することはできますが、それだけで継続的に住み続けられるわけではありません。

頻繁な出入国やビザ申請を負担に感じる人には、タイやマレーシアなど、退職者向けの制度がある国のほうが適している可能性があります。

2.日本と同じ医療を受けられるとは限らない

外務省は、ベトナムの医療環境と医療水準は日本と比べて劣り、都市部と地方、公立病院と私立病院でも大きな差があると案内しています。

ハノイやホーチミンには近代的な設備を持つ私立病院や日系クリニックがありますが、高度な医療が必要な場合は、日本や近隣の医療先進国へ緊急移送される可能性があります。

3.交通環境に慣れる必要がある

ベトナムではバイクや自動車の交通量が多く、日本とは交通ルールや道路の使われ方も異なります。

外務省は、道路を横断中の日本人が事故に巻き込まれた事例があるとして、歩行時にも十分注意するよう案内しています。2025年には、ベトナム国内で1万337人の交通事故死者が報告されています。

高齢になってからのバイク運転は特にリスクが高いため、配車サービス、タクシー、送迎サービスなどを利用する方法も検討しましょう。

4.衛生環境や感染症への対策が必要

ベトナムでは、食中毒、急性胃腸炎、デング熱、A型肝炎、狂犬病など、日本より感染リスクが高い病気があります。

水道水は飲用に適しているとはいえないため、ボトルウォーターや適切に管理された浄水器の水を使用しましょう。外食時は、食材の保管状態や店舗の衛生状態も確認する必要があります。

デング熱はベトナム全土で感染する可能性があり、特に蚊が増える雨季は注意が必要です。長袖・長ズボン、防虫剤、網戸などを活用してください。

5.物価上昇と為替変動がある

ベトナム国家統計局によると、2025年の消費者物価指数は前年比3.31%上昇しました。ベトナムの物価が今後も日本より安いとは限りません。家賃、医療費、保険料、輸入食品などが上昇する可能性もあります。

また、日本円とベトナムドンの為替相場によって、同じ年金額でも現地で使える金額が変わります。生活費は現在の為替だけでなく、円安や物価上昇も想定して計算しましょう。

6.言葉や文化の違いがある

都市部のホテル、私立病院、外国人向け施設では英語が通じることがありますが、日常生活のすべてを英語や日本語だけで済ませられるとは限りません。

地方の病院では、基本的にベトナム語での対応になると外務省も案内しています。簡単なベトナム語を覚える、翻訳アプリを利用する、緊急時に通訳を頼める連絡先を用意するなどの準備が必要です。

7.スリ・ひったくりなどへの注意が必要

外国人が訪れる繁華街や市場では、スリ、置き引き、バイクによるひったくりなどが報告されています。

特に夜間に屋外でスマートフォンを使用する、歩道側にバッグを持つ、貴重品を一つの財布にまとめるといった行動は避けましょう。

ベトナムの医療費は日本人にとって高い?

ベトナムのローカル医療機関は日本より安く受診できる場合があります。一方、日本人や外国人が利用しやすい私立病院、国際病院、日系クリニックでは、診察、検査、入院などの費用が高額になる可能性があります。

多くの私立医療機関ではクレジットカードを利用でき、海外旅行保険のキャッシュレス診療に対応しているところもあります。ただし、すべての病院や治療が対象になるわけではありません。

ベトナムの医療費を考える際は、診察代だけでなく、次の費用も想定する必要があります。

  • 検査や手術
  • 入院時の保証金
  • 救急車
  • 通訳
  • 日本や近隣国への緊急移送
  • 家族の渡航費
  • 日本への一時帰国と治療費

持病がある人、定期的な通院が必要な人、透析や高度な治療が必要な人は、移住を決める前に現地で対応可能かを確認しましょう。

ベトナム移住で必要な保険の選び方

ベトナム移住の保険は、「海外旅行保険と現地保険の両方へ必ず加入する」という意味ではありません。滞在期間、年齢、持病、希望する病院に対応できる保険を選ぶことが重要です。

保険を比較する際は、次の項目を確認しましょう。

  • 加入できる年齢の上限
  • 1回の渡航で補償される期間
  • 海外居住が補償対象になるか
  • 持病・既往症の扱い
  • 入院・手術の補償限度額
  • 緊急移送費用
  • 救援者費用
  • キャッシュレス診療
  • 日本語サポート
  • 保険を更新できる年齢
  • 帰国後の治療が対象になるか

シニア向け保険は、年齢が上がるにつれて保険料が高くなったり、加入・更新できなくなったりする可能性があります。現在加入できるかだけでなく、5年後、10年後も継続できるか確認しましょう。

外務省も、高額な医療費や緊急移送に対応できる特約を付けた海外旅行保険への加入を強く推奨しています。

ベトナム移住と年金の手続き

海外に住んでも日本の年金は受給できる

ベトナムへ移住しても、受給資格を満たしていれば、日本の老齢年金を海外で受給できます。
ただし、受給開始年齢になれば自動的に振り込まれるわけではありません。年金請求書や住所、受取口座などに関する書類を提出する必要があります。

海外の金融機関で年金を受け取るための手続きも用意されています。

海外在住中の国民年金は任意加入になる

日本から海外へ転出すると、原則として国民年金の強制加入対象ではなくなります。

ただし、日本国籍を持つ20歳以上65歳未満の人は、海外在住中も国民年金へ任意加入できます。

任意加入しない海外在住期間は、一定の条件のもとで年金の受給資格期間へ算入される「合算対象期間」になることがあります。ただし、その期間は保険料を納めていないため、年金額の計算には反映されません。

ベトナム移住と年金については、出国前に次の点を確認しましょう。

  • 年金の受給見込み額
  • 国民年金へ任意加入するか
  • 保険料の支払方法
  • 年金を受け取る金融機関
  • 海外住所の届出
  • 現況確認などの提出書類
  • 日本と海外の税務上の取り扱い

ベトナム移住と資産運用で注意したいこと

老後のベトナム移住では、生活費が安いかどうかだけでなく、資産をどの通貨で持ち、どのように取り崩すかも重要です。

すべての資産をベトナムドンへ交換すると、為替変動や現地制度の変更による影響を大きく受ける可能性があります。反対に、生活費をすべて日本円で管理すると、円安時に現地で使える金額が減ります。

ベトナム移住と資産運用を考える際は、資金をおおまかに次の3つへ分ける方法があります。

  1. 現地で1~2年以内に使う生活資金
  2. 医療や緊急帰国に備える予備資金
  3. 長期間の生活を支える中長期資産

短期間で使う生活費は値動きの小さい方法で確保し、長期資産については通貨や地域を分散して管理することが基本です。

また、海外転出後は、日本の銀行口座、証券口座、保険、投資商品の利用条件が変わることがあります。取り扱いは金融機関や商品によって異なるため、出国前に各社へ確認してください。

税金や相続、資産運用商品の選択については、海外居住者の対応経験がある税理士、ファイナンシャルプランナーなどへ相談することも検討しましょう。

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老後のベトナム移住に向けた準備

1.45日から90日の試験滞在をする

ベトナム移住の準備として、まずは45日から90日程度の試験滞在を行うのがおすすめです。

旅行ではなく生活者の視点で、次の点を確認しましょう。

  • 雨季と乾季の気候
  • 住居周辺の騒音
  • スーパーや飲食店までの距離
  • 病院までの移動時間
  • 道路を安全に横断できるか
  • 配車サービスを利用しやすいか
  • 日本語や英語が通じるか
  • 停電、断水、浸水のリスク
  • インターネット環境
  • 1カ月に実際にかかった生活費
  • 孤独や文化の違いを負担に感じないか

2.ビザとパスポートを確認する

査証免除を利用する場合、ベトナム入国時点でパスポートの有効期間が6カ月以上必要です。

パスポートの申請から交付までは、国内でも通常2週間程度かかるため、出発直前ではなく余裕を持って確認しましょう。

電子ビザを取得する場合は、ベトナム政府の公式サイトを利用し、広告サイトや代行業者を公式サイトと間違えないよう注意してください。

3.健康診断と予防接種を受ける

出国前に健康診断を受け、持病、歯科治療、定期検査などをできるだけ日本で済ませておきましょう。

外務省は、成人の長期滞在者について、A型肝炎、B型肝炎、破傷風、麻疹、狂犬病、日本脳炎、季節性インフルエンザ、腸チフスなどの予防接種を検討するよう案内しています。

必要な予防接種は、年齢、持病、滞在地域、生活スタイルによって異なります。渡航外来やかかりつけ医へ相談してください。

4.医療情報と薬を準備する

持病がある人は、次のものを用意しておくと安心です。

  • 病名と治療歴を記載した診療情報提供書
  • 服用している薬の一般名
  • 薬の英文証明
  • アレルギー情報
  • 緊急連絡先
  • 保険会社の連絡先
  • 受診予定の病院リスト

日本で処方された薬を持ち込む場合は、持込量や成分に制限がないか事前に確認しましょう。

5.日本側の手続きを確認する

海外へ生活拠点を移す場合は、次の手続きも必要です。

  • 住民票の海外転出届
  • 国民健康保険
  • 国民年金
  • 住民税・所得税
  • 銀行口座
  • 証券口座
  • クレジットカード
  • 民間保険
  • 郵便物の管理
  • 日本国内の緊急連絡先
  • 持ち家や賃貸住宅
  • 携帯電話や各種契約

住民票を抜けば必ず日本の税金がかからなくなるわけではありません。税務上の居住者・非居住者の判断は、住民票だけでなく、生活の本拠や滞在状況などをもとに判断されます。個別の状況は税務署や税理士へ確認してください。

6.日本へ戻る場合の計画も立てる

海外移住では「どう移住するか」だけでなく、「いつ、どのように日本へ戻るか」も考えておく必要があります。

  • 病気や介護が必要になった場合
  • 保険を更新できなくなった場合
  • ビザ制度が変わった場合
  • 為替や物価によって生活が難しくなった場合
  • 配偶者が亡くなった場合
  • 日本にいる家族の介護が必要になった場合

帰国用航空券、当面の住居費、医療費などを緊急資金として確保しておきましょう。

老後のベトナム移住が向いている人

ベトナムでのロングステイは、次のような人に向いています。

  • 暑さや東南アジアの気候に適応できる人
  • 日本との違いを楽しめる人
  • 現地の文化や習慣を尊重できる人
  • ビザの管理や定期的な出入国を負担に感じない人
  • 医療保険と緊急資金を準備できる人
  • 完全移住ではなく季節滞在を希望する人
  • 複数の国や都市を行き来する生活を楽しめる人

老後のベトナム移住を慎重に考えたほうがよい人

一方、次のような人は慎重に検討する必要があります。

  • 高度な医療や頻繁な通院が必要な人
  • 暑さや湿度に弱い人
  • 日本と同じ衛生環境やサービス品質を求める人
  • ビザの申請や出入国を避けたい人
  • 交通量や騒音が苦手な人
  • 為替や物価の変動に対応できる資金的余裕がない人
  • 海外で頼れる人がおらず、単身生活に不安がある人
  • 日本語だけで生活したい人

ベトナムの老後移住まとめ

ベトナムは、食事、気候、生活費、観光地へのアクセスなどの面で、老後のロングステイ先として魅力のある国です。一方、2026年7月時点では、年齢、年金収入、資産だけを条件とする一般的なリタイアメントビザは確認できません。査証免除での滞在は45日、電子ビザでも最長90日です。

そのため、退職後すぐに生活拠点を完全にベトナムへ移すよりも、日本に生活基盤を残しながら45日から90日の試験滞在を行い、自分に合う都市や生活スタイルを確認するのがおすすめです。

ベトナム移住の準備では、ビザだけでなく、老後の生活費、必要資金、医療費、保険、年金、資産運用、税金、日本へ帰国する場合の資金まで含めて検討しましょう。

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※本記事の制度・数値は2026年7月時点で確認した情報です。ビザ、入国条件、保険、年金、税制などは変更される可能性があります。実際の手続き前に、各国政府や関係機関の最新情報をご確認ください。

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